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アイテム番号: SCP-3737-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3737-JPは現在、サイト-8181の人型オブジェクト収容室にて収容されています。標準的な対人収容プロトコルに加えて、言語的・技術的ギャップを埋めるための追加プログラムが適用されます。
説明: SCP-3737-JPはモンゴロイドの人型実体です。外見は少女で、どの現存民族にも合致しない不明な文化習俗を有しています。オブジェクトはクラスBの耐性評価を有しており、高低温・圧力・酸欠・絶食・絶眠・老化など、財団の設けた18項目の基準に対して高い強度を示します。
SCP-3737-JPは2018年、薩摩硫黄島の南東約17キロに位置する海底で発見されました。発見当時、オブジェクトは海底に半身が埋まっており、意識はあるものの呆然自失の状態となっていました。
インタビューログ
SCP-3737-JPは未知の言語を母語としていますが、上代日本語と部分的に類する点があったことから、言語学部門による訓練の結果、簡易ながらも意思疎通が可能となっています。以下はオブジェクトの起源に関するインタビューの現代語訳です。
[記録開始]
相模研究員: 大丈夫でしょうか、ヒイコ(注: SCP-3737-JPが自称する名前)さん。ゆっくりでいいので、あなたが海の底に埋まった経緯を教えてください。
SCP-3737-JP: [暫しの沈黙] にえ。怒り。
相模研究員: にえ、生贄……ですか?何に対する?
SCP-3737-JP: アカボッコ。
相模研究員: アカボッコ。神様のようなものでしょうか。
SCP-3737-JP: 雨、強い。魚、取れない。クニ、腹減った。アカボッコ、怒ってる。
SCP-3737-JP: 私、強い。すごく、強い。みな、言った。私、美味しい。アカボッコ、気にいる、きっと。
相模研究員: それで……生贄に捧げられたのですね。
SCP-3737-JP: 私、船乗った。水の中、降りた。大きな石、抱いて。
SCP-3737-JP: 私、口の中、入った。アカボッコ、笑った。舐めて、吸って、噛んだ。
SCP-3737-JP: 噛んで、噛んで、噛んだ。
SCP-3737-JP: 噛んで、噛んで、噛んだ。
相模研究員: うん……?
SCP-3737-JP: 噛んで、噛んで…… [次第に小声になり、沈黙]
相模研究員: ヒイコさん?
SCP-3737-JP: [目を伏せる] アカボッコ、噛み切る、なかった。
相模研究員: それは……
SCP-3737-JP: アカボッコ、怒った。すごい怒った。アカボッコ、舌出した。舐めて、取った。たくさんたくさん。クニ、なくなった。
相模研究員: [沈黙] まさか、他の人を……?
SCP-3737-JP: [頷く]
SCP-3737-JP: アカボッコ、満ちて、寝た。私、吐かれた。水、底、落ちてった。
SCP-3737-JP: [困惑した表情で] 私、石みたい、だった。邪魔な、貝の、小石。
[記録終了]

鬼界-アカホヤ噴火の影響範囲。
補遺: SCP-3737-JPの回収場所にある堆積物を測定したところ、およそ7300年前に形成されたものであることが判明しました。形成年代および周辺地理を鑑みるに、オブジェクトは縄文時代早期に発生し、南九州一帯を壊滅させた火砕流噴火(鬼界-アカホヤ噴火)と何らかの関連があると推測されます。
大規模災害の発生地において、高耐性の人型オブジェクトが見つかる例は他にもあり、現時点では以下のようにナンバリングがなされています。これらのオブジェクトはいずれも、自然崇拝および人身御供思想の影響下にある点が概ね共通する特徴として存在します。
- SCP-5B61-IN - インドネシア・トバ湖
- SCP-2S12-IT - イタリア・フレグレイ平野
- SCP-3A56-US - アメリカ・クレーターレイク国立公園
- SCP-8K39-JP - 日本・箱根カルデラ
ページコンソール
批評ステータス
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シリーズ-JP所属
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3266034 (01 Jun 2018 15:33)
スマホで見ると(少なくとも私は)インタビューログが右に寄ってしまっているので、
[[div style="display: inline-block; border:dashed 1px #999999; background:#F5F5F5; float:center; width:84%; padding:1px 15px; margin: 10px 10px 10px 40px"]]〜[[/div]]の代わりに
