SCP案「拡張する麻雀」

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは付属しているケースに収納された状態でサイト-81██の中型オブジェクト収容ロッカーに電子キーをかけ保管します。実験を行う際にはオブジェクト担当者2名以上の許可を得て実行してください。

説明: SCP-XXX-JPは136枚の麻雀牌と52本の点棒1で構成されるオブジェクトです。SCP-XXX-JPが収められているケースには██県にある玩具メーカー████玩具の文字が印字されています。SCP-XXX-JPの素材はユリア樹脂製2の一般的な麻雀牌と相違ありません。オブジェクトの異常性はSCP-XXX-JPに4人の人物が触れることで出現します。触れた対象が4人以下だった場合、SCP-XXX-JPはその異常性を出現させることは殆どの場合見られません。しかし稀に3人で触れた場合にも遊戯を開始する結果も存在します。オブジェクトに触れた人物(以下対象)は麻雀の知識の有無に関わらず、オブジェクトを用いて遊戯を始めます。SCP-XXX-JPに触れた対象は、人数が4人に満たない場合に対象は、周囲にいる人物へ積極的にSCP-XXX-JPへ触れるように誘導します。その際4人又は3人に満たすことができなかった場合には最大で1時間前後SCP-XXX-JPの付近に留まったのち、SCP-XXX-JPから自主的に離れます。人数が十分に確保され遊戯が開始した後には、遊戯を中断させる行為に強い拒否を示すようになります。牌を崩す等の強制的に終了させるような行為では対象が暴力行為に及ぶ場合もあります。

さらに遊戯中に対象は食事、睡眠、排泄等の生命維持に必要な行為を求めることがなくなります。しかし時間が経過すると疲労を示す行動が見られる場合があります。遊戯が長時間に及び適切な処置をしなかった場合には、多くの対象は睡眠不足による不調により遊戯を続行することが不可能となります。SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPに触れた人物が睡眠不足による不調や死亡、[データ削除済]などによってSCP-XXX-JPから10分以上手が離れると消失します。SCP-XXX-JPに触れた対象が2人以上だった場合には最後に残った対象が離れると消失します。増加したSCP-XXX-JPは全ての対象がSCP-XXX-JPから手を離し10分経過すると瞬時にその場から消失し、元の136枚の麻雀牌に戻ります。点棒も同様に52本に減少します。この増加・消失した牌についてはその消失方法の特定には至っていません。

対象はSCP-XXX-JPを用い、一荘と呼ばれる東西南北の各4局からなる場を繰り返します。そしてこの局を終了するごとに、SCP-XXX-JPの数が増加し始めます。2-5局目では元の麻雀牌に含まれている牌が通常34種4つであるのに対し、倍の8つまで増加します。このため5局目が終了した時点でSCP-XXX-JPの総数は272枚となります。牌は洗牌3の際に増加しており、その行為からも増加方法の明確な特定には至っていません。また6局目以降では一般的な麻雀牌に存在しない種類の牌が確認されるようになります。これらは通常の牌と同じように役として揃え、和了4することができます。そのため6局目以降では麻雀の本来のルールは、出現した牌によって変化していきます。また牌の増加に伴い点棒も増加することが確認されています。点棒は卓上に出す場面が少ないため、増加したタイミングや具体的な本数などの詳細は不明です。6局目以降の増加については不定数であると考えられており、増加の傾向の特定には至っていません。

対象はSCP-XXX-JPを用いて遊戯を行ったことを全て記憶しており、実験後のインタビューによって増加した牌の種類や数について具体的に知ることができます。遊戯中の出来事について多くの対象は好意的な反応をします。具体的には「熱中して遊んでいた」「とても楽しかった」といった言葉で表現されます。さらに遊戯中に対象は、睡眠や食事を摂っていないにも関わらず全く疲労を感じなかった旨の発言も見られます。また実験後、再びSCP-XXX-JPを用いて遊戯を行いたいと申し出る対象も存在します。これらの反応が好意的な感情による自然な行動なのか、SCP-XXX-JPの持つ新たな異常性であるかについては現在審議が続けられています。

実験記録1 - 日付20██/██/█

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 麻雀のルールを知るDクラス職員4名にSCP-XXX-JPに触れさせ、遊戯を行わせる。

経過時間: 209時間

結果: 4人全員が昏倒し終了。検査の結果睡眠不足による昏倒であると判明した。SCP-XXX-JPは9,384枚まで増加した。対象へのインタビューではおおむね「楽しかった」「久々に真剣になった」といった回答が得られた。さらに遊戯中、疲労は全く感じていなかった。

分析: SCP-XXX-JPに触れた場合、身体的不調以外で遊戯を中断することはなかった。遊戯中食事、睡眠、排泄も見られなかった。

疲労をほとんど感じなくなっている点については非常に興味深い。 - 多井博士

実験記録2 - 日付20██/██/█

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 麻雀のルールを知るDクラス職員4名にSCP-XXX-JPに触れさせ、遊戯を行わせる。その際4人全員に脳波測定機器を頭部に装着させて行った。

