TEST_財団メシ:酩酊街の無い名物料理████

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目次
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1.

「嬢ちゃん、いらっしゃい。お通しの████置いとくよ。」
「すみません。お通しの……何ですか?」

耳で受け取った違和感に、カウンターに座る若い女性が小首を傾げる。客もまばらな夜半過ぎの居酒屋の店内で、聞き取れる音はそう多くない。それなのに、鉢巻きをキリリと締めた人の良さそうな大将の発した言葉は、まるで墨をこぼしたかのように聞き取ることができなかったのだ。

困ったような彼女の表情を見てとったのだろう。カウンター越しに彼女の眼の前へ、改めて小鉢を差し出して、それを指差した。

「████。今やここ酩酊街では名物の一品なんだけど、聞いたことないかい?」
「ええと、聞いたことないというか、そもそも聞き取れないんです。あと多分、見たこともないです。」

席に置かれた素焼きの小鉢には、ほわりほわりと湯気を出す、あたたかで透明なモノが入っていた。一見くず餅か何かに見えるが、もっと柔らかくて崩れやすいようだ。薬味の小ねぎと出汁醤油が掛けられていなければ、一目ではそれが食べ物なのかどうかも分からないだろう。そっとスプーンでつついてみれば、つついた分だけプニプニと震えた。

それを怪訝そうな顔で覗いていた大将の後ろから、女将さんのひそかなヤジが飛ぶ。バカだねあんた、ちゃんと説明しなさいよ、と。言われてのっそり起き上がった大将の顔は緩んでいて、いかにも照れくさそうな赤ら顔になっていた。

「あァ、すまんね。嬢ちゃん最近来た人だったか。コレは、人間から忘れられて久しい料理なんだ。だから、見た目も名前も、とうの昔に失われちまってんのさぁ。」

彼女は、ぽかん、とした表情を浮かべた後、少しはにかんでカウンターの上にしなだれかかった。まさか、こんな居酒屋で理の外のモノに出くわすとは。"私と同じで"なんだか縁だな。そんなことを考えていた。頬がほんのり染まるのも、目が優しくなったのも、この街の酒気に当てられたからだけではなさそうだ。

大将の笑い声が、ガハハと響いた。

「いやァ悪かったよ。嬢ちゃん、巫女服着込んで、白襦袢も羽織っているだろ? いかにも古い文化に通じてるって風体だったもんだから、つい説明を省いちまったよ。堪忍な、狐耳の嬢ちゃん。」

ピコンと、その頭頂部にある2つの突起が揺れる。それは濡れ羽色の黒髪でできた狐耳?のような部分だが、単に自然とその形にまとまっているだけらしく、それなのに当人の意思でピコピコ動いた。のそりと、彼女が顔を上げる。

「嬢ちゃんじゃないですよ。私は、御先 稲荷おさき とうがです。まあ、この羽織物も襦袢じゃなくて白衣というものですし、ホントに巫女やってたかも怪しいですけれどね。あいにく良く覚えていないんですが……」





「それでは、いただきます。」

温かい小鉢を目の前に、まずは合掌。卓上に多量に備えられている割り箸 (酩酊の街にも、割り箸はある。失せ物の最たる例だそうだ) を手に取り、パキリと一音。綺麗に割れた断面を見ると、これだけで気分が澄み渡るというものである。

小鉢をゆっくり覗き込んでみる。ほわりと浮かぶ湯気の中に、透き通るような透明が静かに御先の瞳を見つめ返していた。

「これがかの……ん? えー……」「████」「そう、█████。……言えてます?」「おしい! 1音多かった。」「ええ……そうなんですか。」

じっと、小鉢を手に見つめてみる。そうしているうち、ふと、御先は小鉢を耳元……否、頭頂部の狐耳の方へと押し当てた。大将が怪訝な顔で見ているが、御先は落ち着いた表情で、静かに目をつむる。何故だかは分からないが、こうすると心地が良く、不思議と耳にしたモノの声が聞こえる気がした。"静聴"という単語が心の奥に浮かんで、消える。

「……不思議な音。」

ぷちぷちと、泡がはじけるような音。海の中で聞く浅瀬の泡の音みたいだ。それは言葉ではなかったけれど、どこか懐かしく、多くのモノが集まり、奏で合う音の集合のようにも感じられた。

目を開き、小鉢をカウンターに下す。目の前の丸っこい透明は、かつて名があり、そこそこ世に知れた酒の友だったのだろうか。それは忘れ去られてしまったとしても、長い歴史を経て、私の手の内に収まりに来てくれた。そのことに一抹の嬉しさを覚えながら、御先は改めて割り箸をその表面に突き立てた。

「いざ。」

箸先を、████に沈めてみる。ふるりと震えた柔らかな身は、抵抗もなく箸を通して分かれていく。くし形切りに切り取ってみれば、意外に染み出す汁は少ない。████自体が、出汁や水分を蓄えているのかもしれないな、と思えた。

