憧れと現実

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フィールドエージェントがSCP-XXX-JP-11の確保を試みる様子。画像右がSCP-XXX-JP-1。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは完全な収容が困難であるため、SCP-XXX-JP-1の確保を第一としてし対応を行います。各地に配置されたフィールドエージェントはSCP-XXX-JP-1と思われる存在を確認し次第即座に確保を行ってください。SCP-XXX-JP-1の行動、確保される様子を目撃した人物にはAクラス記憶処理が施されます。

説明: SCP-XXX-JPは世界各地で不定期に発生する現象です。SCP-XXX-JPの影響を受けた人物(以降SCP-XXX-JP-1と表記)は自身のことを鳥類であると認識するようになり、2自身が人間であるという認識ができなくなります。SCP-XXX-JP-1は高所から飛び降り空を飛ぼうとする、昆虫類を好んで摂食するなどの行為を取るようになりますが、SCP-XXX-JP-1の身体には変化が生じていないため、高所からの落下による負傷、蛋白質の過剰摂取による身体への悪影響などの結果を招きます。SCP-XXX-JP-1は鏡などに映った自身の姿や、自身の影の形を確認してもそれに違和感を抱くことはなく3、自身は鳥類であるとの主張を継続します。これは他者からの指摘を受けた場合や、SCP-XXX-JP-1は鳥類ではなく人間であることを示すような根拠を提示した場合も同様です。また、SCP-XXX-JP-1が他のSCP-XXX-JP-1の姿を見た場合、SCP-XXX-JP-1はそれを鳥類だと判断します。

SCP-XXX-JP-1は認識に異常が発生した後は鳥類が発するような鳴き声を用いますが、元々用いていた言語を不自由なく用いることが可能です。SCP-XXX-JP-1はその言語を用いることに嫌悪感を示しますが、SCP-XXX-JP-1が望むものを与えるなどすることでスムーズに意思の疎通を行うことが可能です。

SCP-XXX-JP-1の特筆すべき点として、鳥類に対して攻撃的になるという点が挙げられます。SCP-XXX-JP-1は自身から近い場所に鳥類を発見すると、その鳥類に危害を加えようとします。この際SCP-XXX-JP-1は周辺に存在する道具などを用いた殴打や、その道具を投擲するなどして危害を加えようとします。また、この際SCP-XXX-JP-1の筋力や投擲力、投擲した物体の命中精度が劇的に向上していることが確認されています。

SCP-XXX-JPは世界各地で前述したような行動を取る人物が劇的に増加し、さらにそのほとんどが「空を覆いつくすほど大きな鳥が飛んでいるのを見た」と証言していたことから財団の関心を引き、その存在の判明へと至りました。発見から現在に至るまでSCP-XXX-JP-1の総数は増加の傾向を見せており、それと逆に鳥類の総数は徐々に減少の傾向を見せています。これ以上の鳥類の減少を防ぐため、世界各地で財団による主導で鳥類の保護が行われています。

インタビュー記録XXX-JP

日付: 20██年1月12日

付記: インタビューの対象であるSCP-XXX-JP-1-15は自身のことをモズ(Lanius bucephalus)だと認識しています。

<記録開始>

矢間博士: それではインタビューを開始します。

SCP-XXX-JP-1-15: ……。[矢間博士を睨みつける]

矢間博士: ███4さん、質問に答えてくだされば可能な範囲であなたのご希望のものを差し上げます。ですのでどうかご協力をお願いします。

SCP-XXX-JP-1-15: [舌打ち]少しだけだぞ。これは使ってるだけで不快な気持ちになる。

矢間博士: ありがとうございます。

SCP-XXX-JP-1-15: あと、俺はモズだ。███なんかじゃねぇ。

矢間博士: 失礼しました。では、質問に移らせていただきます。あなたはモズなんですよね?それでは、なぜ日本語を話すことができるのでしょうか?

SCP-XXX-JP-1-15: 喋れる鳥なんざいくらでもいるだろ。俺が喋れたら不思議か?

矢間博士: なるほど。わかりました。では、あなたは我々に保護されたとき、木に登っていましたね。何をなさっていたのですか?飛ぼうとしていたのでしょうか?

