The World Within

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出典: The World Within
著者: taylor_itkin does not match any existing user name
作成日(EN): 2017/10/31
The World Within
中の世界
タグ: tale en

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The world was swimming. Colors- vibrant, piercing colors were everywhere.

世界は泳いでいた。色彩が — ギラギラとした突き刺すような色彩がそこら中にあった。

“D-3975.”

「D-3975。」

There was no up, no down. No left or right.

上も無ければ下も無い。左も右も。

“D-3975.”

「D-3975。」

Spinning, swirling, tumbling, floati-

回転し、渦巻き、転落し、浮遊し —

“D-3975!”

「D-3975!」

Dug’s eyes flew open. He was on his back, face up, in a dark room. He sniffed the air as his eyes adjusted. It smelled like…

ダグの両目がパチリと開いた。ダグは暗い部屋の中で仰向けになっていた。空気の匂いを嗅ぎ、両目を慣らす。この匂いはまるで……

Paint?

絵の具?

Where was he? He remembered…goggles, then nothing.

一体どこにいるのだろうか? 覚えているのは…… ゴーグルと、あとは何も。

##ba650b|“D-3975! Can you hear me? Where is the group?”##

「D-3975! 聞こえるか? グループはどこにいる?」

Dug bolted upright. The group. His friends. Jared, Cray, Nathan, Felix. All holding on to one another, slowly removing the goggles to see the painting. The impeding calm, the slow drain of energy as he lost his color- and then

ダグは背筋を伸ばした。グループ。友人たち。ジャレッド、クレイ、ネイサン、フェリックス。全員が互いを掴み合いながら、ゆっくりとゴーグルを外して絵を見た。静けさが迫り、活力がゆっくりと抜けていくにつれて色を失い — それから

everythingwaswrongnothingwaswhereitshouldbeandtheworldwasturningand

すべてがおかしくなってなにもかもがあるべきばしょになくなりせかいがかいてんして

“I…don’t know, Doc.” Dug stood. “They’re gone.” He glanced over his left shoulder. A leather recliner was in the corner, looking a bit worn.

「えっと…… 分かりません、博士。」ダグは立ち上がった。「いなくなった。」左肩越しにチラリと目をやる。少し擦り切れていると思しき革製のリクライニングチェアが隅にあった。

“What do you see in there, D-3975?”

「そこに何があるんだ、D-3975?」

“Not much, Doc,” Dug responded. “There’s a leather chair and…a cabinet? And a rug.”

「そんなにありません、博士。」ダグは答えた。「あるのは革製のイスと…… キャビネット? とラグくらいで。」

“Nothing else?”

「他には何も?」

No

無い

“There’s a little girl.”

「少女がいます。」

What?

えっ?

“She says her name is Tanya.”

「名前はターニャだって言ってる。」

Dug wondered why he had said that. He hadn’t meant to. Eventually, the doctor spoke:

ダグは何故自分がそんなことを言ったのか理解できなかった。そんなつもりはなかった。やがて博士が口を開いた。

“Tanny..? No, it can’t be- we’ve never seen more than one person in the painting before. We do not see Tan- this girl. We don’t see your group.”

「タニー……? いや、まさか — 今まで絵の中に2人以上の人間が確認できた事例はない。こっちからはタニ — 少女は見えないぞ。君のグループもだ。」

“I don’t either.”

「こっちもです。」

“Search for them.”

「彼らを探すんだ。」

Dug approached the recliner and laid a hand on it. It felt smooth and slick, exactly as leather should. He moved on.

ダグはリクライニングチェアに近づき、そっと手を乗せた。滑らかでツルツルな触り心地、まさに革の感触そのものだ。歩を進める。

He moved to the only windows in the entire room. Big, wide, glorious windows, open to the outside world, except

部屋にたった一つある窓に向かった。大きくて幅の広い、煌びやかな窓。開くと外の世界、だが

None of the world was the way it should be and nothing made any sense and nothing was where it belonged and the world was turning and

世界どれもがあるべ姿ではなく何もかもが道にかなわずもかもがあるべき場にな界は転し

Dug looked back at his hands and saw brown, dark brown- leather brown- smeared on them, and he looked at the recliner and he saw the color of his skin on the chair and-

ダグは両手に視線を戻した。茶色の、焦げ茶色の — 革の茶色の — 染みが付いていた。リクライニングチェアに目を向けると、そのチェアに自分の肌の色が付いていて —

I’ve found them, Doc

彼らを見つけました、博士

“They’re not here, Doc. But the girl still is.”

