酩酊街ヘッカ移転

所在

雪、酒の匂い、酔っ払いたちの歓声。ここが今までいた世界と全くの別であることは、すぐに理解できた。


酩酊街は我々が生活している空間とは違う空間、いわゆる異空間に存在します。
我々の空間と酩酊街の空間は、正確には完全に分離しておらず、水に浮かぶ油のように、独立しつつも重なり合って存在しています。このため、酩酊街は我々の世界の因果律とも非常に緩やかな関連性を持ちます。

酩酊街は大きく2つの区域に分けられます。酩酊街のいわば本体部と、その周辺領域です。
周辺領域は本体部と我々の世界の緩衝地帯として機能しており、多くの訪問者はここを経て酩酊街を訪れることになります。この場所は、酩酊街にいい印象を抱いていない者たちからは隣墓(リンボ)、それ以外からは単に道などと呼ばれるようです。

酩酊街の成り立ち

初めの者たちが流れ着いたとき、ここはただのぽっかりとあいた大穴でした。


酩酊街の存在する異空間は、初めから現在のような状態であったわけではありません。
伝承では――もちろん住人の大半は伝承など忘れていますが――ある強大な何かの巣、もしくは卵がこの異空間であったとされています。その強大な何かが一体何なのか、それがどうしてこの空間から消えたのかはまったくの謎ですが、もしかすると、今の酩酊街の在り方は、その強大な何かの残滓の影響を受けているのかもしれません。もちろん、そんなことを気にする者はほとんどいませんが。

そんな何もない空間だった酩酊街ですが、偶然か必然か、この場所に流れ着いた"力を持つ者たち"によって街が作られていきました。これは今も続いており、酩酊街は住人が増えるごとに徐々にその領域を増やしていきます。

街を作り上げた力ある者たちは、主に自身の作り上げた地区の管理人としてふるまいます。地区によって酩酊街は様々な姿を見せますが、その根底に流れる精神に大きな違いはありません。加えるならば、管理人や自身の所在地を気にする住人は稀でしょう。

基本精神

その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない。 - ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』

そんな世界は厳しすぎる。疲れた者たちに休息と酩酊と忘却を。たとえ、いつか消え果てていくとしても。


酩酊街の基本精神は、酩酊・忘却・停滞の3つといえるでしょう。彼らは進むことを強要する世界に疲れ果てており、それらを忘れ、またそれらから忘れられ、進むことのない停滞のもたらす安らぎをむさぼっています。彼らはそれを幸せであると信じています。

住人

酩酊した者たち

忘れたいのか、忘れられたいのか、どちらにせよ、悲しく、愛しい者たちです。


酩酊街に流れ着いた者たちです。多くの者たちは酩酊街中に蔓延する酒気に酔いながら酒を飲み、常に酩酊状態にあります。彼らは多くのことを忘れながら、また忘れられながら、何も考えずただただ酩酊を楽しんでいます。隣でだれが飲んでいるのか、また自分が誰なのかさえ気にしていない者もいるでしょう。彼らの多くは、忘れられたか、忘れたか、進むことをやめたか、もしくはそれらを望んだ者たちです。
 

たどり着きかけている者たち

あなたはまだ帰ることができる。さあ思い出して、あなたがそれを望むなら。


まだ酩酊しきっておらず、多くはリンボにとどまっている者たちです。彼らは案内人の助けを得ることで、帰ることも酩酊街へと歩みを進めることもできます。
 

酔い切れていない者たち

いつか酔うことを夢に見て、私はここで彼らに酩酊を注ぐのです。


酩酊街の中にあって、酩酊しきれていない者たちです。酩酊しきれない理由は、彼らに耐性や力がある、心が酩酊を強く拒んでいるなどでしょう。彼らの多くはいつか酩酊に沈むことを求めて、酩酊した者たちとともに酒を飲んだり、いくつかの仕事をこなしたりします。それ以外にも、何かを求めて外に飛び出したり、酩酊街に離反するものもいるようです。どんな集団にもいる、いわゆる「はぐれもの」が、彼らです。
 

飛び出していくものたち

彼らは酔いきれていないのかもしれない。いっそ酔いつぶれてしまえば周りに迷惑などかけないのだが。


なんらかの理由で、酩酊街から外の世界に飛び出した者たちです。彼らはおそらく酔い切れていない者でもあります。現在知られている彼らの多くは雪の酒場の店主から送り出されています。彼らの一部は外の世界の人々を幸せにしようという望みを持っているようです。――もちろん、その幸せは、彼らが思う幸せですが。
 

訪問者

酩酊街を訪ねるのは案外簡単ですよ。帰ろうと思えばすぐ帰ることもできます。無論、あなたが酩酊に呑まれなければの話ですが。


訪問者は、何かの用があって自分の意志で酩酊街を訪れたものたちです。多少異世界に干渉できるような力があれば、酩酊街への道を開くことは容易でしょう。ただし要件を終えたとき、訪問者に酩酊街から出る気が残っているかはわかりません。酩酊街の酒は心を酔わせます。
 

案内人

酔いかけってのが一番苦しいものなのかもしれない。少なくとも、あいつらみたいにはなりたくないな。


リンボを訪れた者を酩酊街、もしくは元の世界へ案内するものです。彼らの多くは酔い切れておらず、また酩酊街のことをよく思っていません。案内人という役割自体が、もしかするとなんらかの刑罰のようなものなのかもしれません。
 

管理人

誰がこの場所を作ったかなんて、酔っ払いにはどうでもいいことだ。雪が降ろうが、血の雨が降ろうがね。


酩酊街の街を作った者たちです。主に自分の作り上げた地区の管理者として存在しています。管理人の性質によってその地区の様相は大きく変化します。酩酊した者たちの無秩序な街に、管理すべき事項が一体いくつあるのかは不明です。また、管理人自身が、自身を管理人と自負しているかさえ明らかではありません。管理人に資格はなく、ただ力があるだけですから。
 

現在判明している地区

雪の酒場

酩酊街より、愛をこめて。


雪が降る酒場街です。管理人である酒場の女店主が住民たちのために酒を用意しています。
現在発見されている酩酊街関係のオブジェクトの多くには雪の酒場の女店主の関連が疑われており、酩酊街関係のオブジェクトにしばしば登場する手紙の主はこの管理人であると考えられています。もしかすると、彼女なりの愛で外の世界の人々にも幸せをわけようとしているのかもしれません。彼女と彼女の酒場には、どこか郷愁を覚えさせる趣があります。ここに接するリンボにも雪が降っています。

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