SCP下書き「ラストリゾート」

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5歳

収容前のSCP-XXX-JP-1(右)と"兄"のジェネジオ・アンドレオッリGenesio Andreolli氏(左)

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-イリデの人型オブジェクト収容室に1体ずつ収容します。睡眠時に発生した飲食物や物品は回収し、飲食物は処分します。精神的に不安定な状態にある個体に対してはカウンセリングなどの対応が行われます。

PoI-XXX2の捜索は機動部隊ぎ-9("スニフルトン・ノストリルズ")が担当します。

説明: SCP-XXX-JPはモデスト・エルミーニModesto Erminiを自称する20体の人型実体の総称です。5~24の範囲の各年齢を自称する個体が1体ずつ存在しており、自称する年齢が上がるごとにヒトとして自然な程度の身体的・精神的発達を遂げていますが、各個体自体に加齢などの発達は見られません。特筆すべき点として、各個体に共通しているDNA情報を検査した結果は、それらの持ち主がアジア系、特に日本人である可能性が高いことを示しています。

SCP-XXX-JPは睡眠時の不定なタイミングに、半径5m以内に自身が好む飲食物や興味を示す事物と関連する物品を出現させます。書籍を除く出現物は市場に流通している非異常性のものとの外見的に類似する一方で、正規品と比較すると何らかの欠陥が見られます1。SCP-XXX-JPはこれらの欠陥に違和感を抱くことはなく、使用時は幸福感の増加およびストレスの軽減を示します。飲食物の容器などのゴミや食べ残し、何らかの理由で使用不可能になった物品は次回の睡眠時に消失します。

SCP-XXX-JPは2017/03/29にイタリア共和国トスカーナ州シエーナ県シエーナの病院で2個体が異常性を発揮したことがきっかけで財団に発見されました。当時この病院にはSCP-XXX-JP-10および19がそれぞれサッカーと交通事故が原因の負傷で入院しており、どちらも氏名が"Modesto Ermini"であったこと、-10と養育者の姓が一致しなかったことが注目され、イタリア支部が収容にあたりました。以降もイタリア各地で"Modesto Ermini"が関与する類似した事象が発生し、同年の07/26に現在収容されている20体全てが確保されました。先述したDNA情報の異常の発覚から日本支部にも情報が共有され、共同での管理・調査体制が確立しました。

収容以前、イタリア共和国において未成年である年齢のSCP-XXX-JP個体には養育者が存在していましたが、何らかの教育を受けさせていた例はありませんでした。SCP-XXX-JPが生活していた家庭の人物はSCP-XXX-JPの氏名や不老性の不自然さ、SCP-XXX-JPへの教育の必要性については認識しておらず、飲食物や物品の出現事象やそれらの出自についても疑問に思わなかったと証言しています。同様に、自身とSCP-XXX-JPの関係がいつ発生したものか把握している養育者も存在しませんでしたが、2016年1月を境に出費が増大している家庭が8つ確認されており、SCP-XXX-JPが出現した可能性の高い時期と見なされています。なお、養育者はいずれも放任主義的かつ高い収入を得ており、後者の特徴は成年者のSCP-XXX-JP個体にも共通しています。

補遺1: 2018/01/15、SCP-XXX-JPのDNA情報を基に作成された顔の予測図と外見が酷似していること、要注意人物との交友関係が確認されていることから、2016/01/04以降行方不明となっている心臓外科医、金子良修よしのぶ(失踪当時68)がPoI-XXX1に指定されました。大阪府藤井寺市に位置するPoI-XXX1の住居からはGoI-6774"X9"の構成員である異常書籍の収集家"石津いしづ 勝則"(以下、PoI-XXX2)が依頼主となっている荷物の箱2が開封された状態で発見されている他、PoI-XXX1の蔵書が全て消失していました。この事案は超常現象として記録されています。

以下は当時実施された、PoI-XXX1の息子である金子竜一氏へのインタビュー記録です。

対象: 金子 竜一(当時33)

インタビュアー: エージェント・近藤(以下、インタビュアー)

付記: 対象は2015/12/28~2016/01/03の期間に帰省し、PoI-XXX1と行動を共にしていた。当時の対象は精神的に不安定な状態に陥っており、可読性向上のために修正を行っている。

<記録開始>

インタビュアー: では始めます。どんな些細なことでも構わないので、思い当たることは全てお話しください。

金子氏: [深呼吸]はい。

[有益な情報が得られなかったため割愛]

インタビュアー: ではこの荷物の送り主である、「石津勝則」という人物に心当たりは?

金子氏: 石津……確か……名前なら父から聞いています。「古本好きの友人」って……

インタビュアー: 2人の関係について他に何かご存知なら話していただけますか。

金子氏: 私もあまりよく知らないのですが、昔からの知り合いではないと思います。年末年始には欠かさず帰省してますが、石津って人から年賀状が来たのは去年が初めてなので。

インタビュアー: 年賀状ですか。保管はしていますか?

金子氏: 流石に去年の分はありませんが、今年のなら……あの……その石津さんが父の失踪に関わってるんですか?