[[div class="blockquote"]]
テキスト
[[/div]]
を使ったほうが良いかもしれません。
ありがとうございます。修正いたしました。
拝読致しました。
発想、内容共に面白かったです。しかし写真が真ん中に寄っている様ですがこれは故意なのでしょうか?故意でなかった場合こちらの様にするのはどうでしょう、右に寄るはずです
記事作成頑張ってください。
写真に関しては仕様ですね、スマホだと文章が押しつぶされて見にくいので、スマホ環境だけ単体表示するclear構文を使っています。
評価モジュール内にメタタイトルが記載されていないようです。
年齢はどのくらいでしょうか。会話を思い浮かべる中で老婆(老化耐性はあるようですが)か少女かもわからない状況だと読者のイメージが確定できないように思います。
文頭の3点リーダは[沈黙]と同義ではないでしょうか。
上で「水の中」は「なか」が漢字になっています。統一するとよろしいかと。
同様に、文末の3点リーダは[沈黙]と同義化と思います。[声量が減少する]などでも良いかも知れません。
同上。
私は火山についてある程度関心があるため、「ああ、あれね」と楽しむことができました。個人的にはUVです。考古学や火山学に深い関心の無い者からもコメントをもらえると心強いかなと思いますが、火山という天然の災害を前にしてこじんまりとしたアノマリーから大規模災害というシンプルな発展のさせ方は既に上手くやってのけているのではないかなと感じます。
一つ気になるのは上記で指摘したように、3点リーダと[沈黙]が役割を互いに食い合っているように感じたことです。半角角括弧で表記する財団のインタビュー記録らしい表現と、小説や台本的な3点リーダとでは、持つ雰囲気が異なるように思います。このあたり、字数とも相談しながら対応されると良いのかなと思います。
私は詳しくありませんが、違和感は特にありませんでした。
違和感はありませんでした。序盤は単語がぶつ切りですので、「噛み切れなかった」「石みたいだった」のような語はもう少し分解しても良いかも知れません。
あまり思いつきませんでした。彼女の生きていた時代の文化的風習があるならそれを補助する形の記載が合って良いかも知れません。
少しだけ伝わりにくいように思います。重篤的な何かを及ぼすわけではないんだろうなというニュアンスは受け取れますが、「何を意味しますか」と問われて明確に答えるのは難しい、といった雰囲気です。とはいえ、これらの人型オブジェクトが同様に生贄として捧げられていたことは明らかに読み取れると思います。
ありがとうございます。参考にいたします。
この点ですが、見たところ難解なきらいがあるので思い切って省くことにします。
→これらのオブジェクトはいずれも、自然崇拝および人身御供思想の影響下にある点が概ね共通する特徴として存在します。
アイディアそのものは非常に面白いと思いました。
また、気にしておられる固有名詞やインタビュー内容の"それっぽさ"についても特に気にはなりませんでした。
私が南九州出身というのもあるかも知れませんが、鬼海カルデラ噴火絡みの話もスムーズに理解できました。
ただ、個人的には収容プロトコルに関してはやや引っ掛かりました。
本オブジェクトは、肉体強度を抜きにしても現存する縄文人という異常な存在ですので、通常の人型オブジェクトのように収容室に入れてハイ終わりという訳にはいかないのでは無いかと思います。近代的な生活様式や設備に適用させる又は適用させたという下りを入れるか、縄文時代の生活様式を再現させる必要があるのではないかと思います。また、現存する縄文人という学術的にも非常に価値のある存在を研究に使わないのも勿体ないなぁと個人的に思いました。
加えて、“生け贄にされたが生き延びた人間”にばかり注目していて、“生け贄を要求し天災を起こす存在(神格存在?)”というketerクラスか下手をするとApollyonクラスの存在にあまり注意を払っていない印象を受け、財団の対応として若干の違和感を受けました。
ただ、上記の点は記事中の枝葉の部分ですので、掘り下げても主題がブレるかなぁとは思いますので、難しいところではあるのですが…。
取り留めのない批評になってしまい申し訳ありません。執筆応援しております。
ありがとうございます。
ご指摘を踏まえ、収容プロトコルに以下の一文を加えました。
標準的な対人収容プロトコルに加えて、言語的・技術的ギャップを埋めるための追加プログラムが適用されます。
これに関しては別件でちゃんと追っているんじゃないか?(「日本の自然神」みたいな枠でまとめて扱っている)という想定のもと、言葉少なめになっています。