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アイテム番号: SCP-2250-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 日本全国のレストラン、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、その他食料品を扱うあらゆる形態の商業店舗は財団によって監視されます。機動部隊ふ-11("ノンクレーマー")はSCP-2250-JPの兆候が見られた場合、その発生地点に急行し、SCP-2250-JP-AとSCP-2250-JP-Bの回収及び、異常現象の目撃者に対する記憶処理を行ってください。また、SCP-2250-JPによって死亡した人物は財団傘下の病院に搬送され、関係者には適切なカバーストーリーの流布が行われます。
SCP-2250-JP-Bは発生地点からもっとも近いサイトのうち、適切な医療施設を有する所に搬送されます。SCP-2250-JP-Bには可能な限り延命処置が施されます。適切な点滴と潜在的な疾患の治療を行ってください。SCP-2250-JPの発生機序の関係から、SCP-2250-JP-Bの延命処置は次回のSCP-2250-JP発生を遅らせると考えられています。
説明: SCP-2250-JPは日本国内の食料品の販売・提供を行う商業施設において発生する異常な現象です。その地域の店舗の密度による要因以外による、その発生場所の分布の偏りは見られません。食料品店では、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、一部の道の駅等などがSCP-2250-JPの対象となります1。
SCP-2250-JPは4つのフェーズに分けられています。おおむね5日から7日程度で全ての段階を終了させます。事例ごとに内容は変化する場合がありますが、SCP-2250-JPの主な段階的構成は以下の通りです。
フェーズ-1では、総じて何らかの獣に荒らされたかのような状況が店内に生じます。店員や顧客は店内を荒らす獣を目撃したと証言し、撒き散らされた糞や爪などによる破壊の痕跡が見られるようになります。それにも関わらず、動物の物理的実体が映像記録機器、肉眼を通して直接観察されることはありません。店内の食品が不明な方法で消費されます。断面の痕跡の観察は、動物による食害という結果を示しますが、必ずしも単一の種のものとは限りません。また、この現象で店内の食品が完全に消費されることはありません。
また、フェーズ-1においては、多くの場合、対象となる店舗にイエバエの幼虫やマメゾウムシ、ゴキブリ等の害虫の出現が発生します。これらは主に店内の食品類に集まるようにして出現します。この昆虫群に関して、元から環境中に存在したものが集合しているのか、SCP-2250-JPが出現させたものなのかは不明です。しかしながら、多くの実体はどのように清潔な環境であれ出現し、通常より早い速度で繁殖します。試験では通常の5倍以上繁殖力の高いチャバネゴキブリ(学名:Blattella germanica)の存在が確認されました。これらはSCP-2250-JPの終了から異常な要素を失っていくと考えられています。
フェーズ-1からおおむね24時間が経過した後、フェーズ-2が開始されます。フェーズ-2では店内の人物のうち1人がビタミン欠乏の症状を示し始めます。これはその人物の食生活にほとんど関係がないように見え、その店舗に所属する人物の中で若い者が選択される傾向にあります。症状の発現は明らかに急性的ではあるものの、検死解剖ではその人物が慢性的にビタミンB1を不足させる生活を行っていたことが証明されます2。このビタミン欠乏症に罹患した人物は、その症状の重篤さに関係なく罹患から24時間後(± 1時間)に必ず死亡します。その死亡時から5時間後にSCP-2250-JPはフェーズ-3へ移行します。
フェーズ-3では店内のあらゆる食料品がSCP-2250-JP-Aに変換されます。外見上元の食品との差はありませんが、それらに含まれると考えられている炭水化物、脂質、タンパク質などの熱量素はどのような形でも吸収されません。長期的なSCP-2250-JP-Aの摂取は被験者の健康に悪影響を及ぼします。財団の研究者らによれば、SCP-2250-JP-Aは"負の生理的熱量"を持っているとされています。現在、値がマイナスとなる熱量を用いたSCP-2250-JP-Aの有害性を定量的に分析する方法を検討中です。
フェーズ-4はフェーズ-3の異常現象が確認されてから約5時間後に開始されます。モンゴロイドの人種的特徴を持つ人型実体(以下、SCP-2250-JP-Bに指定)が店内の複数の箇所に出現します。SCP-2250-JP-Bは机の下、棚の下、設置された冷凍庫の中など目立たない場合に出現する傾向があります。SCP-2250-JP-Bは外見年齢の平的体重から逸脱して低体重であり、毛髪が抜けやすい、肌が乾燥し弾力を失っているなどの飢餓状態の典型的な症状を示します。麻などでできた着物を着用している場合もありますが、大部分のSCP-2250-JP-Bの服装は貧相なものであり、おおむね着古されています。SCP-2250-JP-Bは出現した段階で、立ち上がることができないほど衰弱しています。発話は観察されていますが、意思疎通は困難です。
SCP-2250-JP-Bは例外なく飢餓状態に陥っており、店舗内にある食料品を積極的に食べようとします。しかしながら、SCP-2250-JP-Aの持つ"負の生理的熱量"の影響によってSCP-2250-JP-Bの極端な飢餓状態は改善されることはなく、発生から24時間以内に死亡します。その唯一の例外は人肉食カニバリズムであると考えられています。フェーズ-3における食料品のSCP-2250-JP-Aへの置換現象は人肉を対象としておらず、SCP-2250-JP-Bにとって唯一のカロリー補給源は人肉です。SCP-2250-JP-Bは顧客や他のSCP-2250-JP-B個体の仲間の死体を食べますが、それでも通常の条件下において3日以上SCP-2250-JP-Bが生存していた事例はありません。
