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ミーム工学、ギアステクノロジー…ヒトの脳に影響をもたらす「恐ろしい超常技術」として知られている、近代超常技術史上、真っ先に兵器化が図られたこれらの技術は、現代の公共・インターネット空間においても多く見ることができる超常技術でもある。今日においては、それらを扱う分野を「パラグラフィックデザイン(パラビジュアルデザイン)」と呼称している。

パラグラフィックデザイン(パラビジュアルデザイン)とはなにか

グラフィックデザインやビジュアルデザインとは、映像・イラスト・写真といったあらゆる視聴覚的表現に関わるメディアにおいて、伝達内容を美術的に優れ、かつ効果的に表現することを目ざして行う表現手法・分野のことであり、パラグラフィックデザインは「効果的な」伝達の極致として、ミーム工学やギアステクノロジーを活用した分野である。優れた美術表現が人の心を動かすことはアンティ・ヴェール時代から広く知られており、さらに踏み込んで様々な異常な画材や表現手法を用いることで、直接的に人に影響を与える芸術作品の存在は、様々な証拠から立証されている。

しかしながら、特殊で貴重な素材やあまりにも属人的な表現手法に基づくそれらの作品は、歴史上に泡沫のように現れては消えていく存在であった。異常芸術、アナートが芸術の潮流の一つとして(特殊な事例を除けば)ようやく確立したのは、18世紀末以降の超常ルネサンスによってその弱点を克服しつつあってからであり、1874年にパリで開催された"Sommes-Nous Devenus Magnifiques?"第一回展覧会が、今日知られるAre We Cool Yet?(AWCY?)という息の長いムーブメントの始祖である。

ミーム工学やギアステクノロジーの話に戻るが、これらの技術が確立されたのも、超常ルネサンス真っただ中、1929年のロバート・ラングフォードによるギアス現象の探求と、1932年のアバー・ベリーマンによるその一般化とベリーマンミーム構造理論の構築の成果である。1939年に両者は人間の精神を抽象的な概念に拘束するギアスの開発を、英国オカルトサービスに依頼され、今日に至るまで正常性維持機関によって利用されてきたベリーマン=ラングフォードミームエージェントを完成させた。もっとも、ミーム工学やギアステクノロジーは、連合国オカルトイニシアチブによって正常性維持機関と国家超常機関、そしてそれを支援する超常企業に共有され、機密情報や諜報網の管理、戦後は広くヴェールの維持や各組織の機密保持のために用いられたため、今日パラグラフィックデザイナーといえる者が存在したのも、正常性維持機関や国家超常機関、プロメテウス・ラボなどに限定される超常企業、そしていくつかのオカルトシンジケートであった。

故に2001年以降、超常技術の多くがヴェール・プロトコルによる制限指定から除外され、ミーム工学やギアステクノロジーもまた世間に露出するようになったわけであるが、今日の様にパラグラフィックデザインが広告や美術作品の表現手法として確立するには、これらの技術が持つ倫理的な問題が問われる以前に(むしろこれらはこれから論争となるだろう)、技術的な体系化や表現手法としての醸成を待つことになったわけである。

パラグラフィックデザインとネット広告

ミーム工学・ギアステクノロジーが民間に導入されてもっとも最初に活用されたのは、インターネット広告・宣伝分野であった。ただ、当時のパラグラフィック広告は、短絡的に広告自体がクリック数を向上させるために用いられており、ネット上にはやたらクリック率が高いがコンバージョン率が著しく低い広告が氾濫し、また同様の手口を用いたワンクリック詐欺と同様に嫌われた。なぜこうなったのかというと、今日においても「パラグラフィックデザインは工芸」といわれるように、複雑な精神影響を与えるためには高い専門知識と経験が要求されるためである。そのために、「カーソルをこの静止画の上に移動させてクリック」という単純な誘導のみが付与された画像がネット空間に溢れかえり、さらに言えば程度の低いデザイナーが設計した広告が軽度な健康被害をそこらにまき散らした。

こうしたパラグラフィック広告に対してネットユーザーらは広告ブロッカーを用いて対抗していたが、広告ブロッカーが一般のユーザーに広がるにつれ、広告収益でサイトを維持しているコンテンツ・検索エンジン提供者からの反発が大きくなっていった。これらの反発を受けて、2015年に主要な広告ブロックアドオンの一つである「Adblock+」が「控えめな広告(Acceptable Ads)」機能を実装するにあたって、パラグラフィック広告のミーム除去機能を一般向けに開発・提供するに至った。しかしながら、ミーム除去機能の実装は、技術の進化によってより強力な効果を持つパラグラフィック広告の作成が可能になった広告作成者側を刺激し、「アドブロック戦争」にはいかにアドブロックを突破するか/させないかという戦線だけではなく、いかにミーム除去機能を突破するか/させないかという戦線が出現し、ついに2019年にはアメリカで、ネット広告を原因とするクーフーリン症候群による死亡例が十数件発見される事態に陥った。このような事態に至って、正常性維持機関の主導でケニグスブール・ギアス基準に続く、エスターバーグ・ギアス基準が策定され、それをもとにアメリカ保健福祉省や日本厚生労働省・総務省が作成したガイドラインが今日に至るまで、危険なパラグラフィック広告の氾濫を抑止している。

MR・VRとパラグラフィックデザイン

前項ではいかにもパラグラフィックデザインを悪辣に描いたわけではあるが、技術というものの善悪はそれを使用する人間によって決まるように、


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