笑いの裏側

反ミームに『対話部門』から通達ねぇ。何か悪いことしたっけな?」

エージェント・井戸田は対話部門の部屋へと通ずる廊下を思惑に耽りながら歩いていた。その足取りは反省や後悔といった重い感情とは程遠い軽さであり、実際そのカウボーイ・ハットを被る頭の中は新しい反ミームを絡めたギャグのネタ帳と化していた。

反ミームを絡めたギャグを考えているうちに井戸田は目的の部屋にたどり着く。井戸田はドアの向こうにいる人物にブッ放すギャグを頭の中で選びながらその扉を開けた。


飯尾唯は今日という日をこの上なく憂鬱な日であると感じていた。
『対話部門』から命令が飛んできたと思ったら対話の相手はあのエージェント・井戸田。『鬱陶しいギャグをすれ違いざまにブチかます』あのエージェント・井戸田である。
あまり人に苦手意識を持たない飯尾唯にとってエージェント・井戸田に対しては珍しく苦手意識が芽生えていた。一時はそのギャグをどう思いついているのか、なぜそんなに明るいのかといった頭の構造に惹かれたものの、話すにつれ段々とその鬱陶しさと喧しさが妙に耳に残り好奇心もあっという間に削がれてしまった。その掴み所のない性格と井戸田に対話が必要になった要因も含めて厄介な案件になるのは火を見るよりも明らかであった。

そして当の本人バカは扉を吹っ飛ばす勢いで入ってきた。

カウボーイ・ハットの男と目が合う。何度も目を合わせた経験があるがやっぱり喧しいやつだと飯尾は感じた。

「おいおいどうした?Euclidオブジェクトを見るような目で見やがって。忘れちまったか、俺だよ俺… 反ミームだよ!

あまりの迫力に飯尾は絶句する。いつ聞いてもこの若干甲高い声は耳に慣れない。

「反ミームね、小学校の頃音楽会である木管楽器を担当したんだ。でも音楽会当日それを忘れてしまったんだ。何故かって?反ミームは『オーボエ覚え無い』からね!反ミィィィーーーーーム!!!
「座ってください。」

「お前に小学校時代なんてあったのか」等突っ込みたい部分をギュッと押さえ込み、対話に集中する。

「ハァ〜、つれないねぇ飯尾ちゃん!そんな仏頂面なのは『命令』で来たからかい?」
「貴方には関係ないですよ。」
「強がっちゃってぇ!廊下ですれ違う時反ミームのこと嫌そうな顔で見てくるの知ってるんだよ?反ミーム、無視されるのは慣れてるけど無視するのはしないんだぜ?もうちょっとソフトに行こうぜソフトに!」

やはりこの男は苦手だ。共感性が無いからこそ他人の懐へズカズカと土足で入り込んで自分のペースへ持っていく。ペースを乱されてはならない。誰でも平等に接せよ飯尾唯。飯尾は改めて井戸田へ問いかけた。

「まあソフトに行くかは置いといて君に質問しますね。『最近何かありましたか?』」
「ぜーんぜん!何もないしオブジェクトの確保もいつも通りだし業務もいつもどーり!そんな形だけあつらえた質問はつまらないよ飯尾チャ〜ン?」

煽るように喋る井戸田に呆れつつイラつきながら再度質問する。

「じゃあ質問を変えようか。この前オブジェクトの収容違反の救援要請受けたね?」
「あぁ〜受けたね!あの任務は大変だったなぁ!」
「そのあと機動部隊の隊員とトラブル起こしたらしいじゃないか。一体何したんだい君?」

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