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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの発生が確認された場合、SCP-XXX-JPに曝露した人物にクラスA記憶処理を施してください。また、SCP-XXX-JPの明確な収容方法及び発生要因は発見されていないため、これらの調査も行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは異常な人間の心理現象です。
SCP-XXX-JPは一定の扉を視認した場合に発生します。機械類を通してその扉を視認した場合には発生しません。
SCP-XXX-JPに曝露すると、曝露した人物(以下、曝露者と呼称)は自身の目線から扉を視認した際の「扉の裏側」に当たる部分に恐怖・忌避感・不信感といった負の感情を持ちます。曝露者が負の感情を持つ扉の位置は不定期に変化することが確認されています。
SCP-XXX-JPはDクラス職員寮内にて発生したDクラス職員の異常な言動及び証言により存在が発覚しました。現状ではSCP-XXX-JPはDクラス職員寮内のみで確認されていますが、民間でSCP-XXX-JPが確認されたか否かは判明していません。
補遺: SCP-XXX-JPの存在の発覚後、SCP-XXX-JPに曝露したDクラス職員が不審な実体を見たという報告を行ったため、インタビューを行ないました。以下、当時のインタビューの記録です。
対象: D-32415
インタビュアー: 新田研究員
付記: インタビュー開始時点でSCP-XXX-JPが確認されている扉はD-32415の部屋の扉であることが確認されている。
<記録開始>
新田研究員: 早速ですが質問に入らせていただきますね、D-32415。今朝部屋を出たときに何か妙なものを見たと言っていましたがどのようなものでしょうか。D-32415: 一瞬だが、影が見えたんだ。見間違えじゃない。
新田研究員: 影ですか。どのような影ですか?
D-32415: えぇーと…あれ?ど、どんな形だったっけ?あれ?
新田研究員: こちらの調査では扉の裏側に実体は確認されませんでした。D-32415: い、いや、マジにいたんだよあの扉の裏側に!影自体は見たんだ!
新田研究員: 見間違いでは無いのですね?
[D-32415が新田研究員の背後の扉の方を見つめる]
新田研究員: D-32415、どうしました?
D-32415: ……なあアンタ、[D-32415が部屋の扉を指で示す]あそこの扉ちょっと開けてくれないか?
新田研究員: [溜息]、D-32415、今日SCP-XXX-JPが確認されたのはあなたの部屋の扉です。この部屋の扉にSCP-XXX-JPは存在しません。少し神経質になっているのでは?
D-32415: い、いや、マジにあの扉の裏にさっき話した何かがいるような気がするんだって!本当だ!信じてくれ!
新田研究員: D-32415、落ち着いてください。もしそうだったとして扉の裏側には何もいないことはすでにあなたの部屋の扉で確認済みです。
[部屋の扉が開く。扉の外に人員がいる様子は確認できない。]
[9秒間の沈黙]
新田研究員: ……インタビューを終了します。
<記録終了>
備考: 監視カメラの映像では扉の前に人員は確認されず、扉が開いた要因は現状では不明。
このインタビュー後、インタビュー室の扉の指紋を採取した結果、D-32415と新田研究員の指紋が一致する手形の跡が合計22箇所発見されました。1
- portal:3691434 ( 18 Dec 2018 09:10 )

拝読しました。
オチを含めシンプルでストレートな不気味さは個人的に好みです。ただ、題材となっている「扉の裏側への恐怖感」はかなり一般的で共感性の高いモチーフだと感じるので、オリジナリティの部分で弱く思えてしまいました。シンプルな恐怖感を押し出すのであれば、その恐怖の対象は突飛なものであるほうがフックになりやすいかもしれません。