この版は、1964年10月24日から1983年6月19日まで有効でした。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-1発生の報告があり次第、その人物に簡易的な尋問を行った後、Aクラス記憶処理を施し、解放してください。また、SCP-XXXX-JP-1pへの尋問および他の手段で確認されたSCP-XXXX-JP-2にも、Aクラス記憶処理を施してください。
説明: SCP-XXXX-JPは、10月7日、10月14日、10月20日に世界各地で発生する、ミーム汚染効果のある異常行動です。行動はSCP-XXXX-JP-1とSCP-XXXX-JP-2に分類されます。SCP-XXXX-JP-1発話を聞かずににSCP-XXXX-JP-2をされた人物には、ミーム汚染効果が生じません。このような違いから、SCP-XXXX-JP-1もSCP-XXXX-JP-2もする人物をSCP-XXXX-JP-1p、SCP-XXXX-JP-1pの影響でSCP-XXXX-JP-2をするようになった人物をSCP-XXXX-JP-2pと呼称します。SCP-XXXX-JP-1の発生源の特定は未だ成功していません。なお、SCP-XXXX-JP-1pもSCP-XXXX-JP-2pも、Aクラス記憶処理によってSCP-XXXX-JPの影響の除去が可能です。
- SCP-XXXX-JP-1: SCP-XXXX-JP-1pに限定された異常行動です。特定の文章を発話します。これは言語によってほぼ決定されますが、10月7日、10月14日、10月20日のどれであるかによって異なります。10月14日の文章は新年を祝う意味の文章です。なお、これは後述のSCP-XXXX-JP-2と同時になされることがほとんどです。
- SCP-XXXX-JP-2: SCP-XXXX-JP-1pとSCP-XXXX-JP-2pの両方が起こす異常行動です。親しい人物に贈り物を配ります。SCP-XXXX-JPの異常性によるものをSCP-XXXX-JP-2と指定していますが、この行動は通常のプレゼント行為と区別がつきません。そのため、この異常による混乱の脅威は低いと推定されており、これについての収容手段は講じられていません。
日付によってミーム汚染効果は異なります。以下の表を参照してください。また、10月14日のSCP-XXXX-JP-aの特徴についての関心から、Dクラス職員を用いた実験が行われました。
日付 |
影響 |
10/07, 10/20 |
SCP-XXXX-JP-1発話を聞き、理解した対象は、翌年以降SCP-XXXX-JP-2をするようになります。 |
10/14 |
SCP-XXXX-JP-1発話を聞き、理解した対象は、2分から8分程度激しい精神的苦痛を訴え、およそ30%は48時間以内に自殺します。48時間が経過して自殺しなかった場合、自殺衝動からは完全に脱しますが、翌年以降SCP-XXXX-JP-2をするようになります。 |
実験記録-XXXX-JP-1 - 日付1969/10/14
対象: 栗栖研究員、D-232521
実施方法: 10月14日を1月1日であると認識している対象が、SCP-XXXX-JP-a-1の影響によって自殺衝動を生じるのかを調べる実験です。栗栖研究員は、SCP-XXXX-JP-a-1pであり、当実験のために記憶処理をせず隔離中でした。D-232521に対しては、現在1970/01/01であると認識させた後、栗栖研究員のSCP-XXXX-JP-a-1を聞かせます。
結果: D-232521に自殺衝動は現れませんでした。また、月例解雇を免除し経過観察したところ、翌年以降SCP-XXXX-JP-a-2をしたいという欲求が確認されました。
分析: 1月1日であると思っている対象は、10月14日のSCP-XXXX-JP-a-1発話を聞いても、他の日のSCP-XXXX-JP-a-1と同様の影響しか生じないと推定されます。
実験記録-XXXX-JP-2 - 日付1970/10/14
対象: 栗栖研究員、D-232522
実施方法: 1月1日であると思っているSCP-XXXX-JP-a-1pの影響によって自殺衝動を生じるのかを調べる実験です。栗栖研究員に現在1971/01/01であると認識させた後、D-232522に栗栖研究員のSCP-XXXX-JP-a-1を聞かせます。
結果: D-232522に自殺衝動が現れました。
分析: SCP-XXXX-JP-a-1pが1月1日だと思っていても、10月14日のSCP-XXXX-JP-a-1の効果は変わりないと推定されます。
