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「なんで俺が! 離せよ!」
緑川と青山は、ジタバタと暴れる赤木を取り押さえた。筋肉質な大男を捕らえるのは容易では無かったが、二人がかりで数分間格闘すると遂に組み伏せることに成功した。緑川がノートパソコンの充電ケーブルを利用し、後ろ手に赤木を縛り上げる。縛られてなお暴れる赤木が首を後ろに捻り、緑川に語り掛ける。
「アンタも財団の仲間なのか? アンタらグルなのかよ」
緑川はこの発言を聞いて、一瞬固まった。
「そこの女が財団なのは分かっているんだ。俺たちは絶対に報復するからな、覚悟しろ!」
緑川は考えた。この女が財団だとしたら、それはマズイことになる。こいつを縛り上げて、その後は俺もやられるに決まっている。気が付いた時にはヤツらの施設にブチこまれて……。
「おい」
緑川は低い声でそういうと赤木の拘束を解いた。赤木は緑川の心意を理解し、青山に殴りかかった。青山は赤木の攻撃を躱すが、続けざまに突進してきた緑川を避けることが出来ず、床に吹き飛ばされた。吹き飛ばされた衝撃で、青山の腰に取り付けられたガンホルダーが露になる。
「なんだよ、アンタが犯人なのかよ!」
緑川は食い気味に叫んだ。目の前に転がってきた僥倖を掴むようなそれは白々しさすら帯びていた。
赤木は怒り心頭の様子だ。赤木視点では同志を殺害した真犯人は青山で、危うく殺しの罪を擦り付けらえるところだったのだ。赤木は怒りの咆哮をあげると青山の上に馬乗りになり、相手は女だというのに殴る、殴る、殴る、殴る。
緑川はその様子を眺めると小さくほくそ笑んだ。怒りで回りの見えない赤木を刺激しないよう、ゆっくりと静かに部屋を後にした。
そのまま美術館を出た緑川は携帯を取り出し、どこかへ電話をかけ始めた。
「あ、もしもし、広末さんですか? すいません、ミスって殺してしまいました。はい。はい。いえ、それは大丈夫だと思います。すいませんが、迎えをお願いしていいですか」
……。
この私立美術館は今でも営業している。館長が若い男に変わり、今までと違った趣向の美術品が楽しめると評判だ。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3461191 (20 Jul 2018 11:22)
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