「彼らはいません、博士。ですが少女は今もいます。」

There is no girl

少女なんていない

“You can’t find your group?”

「グループは見つからないと?」

They’re outside

彼らは外にいる

“The girl wants me to tell you something.”

「少女には僕から貴方に伝えてほしいことがあるようです。」

“Can you or can you not find your group, D-3975?”

「グループは見つかったのか、見つからないのか、どっちなんだ、D-3975?」

Dug looked out the window again, struggling against his own mind to form the words. To tell the Doctor how his friend Lenny’s face was smeared into the bark on the beautiful tree, or how the luscious branches were Terry’s arms, knurled and twisted, or how the endlessly gorgeous sky was brilliantly filled with the pained expressions of his group, ingeniously contorted and morphed to fill the canvas.

ダグは再び窓の外を見て、言葉を紡ぎ出そうと自分の心と格闘していた。友人のレニーの顔が美麗な木の樹皮にどう塗りたくられているかを、甘美な枝がどうテの腕になっているかを、どこまでも続く綺麗な空の一面が、キャンバスを埋めるよう器用に歪まされ、変形されたグループの苦しげな表情でどう鮮やかに満たされているかを、博士に伝えるために。

“She says that she misses you, Daddy.”

「あの子は貴方に会いたいと言ってますよ、パパ。」

“What?”

「えっ?」

Who said that? Was that me?

今のは誰が言った? 僕か?

“She says she misses her Daddy, and she wants her Daddy to come in here.”

「曰く、あの子はパパに会いたがっていて、パパがこっちに来てくれるのを望んでいるよ。」

Whatishappening

ナニガオコッテ

“…Tanny…?”

「……タニー……?」

“It’s been 2 years, Daddy, why haven’t you come home?”

「2年ぶりね、パパ、どうしてお家に帰って来なかったの?」

“Oh, Tanny, I’m so sorry, Daddy misses you, my little girl…”

「ああ、タニー、本当にすまない、パパも会いたかった、私の愛しい娘よ…… 」

Dug felt his mouth moving, his lips forming words, but he wasn’t doing it. He willed his body to stop, to listen to his command, and, oh God, whose voice was coming out of his mouth?

ダグには口が動いているのが、唇が言葉を紡いでいるのが感じられた。だがそんなことはしていない。身体を止めたいのに、言うことを聞いて欲しいのに、ああ、口から出るのは誰の声だろうか?

“I miss breakfast on Sunday, Daddy, I miss when you cooked for us! For Mommy and me!”

「日曜日の朝ごはんが恋しいの、パパ、私たちのためにお料理してくれる時間が! ママと私のために!」

Dug heard the doctor begin to cry.

博士の泣き始めたのをダグは耳にした。

”Tanya, my sweet Tanya, I’m so sorry…I did everything I could…but I didn’t- didn’t even see the car, baby, it came out of nowhere- you and your mother, oh God…“

「ターニャ、愛しのターニャ、すまなかった…… やれることは全てやったのに…… 私は — 私は車に気づけもしなかったんだ、どこからともなく飛び出してきて — お前とママは、ああ……」

Dug gritted his teeth and willed his body to fight back, but-

ダグは歯を噛み締め、身体を取り戻そうとした、が —

“I’m still alive, Daddy, in here! Come in here with me, we can make Sunday breakfast again! Mommy and me and you!”

「私は今も生きてるよ、パパ、ここで生きてる! パパも来れば、また日曜日に朝ごはんを作れるんだ! ママと私とパパの3人で!」

Why am I saying this what is happening make it stop

どうして僕はこんなことを言っているどうなってる止めてくれ

THUD

ガシャン

“Sir, your goggles!”

「博士、ゴーグルが!」

“Hold on Tanny!”

「待っててくれ、ターニャ!」

no

だめだ

“Daddy?”

「パパ?」

NO

ダメだ

“Tanny, I’m coming!”

「ターニャ、今行くぞ!」

NO

ダメだ
















評価: 0+x

世界は泳いでいた。色が — 派手で強烈な色がそこら中にあった。

「D-3975。」

上も無ければ下も無い。左も右も。

「D-3975。」

回って、渦巻いて、転がって、浮かんで —

「D-3975!」

ダグの両目がパチリと開いた。ダグは暗い部屋の中で仰向けになっていた。空気の匂いを嗅ぎ、両目を慣らす。この匂いはまるで……

絵の具?

