ニクデンシャ全史
評価: 0+x

花男って知ってるか? そんな名前ほどファンシーなヤツじゃねえよ。頭が花みたいになってんの。顔が他ンヤツよりデッカくて、細長くなっている。頭頂部の辺りから口無しの花みたいに「花びら」が裂けてて、五つに分かれてる。怖いよな。なんでも噂では‪Yakushi‬かなんかの実験施設から逃げ出したフラスコベイビーって聞いてるけどね。だから「花」とか? ほら、花籠学園ってのもあっただろ。嘘言ってねーよ! そんな珍動物じゃないからヤツとはすぐ会える。マチダの食堂、龍虎亭に行ってみなよ。仕事終わりにいつも飲んでるんだ。ラガー奢れば、話も聞けると思う。

肥大化女性労働者の噂より


「……悪かった、悪かったって……!」

「そういうんじゃない、家族の間にだって礼儀ってのがあるでしょ!」

 赤坂見附駅の大乱交が始まった。トーヤを必死に振り払って突き飛ばした後、駅のホームの端に行って私はやっと冷静さを取り戻した。

 駅の光が消えて暗闇が覆う。暗闇の中にもぞもぞとした人の姿が現れては消え、何かの音を出して動いていた。この暗闇はもっと温かなものだったはずだ。私たちを覆う暗闇は、私たちの眠りのためにあるのだ。私たちの光は、私たちの活動のためにあるのだ。だがこの暗闇は、何のためにあるのだろうか。

「ナユ……!」

 私は末弟のナユを拾って、抱き抱えて逃げた。暗闇で辺りが見えないが、長年暮らしてきた‪我が家ホーム‬だ。目を瞑っても歩ける。

「ユーキねえと同じことをしてた。皆、ライにぃもイルベにぃもおかしくなっちゃった。四つん這いになって這い回って、お尻のあそこを舐め回したりしてたんだよ」

 ピチッ、ピチッと水がしたたる音だ。深夜なのに電車が駅を通過する。光がホームを照らして私の目に入る。それが家族の家族同士のまぐわいの姿だった。ハナねえがザハにぃに覆いかぶさった。ハナねえの目は虚ろになって、すっかりと我を失っている。ザハにぃはハナねえの股のところを舐めた。そのまま熱心に絡み合って、逆のパターンで同じことを試したり、喘ぎ声をあげたりして楽しんでいた。私はすっかりと怖くなって、ナユの目を覆った。

「FU◯KING!HOTね」

「あなたはザイダンの……」

 先日、電車の中から現れた白衣の女性だ。シータとよく似た機械を帯同している。

「ここはうるさいから外へ出ない? あなた赤坂見附駅のヤナさんね……? この駅ではもう発情期が始まったの」


 彼女が赤坂見附駅に来たのはつい先日のことだ。ユーキねえの結婚式に乗じて、新宿駅の放った肉の者が襲撃してきた。私とシータは、それを何とかして退治したが、その肉は女性を含んでおり、私たちは彼女を見つけてしまったのだ。ザハにぃがコミュニケーションを取ろうとすると、訳のわからないことを言って誤魔化したので、とりあえず赤坂見附駅のホームとは別の場所に居てもらっていたのだ。

「私の名前はトーコ。こっちは有機的エンジェロイドの……長いからワンって呼んでる。θ-A12d56-1番号機のワン」

「私はヤナ。私と同じ天使を知ってる人がいてびっくりした。こっちの名前はシータって言うの」

「切り取り方が違うのね。なるほど」

ERROR

The carbon13's portal does not exist.


エラー: carbon13のportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:3442755 ( 28 Jul 2018 16:30 )
layoutsupporter.png
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License