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SUBJECT: Re: SCP-001-JP
FROM: O5-11<██████████████@███████>
TO: Ghost<█████████@███████>
正式な通達はまだだが、評議会はあのダミーファイルを正式にナンバリングすることを決定した。あれは非常に精度よく捏造されたフェイクだった。君の働きに感謝する。少しの間は休養を取ってもらって構わない。
さて、以前にも伝えたように君は今後、プロジェクトのメンバーとして任務に就いてもらう。また、同時に君には多くの制約が課せられることになる。要約すると「監視」と「拘束」だ。詳細な内容はプライベートサーバー内のドキュメントに記載されている。後で確認してくれればいい。
Thaumielクラスは財団の中でもごく一握りにしか開示されていない。そう定義づけられている理由はいくつかあるが そのうちの1つは"それ"の存在を隠蔽することにより安全を確保するためだ。君もよく知っているように、われわれが生きるこの世界には莫大な未知と恐怖が溢れている。たった一つの過ちがすべてを崩壊させてしまうこともあるだろう。そして、財団の使命はそれらの脅威から人類を守り未来へと希望を残すことだ。
私たちはかつて、その希望を紡ぐ可能性たちに"Thaumiel"という名前をつけた。私も含め、Thaumielクラスの存在を知る者には大きな責任があるということを改めて胸に刻んでおいてほしい。未来への可能性は決して失ってはならないのだ。
とはいえ、君のやることは変わらない。これからも「存在しない者」Ghostとして任務を遂行してくれ。
O5-11
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ファイル:SCP-001-JPを開いています…
アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
脅威レベル: 白 ○
特別収容プロトコル: SCP-001-JPを含むプロジェクト・アローアの構想はレベル5セキュリティクリアランスを有する職員及び監督評議会の議決によって許可が与えられた人物にのみ開示されます。プロジェクト・アローアの存在を把握している職員はシステムによって常に監視されます。
ゾーン-S01へのアクセスゲートは特別サイトZq-7内に設置されています。機動部隊ディガンマ-1("フー")は特別サイトZq-7に常駐し、事前に通知されていない人物がサイトに接近した場合にはあらゆる手段を以て速やかに終了してください。本収容プロトコルの範囲内において、機動部隊ディガンマ-1はいかなる身分の人物を終了しても責任を問われることはありません。
説明: SCP-001-JPは財団によって構築された"異常"の存在しない地球の複製です。SCP-001-JPの存在目的は地球上のあらゆる"異常"から全人類を完全に独立させることであり、SCP-001-JPの完成はプロジェクト・アローアの最終達成目標として定義づけられています。現在のプロジェクト・アローアの進捗は、全体のおよそ31%です。
プロジェクト・アローア、SCP-001-JPの要件は以下の3つに大別されます。
1.Secure
SCP-001-JPを構築するための安全な領域の確保です。プロジェクト・アローアのマスタープランを達成するには、SCP-001-JPは地球から隔離されたポイントに設置される必要があります。地球から遠く離れた宇宙空間座標、我々とは異なるタイムライン、基底世界とは異なる次元等、これまで様々な提案と実現可能性の研究がなされました。最終的には、地球が存在する宇宙から完全に隔離された空間を構築し、その次元座標内にSCP-001-JPを設置する提案が採用されました。この空間にはゾーン-S01という名称が割り当てられています。
プロジェクト・アローアの最初期、研究者たちはゾーン-S01の構築理論を確立するための入念なテストを実施しました。繰り返し行われた実験により、外部と完全に断絶されている空間に対して強制的にアクセスすることは却って空間の綻びを生じさせ、空間そのものの崩壊を招く危険性が高いことが証明されました。その結果としてゾーン-S01は構築の初期段階から現在にかけ、アクセスゲートを通じて我々の宇宙と常に接続された状態に維持されています。プロジェクト・アローアの最終段階では地球からゾーン-S01へと繋がるアクセスゲートは閉ざされ、SCP-001-JPは地球から完全にパージされることが決定しています。
2.Contain
地球上の"非異常"をSCP-001-JPに収容することです。人類がこれまでと変わらぬように人としての生命を営んでいくためには、大地や水、動植物、太陽などの非常に様々な要素が必要です。プロジェクト・アローアが提案された当初は、財団の所有するいくつかのアノマリーを用いてそれらの補填を行うことが考えられていました。しかし、何名かのO5による『アノマリーの存在に基づいた環境はプロジェクトのコンセプトの否定である』という提言のもと、O5評議会はSCP-001-JPの構築に向けたプロジェクトポリシーを制定しました。ポリシーの要点は『プロジェクト・アローアにおけるアノマリーの使用を許可する』、『SCP-001-JPの構成要素は完全に地球由来のものでなくてはならない』という2点です。
理論上、地球に存在する要素を用いて地球と同質量のものを作り出すことは不可能です。ポリシーの制定後、SCP-001-JP構築の具体的な手法を考案するにあたり、研究者たちは"地球の置換"と"代替技術の確立"に意識を向けました。アノマリーによる生成物はたとえそれらに対して異常が検知されなかったとしても、"異常"というルーツより生まれたものであるがゆえに、SCP-001-JPの構成要素として用いることは認められません。そのためSCP-001-JPには"異常"と全く関わりのない、"非異常"な大気、大地、海洋をポータルを通じて転送し、それと同時に我々の住む地球から失われるそれらの要素をアノマリーによって補填するという手法がとられました。現在、地球上の自然界の約4割がSCP-001-JPの構成要素として転送され、アノマリー由来の生成物に置換されています。