ログ1: 「10月7日、10月14日、10月20日の民家で、人の見ていない間に実体が出現する」という異常現象が複数確認されたため、SCP-████-JPとして登録される予定でしたが、正弥博士の提言とそれに基づく調査により、異常現象とSCP-XXXX-JPの間に関連性が見つかりました。そのため、異常現象を新たにSCP-XXXX-JPと指定し、従来のSCP-XXXX-JPをSCP-XXXX-JP-aと改め、1983年4月1日に収容プロトコルの改訂が行われました。
この版は、1983年6月19日から2008年12月26日まで有効でした。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: すべての国において大多数の家庭はSCP-XXXX-JPの発生条件を満たすため、SCP-XXXX-JPの完全な封じ込めは不可能です。一般人がSCP-XXXX-JPについての情報を発信した場合、現地のエージェントはSCP-XXXX-JP事象の情報の隠蔽と、発信者の特定を行ってください。発生した実体を回収し、発信者にはAクラス記憶処理を施してください。また、SCP-XXXX-JP-a-1をする人物を発見した場合、現地のエージェントはその人物および周囲の人物にAクラス記憶処理を施してください。
説明: SCP-XXXX-JPは、2人以上の人物が居住している家屋に実体が出現する異常現象です。2004年7月24日現在、監視カメラ等各種記録機器や人間は、SCP-XXXX-JPの発生現場を1件も記憶または記録していません。このことから、SCP-XXXX-JPがいつ発生しているのかは不明ですが、発見は必ず現地時間で10月7日、10月14日、10月20日のいずれかです。確認されている限り、10月20日での発生はスラブ系の家庭で起こることがほとんどですが、原因は不明です。また、異常現象がSCP-XXXX-JPに登録されて以降、各年の10月7日、10月14日、10月20日のそれぞれについて、全世界で必ず400件以上のSCP-XXXX-JPが発生しています。なお、12歳以下の人物がいる家庭における発生頻度は、そうでない家庭に対して約20倍です。出現する実体そのものに異常性が確認された例はありません。
SCP-XXXX-JP-aは、1983年4月1日以前にSCP-XXXX-JPと登録されていた異常行動です。SCP-XXXX-JP-aの詳細は当時の報告書を参照してください。当時のSCP-XXXX-JP-1、SCP-XXXX-JP-2は、現在それぞれSCP-XXXX-JP-a-1、SCP-XXXX-JP-a-2と指定されています。SCP-XXXX-JP-a-1をする人物(SCP-XXXX-JP-a-1pと呼称します)のうち全員が、SCP-XXXX-JPを経験しながら、その情報を発信せず、財団に記憶処理されることがなかった人々です。
ログ2: 2006年8月1日、SCP-XXXX-JPの発生件数の上昇にともなう収容コストの増大に伴い、大規模な収容作戦-XXXX-JPがO5評議会によって承認され、発令されました。
収容作戦-XXXX-JP
- 世界人口の増加に伴ってか、SCP-XXXX-JPの発生件数は年々増加しており、その収容コストは2060年までに財団予算の██%に達すると見られている。そのような事態を避けるため、そして、収容違反した場合の一般人の混乱を抑制するため、ここに収容作戦-XXXX-JPの実行を布告する。
- 現実改変能力を持つSCP-███の活用により、暦を変更し、計画終了予定日である2008年5月5日を2008年7月23日とする。これにより、SCP-XXXX-JPの発生は12月25日と1月1日と1月7日になる。これは、10月14日(新1月1日)にSCP-XXXX-JP-a-1がなされたとき、新年を祝う言葉が発話されることによる混乱を抑制するためである。
- 現実改変能力を持つSCP-███の活用により、SCP-XXXX-JP-aを████教の行事であるとし、贈り物をする日であるとする。████教発生の発端となった████████の生誕を祝う行事とする。
ログ3: 2008年7月23日、予定通りに収容作戦-XXXX-JPが完了しました。
ログ4: 2008年12月25日、SCP-XXXX-JPを起こしていたと自称する人物が正弥博士にメールを送信しました。メールアドレスの探知により、この人物の居場所が特定され、2008年12月26日に収容されることとなりました。調査が行われましたが、その人物はいかなる国家の戸籍も有していませんでした。
インタビュー記録-XXXX-JP-4
対象: SCP-XXXX-JPを起こしていたと自称する人物(便宜上、暫定的にSCP-XXXX-JP-bと指定)
インタビュアー: 正弥博士
<録音開始, 2008/12/26 19:23>
正弥博士: こんばんは、SCP-XXXX-JP-b。今日はインタビューにご協力いただきありがとうございます。
SCP-XXXX-JP-b: あなたが正弥博士ですね。本当にお世話になりました。
正弥博士: 何についてですか?
