1200字taleA部門 ██山荘殺人事件

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私は██山に異常な植物が生息すると聞き調査に来たが、猛吹雪で外出できず宿泊中の山荘で管理人相手に情報収集をしていた。

「この辺りの植物が知りたいと。特徴を教えて頂けますか?」

流石に『人体に寄生し宿主の生命力を異常に高める性質の植物』と伝える訳には行かない。

「そうですね、外見は蔓状で──」

ふと、妙な物音がした気がする。

「何か物音がしませんでした?」
「雪が落ちましたかね」
「いえ、あの辺から」

私は客室を指した。

「体調不良のお客様が休んでおられる部屋ですね」
「何かあったんですかね」
「食事にも来られていませんし確認してきますね」

管理人が部屋を開けると同時に絶叫が上がる。様子を伺うと部屋の中にバラバラ死体が転がっているのが見えた。部屋の中に凶器らしき物は無く窓も施錠されており、まるで密室殺人事件のような状況だ。私は放心している管理人に声をかけた。

「この部屋の物には触れないようにして、まずは警察を呼びましょう」

状況を考えると犯人が部屋内に潜んでいる可能性は高い。私は内心焦りながらも冷静に振舞い部屋からの退出を促した。ただ、一旦引くにしても犯人を野放しにする訳には行かない。私はさりげなく小型生体ドローンを物陰に落とした。

「外は猛吹雪ですし殺人犯はまだ近くに潜んでいるでしょう。宿泊客にロビーへ集まるよう連絡を」

管理人が動き出すのを確認すると、私は部屋のドローン映像を片目の視界と同期させて犯人の尻尾を掴もうと試みた。

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何故なら警察は事件に不可解な要素があればすぐに財団へ報告するからだ。財団に私物を調べられたら何もしていない私が罪を被る事になるだろう。横暴極まりない話だ。私は日本生類創研の研修センター講師の台詞を思い出した。

『不可解な事件に巻き込まれ逃げる手段が無いなら、不可解ではない状況を作り出しましょう』

そう、財団はただの殺人事件にまで干渉しない。明確な証拠が残らなければ異常な手段で証拠を捏造して宿泊客に罪を擦り付ければ良い。宿泊客全員をロビーに集めておけば柔軟に対応出来るだろう。

ドローンでバラバラ死体を見ると、体の切断面から植物の蔓のような物が伸びて繋がり合い、切断された肉体の一部が元に戻っていた。

私の脳内で線が一つに繋がった。私が探していたのはこの寄生植物だ。不死身に近い生命力を目の当たりにし、私は我を失いそうになる位興奮した。ドローンを移動させ別箇所を見ようとしたが、急に駆動部が故障したのか同じ場所を映している。

殺人事件は後から対処出来る以上、優先すべきは植物の観察だ。寄生植物の対策は異常物品で万全にして来たので、直接観察するために私はドアを開けようとした。

その時ふと疑問がよぎった。犯人が部屋に潜んでいる場合、不死身の怪物を制圧した犯人が一般人からは身を隠している事になる。つまりこの犯人は……あ、この部屋危な──


使用した画像
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