持ち上げた欠片は、透明で澄んでいる。ともすれば持っていることを忘れてしまうくらい、目に見えないものだった。何も映さず、何も反射せず、ただ箸先にとどまっている。御先はなんだかそれがいじらしく思えて、一息にパクッと口の中に放り込んだ。

口にしたとたん、芳醇な香りがたっぷりと湯気と共に立ち上る。温かさの中に、鰹と昆布の物であろう香気とうま味が濃縮されているようだ。味自体は淡泊であるのに、少し塩味がぴりりと聞いていて、安心感のある味わい。しまいに薬味の小ネギが味わいの上へと爽やかに振りかけられていて、そのみずみずしい香りが何とも穏やかな気持ちにさせてくれる。

これは

「……美味しい。きっと、お酒に合いますね。」
「そうだろう? ほら、日本酒、お冷。」
「ありがとうございます、ぜひ頂きます。」
「しっかし、これが外の世界で忘れられたのは、酒飲みの損失だぁなぁ。まあ、おかげでこの街では食べられるんだがね。それだけは俺らに遺された小さな幸いだな。」
「そうですね……これ、本当に忘れられちゃったんですよね? こんなに美味しいのに、何故なんでしょう。」

御先は酒を一口飲み干して官能的なため息をついた後、不思議、とでも言いたそうに小首を傾げた。それを見て、大将は大げさに肩をすくめて見せる。

「わからんね。忘れられ方にも、ドラマチックなのと、そうじゃないのの両方がある。この街に来たどんなモノも、誰がどうして忘れちまったのかは、誰にも分からないものさ。」
「そうなん……ですね。」

御先は視線を落とす。本当に美味しく、舌を温め、お酒と溶け合って体を満たしてくれる料理。さぞ酒飲みの親友だったろうに、今では酩酊の街に沈んでいる。どんなに愛されたものでも、忘れられれば、結局たどり着くところはココなのだ。

自分は、愛されていたのだろうか。ふと、そんな疑問が頭をよぎる。御先はこの街に来るまでの記憶がない。雪の降る夜道を、一人で、巫女服に白衣を重ねて、ひたすらに歩いてきた。それまで大切に着てきたものなら、そこに何か大切な、愛するモノ、愛されるモノがあったのかもしれないけれど。今の自分には、そうだったかもしれないな、と頬を染め、あるいは濡らして、こうやって酒を飲んで管を巻くしかない。

この████も、きっと同じ。何かを失って私のところに来たんだろうな。そう思い、御先は愛おしむように、一口、また一口と、それを突いては口にして味わっていった。塩気が、少し強く感じられた。


2.

カランコロン。小気味の良い鳴子の音が、店の引き戸から響きわたる。新しい客を知らせる音だ。大将の「いらっしゃーぃ」という景気の良い大声が店内に反響した。

「えと……ここって、どこなんでしょうか。」

若い女性の声。████の小鉢を空にしてごちそうさまを呟いた御先は、同じ年の頃の娘の声に思わず振り向いた。忘れられたモノの行きつく街は、どうしたって老いさらばえた老人が多い。自分みたいな若い娘は珍しいなと思った。

入り口には、明るい白熱球に照らされた、灰色のスーツに身を包んだ女性がいる。何より目を引いたのは、彼女の白銀の髪だ。美しい白がきらりと光って、まるでこの街に降りしきる雪のように綺麗だった。肌も色白で、全体に白っぽい彼女は、パンツスーツを着こなした雪女か何かかと見まがうばかりだった。実際、彼女は入り口でおどおどしてはいたが、その眼光は鋭く、少し冷たさを覚えるものだった。

「嬢ちゃん、名前は憶えてる?」
「えっと……雨霧。あめに、きりに、かおりと書いて、雨霧 霧香あまぎり きりかと言います。」
「うんうん。職業、所属は?」
「それは……」

静寂が店内を包む。雨霧は、唇をキッと結んだまま、足元を見て動かない。思い出せないのだろうな、と、同じ経験をした御先は自然に理解した。彼女は泣きだしそうにも、泣くのを必死にこらえているようにも見える。その姿は、弱りながらもけして抵抗を止めない小動物を思い起こさせた。御先の胸が、チクリと痛む。

大将が、すいと厨房から顔を出した。

「嬢ちゃん、大丈夫。おじさんたちはみんな同じ経験をしている。ココは酩酊街、忘れられてしまったモノが流れ着く不思議な場所なんだ。何も覚えてなくたって、構わないよ。」