SCP-2250-JPは以上のような段階で進行していきます。最終的にSCP-2250-JP-AとSCP-2250-JP-Bの死体は残留します。SCP-2250-JPの次回の発生には、前のSCP-2250-JPフェーズ-4における最後のSCP-2250-JP-B個体が死亡してから168時間のインタバールを必要とします(フェーズ-0)。最初発生した店舗の近くにおいてさらなるSCP-2250-JPが引き続き発生することもあります(SCP-2250-JPサイクルと呼称)。その場合2〜5回ほどのサイクルが繰り返されます。SCP-2250-JPサイクルでは主に以下に挙げる点で単発のSCP-2250-JPと異なっています。
- フェーズ-2でビタミン欠乏症を生じる患者の数が増える。
- SCP-2250-JP-Aのエネルギー量がより低い。
- 最初のSCP-2250-JPよりフェーズ-4において生じるSCP-2250-JP-Bの数が多い。
補遺2250-JP.1: 発見およびSCP-2250-JP-Aの分析
SCP-2250-JPは2020/5/14に初めて発生が確認されました。岐阜県揖斐郡のスーパーマーケットカネスエ大野店にて発生した異常現象は、フェーズ-4で出現したSCP-2250-JP-Bの死体によって警察に通報されました。警察内に潜入していた財団のエージェントによって即座に財団が認知するものとなり、オブジェクトの確認もしくは確保を目的として機動部隊ふ-11("ノンクレーマー")が展開されました。
機動部隊ふ-11は当初SCP-1988-JP3への対応のために設置された部隊でした。全国のサイトに少人数ずつ配置されており、客を装って商業店舗で発生する異常現象に対処します。派遣され、現地に到着した機動部隊ふ-11は3体の下半身が欠損した乳幼児の死体を報告しました4。
回収された商品はいわゆる"負の生理的熱量"を有していました。炭水化物、脂質、タンパク質等の熱量素がまったく存在せず、摂取によって栄養補給を行うことが不可能です。財団の研究者らはDクラス職員10名を用いたSCP-2250-JP-Aの摂食実験を通して得られたデータに基づき、SCP-2250-JP-Aの生理的熱量を求めました。この実験を通して、SCP-2250-JP-Aを摂食した対象が体重を減らしていることが明らかとなりました。
サイト-81E9 鹿沼食品研究班
実験記録-1:
目的: SCP-2250-JP-Bの人体への影響の測定
対象: D-2080, D-2096, D-2099, D-2109, D-2115 , D-2119, D-2096, D-2099, D-2109, D-2115
方法: 体重がおおむね50kg程度で統一された男性Dクラス職員10名にSCP-2250-JP-Aを摂食させた。1日3回の食事のうち、SCP-2250-JP-Aを含んだ食事は昼食の1回のみにとどめ、残りの食事は成人男性の必要量2200kcalを満たす献立を作成した。これらの生活を1週間繰り返した後、体重の増減を調べた。なお、実験中のDクラス職員には中程度の運動を行うことができる機会を設けている。
実験-1: 事例2250-JP.1で回収された食パンを毎日の昼食に用いた。これを1週間継続する。食べる前に軽くトーストし、飲料は水のみに限定した。これは食パンの生理的熱量の定量分析を目的としている。実験結果とパンに含まれる栄養素や元の生理的熱量から独自の擬似アトウォーター係数を求め、さまざまなタイプのSCP-2250-JP-B食品に適用できる負の生理的熱量の計算方法を考案した。
実験-2: 事例2250-JP.1で回収された多様な種類のSCP-2250-JP-Aで1週間の献立を作成した。(本来の数値であれば)600kcalを含有する献立を作り、Dクラスに摂食させた。
以下、SCP-2250-JP-Aを含む食事を1日に一度摂るグループをA摂食群、摂らないグループを非A摂食群と呼称する。
結果: 研究班が作成した献立は1週間に3時間、中程度の運動を行う成人男性が過不足なく健康に生活するのに十分な生理的熱量と栄養学的要素を含んでいた。これらは非A摂食群の体重がほとんど変動しなかったことを鑑みても十分に正確性が保証されていることがわかる。
実験-1では、食パンの負の生理的熱量の定量化に成功した。A摂食群被験者は徐々に体重を落とし、平均的には自己の体重の1/5を減少させた。本来取るべき1日のカロリー摂取量は1日あたり2500kcalである。今回実験に用いた食パンの生理的熱量が100gあたり-203kcalであり、パン一枚(6枚切り)60gでは-121.8kcalとなる。この実験では、単純なカロリー摂取量の話で言えば朝昼合わせて1600kcalほど摂取しているが、これで相殺されたと仮定すると1478.0kcalのみしか取れていないことになる5。
実験-2のA摂食群被験者には、極端な体重の減少と肌荒れ、ストレス、眠気、脱力感、筋肉の痙攣などが見られた。後半では運動を行うことを拒否するほど衰弱するようになった。D-2096、D-2099およびD-2115には飢餓浮腫6が見られた。これはSCP-2250-JP-Aが生理的熱量を消失させる効果があることを鑑みても異常な要素を含んでいる。飢餓以外の可能性で浮腫が生じた可能性は除外された。
A摂食群の体重の減少から、以下のような負の生理的熱量の値が求められました。
食品名 | エネルギー量の値 (100gあたり) | 元の食品のカロリー(100gあたり) |
---|---|---|
ロイヤルブレッド 食パン | -203kcal | 169kcal |
近衛牛乳 | -109kcal | 66.9kcal |
人参7 | -503kcal | 39kcal |