インタビュアー: 断言はできませんが、非常に疑わしいと言えます。ところで次の質問ですが。

金子氏: はい。

インタビュアー: 良修さんはイタリアに対して、何か思い入れはありましたか?

金子氏: イタリア……? いえ、ヨーロッパに行ったことは無いはずだから無いと思いますが……何故……?

インタビュアー: 理由についてはお答えしかねます。ありがとうございます。

金子氏: そうですか……[沈黙]あの……

インタビュアー: なんでしょうか。

金子氏: 父はもうじき70で、そろそろ今後のことついて話さなきゃいけない時期でした。父が毎回「心配するな」と返していただけで、決して話そうとしなかったわけではないんです。楽観的だと思いましたし、まだまだ元気に生きるつもりなのは嬉しいことでした。実際とても元気で、帰省したら必ず温かく出迎えてくれました。今も私が子供のころもずっと良い親で。そんな父とこんな形で離れ離れになるのがとても辛くて。お願いします、まだ初孫の顔だって直接見せられていないのに。どうか父を見つけてください。

インタビュアー: 勿論です。ご安心ください。

<記録終了>

終了報告書: 対象はPoI-XXX2の年賀状を提出した後、Aクラス記憶処理を受けて解放された。

以下は提出された年賀状に書かれていた手書きの文章です。

かつて聞かせていただいた夢を実現するお気持ちは固まったでしょうか。
御家族や御友人の皆様と共に過ごされた長い年月にまだほんの僅かでも未練があるのなら、あの本はどうかお捨てください。
迷いを抱えたまま惰性で新たな道を進むことはきっと正しくはありません。

補遺2: 2018/02/26、PoI-XXX1失踪事案の調査の一環として、PoI-XXX1の知人へのインタビューが実施されました。PoI-XXX1の人物像や交友関係、失踪についての証言/意見は「非常に真面目で家族思いである」「特に険悪な人物がいた覚えはない」「前回会った時には失踪するような兆候は無かった」といったものが大半を占めています。

以下はインタビュー対象の1人である田中文昭氏へのインタビュー記録です。

対象: 田中 文昭(当時67)

インタビュアー: エージェント・近藤(以下、インタビュアー)

<抜粋開始>

対象: 金子かあ……もう鬱陶しいくらい真面目でしたよ。家が厳しかったみたいで。

補遺3: 2018/05/21、財団フロント企業宛てにPoI-XXX2から便箋入りの封筒が郵送されました。内容は「PoI-XXX1の失踪に関する情報を提供するために財団に投降したいが、どこへ出頭すべきか分からないので申し訳ないが迎えに来てほしい」というもので、翌日にPoI-XXX2は確保され、サイト-81██に移送されました。

対象: PoI-6774-16(当時54)

インタビュアー: エージェント・近藤(以下、インタビュアー)

<記録開始>

インタビュアー: ではインタビューを開始します。全ての質問に、可能な限り正確に答えてください。

PoI-6774-16: 承知しております。

インタビュアー: では金子良修さんとあなたの関係について教えてください。

PoI-6774-16: 金子さんと初めてお会いしたのは四天王寺の古本市でした。同じ本に目を付けたのがきっかけで、話していたらいつの間にか意気投合してました。それからはたまにお互いに本を勧めてみたり、蔵書を自慢し合ったり……まあ、色々とやっていました。

インタビュアー: その過程で、金子さんの"夢"について知ったのですね。

PoI-6774-16: はい。

インタビュアー: あなたが1月4日に送った荷物は、それを実現させる異常物品ですね?

PoI-6774-16: [沈黙]そうなった経緯を、話してもよろしいでしょうか。

インタビュアー: どうぞ。

PoI-6774-16: ありがとうございます。金子さんが夢を見始めたのは、息子さんが実家を出てからだそうです。突然電話が掛かってきて、「願いを叶える本はないか」と尋ねられました。

PoI-6774-16: 結局は金子さんも私も、皆弱いから起きたことなんです。何かしらのストレスや不安を抱えながらも、一応は良識ある大人として社会で生きている。その合間に安心を得られる趣味に打ち込むことで幸せを感じていて、その時間がいつか永遠に失われてしまうことに怯え続けている。大人の一歩先であり一歩手前である18と20の間で、普通も超常も関係なく変わらない平穏を求めている。そんな弱い者の集まりがX9なんです。

インタビュアー:

PoI-6774-16: あなた方からすれば、私たちなど吹けば飛ぶような取るに足らない存在なのでしょう。ですが私たちは、未だにX9の一員として存在することを許されている。

<記録終了>

インタビュー終了から1時間24分後、PoI-6774-16は収容セルから消失しました。同時にセル内部には脱走を謝罪する旨の非異常性の便箋と、異常性を有する書籍387冊3が出現しました。書籍群はいずれも異常性を簡潔に説明した非異常なメモ用紙が貼付されており、表紙やタイトルの認識をトリガーとする認識災害特性を有するものには不透明な梱包がなされていました。現在書籍群はサイト-81██のAnomalousアイテム保管庫に収容されています。


追加予定タグ: euclid scp-jp 人間型 外部エントロピー 睡眠 国外収容
恵まれた人生、小さな不安、リセットの衝動
上を目指し、美を求め、選ぶ。


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