経過時間: 223時間

結果: 4人全員が昏倒し終了。検査の結果は前回の実験と同様であった。SCP-XXX-JPは10,064枚まで増加した。脳波測定の結果、遊戯中は4人全員の脳波は顕著なβ波中心の波形を示した。

分析: 脳波測定の結果からSCP-XXX-JPに触れた対象は興奮状態にあると考えられます。

まさに「熱中している」と言って差し支えない。 - 多井博士

実験記録6 - 日付20██/██/█

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 麻雀のルールを知るDクラス職員4名にSCP-XXX-JPに触れさせ、遊戯を行わせる。その際に遊戯の中断を試みる。中断方法としては遠隔音声による声掛け、Dクラス職員による妨害行為、睡眠剤の投与、[データ削除済]です。

経過時間: 4時間

結果: 4人全員が睡眠剤を投与した時点で終了。SCP-XXX-JPは816個まで増加した。遠隔音声による中断の指示は全てが無視された。Dクラス職員による牌を崩す、対象をSCP-XXX-JPから離そうとする等の妨害行為では4人全員が激しい抵抗を示し、暴力行為に及んだ。その後睡眠剤の静脈投与によって遊戯は終了した。対象へのインタビューで妨害行為について質問すると「人が楽しんでいるのを邪魔されて腹が立った」との回答が得られた。

分析: 抵抗可能な妨害に対しては、対象は激しく抵抗すると考えられます。SCP-XXX-JPによって対象の身体への影響は、脳波の変化以外に薬剤耐性などの異常性はないと判断されました。

これ以降のSCP-XXX-JPを使用した実験においては、職員の負担を考慮し十分な結果が得られ次第睡眠剤を投与して強制的に実験を終了させるものとします。 - 多井博士

実験記録11 - 日付20██/██/█

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 麻雀のルールを知るDクラス職員1名にSCP-XXX-JPに触れさせる。

経過時間: -

結果: SCP-XXX-JPを用いた遊戯は始まらず、牌の増加は観測されなかった。対象はSCP-XXX-JPに触れてから22分間の間、財団職員に対し繰り返しSCP-XXX-JPを使用して遊戯を行う提案や麻雀の面白さについて発言した。しかしそれらの提案や発言の強制力は軽度なもので、無理に触れさせるような行為は見られなかった。

分析: 人数が不足している場合には異常性が出現しないことが判明しました。しかし周囲に対象からの提案に賛成する人物が存在する場合にはこれまでの実験結果と同様、SCP-XXX-JPの異常性が出現するものと思われます。

メンツが揃わなかった、ということか。 - 多井博士

実験記録17 - 日付20██/██/█

対象: SCP-XXX-JP

実施方法: 麻雀のルールを知らないDクラス職員4名にSCP-XXX-JPに触れさせる。

経過時間: 3時間経過時点で睡眠剤を投与し強制終了させた。

結果: 対象は4人全員が麻雀のルールを知らないにも関わらず、問題なく遊戯を進行した。SCP-XXX-JPは1,088個まで増加した。対象へのインタビューでは「初めて麻雀をしたが楽しかった」という旨の発言が見られ、さらに4人全員がSCP-XXX-JPへの曝露後に麻雀のルールを理解していた。

分析: 麻雀についての知識の有無は異常性には関係ないようです。

触れるだけであの複雑なルールを理解するようになるとは。驚きだ。 - 多井博士

対象: D-111999

インタビュアー: 多井博士

付記: D-111999は17回目の実験に参加した、麻雀のルールを知らない職員。

<録音開始, 20██/██/█**>

多井博士:それでは覚えている範囲で構わないので、SCP-XXX-JPに触れたあとのことについて教えてください。

D-111999:はい。えーと、まず俺は麻雀のルールは全然知らなかったんですけど、SCP-XXX-JPに触ったらなんか麻雀やってみたいな、って思って。

多井博士:急にそう思ったんですか?

D-111999:うーん…[数秒の沈黙]何か、麻雀牌の実物を持ってみたら興味が湧いたって言うか。ほら、野球とかでも球場に行って本物の野球選手を見るとファンになるとかあるじゃないですか。そんな感じです。

多井博士:成程。そして興味が湧いた後にはどうでしたか?

D-111999:後はその場にいた人たちも皆そんな感じだから、せっかくなんで遊ぼうと。

多井博士:しかし貴方は麻雀のルールは知らなかったんですよね?

