レイライン流路改善を実行する電気奇跡論コンピュータシステムの試作のための認可計画

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レイライン流路改善を実行する電気奇跡論コンピュータシステムの試作のための認可計画

火ノ浦 香奈 プロメテウス・トウキョウ 第二研究室

問題
現在、日本では地方の人口減少や神職の高齢化により、神道系の後継者問題が指摘されています。文化庁の統計1によれば、神道系の教師(神職)の数は635,315人と推定され、近年は横ばい、あるいは微増傾向にありますが、これは教派神道や神道系新宗教の教師も含んでおり、戦前の神祇院の流れを汲む神社本庁が取りまとめる神社神道の教師数は近年減少傾向にあります。

これら地方の神社神道系の施設は定期的に地鎮祭等の祭祀を執り行うことで、古くから定期的なレイラインの保守を行ってきました。これら祭祀は、鎮護する地域のレイラインの流路を整えたり、レイラインに敵対的な霊的存在が寄生することを予防し、時には敵対的な霊的存在を撃退することを目的としたものです。

しかし今後、地方のレイライン管理を担う人材の減少が、地方でのレイライン不調件数を増加させ、ひいてはアノマリー発生件数の増加を引き起こす可能性は高く、これに対処する必要があります。また、悪魔や霊的実体などそれに類似する存在に対するエクソシズムについては既知の例として自動エクソシズムシステムが存在しますが、今後はそのような場当たり的な対処法ではなく、根本たるレイラインの改善が必要となり、それを何年もの研鑽を積んだ人材を必要としない機械による対処法の開発が求められるでしょう。

解決策
この問題を解決するにあたり、神道における地鎮祭と呼ばれる祭事がもたらす、レイラインに寄生する霊体の分離等を含むレイライン流路の改善2を奇跡論を用いた手法で一部再現するシステムの開発を提案します。

基本的な基本原理
開発を予定しているプログラムは以下の手順で、レイラインの改善を行います。

  1. レイラインに不調が見られる土地の四方を結界で囲み、第六生命エネルギー(以下EVE)の流入を防ぎます。
  2. 隔離が確認できたら、結界内のEVEの河跡池からEVEを汲み出し、結界外へ排斥、あるいは電気奇跡論コンピュータのエネルギーとして利用します。この時、レイラインから取り込むEVEに依存している殆どの敵対的霊的存在や術式は存在が保てなくなるか、効果の発揮継続状態が断絶し、これらを抹消できます。
  3. 河跡池の消滅を確認した後、レイラインの下流側から順に結界を解除します。全ての結界を解除すると、レイラインの特性により元の自然な流路へ速やかに流路が回復されます。

機器詳細
このシステムは、電気奇跡論コンピュータとエバーハート共鳴器の類似品を搭載した指揮車、結界の範囲を設定する斎竹と注連縄の役割を果たし、奇跡論の実行を補佐するマイクロコンピュータを搭載したマーカー、そして指揮車に電力を供給する電源車から構成されます。

奇跡論を実行する一連のシステムは、オート-マグス計画から発展した自動エクソシズムシステムで用いられる、奇跡論ハードウェアコンポーネントを流用し、新たに開発する指揮車に搭載します。この指揮車は運転手を除いて少数人、できれば1人でも運用できるようにするのが望ましいでしょう。電源車はこのコンポーネントに適合する市販のものを流用します。

マーカーについてはGPS機能を搭載した、メインコンピュータとの同期が可能な小型の電気奇跡論コンピューターを新たに開発します。このマーカーとメインの電気奇跡論コンピュータを同期させるためにオペレーティングソフトウェアの開発が必要となります。また、これらマーカーは指揮車か電源車のいずれかに収納可能なようにします。

事業例
このシステムはレイラインの保守を、それに成熟していない個人でも実行できるように設計され、レイラインの保守対応を強化する為に開発されます。期待される顧客層は、財団81地域ブロック、GOC極東支部、そして国土庁防災局特事課が挙げられます。

もし国土庁防災局特事課との取引が成功すれば、財団やGOCから白眼視され進出が進展していない超常軍需産業路線ではなく、超常技術の平和利用の線で政府系の超常コミュニティとの取引を一層拡大することが望めます。そうでなくとも日本の呪術を電気奇跡論コンピュータ上で再現出来れば、日本の霊的存在により対処し易くなり、自動エクソシズムシステムの新たな市場開拓に繋がるでしょう。

資金の使用
このシステムの開発には5億7000万円を必要とします。資金は以下のように使用されます。

  • 電気奇跡論コンピュータハードウェアコンポーネントの対応と検証実験 5000万円
  • マーカーの開発 1000万円
  • 管制システムの開発
    • オペレーティングソフトウェアの開発 1000万円
    • 指揮車の設計 4億円
  • システム全体の検証実験 1億円

既知の問題
このシステムは地鎮祭の作用の内、レイライン改善機能しか備わっておらず、将来的なレイラインの不調の防止や既にそこに寄生する霊的存在が襲い掛かってきた場合に応戦する機能を持ちません。レイラインの分断と結界内のEVEの汲み上げにより多くの霊的存在は消失すると考えられますが、稀に消失せずこのシステムの実行者に危害を加える可能性があります。

