あなたのジョーク記事が黒歴史にならないためのエッセイ

本エッセイはSCP財団における創作ジャンルの一つ「ジョーク記事」について、思い出すことすら憚れるほどの評価を叩き出さないための持論を著したものである。ジョーク記事はフォーマットや言葉の乱れが許容されやすいという先入観を持たれがちだが、SCPというコンテンツを嗜む読者においては、ジョーク記事に対して最低限の基準、ラインを無意識的に引いていることが多い。そうした基準をクリアして初めて、先に述べたような諸々のおふざけが笑いの対象となるのである。この基準とは何かと言うと、概して表すなら「財団らしさ」であろう。本エッセイでは笑かし方の基本を振り返ると同時に、財団らしいジョーク記事について考察し、一つの考え方として提示したい。

ただし、ここで断っておきたいのが、本エッセイは高評価を得るための技法を記すものではなく、最低限評価の土俵に立たせるためのもの、という点である。「笑いのツボが合わない」という言葉があるように、ジョークに対する感性は十人十色で違うものだ。笑いのポイントを抑えられても、それが多方面にウケるかどうかはまた別の問題なのである。大勢を笑わす技法に関しては、芸人や学者、ツイッタラー、宴会で無茶振りされるお父さんまで、あらゆる人間が求めて止まない難題と言えよう。この辺りに関しては無責任なことを言えないので、各自のセンスと努力で頑張ってもらいたい。

SCPwikiはUV/DVによる厳格なレーティング制度を敷いており、どの程度ウケたか/つまらないかが数値で分かるシステムとなっている。つまらなさが可視化されるというのはなかなか痛い所だが、ポジティブに考えれば、笑わせ方を研究するにはうってつけの場とも言える。本エッセイを通じて、ジョークという学問底なし沼に足を踏み入れてもらえれば、それだけで幸甚である。

ジョークSCPはしばしば普通のSCPより簡単であるとか、メインブロックに掲載できないアイデアを放り込む"ゴミ箱"のようなものであると誤解されている場合があります。これは大きな間違いであり、全てのジョークSCPは通常のSCPの要件を満たし、かつ読んでいて楽しいものでなくてはなりません。基本的にジョークSCPは出来が良いことに加え、読者から"笑い"という反応を引き出さなければならないという点で、通常のSCPより難しいと言われてます。


「笑い」の原理: 報告書で人を笑わせるには

初歩的な話になるが、そもそも「笑い」とは、「構図のずれ」によって生じる現象である。元々持っている「構図」とかけ離れた「構図」に移ったとき、人はそのギャップに笑ってしまうのである。そう聞くと、「思いっきりズレたことを書けば、ジョーク記事になるのでは?」等と思うかもしれない。だが、読者の構図からあまりにもかけ離れている場合、読者の頭の中は「巨大な疑問符」で埋め尽くされてしまい、笑いどころではなくなってしまう。ジョーク記事において「笑い」を生み出すには、通常の報告書の体裁を取りつつ、読者の予想を越える展開を盛り込むことが大切になってくるのだ。報告書における構図のずらし方にはいくつかの類型がある。

奇怪な状況を淡々と記述する
文章と状況のギャップで笑わせるもの。ジョーク記事としてはスタンダードなスタイル。

ex: SCP-666-J/SCP-666½-J/SCP-999-J/SCP-CN-233-J

財団が全力で馬鹿なことをする
通常記事ならばある程度の理由付けが必要になるが、ジョーク記事は面白さが主体となってくるので、財団を比較的無能に描くことが可能。

ex: SCP-042-J/SCP-1543-J

ネタの連続攻撃:

ex: JOYの提言/SCP-014-JP-J

最後まで普通だが、オチが強すぎる
最後までネタを挟まない代わりに、補足や補遺、メモなどで衝撃の事実を明かすというもの。
「衝撃の事実」といっても、これまでの報告書と照らし合わせて、腑に落ちるものである必要がある。
つまる所、報告書全体を「巨大な伏線」にするのだ。
ちなみに、このパターンは笑える系の通常記事でもよく使われている。

ex: SCP-836-JP-J/SCP-788-JP/SCP-1475-JP

最初から強烈。その後はもっと強烈
SCP-001-JP-J(全員集合)、SCP-444-JP-J(税別:118円)、SCP-055-DE-J(でっかいハム!)

最初から強烈。その後は一転して冷静に
SCP-1208-JP-J、SCP-6974-KO-J

強烈→冷静→強烈…を繰り返すネタも存在する。
SCP-1210-JP-J(キメラれねぇ)

会話記録/コメントの形式を借りたコント
SCP-329-J(幽霊の標識)、SCP-4357-J、SCP-CN-749-J、SCP-未指定-KO-J

パロディ元のイメージを(良い意味で)ぶち壊すもの
SCP-173-J(SCP-173の真実)、SCP-682-J(すーぱーとかげ)

財団界隈の皮肉:
SCP-100-J(クソの山)、SCP-1212-J(基準)

笑うというよりも微笑ましい:
ポロナイズ博士の提言、SCP-011-J(赤ちゃん)、SCP-1994-J(ボーーール)

読者参加型:
SCP-1D6-J(ガイギャックスの愚行)、SCP-CN-648-J(希望を掴んだ!)、SCP-CN-963-J(面倒くさいコード)

特殊なジョーク:
SCP-001-EX-J(CKG族の記録)
SCP-309-J(間違えて記事全体)
SCP-2615-J(手を叩いて)
SCP-800-JP-J(虚竜)

SCP-014-JP-J: 「中二病が成敗される話か」→「とんでもないネーミングだった」
SCP-040-JP-J: 「ただのSCP-040-JPですね」→「熱中症で無力化するのか…」
SCP-666-JP-J:

  1. 真面目な文体でヤバイことを書く
  2. 報告書が異常性の影響を受ける

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現存のジョーク記事の中には、SCP-XXX-JP-J。や初めから報告書の体を成していないものもあるが、これらは早々に異常性の意味がなんとなく分かるようなものとなっており、それを「構図」としてインプットさせている。

渾身のネタ
ジョークを考えていると、「これは絶対オチにしたい!」という

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