おあがり、何か温かいものを上げよう。そう言って、大将は御先の隣の席を指さす。ピーンと、御先の狐耳の方の耳が立ち上がった。

「ちょ……私、対処してあげられませんよ?」
「まあまあ、若い子同士、仲良くしてやってよ。案外、元は同じところから来てたりするかもよ?」

そんなこと言っても……とブツクサ文句を垂れる御先の横の席に、ちょこんと雨霧が腰掛けた。「すみません……よろしくお願いします」か細い声でそう言われては、御先も引っ込みがつかない。お酒の入ったおちょこを傾けて、優しく話しかけることにした。

「大変だったでしょう、えっと、雨霧さん。私は御先って言います。私も、貴女と同じく、気づいたらこの街に来ていたの。」
「御先さんも、ですか。では……由来、と言いますか、自分が何者だったのかも。」
「ええ、覚えていません。だからこうして、美味しいもの食べて、お酒を呑んで……ということで紛らわせることしか、できなくって。えっと、お酒飲む?」

歳の近い娘同士で少し緊張がほぐれたのか、雨霧は小さく笑った。

「実は私、お酒は苦手で……カルーアミルク、みたいなのってありますか?」
「どうでしょう……この街、和風ですからね。大将ー?」
「俺の店にはあるぜ。チョコシロップ入りで良ければ。」
「あ。あるんだ。」

ことりと、カウンターの上に湯気を立てるマグが置かれた。中には温められた飲み物がたっぷりと注がれている。それを受け取ると、雨霧の表情がほわ、とゆるんだ。

「ありがとうございます。甘いのは、確か好きだった気がします。いただきます。」

かんぱい。2人の小さな声と、おちょことマグが重なる音が響く。静かで、温かいものが、2人の身体を流れていくのが感じられた。





「ぷは、おいしいです。」

少しだけ酔ったのか、ふにゃ、と笑う雨霧をみて、御先は優しい目を向けていた。右も左も分からない雪の街の中で、こんなに愛らしく笑う娘に出会えるとは。見た目も髪色も真逆の彼女も、なんだか妹分のように感じ始めていた。

「雨霧さん。こんな雪の中、一人で歩いてきて辛かったでしょう。私も経験したからわかるけど。自分が何者かも、何故歩いているのかも思い出せないのに、こんこんと雪が降り積もって、足跡さえも消えていくのを見るのは……本当に辛いから。」
「ええ……でも、実を言うと、一人では無かったんです。確かに、自分が消えていく感覚も、この街が見えて身体から力が抜けていく感覚も、鮮明に思い出すことができますが。この子がいてくれたからこそ、ここまでたどり着けたかもしれません。」

そう言って、雨霧はジャケットの胸ポケットをぽんと叩いた。まさか、あの子は今も胸の中で生きている系? 身構える御先の目の前に、しかし意外なものが現れる。もぞ、とポケットが揺れて、小さなモノが顔を出したのだ。

「えーっと……水色の、ぬいぐるみ?」
『んん……雨霧さん、着きました?』
「喋った!? いや、違いますね。音じゃなくて、テレパシー?」

混乱する御先の前に、ぽてりと青っぽい小さな生命体が降り立った。身長はわずか20cmほどしかなく、滑らかで空色の体に、耳っぽい突起が2つと、つぶらな目が1対ついている。はた目にはぬいぐるみにしか見えない愛らしい小動物だが。しかし、それはぽてぽて手を一生懸命振って動いていて、あまつさえ口らしいものも無いのに、テレパシーで澄んだ少年のような声を送り付けて来ていた。

『あ、波長合いました。お初にお目にかかります。私は"しぃ"と言います。皆さんと違ってお口が無いので、テレパスで失礼します。』
「は、初めまして、しぃさん。御先と言います。その、だいぶ人間らしからぬと言いますか。」
『そうなんですよ、こういう種族の生き物だと思ってもらえればです。具体的に何の種族なのかは……すみません、私にもちょっと覚えがなくって……』

御先のまん丸になった目と、しぃのつぶらな小さな目が見つめ合う。しばしの静寂。それを見て、雨霧はわずかに口元をほころばせた。

「ね、御先さん。私も、しぃさんも、名前以外みんな忘れちゃったんです。でも、気づいたら、しぃさんは私の胸ポケットに入ってて。これって、元の世界では、近しい存在、少なくとも同じ職場くらいの関係にはあったと、そう思いませんか?」

そう呟く声を耳にして、御先は雨霧を見た。その瞳は、御先の方を見ていない。どちらかといえば、御先にはその言葉は自身に向けて言い聞かせているように聞こえた。まだ、元の世界につながる手掛かりがあるのだと。失くしていないものもあるのだと。そう主張しているように。

気持ちはわかる、わかるけれど……。御先は臍をかむような気持ちで、雨霧に問いかける。

「雨霧さん。あまり、この街で、元の世界の痕跡を求めない方が、いいかもしれません。きっとつらくなる。だって、誰も確かめようがないから。貴方も。」

ちらと、御先は雨霧の瞳を盗み見た。お酒に濁らず、澄んでいて、少し伏し目がちな瞳。本当は彼女も、分かっているのかもしれない。彼女の表情は静かで、真剣なように見えた。この場の誰よりも。

