あなたがいっしょにあそんだあの子たち

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]

説明: SCP-XXX-JPは伝染性を有する過誤記憶です。全てのSCP-XXX-JP保有者(以下、曝露者と表記)はSCP-XXX-JPを児童期¹に体験した出来事に関する一連の記憶として想起しますが、実際にSCP-XXX-JPの内容と一致する経験をした被験者は現在まで見つかっていません。

SCP-XXX-JPは曝露者がその具体的な内容と、全てのSCP-XXX-JP事例において共通して登場する2名の名前を認識することで伝播します。曝露者はSCP-XXX-JPを自身の記憶であると確信し、他者から記憶の齟齬を指摘されない限り違和感を抱くことはありません。この異常性は日本国で児童期を過ごした経験のあるすべての人物で発現します。曝露者が積極的にSCP-XXX-JPの内容を話題にすることはなく、SCP-XXX-JPの曝露による精神的傾向、認知能力、もともとの記憶の変化はありません。

SCP-XXX-JPが記憶という曖昧かつ個人の経験によっては容易に変化する性質を持つため、その詳細な内容は確かではありません。しかし、記憶補強薬を服用したDクラス職員の曝露実験によって以下の共通項が判明しています。

全てのSCP-XXX-JP事例における共通の街並み、および遠景に広がる丘陵、記憶の開始点として想起される住宅地の坂道（調査の結果、これらの風景は██県█市向ヶ縁むこうがぶち町の風景と一致することが判明している。これらの詳細な風景は曝露者の年齢が高いほどより古い街並みを反映した）
「[ミーム]」と「[ミーム]」と遊ぶため、曝露者は向ヶ淵町を歩き、林沿いに敷設された枯れた水路に降り、水の流れていない暗渠を発見しその中を進む。なお、この水路並びに暗渠は実際の向ヶ淵町には存在せず、かつて存在したという記録もない。暗渠を抜けると林の中を通る別の水路に出る。曝露者は水路から出て2人を見つけ、未知の突き当たりにある小高い丘に到着する。3名はそこで「おにっごこ」や「かくれんぼ」など、一般的なあそびを行う
日が暮れる。曝露者は「Aくん」と「Bちゃん」に帰ることを伝え、2人はこれを了承する。曝露者は2人に別れを告げる

SCP-XXX-JP曝露者に対して記憶処理等を用いてSCP-XXX-JPを消去する試みは、曝露者と記憶処理に関わった人物に不自然な頭痛とめまいをもたらします。これらを無視して記憶処理を強行することは可能ですが、これを行った場合曝露者は昏睡状態に陥り、記憶処理に関わった人物は頭痛とめまいの悪化によって衰弱死します。記憶処理によるSCP-XXX-JPの消去は現在禁止されています。

補遺: SCP-XXX-JPの舞台として登場する██県██市向ヶ縁町には子供と遊ぶ存在として祀られていた1対のカミが記録されています。

これよりSCP-XXX-JP疑似探査実験を開始します。SCP-XXX-JPの詳細な情報を得るため、想起された情景は出来るだけ詳しく説明してください。それぞれの事象の関係性を明確にするため、記憶の想起は時系列に従って陳述するのが望ましいですが、記憶が不明瞭な場合はその限りではありません。では、SCP-XXX-JPの想起を開始してください。

私は小学校の校門前に立っていました。空は薄い雲に覆われていて太陽の位置は分かりますが、日はさしていません。風もほとんどありません。私の目の前を片側一車線の道路が横切っており、向かって右に進む道は緩くカーブして消防署の前で二股に分かれています。左に進む道は大きな道路に繋がっていて、歩行者道路はそれを渡るための歩道橋と、学校のフェンス沿いに曲がる道に分かれています。正面には青い屋根の一軒家があり、シルバーのスカイラインが停まっています。

概ね先行事例の通りですね。道も今までの例と合致しています。何か手荷物などは持っていましたか。それから、あなたはどのような服装でしたか。

手荷物は何も持っていませんでした。服装は　　うまく思い出せませんが、半そでの動きやすい恰好だったはずです。

わかりました。小学校の校門前から、どのように移動したのですか。

私は校門を出て右に進んで歩道橋を渡りました。歩道橋は所々錆が浮いていて、すべり止めや黄色い点字ブロックもところどころはがれていました。

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