Tale提言

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アイテム番号: SCP-001-EX

オブジェクトクラス: Thaumiel Explained

特別収容プロトコル: SCP-001-EXはサイト-01の低脅威度物品保管庫内に保管されます。

説明: SCP-001-EXは地殻表層部から出土される二酸化ケイ素を主体とした鉱物です。SCP-001-EXはかつて地球上に生息していた知的生命体やその構造物が変化した物質です。SCP-001-EXの調査により、地球上には██億年の間の異なる時代において複数回知的生命体1が発生していたことが判明しています。SCP-001-EXの元となった知的生命体は現人類より高度な技術力を有しており、SCP-001-EXの解析によりそれらの情報を一部復元する事に成功しています。

SCP-001-EXは、パキスタンシンド州ラルカナのモヘンジョ=ダロ遺跡内の黒曜石で構成された街を調査した際に発見されました。当初街は黒曜石の採掘所として認識されていましたが、黒曜石内部から知的生命体が建造したと見られる構造物が多数発見されました。構造物は知的生命体が長期間情報を保存するための施設となっており、その技術を基に風化した情報の復元が行われました。

SCP-001-EXはダエーバイト帝国2やアディウム帝国3の支配地域から原型を留めた形で多く確認されています。現代より技術力が劣っている古代文明で高度な超常技術が利用されていたのは、SCP-001-EXから取得した技術によるものです。

地殻表層に含まれるSCP-001-EXの探索及び調査は完了しています。SCP-001-EXから得られた情報は調査記録001-EXを確認してください。


資料を読む手が震えている。

「これは一体どういう事ですか」

はるか昔、地球上には高度な知的生命体がいた。驚くべき事実だが、男が動揺を抑えきれない理由は知的生命体の存在ではなく、そこから得られた膨大な知識—調査記録001-EXにあった。そこには異常存在の収容、破壊、製造、ありとあらゆる情報が記載されていた。

O5評議会がオーバーテクノロジーを隠し持っている可能性は考慮していた。異常存在に直接触れていないにも関わらず、まるで予知能力を持っているかのように的確な指示を出す姿を幾度となく見てきたからだ。だが、隠していた物は予想を遥かに超えた技術だった。この資料が本物なら、財団で行われている研究に意味はない。

財団の業務は常に死と隣り合わせだ。冷酷な判断を下さなければならない時もある。目標だった上司、ライバル関係だった同僚、自身の後継者として育てていた部下、多くの仲間を見送ってきた。全てを忘れ、財団など辞めて平和に暮らしたいと思った事は一度や二度ではない。その度に先に逝ってしまった彼らの顔を思い浮かべ、正常な世界の礎となるため走り続けてきた。

だが、調査記録001-EXが周知されていれば、それを基に適切に指示が出されていれば犠牲は最小限に留める事が出来たはずだ。さらにこれは財団だけの問題ではない。上手く利用すれば第二次世界大戦や第七次オカルト対戦を未然に防ぐ事も出来たはずだ。それが出来る力を持ちながら隠していたのだとすれば、O5評議会は財団、そして人類そのものを裏切っていた事になる。

「なぜ、この技術を隠していたのですか」

湧き上がってくる心の澱を抑え込み、努めて冷静に聞いた。返答次第では許すわけには行かない。

「その理由は報告書の全てに目を通したら教えよう」


SCP-001-EX-1はSCP-001-EXから得られた情報により発見された、特定の性質を持つ素粒子群です。SCP-001-EX-1が平衡状態にある時、SCP-001-EX-1は他の素粒子と干渉しないため観測不能ですが、その濃度が一定以上に上昇及び低下すると他の素粒子と干渉し相互作用し始めます。財団はSCP-001-EX-1と他の素粒子が相互作用している状態を異常と認定しています。