キッと、雨霧の瞳が御先を睨みつける。それがまるで冷たいメスを突き入れられたように感じられて、御先は思わず目を見張った。

「御先さん。それって余りにも……余りにも、薄情じゃありませんか。」
「は。……いえ、私は、ほんのわずかな先輩として、貴女に」
「私は。私は、痕跡すら残せなかった自分が、許せないんです。」

さらりと、雨霧が透き通る白い髪をかき上げる。その手の中に、涼やかな空色の髪飾りが収まっていた。

「大切な人が、私にも居た気がするんです。気づいた時には身に着けていた、この髪飾りが、見るたび私の心を締め付けるから。でも……」

力なく、雨霧の手が、カウンターの上に落とされる。

「でも、もう泣くことも、できなくなってしまったんです。とてつもなく悲しくて、寂しい気持ちにはなるのに。何に泣けばいいのか、私はもう忘れてしまった。そのことが、失くしたあの人への気持ちが、無くなってしまった想いが、私は許せないんです。私は……私は、本当に無くなってしまって、良い存在だったんでしょうか?」
「それは」

無くなって良い存在なんて、ない。そう言おうとした御先の口は、数度開いたり閉じたりした後、力なく閉じられた。自分だって、忘れられた、あちらの世界では無くなってしまった存在だ。どうしてそう言い切れるだろうか。

目尻に涙を浮かべて黙りこくる雨霧を見て、御先は所在なさげに、自分に目を向けた。「大切な人が居た気がする」それは、御先にも言えることだった。

狐耳の方で何もない虚空で耳を澄ますと、頭の中に湧き上がってくるイメージがある。狐面の男の人。紅いイヤリングを付けた子。……巫女服に羽織った、男物の、大柄な白衣。

「私も、これを返せないでいるんです。」

口をついて漏らしたのは、御先の方だった。雨霧が驚いた表情をして顔を上げると、御先の方が断然驚いた顔で固まっていた。呆然と、どうして、そうだっけ、と、うわごとのように呟いて。自分がそう言った事実を、信じられないという風だった。

雨霧は、いつもの冷静な表情に戻る。その表情に、少しの寂しさと、優しさがにじんでいたのは、気づける人が見ないと分からなかっただろう。この街には、そのような人はいない。

「御先さん。……貴女の、その白衣。小柄な貴女には似つかわしくないと思っていました。誰かから、借りた物だったんですね?」

そう言われて、御先はようやく納得したようだ。静かに、こくりと頷いた。

「私も、少しだけ思い出しました。この白衣、借り物なんです。ずっと借りっぱなしで、返さないといけない、はずだったのに。……私が去る、そう、私から去った日まで、結局最後まで返せずに、ここまで持ってきてしまいました。……今となってはもう、返す相手も、思い出せませんが。」

そう言って、御先はうつむいた。御先の豊かな黒髪に隠れて、その表情を雨霧が伺うことはできなかったけれど。雨霧には、御先がどんな表情をしているのか、なぜか手に取るようにわかる気がした。忘れ行くことの寂しさも、残してきた世界から無くなってしまう怖さも、雨霧には痛いほど分かったからだ。

雨霧は、カウンターの下で、そっと御先の手を握った。触った瞬間少し震えたけれど、それもすぐ止み、手と手が温かく重ねられた。

しぃが箸置きの陰から、2人をそっと見つめている。その背後の窓には、しんしんと新雪が降り積もり続けていた。


3.

「……お通し、冷めちゃいますから。食べて下さい、雨霧さん。」

しばらくして。顔を上げないまま、御先はそう呟いた。雨霧は手を重ねたまま、困ったように辺りを見渡す。カウンターに目を向けると、しぃが何やらパタパタ動いている。どうやら大将とだけ、テレパスで会話していたものらしい。そちらを見れば、大将の心配そうな視線と目が合った。事情を察してくれていたようで、赤ら顔が黙って頷く。こういう時、テレパスは便利だと雨霧は思う。

やがて、言葉もなく、ことりと小鉢が運ばれてくる。それを受け取ったしぃが、よちよちとカウンターの上に置くと、中には████がほわほわ暖かな湯気をたたえて待っていた。

「えっと……それじゃあ、いただきます。」

そっと、雨霧が手を放して、割り箸を手に合掌する。小さじを貰ったしぃと一緒に████をすくって口にしてみる。途端に、塩気のある温かさと、和出汁の優しい香りが身体を通り抜けていった。おいしい。ほぅ、と雨霧が嘆息したのを聞いてか、御先は顔を見せないままカウンターの上に沈んだ。