SCP-XXX-JP-1-15: そんなの決まってんだろ。はやにえ作ろうとしてたんだよ。お前たちが急に来たせいで驚いて下に落としちまったけどよ。[舌打ち]

矢間博士: はやにえ、ですか。なるほど。

SCP-XXX-JP-1-15: なあ、もういいか?もうこんなクソみたいな鳴き声出したくないんだが。

矢間博士: すみません、じゃあ最後にひとつだけ。

SCP-XXX-JP-1-15: 何だよ。

矢間博士: あなたが保護された周辺の地域で鳥類の死骸が大量に発見されていますが、何かご存知でしょうか。

SCP-XXX-JP-1-15: [俯く]……知らねぇよ。

矢間博士: 本当でしょうか。あなたが鳥に向かって石などを投げているのを見た、という方も多数いらっしゃったのですが。

SCP-XXX-JP-1-15: [何かをぼそぼそと呟く]

矢間博士: どうかしましたか?

SCP-XXX-JP-1-15: ……あいつらが悪いんだ。

矢間博士: はい?

SCP-XXX-JP-1-15: 自業自得だ。死んで当然だ、あんなやつら。

矢間博士: 鳥類を殺していたのはあなたということでしょうか。

SCP-XXX-JP-1-15: そうだよ。俺が殺した。

矢間博士: 何故そのようなことを?

SCP-XXX-JP-1-15: ……俺はモズだから、仲間の、鳥たちの言ってることがわかるだろ?

矢間博士: はい。

SCP-XXX-JP-1-15: 何でかわからないけどよ、長い間仲間たち5の声を聞いてない気がして、心細かったんだよ。それで、やっと仲間たちを見つけられて、俺、嬉しかったんだよ。それで、声を掛けたんだよ。そしたら、あいつらは……。

矢間博士: 大丈夫ですか?無理はしない方が……

SCP-XXX-JP-1-15: [遮って]偽者、って言ったんだよ。

矢間博士: [黙る]

SCP-XXX-JP-1-15: 偽者が自分たちの真似事をしてるって。笑ってたんだ。

SCP-XXX-JP-1-15: お前らみたいな人間に言われるなら別にいいんだ。でも、まさか、仲間のはずのあいつらに言われるなんて。気が付いたら俺は周りにあるものを片っ端からあいつらに……。時々、あいつらが本当にそんなこと言ってたのかって、不安になるんだ。俺の気のせいだったんじゃないかって。本当はそんなこと言ってなくて、それなのに、俺は、あいつらを。

矢間博士: ……今回はここまでにしましょう。ありがとうございました。

SCP-XXX-JP-1-15: なあ。

矢間博士: 何でしょうか。

SCP-XXX-JP-1-15: [腕を広げる]俺は、鳥だよな?もし、鳥じゃないって言うなら、俺は、いったい何なんだ?

<記録終了>

SCP-XXX-JP-1の中にはSCP-XXX-JP-1-15と同じような理由から鬱病のような傾向を見せている個体も存在しています。そのような個体に対してカウンセリングを行うことが推奨されていますが、SCP-XXX-JP-1は人間の言葉を用いることに対して嫌悪感を示すため、ほとんどの個体がカウンセリングを拒否しています。それによりSCP-XXX-JP-1の精神状態のさらなる悪化が懸念されていますが、明確な解決案は示されていません。

追記: 20██年3月16日にSCP-XXX-JP-1-15に再びインタビューを行ったところ、SCP-XXX-JP-1-15の記憶の一部が喪失している事が確認されました。喪失した記憶はSCP-XXX-JP-1-15が鬱病の傾向を見せることの原因となった記憶、それに関連する記憶のみであり、それ以外の記憶は喪失が認められませんでした。当初これはストレス性のものではないかと考えられていましたが、その後、他のSCP-XXX-JP-1の記憶の一部も喪失したため、ストレス性のものではないと判断されました。原因を調査中ですが、調査開始時から現在に至るまで何も判明していません。

補遺: SCP-XXX-JP-1の中には影響を受ける以前に「鳥になりたい」、「空を飛びたい」などの願望を抱いていた人物が全体の3割程度存在しています。しかし、このような願望を全てのSCP-XXX-JP-1が抱いていたわけではないため、これとSCP-XXX-JPの関連性は不明です。











































































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