異常存在の生成・利用・破壊などを行った場合、SCP-001-EX-1に局所的な濃度変化が発生し、音波に類似した形態の「波」を発生させます。この「波」中でのSCP-001-EX-1濃度の振幅は、極めて広範囲の異常性発現を招きます。「波」は他の物質との反射を繰り返して時間経過と共に減衰し、平衡状態へと戻りますが、「波」の濃度の振幅が一定の範囲を超えた場合、SCP-001-EX-1と接触した物質の原子構造を変える現象が発生します。

「波」と物質の反応は「波」の振幅の大きさと物質の種類4に応じて決定され、振幅が大きいほど反応する物質の種類が増え、変化後の物質の傾向も変化します。振幅が小さい場合は主に二酸化ケイ素に変化しますが、振幅の増加に伴いアルミニウムやカルシウム、鉄など多岐に渡る物質5に変化します。

SCP-001-EXの調査により、かつて地球上に存在していた知的生命体はSCP-001-EX-1の影響を受けて全て滅亡し、SCP-001-EXへと変化した事が分かっています。SCP-001-EX-1の波の発生はO5評議会が管理する計算機により予測する事が可能です。財団は異常存在の生成・利用・破壊などによりSCP-001-EX-1の「波」が意図しない形で発生する事を防ぐために設立されました。


異常の定義そのものが根底から覆るような情報だ。全ての異常性は解明された物理現象の一つであり、だからこそSCP-001-EX-1は脅威として認識されているのだろう。だが、これらが事実だとしても結論が変わる事はない。

「目を通しましたがなおの事隠す理由が分かりません。人類がSCP-001-EX-1の脅威に晒されているのなら、異常存在の確保・収容・保護を適切に行うためにこの知識を利用し、SCP-001-EX-1の減衰を待つべきでしょう」

特に第二次世界大戦や第七次オカルト対戦では多くのアノマリーが産まれ、利用されてきた。取り返しのつかない事になる前に対処すべきではないのか。

「もっともな意見だ。それが可能ならな」

「どういう意味ですか?」

「人類はすでにSCP-001-EX-1の減衰を待つ事が可能な臨界点を超えているのだよ」

予想外の言葉に、男は思わず自分の体を触って確認してしまった。そこにはいつも通りの自分の体がある。

「馬鹿な事を言わないでください。現に我々は無事ではないですか」

言葉を遮ると、O5-2は水差しからコップに水を注ぎ、飲み口に蓋をした。

「例えばこのコップの水面に小さな船が浮かんでいるとしよう。コップを叩いてこの船が転覆してしまうような波が発生したとする。船を直接触らずに転覆を防ぐにはどうするかね」

「波が落ち着くまで転覆しない事を祈るしかないでしょう」

「では、船は波が収まるまで耐えられない事が分かっているとしたら?」

船は人類の事、波はSCP-001-EX-1の事を指しているのだろう。あまり良い方法とは思えないが、一つだけ方法がある。

「技術的な制約が無ければ、船のいる場所だけでも波を打ち消せるような逆位相の波を発生させます」

「我々がやっている事はそういう事だ」

これが事実ならO5評議会の行動にも説明が付く。我々人類の生存圏内でSCP-001-EX-1の波を低く保つため、異常存在を生成・利用・破壊を意図する形で引き起こしている訳だ。だが、打ち消し合う箇所は安全になるかもしれないが、増幅される箇所も発生する。波は合成されて増幅し、複雑な形になるため、それを打ち消す波を発生させる事はより難しくなる。

「多数の素粒子の波を計算機で予測し、波を打ち消し合うように調整する事は技術的に可能なのですか?」

「年々難しくなってはいるが可能だ。計算は得意なものでね」

O5-2は自身のこめかみをトントンと指で叩いた。

「いつかは限界が来ますよね?」

「その通りだ。だが、止めればいつか来る終わりが明日来るだけだ」

「第二次世界大戦や第七次オカルト大戦も、その波を引き起こすために必要だったという事ですか」

「その通りだ」

「それほど大きな波が必要になったという事は一体いつから続けているのですか?」

「紀元前1200年頃だな」

男は唖然とした。財団誕生から100年も経っていないというのに何を言っているのだろうか。思わず口答えをしそうになったが、O5-2の顔は冗談を言っているようには見えなかった。

