邂逅

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「じゃあ、約束の通り。聞かせて貰いますよ」

 財団フロント企業である物静かな喫茶店の中で、嬉々とした様子でそう話しかけてくる部下を見て、立花は自身の軽率な発言を呪った。酒の席でしつこくあの報告書について尋ねてきた彼女に、今年中に昇進したら話してあげると、ついうっかり言ってしまったのだ。

「やっぱり、やめにしない?ほとんど書いてある通りで、きっと拍子抜けよ」

 当時から財団に在籍していた職員の多くには知られていることであるし、10年も経てば心疚しさのようなものはほとんど薄れているから、絶対に話したくないと言うわけではない。
 それでも、この子に話すというのは少しばかり気後れする部分がある。このまま話さないでいいのならば、できるだけ話したくはない。

「それを決めるのは先輩じゃなくて私です」

 しかしまあ、強気で頑固な部下はそんな立花の思いを汲み取ることなかった。

「プライベートとはいえ上司にずいぶんな言い草ね」
「今回の昇進で階級的には先輩と同じですよ?」

 ふふっと笑いながらそう返される。本当に、口が減らない。

「それでも今回の班では私がリーダーよ」

 とはいえ、後は報告書を作成し提出するだけ。こんな馬鹿げた組み合わせのコンビも今月中には解体されるだろう。
 ……だから、つい言ってしまったのかもしれないが。

「で、一応聞いておきたいんだけど、どうしてそんなに知りたいの?そもそもあなたにとってあの報告書は嫌な部類のものでしょ」

 悪趣味にも同じナンバーを振られた私とこの子だが、私のがただの自業自得であるのにに対して、この子はそうでは無い。
 私は、知ることも選ぶこともできた。もとより選択肢など無いに等しかったこの子とは違う。
 
「」

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