特命
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SCP-2628-JPが回収した漂流物

アイテム番号: SCP-2628-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 日本国の領海内で発生した海難事故は海上保安庁と連携して調査を行い、SCP-2628-JPの関与が認められた場合、事故の様子を記録したメディアの回収、交換、関係者への記憶処理など各種隠蔽工作が実施されます。回収された物品はサイト-8157の低危険度物品保管ロッカーに収容されます。

日本政府ならびに関係省庁/委員会の同意のもと、白書や年次報告書などの政府刊行物に掲載される情報のうち、海難事故に関連する数値は、SCP-2628-JPの活動の影響が十全に反映されないよう、適宜改竄されます。

説明: SCP-2628-JPは「特命海洋救護士サルベージ・バミューダ」を自称する人型実体です。未知の金属と繊維から構成される、紺色を基調とした装甲服及び各種装備(以下、SCP-2628-JP-Aと呼称)を着用しており、ヒトの成人男性を大幅に上回る身体能力を発揮することが可能です1。一部装備は装甲服からの分離が可能であるものの、それ以上の分解や装甲服を脱衣させる試みは失敗しています。着用者はその声質から、10代後半~20代前半程度の男性であると推測されています。

SCP-2628-JPはGoI-8139"超  電  救  助  隊Hyper Electric Rescue Organization"の構成員を自称しています。同団体の構成員は財団に対し非友好的/敵対的であるケースが多数確認されている一方、SCP-2628-JPは後述する初期収容時の状況と現状認識から、財団およびサイト-8157を海上保安庁とその施設であると誤認しており、接触する職員や実験・インタビューの要請に対して友好的・協力的な態度を示しています。留意すべき点として、着用者の氏名や年齢といった情報やGoI-8139の組織構造に関する質問の多くは「ヒーローとしてのルール」や守秘義務を理由に拒否されており、情報収集を目的としたインタビューの試みは低優先度事項に分類されています。

SCP-2628-JPの目的は日本国の領海内で発生した海難事故への迅速かつ高度な対処であり、活動内容は生存者の救助以外に、死亡者の遺体、積荷、海難残骸物の回収、救助勢力へのそれらの引き渡し、船舶火災の鎮火、現場周辺の環境への悪影響の軽減が含まれています。しかしながら、SCP-2628-JPは財団監督下で行われた実験において、救急救命処置能力をはじめとするSCP-2628-JP-Aが補えない/関与しない能力の明白な不足を示し、収容担当チームは、SCP-2628-JPの活動はSCP-2628-JP-Aの機能に極度に依存したものであるという見解を示しています。これについてSCP-2628-JPは、自身の海難救助活動の経験の乏しさに言及しており、自己研鑽が必要であるという認識と訓練への意欲を示しています。この事実は、SCP-2628-JPの収容および一部SCP-2628-JP-Aの分離を行うにあたってのカバーストーリーに活用されています。

以下はSCP-2628-JPへのインタビューや実験により判明したSCP-2628-JP-Aの各種装備についての情報です。

番号 説明 分離
SCP-2628-JP-A-1 SCP-2628-JP-Aのヘルメット部分。SCP-2628-JPは「オーシャンバイザー」と呼称。前面にグラスモニターが備え付けられているが、モニターを外部から観測すると、内部全体が黒く視認されるため、内部の観察は失敗している。また、SCP-2628-JPの発声を、当該オブジェクトの存在を無視するかのように明瞭にする機能を持つ。要救助者および遺体の迅速な発見を補助するため、ヒトまたはその一部と見なせる物体が視界に入ると自動で黄色に強調表示するとされる。 不可
SCP-2628-JP-A-2 両腕部に備え付けられた籠手型の装置。SCP-2628-JPは「テレポーターガントレット」と呼称。SCP-2628-JPが手で触れた要救助者を付近の救助勢力が運用する船舶に転移させる。出現したヒトは転移前の装備に関係なく、全員がオレンジ色の自動膨張式の救命胴衣を着用している。救命胴衣の背面にはGoI-8139のロゴマークが印刷されているが、それ以外に製造元などを示す情報は確認されていない。また、組成には未知の繊維が一部含まれており、一般に流通しているものと比較して防刃性など耐久性に優れる他、他の性能や構造も国土交通省が定める安全基準を満たすと認められた。 可能
SCP-2628-JP-A-3 両大腿部の側面に備え付けられたダイビング用空気タンク型の装置。SCP-2628-JPは「セーバーバブルタンク」と呼称。水中でバルブを開くことで、大量の異常な泡を生じさせる。泡は直径2m程度まで膨れ、遺体や積荷、重油などを取り込んで外部と隔離し、事故現場周辺への拡散および環境への悪影響を抑える。泡はその内容物の回収を目的とした干渉によって破壊が可能だが、それを判別している手段は不明。重油などを取り込んだ泡は海流などを無視して付近の油回収船に向けて移動する。 可能
SCP-2628-JP-A-4 装甲服の四肢にあたる箇所に備え付けられた、消防用ホースの先端部である金属物体。SCP-2628-JPは「フレイムキャンセラー Ver4.0」と呼称。火災の発生を感知するとホースが自動で伸縮し、火元に非異常な消火薬剤を放出する。火元となっている物体や火災の原因に応じてホースごとに放出物を自動で切り替える機能を持ち、油火災や電気火災への対応を可能としている。 不可
SCP-2628-JP-A-5 胸部装甲の中央部の、錨を模した箇所。SCP-2628-JPは「サルベージ・コア」と呼称。起動と同時に約200Lxの水色の光を発し始める。この状態のSCP-2628-JPが転覆または沈没した船舶に向けて両手をかざすことで、対象船舶は損害状況や復原性の低下を無視し、未知の力で水面上まで浮揚/復原し、最も近い距離の海岸線に向けての直進を開始する。 不可