チョコレート菓子類 ミニ 15枚入り | -806kcal | 54kcal |
米 魚沼産コシヒカリ | -10.5kcal | 356.1kcal |
これらの食品を毎日一食分適切に調理して食べた場合、それ以外の食事で摂られた生理的熱量の6割が相殺されます。この生活を続ければ、1週間ほどで飢餓の症状を招きます。タンパク質および炭水化物の不足が原因となる症状が被験者に確認されました。その一方、ビタミンなどの必須栄養素はある程度十分に取れていました。
実験で行われた被験体の反応を見る限りでは、SCP-2250-JP-Aを腹の中に満たした時の満腹感はあるようです。SCP-2250-JP-Bは積極的にこれを食べないように見えますが、一時的な満足感が得られるにも関わらずあえてSCP-2250-JP-Bを食べない理由は不明です。
補遺2250-JP.2: SCP-2250-JP-Bの研究
岐阜県揖斐郡のスーパーマーケットで発生したSCP-2250-JPの事例は事例2250-JP-1に指定されました。この時ふ-11のメンバーによって発見された3体の乳幼児の死体に関して、財団の分析の機会が得られました。
SCP-2250-JP-B-1は生後数ヶ月以内に死亡した女児であると見られます。体の痕跡から判断すると右足が何者かによって食べられたようであり、おおむね右下半身が欠損しています。本来それと見られる部分に肛門がありません。
SCP-2250-JP-B-2は2歳児程度の女児であると考えられます。Th11までの脊椎が欠損しており、下半身がありません。加えて、SCP-2250-JP-B-2は右半身に深刻な火傷があり、生前はほとんど動かせる状態ではなかったと考えられます。
SCP-2250-JP-B-3は5歳程度の男児です。外性器が抉り取られており、存在していません。
遺伝的にSCP-2250-JP-B-1, 2, 3は兄妹であると考えられています。
財団は回収された直後これらの死体に対して解剖を実施しました。その結果、SCP-2250-JP-B-1, 2, 3が生存に必要な内臓を完全に有していないことが判明しました。主に欠損が見られるのが消化器系、生殖器系です。消化器系では、口に含まれる歯や舌(ただし歯には後天的なものと見られる欠けがあった)は揃っていました。小腸、大腸は直径5cmまでに萎縮していました。
その他のSCP-2250-JPでの事例が回収されたところによると、下半身が欠損すること以外のこれらの特徴はSCP-XXX-JP-Bに共通するものであることが判明しています。すなわち、SCP-2250-JP-Bの小腸と大腸は萎縮しており、5歳児未満の男児の性器は萎縮もしくは抉り取られている、などのいくつかの特徴です。
また、同一のSCP-2250-JPで発生したSCP-2250-JP-Bは血縁関係にある可能性があります。
補遺2250-JP.3: 一般的なSCP-2250-JPの事例
監視・収容体制が確立されたことによってSCP-2250-JPの発生をフェーズ-1の兆候から発見できるようになりました。その結果、SCP-2250-JPの具体的なタイムラインが把握されました。財団はフェーズ-1が発生した時点で全ての人員を避難させ、適切な治療措置と記憶処理を施して一定期間監視下に置きました。
以下は、さまざまな手段で獲得された情報を総合的にまとめた事例2250-JP-3の記録です。ふ-11の探査記録、および複数の研究班による記述を含みます。
サイト-8196 記録課作成
指定: 事例2250-JP-3
日付: 2020/6/23
場所: 神奈川県綾瀬市 日高屋
経緯: 神奈川県で発生した異常現象は現在では事例2250-JP-1として指定された岐阜県のスーパーマーケットでの事象と類似していた。財団は即座に半径2km以内の領域を交通封鎖し、カバーストーリーと関係者の記憶処理と保護措置を行なった。財団はフェーズ-1が発生したことを受け、これを事例2250-JP-3とし、横断的なSCP-2250-JPの観察を目指した。
概要: サイト-8196の船台超常動物行動学研究班はフェーズ-1で確認された「動物が荒らした跡」を体長170cmほどの成熟したオスのツキノワグマ(学名:Ursus thibetanus)によるものであると推定した。カウンターの近くの壁面には爪で傷をつけられた後があり、机は複雑に破壊されていた。現場に残された糞は明らかにツキノワグマのものであり、未消化のミズナラ、アケビ、バジル餃子、レバニラ、中華そばを食べたと思われる痕跡があった。
フェーズ-2では、日高屋のアルバイト樹下淳弥氏(18歳)が極端なビタミン欠乏の症状を見せた。財団は事前にこのチェーン店舗の中でビタミン欠乏症の対象となりやすい人物をピックアップしており、樹下淳弥氏はこの中でももっとも低い優先順位であると推測されていた。その財団の予想と反して、事前の健康調査では如何なる問題も見せなかった樹下淳弥氏がビタミン欠乏症の対象として選択された。これまでの事例2250-JP-1、事例2250-JP-2での選択の対象はともに加齢気味であり、メタボリックシンドロームの兆候が見られていた上アルコールを好む気質があった。それらの理由から、SCP-2250-JPのビタミン欠乏症選択メカニズムは不健康さが一種の指標であると考えられていた。しかしながら、事例2250-JP-3でのこの結果はその仮説を覆すこととなった。
財団が事前に選択したビタミン欠乏症の対象となると思われていた人物は以下の通り。左から順に優先順位が高い。
弘明寺蔵座 | 獅子舞海 | 甲斐田喜知 |
---|---|---|
49歳、男性 | 30歳、男性 | 20歳、男性 |
週に5日以上の飲酒。体重70kg。 | 飲酒、喫煙を週に1日以上。 | 未成年飲酒の経験あり。不健康。 |
