インタヴュー:909

なんとなしにベッドサイドのメモ書きを見ながら、若い白人男性  SCP-909はぼんやりとしていた。自分はなぜここにいるのか?ここは何なんだ?そもそも"自分"は誰なのか?学校に通うような年齢ではないような気もする  とりとめもない考えが浮かんでは消え、頭の中にもやがかかっているようだった。壁に埋め込まれた時計のカチコチというリズムに彼は妙な心地良さを感じていた。

ふと、コンコンとドアがノックされる音が収容セル内に響く。ああ、そういえば人が来る予定だった、と彼の頭のもやが幾らか薄まった。

返答をする間もなく、ドアは開かれた。
「やあ、元気かい?」
SCP-909に声をかけながらセル内に入って来たのは温和な印象を受ける年配の男性だった。男性はこの無機質な収容セルにいささか不釣り合いなように思える茶系のスーツに身を包んでいた。

「元気だな。いつもの俺は元気じゃなかったのか?」
ベッドのうえで身じろぎしながら、SCP-909は答えた。

「深い意味はないさ。ただの挨拶だよ。」
男性は丁寧にドアを閉めると、物珍しそうに収容セル内のあちこちに視線を向けた。

「そうかい。」
SCP-909は男性がここにやって来た理由について考えを巡らせた。彼は倦怠感の残る上半身をベッドから起こすと、真っ白なシーツの上で胡坐をかき、首と両肩をぐりぐりと回しながら男性に問いかけた。
「壁に貼ってあった『インタビュー』とやらをやるのか?」

「壁?」
しかし、どうやら彼の推測は当てが外れていたらしい。男性はきょとんとした表情を返すと、小さく言葉を零した。
「ああそうか、失念していた。ゆっくりしていると彼らが来てしまうかもしれないね。」
零した言葉に反して、男性はゆったりとした動作で手に持っているカードキー  目を凝らすと薄く『O5-4』という文字が刻印されているのが見える  を収容セル内のテーブルに置くと、そのままSCP-909の座るベッドへと歩を進めた。

男性はこの空間で妙に"浮いて"いた。収容セルという場に似つかわしくない服装を身にまとい、品定めするような目で周囲を見回したかと思えば、気心が知れた仲のように親密な態度でアプローチをしてくるのだ。ボタンを1つ掛け違えているような、不思議なちぐはぐさがあった。

「あんた、誰なんだ?俺の何を知ってる?」
この空間においてある種の"異物"性を感じさせるその男性に警戒心を抱きつつも、SCP-909は同時に妙な懐かしさを覚えていた。
「いい質問だ。『私が何を知っているか?』」
男性は笑みをこぼすと、ベッドに腰かけた。
「それを思い出しに来たのだよ。」

「イザベル  ミス・ワンダーテインメントは元気かな?」

ミスター・ワンダーテインメント
アイザイア・クロフォード

ERROR

The highbriku's portal does not exist.


エラー: highbrikuのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:3646960 ( 31 May 2018 15:21 )
layoutsupporter.png
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License