「ほらよ、御先ちゃん。大将サービスだから、もう一杯食べな。」

そういう声が聞こえて、ごとりともう一つの小鉢が御先の狐耳のすぐそばに置かれる。そっと雨霧が覗き込んでみれば、出汁醤油に小ネギの他に、ゴマも振りかけられている限定仕様のようだった。

うー、と呻くような声がして、のっそりと御先が起き上がる。その顔は泣いてこそいないものの、目は少し赤く、頬はだいぶ赤く染まっていた。酔いなのか、うっ血なのか、はたまた別の要因か。どちらにせよ、雨霧としぃはそちらの方が心配に感じられた。特にしぃは、不思議と感覚で、泣いていない時の方が危ないことを察知していた。

「いただきます……」

力ない声を上げて、狐耳をへにゃへにゃに歪めて、████に箸を沈める。最初は乗り気でないのか、いじいじと、薬味を散らしていたけれど。やがて覚悟を決めたのか、パクリと一口嚙み締めた。

████には、何も残っていない。この街に来る前に食べられるはずもなければ、そこに思い出が宿るはずもない。そんな透明な、純粋な味と温もりしかない料理なのに。どうしてこんなに優しさを感じるのだろうか。御先を目で追いながら、一口を味わう雨霧は思った。味がするのは、噛み締めている私の口の方かもしれない。あるはずも無い自分の中の何かを重ねて、メシごと味わって。皮肉だな、と思った。こんなにも、何も無くなった存在だというのに。

少し感傷に浸って横を見て、雨霧は絶句してしまった。黙々と食べていたはずの御先が、その大きな瞳を潤ませて、ボロボロと泣いていたから。食べる速度は緩めない。むしろ縋りつくように、むしゃりぱくりと、プレーンな████を食べ続けている。彼女の箸は止まらず、次いで嗚咽としゃくりあげるようなすすり泣く声も止まらなかった。

おろおろと、御先の背に手を添えようと手を伸ばす。その雨霧の手の上に、ぽむっと、しぃが飛び乗った。ふるふると、黙って首を振るジェスチャー。泣かせておけと、言うのだろうか。温かくて静かな店内で、奇妙な食べ合わせが巻き起こる。とりあえず、雨霧は自分の小鉢を味わうのに専念することにした。

御先はその後、完食するまで泣き続けた。





かちゃりと箸を置いて、御先は静かに手を合わせた。その痛ましい表情に、雨霧もしぃも、何も言えず、ただ黙って同じように手を合わせた。何かを弔い慰めるみたいだなと、ちらり雨霧は感じた。

「私たち、無くなってしまいましたね。」

どきりと、心臓が跳ねる。いきなり殴りつけられたような気がして、雨霧は御先を見た。先ほど、自分を慰めてくれた姿はどこへやら。俯いて、枯れた涙の痕を頬に付けて。ただ静かに、まるでそこに誰もいないかのように、御先は口を動かし続けていた。

「私にも、愛された経験がありました、たぶん。でも、その証も、無くなってしまった。あちらの世界からは消されてしまって、今や流されるままの根なし草です。いずれ忘れ去られて、元の形が残ることも無い。」

御先は、静かに、上を向いて問いかけた。

「私たちは、無駄だったんでしょうか?」

重く、冷たい沈黙が辺りに降りる。今度は雨霧が、しぃが静寂を破ろうと、口を動かそうとした。それでも、御先の姿を見ると、できなかった。どこか天の上の方を見て、泣き腫らした目で静かに何かを聴こうとしている。2人には、御先が宙の上のナニの声を聞き取ろうとしているのか、さっぱり分からなかった。それでも、その問いは3人にとって、何かとても致命的なものに感じられた。

カラカラに乾いた空の口が、何の言葉も物語も紡げない。違う、そうじゃない、そう言いたい気持ちも、自分が今や消えて無くなりゆく酩酊の民であると思うと、口に出せずに。ただ、口だけがパクパクと喘いで……。

その御先と雨霧の口に、湯気を立てるおかわり████が突っ込まれた。(しぃは口が無いので助かった。)

「~~~~~っ!」
「すまんな、俺の店で過度に自分を卑下しないでくれ。」

怒っているようで、心配しているようで、やっぱりどっちか分からない、大将の赤ら顔がカウンターから突き出された。御先と雨霧は悶絶して椅子の上でジタバタしている。あわわ、としぃが大将を見つめてテレパスで問いただしてみれば「安心せい、火傷はしない温度だ。職人だからそれくらいできる」とのこと。『荒治療だよう……』と念を送るが、届いたか届いていないか大将は素知らぬ顔をして見せた。

やがて、御先と雨霧は涙目で████を嚥下し終える。いつの間にか目の前に配膳されていた一杯の清水をあおり、ようやく2人は息を付いた。熱さと息苦しさのためだろう、元から色白の2人の顔はほんのり桜色に染まっていた。