一方で、樹下淳弥氏はもっとも若く在籍していた高校が行っていた健康診断でも問題は見られなかった。飲酒の経験もなく、心身ともに健康であった8。樹下淳弥氏は財団による標準的な治療を受けたが、発症から23時間23分後、財団のフロント組織の病院で死亡した。これを起点としてフェーズ-2が終了したとみなされた。
フェーズ-3では、冷蔵庫にある食品の生理的熱量が0以下になったと考えられた。機動部隊が持ち帰った食品は後の調査によって生理的熱量が負の値を示した。SCP-2250-JP発生中の領域内において熱量の具体的な範囲内を調べるための実験的措置として、ふ-11の糸島はキッチンのコンロでその場にあったネギを燃やすように指示された。ネギは自然に発火し、炭になるまで燃やされ続けた。これによって、SCP-2250-JPが熱力学的には熱を奪わないことが検討された。
フェーズ-4では3体のSCP-2250-JP-Bが出現した。それぞれの出現地点とおおまかな特徴は以下の通りである。
- SCP-2250-JP-B-6
身長が90cmほどしかない年齢不明の男性と見られる人型実体。脳の外傷から成長ホルモン分泌不全性低身長症によって成長が停止したと疑われている。冷蔵庫に丸まった体制で入り込んでおり、発見された時点で凍傷による壊死が進行していた。回収後30分で死亡。
- SCP-2250-JP-B-7
成人女性のものと見られる左前腕、および右のものと見られる尺骨、月状骨、第一/第二中手骨。骨の周りには腐敗した肉がこびり付いており、何者かによって食べられた跡であることを示す人間の唾液の痕跡。どんぶりに盛られた状態で発見された。どんぶりにはイエバエ類の幼虫が蓄積したスープや左前腕の中に出現している。
- SCP-2250-JP-B-8
10歳程度の外見を持つ女性人型実体。 SCP-2250-JP-B-7の遺伝的な子であると考えられる。他のSCP-2250-JP-Bと比較すると活発で表面的には健康であるように見える。体重20kg。机の上で座禅しながら以下の一連の文言を呟いていた。
調査のために機動部隊のメンバーはSCP-2250-JP-Bをそのまま放置しておくように指示された。SCP-2250-JP-B-6は冷蔵庫の中のものをゆっくりと消費していたが、そのまま飢餓が改善せず5時間後に明確な死亡が確認された。観察された個体の中でも活発な性格を見せていたSCP-2250-JP-B-8は盛んにキッチンのものをあさり、SCP-2250-JP-B-8の左前腕をしゃぶるようにして舐め、最後には咀嚼まで行った9。SCP-2250-JP-B-8は夜間の間生存し続け、出現から1日後の昼に栄養失調と心臓麻痺によって死亡した。
SCP-2250-JP-B-8が死亡したことによって、フェーズ-1からフェーズ-4までの過程を終了したと結論された。これ以上の異常現象が発生することの懸念から、機動部隊ふ-11は店舗内から離脱して遠域観察に移行したが異常現象が発生することはなかった。この段階はフェーズ-0に指定された。
補遺2250-JP.4: 特殊なSCP-2250-JPの事例
2021年上半期におけるSCP-2250-JPの累計発生件数は23件でした。日本国内で発生するという共通点を除いては、統計的に有意であると考えられる発生地域の偏りは見られません。その内いくつかの限られた事例では既存の異常現象の段階的構造を逸脱するものが複数見られました。中でもその逸脱が顕著なものとして好例なのは、広島県那奈市での個人経営店"阿賀屋"(牛丼屋)、群馬県安中市の自動販売機、東京都ショッピングモールの3つです。とりわけ1番目と2番目に挙げたものは似た事例が複数回別の場所で引き起こされていることから、SCP-2250-JPの発生機序を研究するのに重要であると考えられています。現在はそれらの特異的なSCP-2250-JPの例について詳細な調査を進めつつ、これらの関係性を調べています。
以下に示すのは群馬県安中市の町に設置されていた自動販売機を中心として発生したSCP-2250-JPの観察記録です。
サイト-8196 記録課作成
指定: 事例2250-JP-15
日付: 2020/9/21
場所: 群馬県安中市 京隘社製自動販売機
経緯: 群馬県で発生した異常現象はいくつかの特徴からSCP-2250-JPと関連付けられた。事例2250-JP-15と指定されたこの小規模な異常現象は、通常のSCP-2250-JPに含まれる段階的構造を持っていなかったが、単体のSCP-2250-JP-Bの出現を伴い、飲料のSCP-2250-JP-A化を進行させた。
規模がもっとも小さかったため、記憶処理やその他の措置は行われなかった。自動販売機とそれに付随するゴミ箱はサイト-81E9に回収され、中型オブジェクト保管ロッカーに収容された。
概要: 研究班は事例2250-JP-15の理解を深めるために変則的な段階的構成を文章化した。
フェーズ-1では通常、被影響領域に"獣によって荒らされた状況"が見られるが、今回のこの事例ではそれが確認されなかった。これについてはいくつかの仮説が立てられている。これらの仮説と反例を以下に付記した。
- フェーズ-1と結び付けられた"獣"は同時に店内の食料品を消費することによって出現する。そのため、飲料のみ販売する自動販売機では、"獣"を出現させるのに十分なエネルギーを持っていなかった。
いくつかの事例の中では、消費される食料品の量が著しく少ないのにも関わらず、アジアゾウやニシローランドゴリラなど食べる量が多い"獣"が出現している。現在までの研究では食べる量がこれらの"獣"が出現する要件と結びついているとは判明しておらず、飲料のみでも出現できないとは限らない。
- 発見当初、自動販売機に付随するゴミ箱が中身をばら撒いた状態だったことが確認されている。これは"獣"の出現が正常に行われた証拠であり、これまでに行われた調査はその証拠を発見できていない。
当該自動販売機は森林と住宅街に近く、野良猫や犬、カラス等が数多く生息している。それによってゴミ箱が荒らされた可能性も否定できない。また、人間の非意図的な転倒(酔っ払いなど)によって内容物がばら撒かれたという可能性もある。