財団とSCP-2628-JPの最初の接触は、2020/09/28に和歌山県東牟婁郡串本町潮岬の南南東約250km地点で発生した、GoI-2722"鉄錆の果実教団"が所有する船舶の爆発事故2に伴い行われました。この時、財団の調査艦がGoI-2722の船舶を追跡・監視しており、海難残骸物の回収にあたっていたSCP-2628-JPを捕捉しました。調査艦と通信を行っていたサイト-8157の研究員らはこの報告を受け、2018年頃から存在が示唆されていた未確認の実体(補遺1を参照)との関連を疑い、対象の動向の観察や確保の必要性を主張しました。残骸物の回収完了直前に調査艦の人員が海上保安庁を名乗りSCP-2628-JPに接触したところ、敵対的な姿勢を示さなかったことから、事情聴取の名目でサイトへの同行が要請され、SCP-2628-JPがこれを承諾したことで収容に至りました。

補遺1: 「海洋救護士セービング・バミューダ」との関連

SCP-2628-JPの収容以前より、財団は日本国の領海内で発生した海難事故現場とその周辺での、「海洋救護士セービング・バミューダ」を自称する人型実体の目撃情報を確認しています。実体が出現したとされる事故現場周辺では、GoI-8139のロゴマークが印刷された救命胴衣や、積荷などを収容した巨大な泡が確認されており、装備の性質もSCP-2628-JP-Aと類似している可能性が高いと判断されています。しかしSCP-2628-JPとの明確な相違点として、被救助者や目撃者は、その声質は60~70代ほどの男性であったと証言しています。なお、財団は当該実体の確保のため、複数回にわたり意図的に海難事故を起こすことでの誘引を試みたものの、いずれも失敗しています。

SCP-2628-JPへのインタビューにより、当該実体の装備とSCP-2628-JP-Aは同一の存在であり、「海洋救護士セービング・バミューダ」を自称していた着用者は活動を停止/終了したことが示唆されています。

以下は、実体の情報を得る目的で2020/10/01に実施されたインタビューの抜粋です。

対象: SCP-2628-JP

インタビュアー: 徳田研究員

付記: SCP-2628-JPに対しては、当インタビューの目的について「セービング・バミューダ」に海上保安庁の活動に協力するよう要請するためであると説明している。SCP-2628-JPの非敵対的態度を維持するため、インタビュアーが海上保安庁の職員として振舞っている点と、対象や関係者への呼称は当人らが自称するものを用いている点に留意すること。


[抜粋開始]

SCP-2628-JP: うーん……残念ですけど……それは難しいと思います。

インタビュアー: なぜでしょうか。

SCP-2628-JP: それは……[頭を抱える素振りをする] あの、なんで自分が海難救助やってるかって、まだ話してないですよね?

インタビュアー: はい。

SCP-2628-JP: [沈黙] 実は、自分がヒーローになれたのは、バミューダさんに指名されたから

インタビュアー:

SCP-2628-JP:

インタビュアー:

SCP-2628-JP:

[抜粋終了]


終了報告書:

補遺2: 20██/██/██午前11時27分、収容室内においてSCP-2628-JP-A-5が起動しました。SCP-2628-JPは動揺するような素振りを見せた後、胸元を抑えてうずくまり、両者は約15秒後に動作を完全に停止しました。収容室内に突入した保安職員らがSCP-2628-JPの体を起こしたところ、SCP-2628-JP-A-1が脱落し、内部から大量の液体(後に非異常性の海水と判明)が流出した結果、着用者の不在が確認されました。また、SCP-2628-JP-Aは分離状態で収容されていた-2、-3を含めて、この事案以降全てがその機能を停止または喪失したと断定されました。修復の試みは本稿執筆時点では失敗しています。

後の調査で、事案発生と同時刻に新潟県柏崎市沖で漁船の転覆事故が発生しており、被救助者がSCP-2628-JP-Aと思われる装甲服を着用した実体に救助されたことを示唆する発言を行っていたと判明しました。被救助者は実体が自称していた名称について「サルベージ・バミューダと名乗っていた」と証言しました。一方、その声質は20代の女性のものだったとされています。


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  1. portal:3545776 (01 Jun 2018 09:50)
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