おほん、と大将の咳払いが響く。

「まあちょっと、おじさんの話も聞いとくれ。おじさんもこう見えて、"忘れられたモノ"の端くれだからよ。」

ギョロリと、大将のまん丸の目がひん剥かれる。3人は、ただ黙って頷いた。

「まず、この街のほとんどの人は、嬢ちゃんたちと同じく、出自の一切を忘れてる。中には、大切な人を遺してきたヤツも居るだろう。愛された経験を遺してきたヤツも居るだろう。その上で、消えて忘れられちまったってのは、皆も同じ状況でさぁ。」

大将は、赤ら顔をより赤くして、遠くを見つめる。

「嬢ちゃんたちだけじゃない。多くの、本当に多くのモノたちが、この街道を通り過ぎてった。それは人であったり、物であったり、神仏妖怪の類であったり、何かのキャラクターであったり、千差万別さ。だが、皆に共通してんのは、酩酊街には"どっかから来た"ってことよ。"忘れられる"ってのは"以前はそこに居た"ってことだ。その事実だけはどんなになっても消えやしねえ。」

大将は、ぐるりと、御先を、雨霧を、しぃを見た。

「失くしたからと言って、そこに居たことが無くなるワケではねぇ。その事実が歴史の層の中に挟まってんなら、少なくとも奴らは無駄じゃなかったってことなんじゃないかね。」
「でも……過去があったって、無意味でしょう。私を愛してくれたであろう人は、私のことを忘れてしまったんですよ?」

御先の鋭い声に、雨霧は身を震わせた。同じことは、雨霧も考えていたからだ。その怒りにも似た鬼火のような眼光を、しかし大将は黙って受け入れて、なおも口を開いた。

「無意味なもんか。あんたら、████、美味しかったかい?」
「は、え、ええ。美味しかったです。」
「そうだろうよ。して、あれの名前、憶えられたか?」
「えーっと……██……いえ、ごめんなさい。忘れてしまいました。」
「そうだろうなあ。あれはそもそも忘れられたメシだから、当然っちゃ当然なんだが……」

大将は、カウンターに肘をついて、全員の目を見た。

「な? 分かりやすい例だろう。メシは、食ったら当然無くなっちまう。それが何だったのか、普通でも3日もすりゃ忘れちまうだろうさ。だがな、腹はその時確かに満たされた、幸せの刻があった筈なんよ。そしてその満たされた経験は、未来のその人の産み出すナニカを彩ってくれる筈なんだ。そのメシがもう無くなったからって、けして無駄なんかじゃないし、後悔する奴なんぞ、おらんだろ?」

御先も毒気を抜かれたのか、しゅんとなって上げかけた腰を椅子に下す。雨霧もそれは同じだった。あの時優しく受け入れてくれて、黙って身体を温めてくれた████のおかげで、この酩酊街で今、3人並んで食卓を囲めているのだから。

「メシだけじゃない。全部そうなんよ。長い歴史の中で、雪みたいに降り積もる。積もったそばから見えなくなる。その上に、また人が立つ。」

そんな3人を見て、大将はニカッと笑顔を浮かべた。

「楽しみ、慈しみ、忘れてなお好しとするのが酩酊街の道理よ。愛を込めるのは、失くした後でも遅くはないさね。」

静寂に包まれる。雪の降り積もるかすかな音だけが、店内を支配して。でも、その静けさの中に、もう先ほどまでの、泣き出したくなるような刺々しい雰囲気は残されていなかった。皆、ほわりと湯気立てる、あの透明な████を思い出していた。酩酊街に来る。そのことに付きまとうどんな葛藤も、あの料理は経験して包み込んでくれるように思えたからだ。

パンパンと、手の叩く音が厨房から鳴り響いた。

「はいはい、終わり終わり! 湿っぽいのは止めにして、お酒でも飲んでくれ! 嬢ちゃんたちお代は良いから、今日はたらふく吞んできな!」
「え、いいんですか?」

声を上げた御先の前に、いつの間に用意していたのか、満タンの徳利が置かれる。

「もちろんよ。酩酊街に、これ以上の、これ以外の娯楽は無いからなぁ!」

そこからは、本当に矢継ぎ早に酒が振る舞われた。御先には日本酒の熱燗が。雨霧にはカルーアミルクのお代わりが。しぃには……飲酒許容量というものが分からなかったので、とりあえずのホットチョコと、店の奥の棚に眠っていた金平糖の小瓶が差し出された。先ほどまでの湿っぽい空気をしめやかに発散させるように、めいめい酩酊のお味を楽しんでいく。

「あぁそうそう。失せモノ、無くしモノ、酩酊の民になるのだって、悪いことばかりじゃないぞお。」

若い子の飲みっぷりに気を良くした大将がぼやいたのは、その頃だった。

「あら、どうしてそんなことが分かるんですかぁ?」

ぽわんと瞳を蕩けさせた御先に、大将が声を潜めて答える。

「いやね。酩酊街に来るヤツにも色々いて、たまに前向きなヤツも居るのよ。この前来た"骨折博士"を名乗る、たぶん学者かなんかの先生もそうでなあ。」
「骨折、なんて、変わった名前ですね。あ、御先さんもそうか。」
『その方、やっぱり一人で来たんですよね? 不安じゃなかったんでしょうか。』

