岸辺露伴は動かない -仲裁者-

「『仲直り現象』ォ?」

"岸辺露伴"は『カフェ・ドゥ・マゴ』のテーブルを挟んで編集者に問いかけた。

「はいィ。巷で噂になってるらしいんですよォ。漫画のネタになんかどうかなぁって思ったんですケド。」

編集者が胡散臭そうな雰囲気を漂わせながら露伴に確認を取ろうとする。

「あのなぁ、まだ内容も話してないのに『漫画のネタにィ』とか言うなよな。漫画のネタにするかしないかはコッチが決めるんだからな。お前の口から自分の知らない情報を聞くのは癪だが興味が湧いた。だからとっとと話せ。」

「はい、スミマセン。じゃあ話しますねェ。」

揚げ足を取って執拗に詰る岸辺露伴に対して、編集者は申し訳なさそうに話し始めた。



事の発端は、SNSへのある投稿からである。

「知らない内につい先日喧嘩した友人の家にいて、しかもそのあと無事仲直りが出来た。」といったような投稿である。一見すると疲れているのではないだろうかと感じる文面である。

SNSの情報の不確定さ故にその投稿に対して嘘をついていたり、犯罪ではないのかなどと言った反響が多く、この投稿はSNSの情報の底へと埋れていった。

しかし1週間後、その体験と似たような投稿がなされ、さらに友人と思しき人物が「隣に居た友人が不意にフラフラとし始めて目の前で消えてしまった。」といった投稿を行った。立て続けに「高校の時に別れた友人がいつのまにか家にいた」といったような投稿もなされた。

証人がいた事、前例がある事も相まってこの不可思議な現象は信憑性を増し始めた。警察もこの現象に手を出し始めたが、解明は出来なかった。

さらにまた1週間後、会社員によって同僚が同じように跡形もなく消えた旨が個人のブログに書かれ、その同僚が喧嘩別れした元カノと復縁した事が判明した。

この3つ目のブログを皮切りにその不可思議な現象は3件いずれもよりを戻していることから『仲直り現象』という名の都市伝説として広がりに広がった…。



「っていう奴なんですよォ。どうですか?ネタになりそうですかァ?」

若干期待を込めたような言い方で問う編集者に対して露伴は紅茶を飲んだ後に答える。

「ネタになるかならないかで言えば『ならない』ね。そもそも情報が少なすぎるしな。」

「そうですかァ…。」

編集者は残念そうに呟いた。

「だが興味が湧いたのは事実だ。一応取材はしてみたいな…。それにしてもなぜ君はそれを僕より先に知ってたんだい?これでもネットニュースは欠かさず見てるんだぜ。」

「だってこれ僕の出身の兵庫で起こったことなんですよォ。所謂ローカルニュースって奴っすねェ。母さんからのメールで自分もやっと知ったんですよォ。」

「そうかい。」

露伴は一言返事をすると席を立ち、カフェ・ドゥ・マゴから出て行った。



「確かここあたりの筈だが……。くそっ、ここまで来ておいてデマでしたとかいうオチは勘弁してくれよ。」

後日、露伴は兵庫県へと出向いていた。

編集者と話した後、露伴は自身を新聞記者と偽って3件目の現象の当事者にブログの持ち主を介してコンタクトを取ろうとしたのだ。そして交渉の末、アポを取ることに成功したのだ。

ERROR

The mC shrimp's portal does not exist.


エラー: mC shrimpのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:3691434 ( 18 Dec 2018 09:10 )
layoutsupporter.png
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License