aster_shion-29--67b1

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 努力はしてきた。そうしてきたからこそ私は今もここに居る。
 ああ、けれど。昨日の私はちゃんと努力できていただろうか。一昨日の私は。一週間前の私は。一年前の私は。
 思えばこの頃の私はのんきなものだった。雇用されたばかりの頃のような必死さは何年も前に払底し、それに気づくことすら無く、凡庸な才とと平凡な努力にただただ安住していた。
 自分が特別な人間では無いことも、そんな人間がフィールドエージェントとしてやっていくことの難しさも、理解した上でここを選んだのは私自身だというのに。仕事に慣れてきて、この環境に心地よさを感じてきて、時間の経過とともに、あのときの苦しさを忘れてきて、そんな普通の人間だから、無理をして、無理をさせてまで守ったものを、くだらないほどにあっけなく終わらせてしまう結果となるのだろう。
 しかし、今更こんなことを思ったところで遅い。
 人事局より、今朝すでに解任通知は届けられている。本日付で私はフィールドエージェントでは無くなるのだ。
 次の仕事は恐らく無い。私にとってフィールドエージェントからの解任は財団からの解雇と同義で、それは私があのときの立場に戻ることを意味している。
 何も知らない哀れな子どもに、虚構の幸せに生かされていた少女に。

「つまり、君は今日までのことを綺麗さっぱり忘れて、普通に、幸せに暮らすことになる。」

 私がここに来てから半年ほど経った頃のことだった。それはどう考えても最善で、そしてどう考えても受け入れがたい提案  今思い返してみれば、これは本来提案などでは無かったのだろうが  だった。
 だって、それまでがそうだったはずなのだ。あのときまで、あの14歳の誕生日まで私の人生は確かに幸せなものだったのだ。
 けれど、そうじゃなかった。私が見ていた幸せな生活は、あまりにも脆いハリボテに過ぎなかった。
 それは簡単に崩されて、今私はここに居る。異常の烙印を押され、その烙印を塗りつぶされて、異常でも普通でもない身で。

  

「」

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  1. portal:3669025 ( 01 Jun 2018 11:48 )
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