うーん、と大将はうなりを上げた。

「不安は不安だと見えたんだがね、最初は。青い顔でこの店に来たのに、ここがどういう場所か説明したら、急に落ち着いてな。酒をちびちびと飲んだ後、店を出てそれっきりよ。」

だが。大将はそう言って少し苦笑いした。

「別れ際にな、あんまり雪道をすたすた進むもんだから、『こっちに来て嫌と思わないのか』と聞いてみたのよ。そしたら、振り返って、『妻に会えるかもしれないんです』と言うんだ。笑ってたのが、印象的だったな。彼とは、それきりだったがね。」

そこまで言い切って。大将はグラス拭きの作業に手を戻した。ふーん……とめいめい気のない返事を返す3人だったが、その実、皆は話に出ていた骨折を少し羨ましく感じていた。忘れられて、忘れられたことで、酩酊の街で何かを見つけることができる。そんな余生じみた展開があったなら、それは幸せなことのように思えた。

この、忘却と停滞の街に居たからって、万事が何も無い訳じゃない。語る者も読む者もいないだけで、今日も何かを目指して歩き続けているのかもしれない。彼も、自分たちも。

そう思うと、今の境遇も悪くない。成ってしまったことは悲しくとも、少なくとも絶えてしまった訳ではない。そう感じて、少し、胸がすくような気持ちがした。無いなら無いなりに、無い人生を歩んでいけそうだ。

御先と雨霧の、目が合う。ふっと表情が緩んで、おちょことマグが持ち上げられた。それに気づいたしぃが、真下をちょこちょこと駆け回り、唯一硬そうな金平糖を2人の方へ掲げた。

「かんぱい」

再び、盃がぶつけられる。笑い声が、自然と重なりあう。音と音は響き合って、暖かな居酒屋の静寂の上に、楽し気な旋律を奏で立てた。


4.

「ごちそうさまぁ」

ガラリと引き戸を開けると、冷たい雪夜の風が店の中に吹き込んでくる。温かい言葉を投げかけてくれた、大将のお店を冷やすわけにはいかない。早々に戸を閉めると、辺りは本当に雪を踏む音しか聴こえなくなった。ふぅ、と2人分の白い息が天に立ち上る。御先と雨霧 (+ポケットのしぃ) は、お互いに顔を見合わせた。見つめ合う2人の頬は染まり、目は赤く潤んでいる。飲み過ぎたね、とどちらともなく言葉がこぼれて、小さく笑いが広がった。

お酒と████で火照った体に、雪の静けさは本当に身に染みる。気づけば、御先と雨霧は、冷えた手を温め合うように重ね合わせていた。

「御先さん。」
「んー?」
「これから……どこに、行きましょうか。」

雨霧を見る。その顔に、初めて会った時の悲嘆と焦燥は見えなくって。ただほわりと、降りしきる雪の来る方を、静かに眺めているだけだった。

ふっと、御先の口元にも笑みが灯る。

「どこにも。霧香ちゃんが居たいなら、一緒の場所に。」

どうせ、どこまで行っても酩酊街だからね。そう呟いて、雪の降り積もる地平を見た。見渡す限り一面、忘却に埋もれた白い世界。こんな風景の中に、2人+1で立っているのも、確かに不安を覚えるというものだけど。酔った頭で、そう感じていた時。

一陣の風が、3人を襲った。酒の匂いではなく、もっと濃くて重たい匂い。2人が顔をしかめたのが、それがガソリンの匂いだったからだ。

「ぅぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおぉおおおぉおおお!!!!!」

野太い野郎の声が、はるか彼方から聞こえてくる。かと思うと、ドップラー効果を伴う甲高い奇声を上げて、ぐんぐんと迫ってきた。バイクだ。和風の酩酊街にめちゃくちゃ似つかわしくない、ごっついオートバイが金属の煌めきを身にまとって地平線からやって来た。その上には、フルフェイスの恐らく男が跨っていた。

男は、進路上に若い女性陣が立っているのに気づいているのだろうか? もう彼の全身もはっきり見えるというのに、一向にスピードを緩める気配がない。キュッと、2人の握りあう手の力が強められた時。男のバイクが唐突に傾き、まるで倒れるように膝を擦り付けながら、爆音と共に雪を蹴散らして煙幕を作った。

音が唐突に止む。

「え、死にました?」

雨霧の密やかな声と裏腹に、舞い上がる雪が掻き消えた後には、ぜいはあと肩で息をするフルフェイス男がバイクを一時止めて立っていた。エンジンからは、もうもうと排ガスが巻き上げられ、綺麗な雪をべたべたと溶かし続けている。