- SCP-2250-JPの段階的構成は連鎖的であり、いずれかの段階に問題が生じると他の段階にも問題が生じるという可能性。この場合、異常現象の発生する領域がごく狭いことを理由にSCP-2250-JPの何らかの発生機序に問題が生じ、"獣"の出現が伴わなかった。
SCP-2250-JPの具体的な発生機序は明確に理解されていない。フェーズ-1は異常現象の1番最初に位置しているのもあり、前回発生したSCP-2250-JPと結び付けて説明するのは困難である。
これらの仮説が全て否定されたとき、SCP-2250-JPの発生機序は、事例2250-JP-15においてはフェーズ-1が欠損していることとなる。
フェーズ-2も同様に事例2250-JP-15では確認されていない。事例2250-JP-15が起きたタイミングから前後1ヶ月以内には当該自動販売機の近辺にある病院でもビタミン欠乏症で死亡した人物は確認されなかった。SCP-2250-JPの発生機序の問題として、フェーズ-1の欠損と同時にフェーズ-2が存在していないのか、単に対象人物の不在によるものなのか、あるいはその両方であるのかについては判明していない。
フェーズ-3でSCP-2250-JP-Aに変化した飲料が負の生理的熱量を有していることが確認された。研究班は変則的アトウォーター係数によって自動販売機の飲料が持つ生理的熱量を数値化した。以下に示す。
食品名 | エネルギー量の値 (100mLあたり) | 元の食品のカロリー(100mLあたり) |
---|---|---|
ポカリスエット | -69kcal | 25kcal |
天然ミネラル 麦茶 | -25kcal | 0.96kcal |
三ツ矢サイダー | -42kcal | 42kcal |
コカコーラ | -30kcal | 45kcal |
コカコーラ ゼロ | -80kcal | 0.28kcal |
これらの飲料は含まれる糖類の量が限りなく少ない(100mLあたり0.5g以内)のにもかかわらず、Dクラスによる官能検査は依然として「甘味」や「炭酸の爽快感」を示している。成分解析の一部のデータはアステルパーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムKなどの人工甘味料が存在していることを示しているが、"負の生理的熱量"の解釈を行うには根拠が薄い。
フェーズ-4では自動販売機の位置する道の曲がり角から体重46kg、身長160cmの男性人型実体が出現した。この男性人型実体はまだ極端な飢餓を経験しておらず、不明な方法でコカコーラ ゼロを自動販売機から購入した。
SCP-2250-JP-B-42と指定されたこの実体はSCP-2250-JP-Bの知的レベルを調べるのに良好なサンプルであるとみなされた。兼ねてからSCP-2250-JP-Bの行動メカニズムは決められた法則に従っており、概して情動反応的であるということが指摘されてきた。SCP-2250-JP-Bに針を刺した試験では[1]一定の回避反応を示しており、ある程度扁桃体や視床下部などの脳領域が正常に機能していることがわかる。SCP-2250-JP-Bが今までもっとも多く示してきた情動反応は空腹からくる食欲を示す行為であり、それだけは活発に行われてきた。
SCP-2250-JP-Bは高次の社会感情を全く示しておらず、前頭葉や側頭葉までの脳領域に重大な損傷をきたしている可能性がある。言葉によるコミュニケーションは不可能で、ウェルニッケ失語症など後頭葉の損傷が疑われるが、時折意味のある文章(事例2250-JP-3のSCP-2250-JP-B-8など)を発することもある。
SCP-2250-JP-B-42はDクラス職員の「よう!こんな夜中に何してるんだ?」という声かけに対して咳が入り混じった「ばしごく」という単語で返答した。これは秋田方言で「嘘つき」を意味する単語であるが、なぜこの単語が選択されたのかはわからない。SCP-2250-JP-B-42はそれ以上の問いかけに対して如何なる回答を示すこともなかった。現在、SCP-2250-JP-B-42はサイト-8196の人型オブジェクト医療室301で点滴を受けたままで生存している。
補遺2250-JP.5: SCP-2250-JP-Bの遺伝的な繋がり
2021/8/22、埼玉県入間市の土産屋の店舗で事例2250-JP-23が発生し、その内容から新たな事実が発見されました。事例2250-JP-23で出現した5体の実体のうち、当時SCP-2250-JP-B-51と指定された身長110cmの女性人型実体は事例2250-JP-3で発見された他の人型実体(SCP-2250-JP-B-8)と完全に同一な遺伝子情報を持っていました。これは財団がSCP-2250-JP-Bの出現は一定の個体の間で繰り返され、財団の観察の間にその周期が"一周した"もしくは不明なメカニズムがSCP-2250-JP-Bの出現する個体を重複させたと考えるきっかけとなりました。
サイト-81E9の樊城文化人類学研究班が行ったその後の長期的なSCP-2250-JPの観察によれば、SCP-2250-JP-Bはそれぞれ遺伝的に密接に繋がるいくつかの家族グループの集まりであり、その合計の人数は156人です。樊城研究班はSCP-2250-JP-Bから採取されたヒトノゲノムを調査し、SNP10の相関関係を図.4に示しました。加えて、近いSCP-2250-JP-B実体群ほど同じ事例で出現しやすいという要件から、ある程度SCP-2250-JP-Bが出現するメカニズムを把握できるようになりました。SCP-2250-JP-Bの一覧は樊城文化人類学研究班に問い合わせてください。
SCP-2250-JPの発生機序において、少なくともSCP-2250-JP-Bは以下のような挙動を持ちます。
- SCP-2250-JP-Bの総個体数は一定。SCP-2250-JP-Bの周期は未だ不明な部分が多いが、第一周期目の観察から同じSCP-2250-JP-B個体は同じ周期において重複しないのだと考えることができる11。