ただ、これの対応には既に開発済みの自動エクソシズムシステムが有効的です。このシステムの販路拡大は自動エクソシズムシステムの顧客層の開拓に繋がるでしょう。





From: 火ノ浦 香奈(moc.liamsuetemorp|telnierif40anac#moc.liamsuetemorp|telnierif40anac
To: 自分
date: 19██年11月24日 10:43
件名:電気奇跡論コンピュータの実地試験結果概要について

以下の手順で行いました。
実地試験地: 埼玉県秩父市 / 東京都檜原村
実地試験内容:
1.レイラインの流れ込む実験場中心に疑似霊体を配置。実験場の外周に沿ってマーカーを設置して範囲指定後、プログラムを実行。
2.実験場周辺の耕作放棄地に敵対的霊的存在を発見したため、実験場として利用。1同様に実験を行った。
結果: いずれの結果もレイライン流路の改善と霊体の消失を確認。
詳細は正規報告書にありますので、以下の請求番号でアクセスしてください。
cana111ty ecr6787

Prometheus Labs Employee Intranet Mailing System through hong kong data center. This mail was encrypted.






自動四方祓い装置の実用化と調達に関する報告書

国立室戸研究所 火ノ浦 香奈, 北野 尚也
国土技術政策総合研究所  三塚 靖幸
国土交通省  野辺 政氏

概要
当報告書は200█年、国土交通省総合政策局特事課3に対し、レイライン流路改善を実行する電気奇跡論コンピュータシステム(以下自動四方祓い装置)をプレゼンテーションした結果の報告書である。

提示した懸念

  • プロメテウス・ラボの解体による開発期間の増大、開発費の増大。
  • 現在、電気奇跡論コンピュータの世界市場はシギルシステムに取って代わられており、調達が難しいこと。
  • 今回使用される電気奇跡論コンピュータは国立室戸研究所がプロメテウス・ラボ崩壊以前に調達した電気奇跡論コンピュータの一部を放出するもので、予備在庫が今現在存在しないこと。
  • 小型化に必要な部品の調達は同様に難しく、当初検討していた装備寸法には収まらないこと。
  • パラテクノロジー製品の一部は国内生産されておらず、輸入に頼ること。

回答

  • 一台あたりの調達価格を100億円以内に抑えること。
  • 装備の構成部品の60%以上を日本国内の超常企業から調達すること。
  • 災害時の派遣も見据えて指揮車と電源車には悪路の走破能力を持たせること。
  • 国の重要施設を防御するレイライン堤体としての利用も見据えて車両の防弾性を確保すること。
  • 偽装の形としては案③(工事現場に設置される遮音パネル)が望ましい。






昭和64年 国土庁防災局特事課出動記録
分類 日時 場所 出動人員 詳細
霊体災害 8月23日 埼玉県秩父市 ██████ 6人 交通事故が多発する街路に近接するレイラインを調査したところ、敵対的霊的存在の寄生を確認。これが原因と判断し祓いを行った。また、レイライン近辺に上記以外の霊的存在は友好的、敵対的問わず存在しなかった。
レイライン不調 12月15日 東京都檜原村 ████ 9人 過剰な霊力(EVE)が境内に流れ込んでいるとの報告を地元神社及び地元自治体より受け、調査開始。神社の蔵より発見した文書とレイラインを照らし合わせたところ、江戸時代に地元領主と蒐集院により施工された、霊堤を構築する術式の一部が破綻していることが確認された。現在修復を模索中。






自動四方祓い装置(SRLC-PT-C-1123)
価格 時価(入手困難な電子奇跡論コンピュータの価格に左右)
説明 旧プロメテウス・トウキョウで執筆された「レイライン流路改善を実行する電気奇跡論コンピュータシステムの試作のための認可計画」の提案書を基に、国立室戸研究所4と国内中小超常企業らと当社の共同で研究・製作された機材です。一連のハードウェアは電子奇跡論コンピュータを搭載した指揮車、電源車、遮音パネルに偽装した結界範囲指定マーカーからなります。この機材はレイライン流路を改善し、流路に流入するEVEに依存していた敵対的霊的存在や術式を任意で抹消できます。また結界内は外部からのEVE流入が不可能なため、重要施設を防護するレイライン堤体としても使用できます。指揮車と電源車は災害時を見据えたダート走行性能やレイライン堤体としての利用を想定した耐爆・防弾性能をオプションで追加できます。この機材の使用には妖術者が最低1人必要です。
構成 電気奇跡論コンピューター搭載指揮車・電気ーEVE変換機搭載電源車各一台、遮音パネル偽装済結界指定マーカー(任意の数)
理外研電子計算機株式会社


開発・生産プログラム沿革
平成██年 国土庁防災局特事課関係者と国立室戸研究所より自動四方祓い装置の生産について打診。
平成██年 国立室戸研究所と中国地方の穴蔵5の中小企業群と当社の共同チーム発足。開発プロジェクト始動。
平成██年 研究の為、████より電気奇跡論コンピュータとシギルマシンを購入。
平成██年 ███株式会社より電源車を、████株式会社より電気―EVE変換機を購入、改造開始。
平成██年 試作1号機製作、実地試験。
平成██年 試作1号機解体。試作2号機製作、実地試験。以下試作製作年省略。
平成██年 量産1・2号機製作。国土交通省緊急災害対策派遣隊特事班へ納入。






平成██年度調達予定品目

要求機関 品目 数量 金額 契約相手方
TEC特事 一号パネル 2式 ███億円 理外研電算機株式会社

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