一体どこにいるのだろうか? ダグが覚えているのは…… ゴーグルと、あとは何も。

「D-3975! 聞こえるか? グループはどこにいる?」

ダグは背筋を伸ばした。グループ。友人たち。ジャレッド、クレイ、ネイサン、フェリックス。全員が互いを掴み合いながら、ゆっくりとゴーグルを外して絵を見た。静けさが阻み、色が失われるにつれて活力がゆっくりと抜けていって — それから

すべてがおかしくなってなにもかもがあるべきばしょになくせかいがかいてんしていて

「えっと…… 分かりません、博士。」ダグは立ち上がった。「いなくなった。」左肩越しにチラリと目をやる。少し擦り切れていると思しき革製のリクライニングチェアが隅にあった。

「そこに何があるんだ、D-3975?」

「そんなにありません、博士。」ダグは答えた。「あるのは革製のイスと…… キャビネット? とラグくらいで。」

「他には何も?」

無い

「少女がいます。」

えっ?

「名前はターニャだって言ってる。」

ダグは何故自分がそんなことを言ったのか分からなかった。そんなつもりはなかったのに。やがて博士が口を開いた。

「タニー……? いや、まさか — 今まで絵の中に2人以上の人間が確認できた事例はない。こっちからはタニ — 少女は見えないぞ。君のグループもだ。」

「こっちもです。」

「彼らを探すんだ。」

ダグはリクライニングチェアに近づき、そっと手を乗せた。滑らかでツルツルな触り心地、まさに革の感触そのものだ。歩を進める。

部屋にたった一つある窓に向かった。大きくて幅の広い、煌びやかな窓。開くと外の世界、だが

世界どれもがあるべ姿ではなく何もかもが道にかなわずもかもがあるべき場にな界は転し

ダグは両手に視線を戻した。茶色の、焦げ茶色の — 革の茶色の — 染みが付いていた。リクライニングチェアに目を向けると、そのチェアに自分の肌の色が付いていて —

彼らを見つけました、博士

「彼らはいません、博士。ですが少女は今もいます。」

少女なんていない

「グループは見つけられないと?」

彼らは外にいる

「少女には僕から貴方に伝えてほしいことがあるようです。」

「グループは見つけられたのか、見つけられなかったのか、どっちなんだ、D-3975?」

ダグは再び窓の外を見て、言葉を紡ぎ出そうと自分の心と格闘していた。友人のレニーの顔が美麗な木の樹皮にどう塗りたくられているかを、甘美な枝がどうテの腕になっているかを、どこまでも続く綺麗な空の一面が、キャンバスを埋めるよう器用に歪まされ、変形されたグループの苦しげな表情でどう鮮やかに満たされているかを、博士に伝えるために。

「あの子は貴方に会いたいと言ってますよ、パパ。」

「えっ?」

今のは誰が言った? 僕か?

「曰く、あの子はパパに会いたがっていて、パパがこっちに来てくれるのを望んでいるよ。」

ナニガオコッテ

「……タニー……?」

「2年ぶりね、パパ、どうしてお家に帰って来なかったの?」

「ああ、タニー、本当にすまない、パパも会いたかった、私の愛しい娘よ…… 」

ダグには口が動いているのが、唇が言葉を紡いでいるのが感じられた。だがそんなことはしていない。身体を止めたいのに、言うことを聞いて欲しいのに、ああ、口から出るのは誰の声だろうか?

「日曜日の朝ごはんが恋しかったの、パパ、私たちのためにお料理してくれる時間が! ママと私のために!」

博士の泣き始めたのをダグは耳にした。

「ターニャ、愛しのターニャ、すまなかった…… やれることは全てやったのに…… 私は — 私は車に気づけもしなかったんだ、どこからともなく飛び出してきて — お前とママは、ああ……」

ダグは歯を噛み締め、身体を取り戻そうとした、が —

「私は今も生きてるよ、パパ、ここで生きてる! パパも来れば、また日曜日に朝ごはんを作れるんだ! ママと私とパパの3人で!」

どうして僕はこんなことを言っているどうなってる止めてくれ

ガシャン

「博士、ゴーグルが!」

「待っててくれ、ターニャ!」

だめだ

「パパ?」

ダメだ

「ターニャ、今行くぞ!」

ダメだ


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