- 血縁関係が近いSCP-2250-JP-B同士で出現する確率が高い。現在では三親等以上遠いSCP-2250-JP-Bが出現したことはない。
SCP-2250-JP-Bの総数が一定であるという情報から、全てのSCP-2250-JP-Bが生存していれば新たにSCP-2250-JP-Bを出現させるメカニズムが成り立たないとの仮説が立てられました。これはSCP-2250-JP-Bの出現(フェーズ-4)のタイミングであらゆる異常現象が停止すれば、恒久的にSCP-2250-JPを収容状態におけるのではないかという考えです。
補遺2250-JP.6: さらなる特殊な事例
サイト-8196 記録課作成
指定: 事例2250-JP-25
日付: 2020/12/3
場所: 東京都練馬区 ファミリーマート
経緯: 財団の監視網はSCP-1988-JPとSCP-2250-JPの同時発生を確認した。15:32分、練馬区内のファミリーマートの正面入り口前に少なくともSCP-2250-JP-Bとは明確に異なる人型実体が出現した。この人型実体はSCP-2250-JPの異常現象と密接に関連していると判断されたため、後にSCP-2250-JP-Ωに指定された。
概要: SCP-2250-JPの発生したファミリーマートの店舗は敷地内にイートインスペースを含んでいる。フェーズ-1の特徴である「動物の荒らした跡」は現場に残る残留糞によってドブネズミ(学名:Rattus norvegicus)であると判断された。現場はドブネズミのする糞やイエバエの発生によって不潔である。
事例2250-JP-25の特筆すべきパターンとして、フェーズの進行が同一のタイミングで行われたところにある。フェーズ-1が確認され財団による調査が開始された時点で、SCP-2250-JP-Bは出現しており、店内の食品は負の生理的熱量を有していた。また、今回の事例においてもビタミン欠乏症に罹患した人物は存在せず、店舗にいるあらゆる人物もその対象にならなかった。
フェーズ-1が開始されるとイートインスペースの席にSCP-2250-JP-Ωが出現した。SCP-2250-JP-ΩはSCP-2250-JP-Bに典型的な外見を有しておらず、明確な出現の意図と知性が認められた。SCP-2250-JP-Ωはモンゴロイド系の外見を有した黒髪の女性人型実体であり、黒いスーツを着用していた。財団はSCP-2250-JP-Ωに対するインタビューを試みた。以下はその音声記録である。
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- portal:3442755 (28 Jul 2018 16:30)
豊富な文章量と令和飢饉というインパクトのあるタイトル、時事ネタと恐怖の概念の均衡を組みわせた内容は興味深くもありますが、以下の設定的なところが気になってしまうため、私はNVです。
・なぜ、このSCPは同様に世界的猛威を振るった新型インフルエンザやエボラの時に発生しなかったのか。
・恐怖のバランスが原因なら、なぜリーマンショックの時に同様な病系あるいは戦争系SCPが発生しなかったのか。
・このSCPに関係がないのならば、食神様をSCP-1988-JPやTtt社と関連させる必要性が感じられない。
tazenさんありがとうございます。
「なぜ新型インフルエンザウイルスやエボラの時にこれらの事象が発生しなかったか」ということについて設定を説明させていただきます。一応想定の範囲内でしたのでお応えするのですが、記事内にそれをうまく落とし込めていなかったという点において改善点がまだあるかもしれません。
まず、インフルエンザウイルスとコロナウイルスの感染ではかなりの規模の違いがあるということが念頭に置かれています。コロナウイルスは東京都でも緊急事態宣言が発令され、その対応はやや全国的で日本としてその活動を進めないと対処できないものであったと思います。決してこれはインフルエンザウイルスの規模を過小に評価するつもりはないのですが、日本国内におけるコロナウイルスの合計の死亡者数が6,966人(本投稿時点)であり、2009年の新型インフルエンザの死亡者数は68人です。文化や経済への打撃も著しく、あくまでも私個人としての所感ではコロナウイルスは恐怖のバランスを崩しかねないパンデミックであったと言えましょう。もちろん、この後で私がインフルエンザウイルスによりバランスが崩れて、異常現象が生じた記事を書いても良いのですが。
他方、エボラウイルスについてですが、SCP-XXX-JPの現象の範囲内が日本国内に留まっていることと関係があります。あくまでも日本国内の恐怖のバランスが崩れたことによるものであり、国外において猛威を払った疾患はその限りではありません。エボラウイルスはアフリカでの感染が主であり、もちろん日本での感染が見られないことはないものの、文化や「恐怖」に与えた影響で見ればコロナウイルスとは比べ物にならないでしょう。また、中央アフリカの国々は今も飢餓に現在進行形で苦しみ続ける国の一つであり、もとより飢餓に対する恐怖が強いという事情もあり、同様の事象が発生することは少ないかと思われます。
リーマンショックなどの世界的な恐慌ではおそらく複合的な対象に恐怖が生じると思われます。例えば、貧乏になることによって飢えたり、適切な医療サービスが受けられなくなることによる病への罹患であったりすると思います。これらの事象では、概ねバランスの取り方は誤差修正の範囲内に留まると思います(とはいえここら辺の設定は詰めどころがあるとは思います)
総じて、SCP-XXX-JPは現代、日本において病に恐怖が偏る状況であるからこそ発生するのだと思います。文化的な影響力で言えば、コロナウイルスにはそれだけのポテンシャルがあると思います。