プロジェクト・アローアの大きな問題の1つは太陽です。財団が把握しているだけでも、太陽はそれ自体が非常に多くの"異常"と関連付いている天体でした。地球の生態系において光や熱はもちろん、重力のバランスや放射線の防御など、太陽の存在は欠かせません。太陽と同じ役割を果たすシステムの構築は不可避の課題となっていました。宇宙的な問題 天体間の重力バランス、宇宙線など はゾーン-S01を構築することで無視することができました。残る課題である熱源と光源の技術的な解決策として考案されたシステムがエネルギー循環機構M.A.X.W.E.L.Lです。ゾーン-S01は完全に閉じた空間であり、SCP-001-JP内で発生したエネルギーがゾーン-S01外へと分散することはありません。SCP-001-JPを中心として周回運動を行うM.A.X.W.E.L.Lは、ゾーン-S01内を無秩序に漂っているエネルギーに対して指向性を与え、反応炉に取り込みます。地球よりも遥かに小さな容積でありながら、M.A.X.W.E.L.Lはゾーン-S01内における疑似太陽の役割を担っています。
3.Protect
SCP-001-JP内の人類を外次元の脅威から保護することです。SCP-001-JPの構築が完了すれば、人類は地球上に存在する数多の"異常"から逃れることが可能になります。しかし、"異常"は我々の世界にのみ存在する訳ではありません。我々とは異なる次元、異なるタイムラインにも人類への脅威は存在しています。それらに対する恒久的な防衛技術の開発は研究者たちに常に要求されています。
財団の保有する一部のアノマリーは上記の"異常"らに対して非常に有効な防衛手段となりえます。プロジェクトのポリシーとは競合するものの、防衛手段として活用可能なアノマリーは積極的に用いるべきであるとする意見は少なくありません。本要件については現在も協議が進められています。
超長期プロジェクトであるプロジェクト・アローアの遂行には非常に多くの人員が必要です。しかし、携わる人員すべてに対してプロジェクトの全容を開示することは非常にリスクが高く、計画の達成までに情報が漏洩する可能性は80%以上であるという試算がなされました。そのため、O5評議会は中核となるプロジェクトメンバーを極少数に絞り、ほとんどの人員に対してはダミーの情報を与えることを決定しました。正式にナンバリングされたアノマリーのうち、プロジェクト・アローアのために用意されたダミーは現在約███点です。それらに制定されている特別収容プロトコルはすべてプロジェクト・アローアに利用されています。
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1通の新着メールがあります。
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SUBJECT: Re:Re:Plan
FROM: Admin<████████████@███████>
TO: Ghost<█████████@███████>
ゴースト、
おそらくイレヴンからの連絡が届いた頃でしょう。評議会はあなたをプロジェクトのメンバーとして迎え入れることに一切の疑いを持っていませんでした。依頼を受けていただき感謝します。
彼ら O5は実際のところ、とても良くやってくれています。自らの誇りにかけ、人類の存続のために少しずつ、少しずつ世界から脅威を取り除いています。かつての私やあなたと変わりません。しかし、あなたも良く知るように、神秘と悪意に満ちたこの世界において人類はあまりにも脆弱です。怪奇は常に私たちの想像を超えてきました。プロジェクト・アローアがこのまま進行していけば、彼らもやがてそれを知ることになるでしょう。
プロジェクト・アローアは永久に達成されてはなりません。あの計画は、かつて私たちが始めたプロジェクトと同じ道を辿っています。彼らが"それ"を知るとき、多大なる犠牲とともに再び財団は揺らぐでしょう。かつては様々な偶然が私たちを守りましたが、次も奇跡が起こるとは限りません。先駆者として私たちには彼らと、彼らの持つ希望を保護する義務があります。あなたは私の影として、計画が進行しているように見せかけてください。
あの大いなる絶望の日から、あなたは「存在しない者」Ghostとなり、フーは真実の番人となりました。「礎」Foundationの使命はいつか来る"その日"を無限に延ばし続けることです。あなたがO5と呼ばれていた頃も、今も、そしてこの先もそれは変わらないでしょう。私たちはずっとそうしてきました。
管理者
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ファイル:SCP-001-JP_from_adminを開いています…
アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: N/A
脅威レベル: N/A
特別収容プロトコル: SCP-001-JPは厳格に隠蔽されなければなりません。SCP-001-JPは管理者、機動部隊ディガンマ-1("フー")と、管理者の承認を得た人物にのみ開示されます。
説明: SCP-001-JPは"異常"と人類は分かつことができないという絶対的な事実です。
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- portal:3646960 (31 May 2018 15:21)
特別収容プロトコルとsecure項の改行は空行を入れたほうがいいと思います。
他と合わせて罫線で挟んだ方がいいです。
「SCP-XXXX-JPを地球から隔離されたポイントに設置する必要があります。」
罫線じゃなくて「の」とした方が自然な文だと感じます。あとのほうに出てくる挟むような罫線は問題ありません。
プロジェクト・アローアと表記が同じなので二つ目のプロジェクト?と思い突っかかりました。「プロジェクトポリシー」表記がいいと思います。
カタカナ語が多い報告書ですが、クローズまでそうする何だか意識高い系の文章に思えてちょっとカッコ悪いです。「閉じた」でいいでしょう。
主語はマクスウェルですから「~に取り込みます。」
「~人類への脅威~」のほうがいいでしょう。
尻っぽくなってます。
「~であると気づかせてもなりません。」としたら強調っぽくなっていいかと。
(1) Secure,Contain,Protectは超アツイのでもうすこし協調してやるとワクワクします(二つ目の報告書の否定要素も際立ちそうです。)SCP-004のように小見出しを使った表記にするのはどうでしょうか。
みたいに。
(2) 二つ目の報告書にも脅威レベルがあったほうがいいです。人間は本能的にも対称が好きなので「黒」が良さそうです。
(3) 本当に一番最後に「ファイルを閉じました。」があると良さそうです。終わった感が強まります。