共著担当分

取材記録XXXX-JP:

対象: 吉田 晴美氏(43)(以降、吉田氏)

インタビュアー: 杉林研究員

補足: 吉田氏には事件の概要を事前に説明済みである。


<記録開始>

杉林研究員: それでは吉田さん、本日は心苦しいですがご協力をお願いします。

吉田氏: はい、よろしくお願いします。正直、まだ実感が無くて…。

杉林研究員: 心中お察しします。それでは取材を開始します。事件当日、山を散策する予定だったそうですが、どのようなルートを通る予定だったかお教え頂けますでしょうか。

[重要性の低さのため割愛]

杉林研究員: それでは、次の質問です。

吉田氏: あの…。

杉林研究員: どうしました?

吉田氏: 彼らを襲ったクマって、今どうなってるんです?捕まえたんですか?

杉林研究員: 現在、然るべき機関にて厳重に管理されています。

吉田氏: えっと、その、管理っていうのは…。

杉林研究員: まあ分かりやすく言えば調査の一環ですね。恐らく調査が終われば殺処分になるでしょう。

[吉田氏が3秒ほど沈黙]

杉林研究員: 吉田さん?

吉田氏: 殺処分?

杉林研究員: はい。なにせ人間を襲ってますからね。殺処分はほぼ確実です。

吉田氏: なんでそんな酷いことするんですか?

[杉林研究員が3秒ほど沈黙]

杉林研究員: はい?

吉田氏: しかも今だって閉じ込めて自由を奪ってる状態なんですよね?早く山に帰してあげてください。

杉林研究員: えっと、一応理由を聞いても宜しいですか?

吉田氏: 野生で暮らしてただけのクマが人間に捕えられて何が何だか分からないうちに殺処分だなんて余りにも可哀想じゃないですか。そんなことも分からないんですか?

杉林研究員: 正気ですか?貴方が会長を務めている団体のメンバー3人がそのクマに食い殺されて、5人は四肢が欠損する程の傷を負い、引っ掻き傷で済んでいる軽傷者も1人残らず感染症に罹っているんですよ?

吉田氏: だからと言って殺すのは人間の都合じゃないですか!しかも子熊を!残酷にも程があるでしょう!?

杉林研究員: 吉田さん、落ち着いてください。おい!鎮静剤を!

[吉田氏が机を叩きつけた後、杉林研究員に掴みかかる。吉田氏に鎮静剤を投与し、インタビューを強制終了]

<記録終了>


追記: インタビュー終了後、クラスC記憶処理を吉田氏に施し、SCP-XXXX-JPによる精神影響の経過を財団の監視下で観察中。

事案XXXX-JP: 2021/11/22、SCP-XXXX-JPのサイト-81██からサイト-81██への移送作業の際、SCP-XXXX-JPにより事案XXXX-JPが引き起こされました。以下、移送作業概要及びエージェント・鶴塚が所持していたカメラ映像の記録です。

移送作業概要: SCP-XXXX-JP回収現場直近のサイトであるサイト-81██から、SCP-XXXX-JPの異常性の詳細な調査及び影響の抑制の為、サイト-81██への移送を行う。移送開始時刻は10:00、予定時間は2時間12分。

作業人員: エージェント・鶴塚,エージェント・月本,機動部隊ふ-3("マタギ")隊員12名

補足: SCP-XXXX-JPは移送10分前に麻酔を用いて昏睡させており、麻酔効果の想定は6時間程。移送車両にはエージェント・鶴塚とエージェント・月本が搭乗し、両者には対抗ミームを接種させている。移送車両には武装済み及び対抗ミーム接種済みの機動部隊ふ-3("マタギ")が搭乗した装甲車2台が護衛しており、先頭から1号車、移送車両、2号車の順番で走行する。


<記録開始>

エージェント・鶴塚: これより、SCP-XXXX-JPの移送任務を開始します。機動部隊の方々、応答お願いします。どうぞ。

1号車無線: こちら1号車尾田班。2号車応答どうぞ。

2号車無線: 2号車細垣班です、どうぞ。

エージェント・鶴塚: 全車両確認。出発します。

[出発から24分経過。██山道にて先頭を走行中の1号車が停車し、クラクションを鳴らす。]

エージェント・鶴塚: 1号車、どうしました?

1号車無線: こちら1号車、進路を人が塞いでいて進めないです。横断幕を見るに環境保護団体かと思われますが…。

エージェント・鶴塚: 人?

[エージェント・鶴塚が降車し、前方を確認。「クマの殺処分を断固拒否する」と書かれた横断幕が山道を塞ぐ形で設置されており、20人ほどが横断幕周囲で抗議活動と思われる行為をしている。]

エージェント・月本: [舌打ち]、何処から情報が漏れたんだ。面倒ですね。鶴塚さんはいつでも出発できるよう運転席にいてください。私が対処します。

エージェント・鶴塚: 長引きそうなら機動部隊員を下ろして対処するよう指示してくれ。

[エージェント・鶴塚が再度乗車。エージェント・月本が降車し、団体と対話を開始。対話から5分後、エージェント・月本が無線を通じて1号車へ出動を指示。]

エージェント・鶴塚: ダメだったか。銃にビビって早急に引いてもらえるとありがたいが…。

[移送車両後部から車両を引っ掻くような異音と鳴き声が発生する。]

エージェント・鶴塚: な、もう起きたのか!?麻酔は6時間想定のはずだろう!?[無線起動音]月本!異常事態だ!SCP-XXXX-JPが覚醒した!1号車尾田班を即座に撤収させろ!

2号車無線: 1号車と移送車両応答願います!すぐに車両を出発させてください!

エージェント・鶴塚: 2号車どうした!

2号車無線: 来てます!クマが!

[エージェント・鶴塚がカメラを後ろに回す]

エージェント・鶴塚: おいおいマジかよ…。

IMG_3545.jpeg

カメラ記録最後の映像

<記録終了>


追記: 映像記録後、1号車、2号車、移送車両はメスのエゾヒグマ234個体の追跡を受けながら移送作業を続行、遂行しました。当事案によって機動部隊員4名の死亡、機動部隊員5名及びエージェント・月本の軽傷、1号車と移送車両の破損、2号車の損失などの被害を受けましたが、SCP-XXXX-JPを喪失する事態には至りませんでした。

移送車両を追跡したエゾヒグマは機動部隊員の武装によって64個体の殺処分が確認されました。回収が可能であったエゾヒグマの死骸を調査した所、全てSCP-XXXX-JPの寄生の影響を受けていたことが確認されています。このことから、SCP-XXXX-JPは影響を受けた対象の執着心を増幅させるタイミングを操作できる説が提言されています。移送車両を追跡した残りのエゾヒグマの行方は依然不明ですが、SCP-XXXX-JPの影響を受けているものと推測されており、現在も調査を続行しています。

移送作業の妨害をした団体は追跡中のエゾヒグマに全て殺害されており、後日詳細を調査したところ、森林保護団体「自由な森の会」の構成員であることが判明しています。当妨害について「自由な森の会」に問い合わせたところ、「そのような行為は認知していない」と回答しています。

追記XXXX-JP: SCP-XXXX-JPが齎した被害



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