「ひゅう! 3,438週目ラップ! ひゃあほおおおおおおおおう!!! 俺はスピードだああああああ!!!!!」

かと思うと、男は大地を蹴り上げ、ひらりとバイクを立て直すと、そのまま風のように消えてしまった。地平線の辺りに豆粒のように見えた背中も、やがて見えなくなる。辺りは、何事もなかったかのように、しんしんと降り積もる雪景色に戻っていた。

『……なにやら騒々しい方でしたね。テレパスとかで呼びかけてはみたんですが。』
「あ、しぃさん。何か言っていました?」

しぃは、ポケットの中から雨霧をつぶらな瞳で見つめ返した。

『彼、思考の中で"スピード"とだけ繰り返してました。控え目に言いますと、スピード狂ですね。』
「はあ……。」
「あ、一回だけ、名前が思考に上がりましたよ。"俺は神速のエージェント・速水だ"、ですって。』

エージェント? どこかで聞き覚えのあるような呼び名だが……。御先も雨霧も、それ以上の答えは出ず、お互い首を傾げるばかりだった。

ガラリと、後ろで引き戸が開く。

「あ、速水さんまた来た? うるさかったでしょ。」
「大将。その速水って方、いつもあの調子なんですか?」

御先が振り向いて問いかけると、大将はわざとらしく肩をすくめて見せた。

「いつもどころか、最初にこの街に彼が現れてから、ずっとこの調子さ。いやね、最初は俺もちゃんと説明したのよ? 忘れられてココに来たんだよ、とか、仲良く酒でも飲んで酩酊しようじゃないか、とか。」
「そしたら?」
「彼ね、まず酒は断るんだ。"俺を酔わせられるのは、スピードだけだ"とか。まあ後は普通に"飲酒運転になる"とも言ってたが。意味不明だろう?」
「ええ、確かに……。」

大将が、のそりと顔を地平に向けた。夜の白い雪原に、まだあの重厚なバイクの音が反響しているような気がする。

「彼はね、周回し続けているんだとさ。」

どこか遠い目で、でも笑いながら、大将は教えてくれた。

「ここは、停滞の街だ。街道をまっすぐ突き進めば、元の場所まで戻ってくる、そんな街さね。それを話してやったら、彼喜んじゃってね。最高のサーキットだとかなんとか叫んで、以来ああやって街道を直進し続けているのよ。この街に来て、嬉しそうに同じ道の周回タイムを追い求め続けてるなんて、彼くらいなものだろうね。」

ま、それも今ではこの街の日常の一部だよ。そう言い残して、大将は手をひらひらと振って店に帰っていった。かしゃりと戸が閉じる音がして、辺りは本当に元通りに戻る。音の無い、雪の降り積もる音だけが聞こえる。

騒々しい競走の狂騒から急に放り出された3人からは、誰ともなしに笑みがこぼれた。

「あんな騒々しい人、この街に来てから初めてです。」
「ええ、でも……なんででしょう、初めてじゃないような。悪い気は、不思議としないです。」
『なんだか、とっても楽しそうでしたね。こんな静かな街で、あそこまでエンジョイされると、こう……ふふっ』

3人の笑顔に花が咲く。降りしきる雪は相変わらずで、それぞれの火照った顔に当たって、溶けて頬を濡らしたけれど。少なくとも、今のこれは笑い泣きだ。

停滞の街で、酩酊街で、面白おかしく暮らす。そんな人もいることは、3人の冷えた心を笑いで温めてくれた。消え去った後の世界だって、ここにある。ここに居て、失くしたものは無いままでも、ここで生きている。例え向こうでは何もかも忘れ去られていたとしても。……忘れ去られたということは、かつてそこにいたということ。そのことを誇りに思えば、これまでも、これからの暮らしも、けして無駄じゃない。そう思えて、願えてやまなかった。

2人とポケットの1人は、手を取り合って、玉を転がしたように笑い合いながら、よたよたと歩き始める。「2軒目いこう」とは誰が言った言葉か。誰も言っていないかもしれない。ともあれ、今はこの街の流儀に従いたい。無いものを抱えて、無い与太話に花を咲かせるのも、けして悪くはないのだから。

「いらっしゃーぃ」

ガラガラと戸を開けて、出てくるのはやはりお通しの████。相変わらず見た目も名前も失くしていて、持つものは何も無いけれど。それでもこの姿のまま、どこかで誰かに愛されて、親しまれているのだ。それが、とてもうれしくて。今は仲良く美味しく、その料理を取り分け、好きなだけ分かち合い、いつまでも味わうことができるのだった。




tale jp 雨霧拷問官 御先管理員 しぃカウンセラー 骨折博士



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執筆者: sanks269
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最終更新: 29 Aug 2023 03:56
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