Tale案

佐藤が自分の人生において、一般的な他人よりも秀でていると自負する数少ないものが上司運だった。
その職場が持つ特殊性にも関わらず  あるいは特殊であるからこそなのかもしれなかったが、佐藤は他の職場を体験したことがない  佐藤が今まで従属してきた直属の上司は程度の差こそあれいずれも佐藤を重用したし、厚遇していたようだった。佐藤はそれに応えて結果を出す程度の有能さを持ち合わせていたし、仕事にやりがいを見出せる人種でもあった。

そのように佐藤が自身を顧みたのは、現在の上司が下してきた指示が故だ。上司運に恵まれているならば、部下運はどうだろう。佐藤は今まで部下と呼べる人員を持ったことがなかったため、分からない。現在の上司の横に控えていた初対面の彼女は、その第一ケースとなるらしかった。
佐藤の詰める部署は佐藤一人のみが所属する窓際族だ。佐藤の為に作られたこの小さな委員会など無くともこの巨大組織は回るだろう。まだ若いだろうにここに配属されるとは哀れなことだと自分を棚上げして同情する佐藤に、彼女は「勉強させていただきます」と微笑んだ。

佐藤が代表を務める月氷委の仕事は職場婚に伴って発生する諸々の問題のケア、ということになっている。しかし、月氷委が実際にそれに対処したことなど皆無と言っていいし、上にも期待されていなかった。問題の担当者として声がかかることが無い状況で、佐藤が職場に貢献するためにやっていることといえば、ノウハウの蓄積だった。

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