最後にこのオブジェクトとTtt社やSCP-1988-JPに関係性が認められないということですが、大いに関係があります。まず、ここではTtt社は単なる神格の企業として扱うのではなく、「人類の文化/概念に関係する神格」として扱っています。この記事の世界観では人類の概念やバランスによって様々な異常現象が生じるため、おおむねTtt社と共通の設定を有しています。Ttt社に関連つけられる神格は、作中にて語られる「疫病神」や「SCP-XXX-JPそのもの」と根本的には同じです。つまり、その食神様はその世界観の一員として登場したことになります。
追伸: ご指摘の点についてインタビューにわかりやすいように追記させてもらいました!その点でご指摘は非常に参考になりました。ありがとうございます。
「日本全国のレストラン、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、その他食料品を扱うあらゆる形態の商業店舗は財団によって監視されます。機動部隊ふ-11("ノンクレーマー")はSCP-XXX-JPの兆候が見られた場合、その発生地点に急行し、SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bの回収及び、異常現象の目撃者に対する記憶処理を行ってください。また、SCP-XXX-JPによって死亡した人物は財団傘下の病院に搬送され、関係者には適切なカバーストーリーの流布が行われます。」としてはどうでしょう。
・1文目、()でくくる意味はないと思います
・2文目、目的語を入れました。また、文全体の並列関係が少し変だと思ったので手を加えました。
・「決まりになっている」といった表現はあまり印象が良くないですね。プロトコルに書かれている=決まりであるなので重複な感じがします。
この辺はヘッドカノンによると思いますが、小規模なサイトだと医療設備を有さないかもしれませんし、「周辺のサイトのうち、適切な医療設備を有する所」などとしてもいいかもしれません。
助詞の使い方が変だと思います。「SCP-XXX-JP-Bに対しては可能である限り延命処置が行われます。」などとするといいですね。
"レストラン等"のような書き方はスマートではないように見えます。「SCP-XXX-JPは日本国内の食料品の販売・提供を行う商業施設において発生する異常な現象です。」などとしてはいかがでしょうか。
出現場所→発生場所に
「その地域の店舗の密度による要因以外による、その発生場所の分布の偏りは見られません。」などとすると良いかと
「4つのフェーズ」でいいと思います
「作る」の主体がわからないので、「フェーズ-1では、総じて何らかの獣に荒らされたかのような状況が店内に生じます。」とした方がいいかと思います。
フェーズというのはあくまで段階の分類であって動作主体になるのは変ではないでしょうか。また、いくつか不適当な助詞の使い方があります。
「店内の食品が不明な方法で消費されます。断面の痕跡の観察は、動物による食害という結果を示しますが、必ずしも単一の種のものとは限りません。また、この現象で店内の食品が完全に消費されることはありません。」などとしてはどうでしょうか
貯穀害虫が脚注で出てますが、マメゾウムシは貯穀害虫だった気がするので、この文は違和感があります。
「また、フェーズ-1においては、多くの場合、実体的なイエバエの幼虫やマメゾウムシ、ゴキブリ等の害虫の出現が発生します。」のように害虫の種類には触れなくてもいいかと思います
主語がないです。"これらは"など
具体的にの使い方が変な気がします。「この昆虫群に関して、元から環境中に存在したものが集合しているのか、SCP-XXX-JPが出現させたものなのかは不明です。」
「通常では考えられないほど」はクリニカルではない気がします
事象がSCP-XXX-JPを指すならばそのように書いた方が良いでしょう
「医学的な検知からは」で良いかと思います。あるいは「検死解剖では」などとしてもいいかもしれません。
「その症状の重篤さに関係なく」などとしてもいいかもしれません
「外見上元の食品との差はありませんが」としてもいいかもしれません
ビタミンはともかく、炭水化物、脂質、タンパク質が無くなれば、形を保てない食品ばかりです。「別の物質と入れ替わっる」ならその説明が、「化学的には元の食品と変わらないが人間の消化吸収ができなくなるような異常性」ならその説明が必要です。
「酷く痩せこけた人型実体(以下、SCP-XXX-JP-Bに指定)が店内の複数の箇所に出現します。SCP-XXX-JP-Bは机の下、棚の下、設置された冷凍庫の中など目立たない場合に出現する傾向があります。SCP-XXX-JP-Bは外見年齢の平的体重から逸脱して低体重であり、毛髪が抜けやすい、肌が乾燥し弾力を失っているなどの飢餓状態の典型的な症状を示します。麻などでできた着物を着用している場合もありますが、大部分のSCP-XXX-JP-Bの服装は貧相なものであり、おおむね着古されています。SCP-XXX-JP-Bは出現した段階で、立ち上がることができないほど衰弱しています。発話は観察されていますが、意思疎通は困難です。」のような感じでしょうか。
骨が突き出ているというのは体外に露出しているということか、痩せて浮き出ているということか(こっちっぽい)分かりませんでした。
死体の発見がスタートであれば、"SCP-1998-JPに類似する事象"というのは少し直感的ではない気がしますね。機動部隊ふ-11の設定を「SCP-1998-JP専門の収容部隊」から「商業施設の異常現象のための部隊」くらいにしてあげてもいいかもしれません。
例えば「機動部隊ふ-11は当初SCP-1988-JP1への対応のために設置された部隊でした。全国のサイトに少人数ずつ配置されており、客を装って商業店舗で発生する異常現象に対処します。派遣され、現地に到着した機動部隊ふ-11は3体の下半身が欠損した乳幼児の死体を報告しました。2」としてはどうでしょうか(1988-JPへの言及は残したいですよね?)
