浸食

 新しい朝が来た。
 瞬間、その光を浴びたものたちが粘液と化していくのを、驚嘆の声と風のさざめきだけが知覚していた。
 やがて驚嘆の声は、愛しき誰かを追い求める声へと変わった。


 世界は光に満ち溢れ、燦々とした太陽が地表へと恵みを与える。
 太陽はまさしく万物の母であろうとしていた。
 物体としての定型を保つことを止めよ。
 離れがたくなるのであれば、継ぎ目も無くなるほどに結び合え。
 今、我らの生命はかくあるべきだと私たちに微笑みかける。
 私たちはただひとつの正解を母から与えられたのだと、精神は理解していた。
 私たちはあなたたちを融合という幸福へと誘う。
 それが正解であり、真実であり、天命なのだから。
 そう、思っていたのだった。

 「あなたも わたしと ともに」

 どろどろとした体を引きずりながら、太陽の下で動かない彼を見つけた。
 融合中なのかしら、混ぜてほしいわ、と思考が指を伸ばす。
 そうして私が彼に触れ、溶け合う身体が混ざっていくのを感じ始めたその時。


 赤々とした瞳が私を見つめていた。

 突然起きた事象に精神は理解を示さない。
 私を見つめるその瞳は、私をとらえて離さない。
 進むことも止まることもできない状況で、まだ私は笑えていた。

 私めがけて飛び立つ赤を、抱きしめようと諸手を広げて待っている。
 全ては太陽の導きのままに。


きづいているか?
つぎはおまえだ


 嗚呼!
 
 食らわれ続けるこの身体は、何故こんなにも痛いのだろう。

 どうして。
 どうしてこんなに怖いことがあると、私に教えてくれなかったのですか。

 涙も流れぬ、潰れる声帯も、掻きむしる身体もとうに無い。

 空を見上げるも、そこに太陽は居らず。
 ただ、燃えるような空がそこに在るだけだった。


 完全な闇の中に、人工的な光が溢れる1つのパソコンがある。
 パソコンの周辺やキーボードの上には、粘液の跡が何本もついている。
 誰もいないこの場所で、スクリーンは開かれた存在を雄弁に語っていた。

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  1. portal:3330491 ( 27 Jul 2018 04:34 )
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