男はSCP-001-EXの報告書に紀元前1200年前に関する記述があった事を思い出した。それはダエーバイト帝国・アディウム帝国・メカニトを中心とする都市連合による超常戦争が起こった時期だ。それらの国々はSCP-001-EXの知識を得て異常存在を作り出す技術を持っていた。これまでに何度か当時の技術で作成されたアノマリーの収容に関わった事があるが、現代の財団の技術をもってしても手に負えない物が多数ある。そんなダエーバイト帝国・アディウム帝国は超常戦争の中で滅び、異常存在を作り出す技術の大半は喪失した。そして正常な世界で人類は発展していく事になり—

「超常戦争で勝ち残ったメカニトはどこに消えたのですか」

メカニトが歴史から消える必要はないはずだ。3者が揃って超常技術ごと消えると言うのは出来過ぎではないか。

「君の目の前にいる」

O5-2が光学迷彩を切り、機械の体を露出した。突然の暴露に男は言葉を失った。

「当時の話をしよう。超常戦争は3つ巴と言うよりダエーバイト帝国やアディウム帝国の侵略戦争に周辺諸国が巻き込まれていた形でね」

「よく勝てましたね」

「勝ったというより生き残ったという方が正しいな。超常戦争が長期化した結果、ダエーバイト帝国とアディウム帝国はSCP-001-EX-1の反動で自滅した。我々は肉を捨て機械化していたので被害が少なく助かったのだよ」

「そこからSCP-001-EX-1の波を抑える戦いが始まった訳ですか」

「ああ。ダエーバイト帝国跡地の調査中にSCP-001-EXが発掘され、世界各地のSCP-001-EXから真相の解明を行おうとした。だが、調べれば調べるほど根本解決は不可能だという事が分かってきた。SCP-001-EX-1の波を抑え込めるアノマリーなど存在しない。言ってみればただの物理現象だからな」

「最終的に、SCP-001-EX-1の減衰を待つ前に人類は滅びるという結論に至った。残された時間を有益に使いたいと言う者もいたが、最後まで人類を延命させる道を探そうとした者もいた。私たちは後者で、SCP-001-EX-1の波を計算で予測する方法を模索した。まあ、シミュレーションは出来ても実用には程遠くてね」

「計算速度が足りなかったという事ですか」

1年先の予測に10年かかっては何の意味もない。現代の最新鋭の計算機を使ってシミュレーションを行っても実用的なものが出来上がるとは思えない。

「個々人のシミュレーションには処理能力の限界がある。そこで我々が取り掛かったのは機械化した脳の並列化だ。シミュレーションに最適化させるためには元の人格を消去する必要がある」

「私たちはこの技術の必要性を仲間達に訴えた。中には私たちの研究を妨害しようとする者もいたが、仲間の協力により失敗を繰り返しながらも完成させる事が出来た」

「そしてメカニトは歴史の表舞台から姿を消し、人類が滅びてしまわないように波を起こし続けた。人類が増え、少人数では管理できないと判断した我々は財団を作り上げた」

「第二次大戦や第七次オカルト大戦を経て、これまで以上に波の予測は困難になるだろう。君にこうやって事実を語っているのも、事情を知る協力者を増やす必要があるからだ」

「何故私を選んだのですか」

「君はインサージェンシーとして仲間を裏切り、財団のため、人類のために悪事に手を染めて来た。辞めたいと思った事は無いかね」

「数えきれないほどありました。ですが、道半ばで亡くなった仲間や犠牲となった人々を思うと逃げるという選択肢を選ぶわけには行きません」

「それでいい。真実を知った上で歩みを止めずにいられる者は多くない。私も長い人生で何度も折れそうになった事はあったが、その度に失った仲間の顔が思い浮かぶのだよ。彼らの犠牲を無駄にする訳にはいかないと思い、踏みとどまる事が出来た。私と君は似ているのだよ」

「人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。君にはその覚悟があるかね?」

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