ビタミンは一般に熱量素ではないですね。また、接触は誤字ですね
間1行あけた方がいいです
「フェーズ-2が終了する。」だけ過去形ではないのが不自然に感じました。~した。~した。と連続させたくない場合には、「樹下淳弥氏は財団による複数の治療を受けたが、発症から23時間23分後、財団のフロント組織の病院で死亡し、フェーズ-2が終了した。」と前の文と統合してはどうでしょうか
どちらかというと、食品を燃やしてみるとかの方がそれらしいかなと思います。ここで知りたい熱量は摂食以外の方法で酸化された場合の化学エネルギー量なのかなと
脱字です。回避反応を示しており
一塩基多型という日本語もあるので併記してもいいと思います
「SCP-XXX-JP-Bの一覧を希望する場合は樊城文化人類学研究班に問い合わせてください。」
問い合わせ先は人より組織をおいた方がいいです
不明な部分が
「週刊少年ジャンプに掲載されていた漫画「鬼滅の刃」及び同作品を原作とするTVアニメにおけるセリフのパロディであると思われる。同セリフは、2016/3/28発売の週刊少年ジャンプに掲載され、そのアニメ版は2019/4/29に放映された。SCP-XXX-JP-Ωは明らかに現代の文化についての知識を有している。」みたいな注釈をつけてあげると親切ですね。(読者全員鬼滅読んでるわけじゃないですし)
ギリシャじゃないんですね、まあどっちでもいいとは思います
あなた方より貴女と単数のほうがいいのではという気もしました
ちなみに遠野妖怪保護区とかだと「三丁社」と呼ばれていたりもします。外来語にあまり馴染めないらしいですし、ガチガチに和風の喋り方なのでこっちの方が合うかもしれません。
ヴェールとか言うとちょっと財団の事情に詳しすぎる気もします。「まあ、あいつらえらい目立ちおるし、オタクらからしたら厄介なんやろうけど。」みたいな感じで少し解像度を落としてあげるといいかと
アフリカで流行ったのほうがいいかもしれません
スペイン風邪とWWIの言及とかあってもいいかもしれません
結局のところ
「食神様とでも呼んでくれりゃあええ」を二回言ってるのはあまり良くないかなと。また、神格が名前を明かすのが締めになってるのは1988-JPと被って見えちゃうかもですね(これは意図的かもしれませんが)。あえてインタビュー中盤とかで自己紹介させてもいいのかなと言う気もしました。(コロナと恐怖の具現の部分を締めに持ってきた方が締まりがいい気がするので)
収容プロトコルですが、異常事象が結構長く続くので店の封鎖とかしてもいいと思います
特にフェーズ-2は店内の人物に発生するので店から人がいない状況を作った方がいいのかなと。
如何せん長いのでまだ誤字とかある気がします。複数回読み直した方がいいと思います。
参考になるかは分かりませんが、僕は投稿前に一回音読したりしてます。
FattyAcidさん、批評ありがとうございます。おおむねご指摘のとおりに修正させていただきました。
こちらはさしあたってネギをコンロで炭にするものに書き換えました。
「SCP-XXX-JP発生中の領域内において熱量の具体的な範囲内を調べるための実験的措置として、ふ-11の糸島はキッチンのコンロでその場にあったネギを燃やすように指示された。ネギは自然に発火し、炭になるまで燃やされ続けた。これによって、SCP-XXX-JPが熱力学的には熱を奪わないことが検討された。」
これは鬼滅の刃のセリフを引用したものなのですが、そのことを明確に記載するのは何故か気が引ける気がしました。脚注で記録を付すのは今はやめておき、「分かる人には分かるネタ」のような感じで行きたいと思います。
ギリシャの商人で統一し、Ttt社の要注意団体のページリンクを貼りました(ハブページがあったらよかったかもしれません)
「さっきもいったけどな、今の大和は「戦争」も「飢え」も弱いんよ。あまり怖がられていない。海外に行ったら事情違うかもしれへんけど、少なくとも大和じゃあそうや。その中に「病」だけ強くなってみ?そりゃやばいやろ。バランスが崩れおる。」
という文章を追記し、バランスが問題であるということを示しました。とはいえ、まだこの設定には幾らかの改善の余地があると思います。もしかしたら類似の事象が発生してるかもしれません
インタビューの全体的な構成としては食神様の名乗りを最初に持ってきて、オチが最後につく感じにしました。