D-111999:はい。実験の前までは本当に全然知らなかったんです。役も、点数も、流れとかも本当に知らなかったんですけど、不思議と次に何をすればいいかが分かって、とてもスムーズに遊べました。他の皆もそうだと思います。

多井博士:ルールを知らなかったのに、SCP-XXX-JPに触るとできるようになっていたんですね。

D-111999:そうです。

多井博士:始まってからはどうでしたか?

D-111999:なんか麻雀って難しそう、とか賭け事みたいなイメージがあったんですけど、やってみたら案外そうでもなくて面白いと思いました。

多井博士:具体的にはどの部分についてそう感じたかを教えてもらってもよろしいですか?

D-111999:やっぱり和了したときは気持ちいいですね。裏ドラが2枚とか3枚とか乗ったときはラッキーって思うし、難しい役で和了したときは達成感がすごい。[身を乗り出す]さっき三國士無双トリプル単騎待ちで和了して6倍役満だったときなんかは最高に興奮…

多井博士:[D-111999の発言を遮る]すみません待ってください。私に分かるように説明してもらってもいいですか?

D-111999:[椅子に腰を落ち着かせる]ごめんなさい、ついテンションが上がってしまって。とにかく高い点数で勝てて嬉しかったんです。[数秒の沈黙]多井博士は麻雀を知らないんですね。

多井博士:はい。

D-111999:面白いですよ、麻雀。駆け引きとか、どうすれば1着を取れるとか、頭脳戦みたいで楽しいんです。実際にやれば麻雀に対するイメージが変わりますよ!

多井博士:そうですか。[咳払いをする]他に何か変わったことはありませんでしたか?

D-111999:変わったこともなにも、皆で楽しく麻雀をやっただけですからねぇ。

多井博士:特に何もなければこれでインタビューを終了します。

<録音終了, 20██/██/█**>

終了報告書: この実験の後D-111999は麻雀に関する書籍を読んだり、他のDクラス職員に麻雀を勧めているなどの姿が多数目撃されています。

追記: 20██/█/█にSCP-XXX-JPに関連する重要人物として挙がっていた████玩具の元代表である萩原██氏とコンタクトを取ることができました。以下に萩原氏とのインタビュー記録を追記します。

対象: 萩原氏

インタビュアー: 多井博士

付記: 萩原氏の体調面への配慮から、現在の居住地である介護老人保健施設の一室で行われた。萩原氏には施設職員を通じ、過去の仕事についてのインタビューであると伝えている。

<録音開始, 20██/██/█**>

多井博士:こんにちは萩原さん。今日は████玩具で働いていらっしゃった頃のお話について聞かせてください。

萩原氏:ええ、ええ。どうぞ、なんでも聞いてください。

多井博士:ご協力ありがとうございます。まず████玩具ではどんな物を作られていたんですか?

萩原氏:そうじゃなあ。飛行機の模型やら、ブリキのロボットやら、麻雀牌やら作りょうりました。

多井博士:色々作られていたんですね。しかし、玩具以外に麻雀牌も作られていたんですか。

萩原氏:[大きな声で笑う]ありゃあ私の趣味で作ったんよ。私は昔っから麻雀が大好きでね、社員に止められたのにそれを押し切って販売したんです。

多井博士:結果はどうでしたか?

萩原氏:ぜーんぜん売れんかった。今はまだええけどね、当時はまだ麻雀言うたら「賭け事」とか「風紀が乱れる」とかそんなイメージばっかりじゃけぇ。大人はともかく子供のいる家は買ってくれんかった。

多井博士:その売れ残ったものはどうされたんですか?

萩原氏:私もこりゃいけんと思いまして、在庫のぶん大赤字な訳ですから。どうすりゃ麻雀の楽しさを伝えられるかなと考えました。色々考えて思いついたのが売れ残った商品から東西南北だけ持ってきて、字牌だけで麻雀してみよう思ったんです。多井さんは字牌分かる?

多井博士:[数秒の沈黙]いえ。ルールを知らないもので。

萩原氏:そうかそうか。まあ、言うたら簡易版を作ったんですよ。子供でも分かるようにね。そいで近所の人たちに教えたら、皆楽しい楽しい言うて毎日工場に来て「萩原さん麻雀教えて」言うて。

多井博士:成程。

萩原氏:そしたら後は本当の麻雀のルール教えれば、徐々に徐々に在庫はなくなりましたねぇ。

多井博士:麻雀のイメージが変わったんですね。

萩原氏:あれは嬉しかった。皆が麻雀に偏見持たなくなればええのに思いました。[数秒の沈黙]多井さん、麻雀は面白いでぇ。

<録音終了, 20██/██/█**>

終了報告書: その後萩原氏と定期的にインタビューを行い、萩原氏自体にSCP-XXX-JPに関する異常性はないことが判断されました。

つい先日から多井博士が休憩の合間に携帯電話で麻雀をしている姿が度々目撃されています。「やってみると案外楽しいんだ」と勧められましたよ。 - ██助手


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