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SCP-XXX-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPのホロタイプ標本はサイト-8102の標本庫で管理されます。実験時を除きSCP-XXX-JP、およびSCP-XXX-JP-Aの管理は霊的実体の侵入が不可能な環境下で行われます。自生するSCP-XXX-JPは採取地ごとに回収された後、適切な個体数が管理され、それ以外は一般的な植物サンプル廃棄プロトコルに従って処分されます。収容チームは一般社会に対し、SCP-XXX-JPは絶滅したという情報を流布し、既存の出版物におけるSCP-XXX-JP項の差し替えを行ってください。
説明: SCP-XXX-JPはキブキユリ(Lilium kibuki)1として知られる多年生植物です。SCP-XXX-JPは沖縄諸島に分布し、林内など比較的暗い環境で自生します。
SCP-XXX-JPはクラスB霊的実体2を、物質に対して作用力を有する実体に変化させる異常性を有しています(以下、この現象を"実体化"と呼称)。この異常性は霊的実体がSCP-XXX-JPの蜜腺から分泌される揮発性物質(SCP-XXX-JP-Aに指定)を吸引することで発現します。通常クラスB霊的実体は物理的な作用力を持ちませんが、霊的実体が花に顔を近づけ、その香りを嗅ぐような行動をとることで当該物質は問題なく霊的実体に吸収されます。実体化の継続時間は吸引したSCP-XXX-JP-Aの量に比例して長くなりますが、最大6時間程度で頭打ちになり、それ以上継続しません3。SCP-XXX-JP-Aがどのようなメカニズムで霊的実体の"実体化"に関わっているかは不明です。
SCP-XXX-JPはその群生地付近で作用力を有する霊的実体の出現、およびそれに関連した事案が有意に多いことから調査が行われ、異常性が発見されました。SCP-XXX-JPが多く分布する沖縄本島北部ではたびたびSCP-XXX-JPの群生地が見られ、それらの地域を中心に墓前にSCP-XXX-JPを供える風習が残されています。これに加え、当該地域では「死亡した人物がSCP-XXX-JPの花を持って現れた」という民話が多く残されており、経験的にSCP-XXX-JPの性質が知られていたと考えられています。これらの地域ではSCP-XXX-JPが未練を残して死んだ人物の再会と成仏を助けるとして信仰を集めており、多くのSCP-XXX-JPが民家や路傍、圃場のあぜ道などに植えられています4。

群生するSCP-XXX-JP(沖縄本島大宜味村にて撮影)
補遺: 財団による詳細な生理特性研究の結果、SCP-XXX-JPの鱗茎に異常な性質を有する物質が含まれていることが判明しました。SCP-XXX-JPの鱗茎は数種類の非タンパク質性アミノ酸と糖タンパク質5を含んでおり、長期的に摂取することで中毒症状を引き起こします。これらのうちSCP-XXX-JP-B群として分類される物質は中毒者の血液脳関門機能を破壊した後、中枢神経で神経伝達物質として機能します。この影響により、対象は近親者や配偶者・友人に対して激しい情愛を感じるようになります。中毒者は適切な処置が施されなければ数日のうちに死亡します6 が、一定量以上のSCP-XXX-JP-B群を摂取していた場合、死亡時に霊素の過剰発生とそれに対する3次元イメージ投影が起こり、対象は霊体化します。SCP-XXX-JP-B群は生前の人格・記憶を高いレベルで維持した霊体化に関与していることが判明していますが、詳細なプロセスは解明されていません。
財団の異常植物研究チームは、SCP-XXX-JPが上記2つの異常性を繁殖のために進化させたと推測しています。霊的実体がSCP-XXX-JP-Aを吸引するため花に顔を近づけると、実体化と共に花から伸びる雄ずいが対象の顔(多くは鼻)に接触します。これにより実体化した霊的実体は顔にSCP-XXX-JPの花粉がついた状態となり、別の個体でSCP-XXX-JP-Aの再吸引を行うことで花粉を媒介します。また、SCP-XXX-JP-Aは主に夕暮れから夜間にかけて盛んに分泌されます7。個体によってSCP-XXX-JP-Aの分泌量は異なっており、中には全く分泌しない個体も存在しますが、これは霊的実体がより多くのSCP-XXX-JP個体を訪問することを促進する効果があると考えられています。また、SCP-XXX-JP-B群による情愛の増大と霊体化は、霊的実体の生産に加え「情愛の対象となった人物への再開」というSCP-XXX-JPを用いて実体化することへの強い動機を誘起します。
以上のことより、SCP-XXX-JPは霊的実体を花粉の媒介者として利用する一方、媒介者である霊的実体を生産することで繁殖を有利に行っていることが示唆されました。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3406303 (04 Aug 2018 05:22)
カノン違いなのか、感情によって霊体発生リスクが高まるというところに違和感を覚えました(リスクという言葉遣いにも違和感があります。霊的実体の発生は良くないこと?)。
%には直前の半角空白は不要です。
拝読しました。「ただあなたのそばに咲く」を当然の如く想起しました。
幽霊と花という取り合わせはビジュアル的にマッチしました。
ただ、読みが甘いせいだと思うのですが、下痢をして花粉の媒介にすることと、近親者に対する情愛の増大の繋がりがイマイチしっくりこなかったです。
Fennecist様、Nisso-Nisso様、コメントありがとうございます。
情愛の増大→いわゆる未練の増大→幽霊発生という構図で考えていましたが、非常に伝わり辛い表現でかつ直感的過ぎました。霊体化に関わる物質と摂食者が死亡する原因(下痢などの中毒症状)となる物質を分けてそれぞれの性質を整理し、情愛そのものは霊体化に関与しないような書き方にしました。また、情愛云々の部分は
と霊体化そのものへの影響ではなく、霊体化した後の行動を誘導するものとして描写し直しました。これで情愛の増大は分かりやすくなったかなと思います。描き直すにあたってリスクという言葉を除きました(幽霊の発生は、対処するべき実体が増えることになるので財団的にはマイナスかなと思い「リスク」という言葉を使いましたが、いくつか記事を読み込んでみると霊的実体や霊素を収容に活用する作品もあり、一概に悪いことではないようですね。勉強不足でした)
幽霊と花、という意味では共通していますが、本作は「幽霊を利用するしたたかな植物」をコンセプトに作成したいと考えているため、差別化はできているかなと思っています。