SCP下書き - SCP-JPサンドボックスⅢ

SCP下書き

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-██の標準バイオハザード収容ロッカーに凍結保存されます。長期保存を行う場合は-80 ℃以下で凍結保存を行うか、-20 ℃以下で凍結乾燥を行ってください。SCP-XXX-JPを用いた臨床実験は、被験者となる人物が過去に学習していた分野、および発表した研究成果等を参照し、発生しうるSCP-XXX-JP-Aに対処可能な実験設備を有した環境に限って行われます。その他実験・研究及び保存はBSL-3以上の施設に限定されます。

SCP-XXX-JP-Aはそれぞれの個体が獲得した異常性に十分対応した設備を備えたヒト型実体収容セルに収容されます。SCP-XXX-JP-Aから剥離した物質は、実験を行わない場合、生物的活動を完全に停止させてから適切な手段で保存してください。死亡したSCP-XXX-JP-Aは研究のため凍結保存されます。この時SCP-XXX-JP-Aの体液を介したSCP-XXX-JP感染に注意してください。

説明: SCP-XXX-JPは直径100 nmの一本鎖プラス鎖RNAウイルスです。SCP-XXX-JPは一部のレンチウイルス属(Lentivirus)、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)と共通する遺伝子を複数有していますが、ゲノム全体としての類似性は低く、その一部は不明な原理により塩基配列の読み取りが不可能です。SCP-XXX-JPはヒト(Homo sapiens)にのみ感染する宿主特異性を有しており、他の生物への感染は確認されていません。また、感染時における潜伏期間は6～14日であり、感染経路は血液感染に限られます。

臨床症状SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP感染の症状はその進行状態により、大きく2段階に分類されます。

感染前期: SCP-XXX-JPは罹患者の大脳神経細胞に未知のプロセスを経て¹侵入し、逆転写によって宿主細胞のゲノムに自身の遺伝子を挿入します。神経細胞によって生産されたSCP-XXX-JPは宿主細胞から出芽し、体液を介して全身の細胞に感染します。これら一連のプロセスにおいて宿主の免疫系は応答せず、結果として侵入から数日程度で全身の細胞がSCP-XXX-JPに感染し、そのゲノムにSCP-XXX-JP由来のプロウイルス²が潜伏します。

感染後期: SCP-XXX-JPに感染した大脳神経細胞は盛んに分裂を開始し³、大脳基底核周辺に直径30 mmほどの腫瘍を形成します。この腫瘍はSCP-XXX-JP-1に指定されており、脳の各部位と神経細胞を通じて連絡されています。また、全身の細胞は未知の受容体を細胞膜表面上に形成します。これらはSCP-XXX-JP-1からの伝達物質を受容し、各種の応答を起こす役割を担っていると推測されています。

SCP-XXX-JPによる症状が感染後期まで進行した場合、罹患者はSCP-XXX-JP-Aに指定されます。

SCP-XXX-JP-Aは具体的な生物、あるいはそれに準ずる存在の詳細な生理的機構を想起することにより、自身の身体構造を劇的に変化させる異常性を獲得します。このプロセスにはSCP-XXX-JP-1が生産する物質や、全身の細胞に潜伏するSCP-XXX-JPプロウイルスの活性化が複雑に関わっており、その詳細は解明されていません。また、現時点で極めて短時間の脱分化や細胞分裂、質量の増減や個体の分裂・再集合および実体の消失など物理的変化の範疇を逸脱する現象も確認されており、小規模な現実改変が行われている可能性が示唆されています。

SCP-XXX-JP-Aの変身プロセスは、想起する生理的機構に対する非常に詳細な理論・学問的知識が要求されます。そのため専門的な知識を持たない人物が異常性を発現しようとした場合、高い確率で不完全かつ致死的な変化が発生し、生命維持のために必要な機能の不全によって死亡します。

+ 事例SCP-XXX-JP-A

個体番号	罹患者	特徴	備考
No.01	不明	身体構造を完全なハツカネズミ(Mus musculus)の飼養変種に変身する。	後述
No.07	D-598248(元獣医)	身体をイエイヌ(Canis lupus familiaris)やイエネコ(Felis catus)含む6種類の哺乳類に変化させた。	実験中、No.07は鳥類への変化を試みたが体重の減少を行う前に骨格を変化させたため、自身の重量を支えきれず椎肋骨及び周辺の臓器に致命的な障害を負い、現在は意識不明のまま医療チームの治療を受けている。
No.09	D-598231(元財団研究員専門: 樹木)	左肩部から先を針葉樹の特徴を持つ樹木に変化させた。後にこれは根に似た支柱材を発達させ、対象から分離した。その他複数種の広葉樹の展葉・落葉プロセスの再現	サイト-██にて収容中
No.11	D-598231(元財団研究員専門: 霊的実体)		内容