草木も眠る丑三つ時、寺のお堂の2階部分に可愛らしい金髪碧眼の少年が座っていた。お堂は外から見ると何の変哲もない2階建ての建物だが、内側からは厳重な鍵がかけられ、お札が隙間なく壁一面に張り巡らされ、月の光も通さないような状態となっている。その1枚1枚には怪異から見つからないように、入ってこられないようにと言う意味の言葉が描かれており、狂気すら感じるほどの厳重さだった。
少年は夜間はこのお堂の中で過ごし、朝7時にここを出るように厳命されていた。お堂の中で一晩中過ごすため、飲食物や暇つぶし用の本や道具、大きな布団が用意されていたが、少年は一切それに手を付ける事なく耳を澄ましてただ座っていた。
ふと、少年の耳に奇妙な声が聞こえてくる。「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ……」と言う、意味を成さない人の声だ。少年はその声に釣られるように窓の方へと近づいて行った。窓からはカリ……カリ……と軽く引っ搔くような音が聞こえた。少年がいる場所はお堂の2階だ。窓から引っ掻くような音が聞こえる事自体不自然な事だが、少年は迷わず怪異除けの札を1枚剥がし、その隙間から窓の外を覗いた。
窓の外は月明りに照らされており、白い帽子にワンピースを着た美しい女性が少年を見上げていた。その女性の姿で目を引くのは何より八尺はあろうかという身長だろう。目が覚めるような美しい顔立ちや、陶器のような白い肌も、その女性が人間とは異なる存在だと言う事を物語っていた。
少年が女性の顔をじっと見つめていると、女性は少年に向かって両手を伸ばした。そこに言葉は無いが、少年を求めている事は明らかだった。少年はゴクリと唾をのみ込み、1階の扉へと向かって行った。
トートはオフィスのドアの鍵を開けようとしたが、施錠されていない事に気付いた。昨晩このドアは間違いなく閉めたはずだ。このオフィスの鍵を持っている現在時刻は朝7時、普段はヘルメースが出勤する時間ではない。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3389120 (02 Jun 2018 15:05)
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