SCP-XXXX-JP-b: 今の世界がこうなっていることです。クリスマスとかなんだとか言ってみんなが贈り物をするようになったのは、あなたがたが何かしたおかげでしょう? 前の世界が違っていたことは存じ上げていますよ。
正弥博士: ……そうですね。私の発案した案によって世界は変わりました。しかし、SCP-XXXX-JP-b、私はあなたから情報を得なくてはなりません。あなたがSCP-XXXX-JPを起こしていたというのは本当ですか? なにか我々に示せる証拠はありますか?
SCP-XXXX-JP-b: ああ、そうですね、私の家を見てもらえればわかりますけど、リビングに置いてある木箱の中に入って念じると、好きな時、好きなところへ移動することができます。
正弥博士: わかりました。あとで調べておきましょう。それでは、あなた自身に異常性はないということですか?
SCP-XXXX-JP-b: 普通の人と同じってことはありませんな。今の私は60くらいの男に見えていると思いますが、私は何十年も前からこういう姿で、ああいった活動をしていました。
正弥博士: 不死者ということですか? 自分自身の起源について、何か知っていることはありますか?
SCP-XXXX-JP-b: まあ、不死でしょうね。とりあえず、今の今までどんな目に遭っても死んだことはありません。自分の起源についてはよく覚えていませんが、育ての親の言うことには、私は最初捨てられた赤ん坊だったそうです。拾われてからは大変恵まれた環境で育ててもらいました。その後も普通に人生を送っていたんですが、60歳になってからというもの、なかなかそれ以上老けなくてね。全然死なないし、周りの人には気味悪がられて、結果として色々なところを転々とする生活になりました。
正弥博士: SCP-XXXX-JPはいつから始めたのですか?
SCP-XXXX-JP-b: 最初迫害されたときは、それまで恵まれていた分、とてもつらかったですよ。一度殺されもしました。しかし、転居を繰り返せばそういうこともありません。段々人の優しさというものを思い出して、贈り物をあげたくなりました。それで色々配っていたら、どういうわけかその相手たちが、翌年から贈り物を配るようになったんです。私の善意が伝わって、伝染していくことに、私はすばらしい満足を得ました。
正弥博士: では、木箱はどこで手に入れたのですか?
SCP-XXXX-JP-b: インドにいたときに、古物商が売ってくれたんです。こりゃあ贈り物を配るのに便利だということで、ずっと使っておりました。
正弥博士: SCP-XXXX-JPで出てくる「贈り物」はあなたが生成しているのですか?
SCP-XXXX-JP-b: そうです。いつからかはわかりませんけども、私は自在にものを作り出せます。あんまり大きなものとか、自分が見たことのないようなやつは無理ですけどね。たとえば、バナナは生み出せますが、「真っ赤なバナナが欲しいなあ」と思っても、それは作れません。
正弥博士: そうですか。えー、今度は少し昔の話になりますが、あなたから贈り物を受け取った人が、翌年の新年に誰かに贈り物をすると、その対象に自殺衝動が生じるということがありました。これについては何か知っていますか?
SCP-XXXX-JP-b: ……詳しくはお話しできません。それは私のつらい記憶のためです。しかし、あなたがたが、「10月20日」と「新年」のつながりを、私が人間たちにかけられた呪いを、解いてくださいました。だからもう、そういうことは起こらないのです。
正弥博士: わかりました。最後にお伝えしますが、残念ながら、あなたに異常性がある以上、我々はあなたを収容せねばなりません。したがって、あなたはこれからSCP-XXXX-JPを起こすことができなくなります。
SCP-XXXX-JP-b: 構いませんよ。皆に贈り物の心を知って欲しいという私の願いは達せられた。
正弥博士: ご協力ありがとうございます。以上でインタビューを終了します。
SCP-XXXX-JP-b: メリークリスマス!
正弥博士: ……メリークリスマス。
<録音終了, 2008/12/26 19:46>
終了報告書: これに伴い、SCP-XXXX-JP-bは新たにSCP-XXXX-JP、異常な木箱はSCP-XXXX-JP-αと指定され、特別収容プロトコルが変更されました。
この版は、2008年12月26日以降有効です。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、サイト-8123の人型収容ユニットに収容してください。収容ユニットは、その時点で財団が用意できる限りの強度を持ったものでなくてはなりません。SCP-XXXX-JPの収容への協力的態度を維持するため、毎年12月25日、1月1日、1月7日に、担当研究者はSCP-XXXX-JPに贈り物を与えてください。どの職員にもSCP-XXXX-JPから贈り物を受けとることは禁止されていませんが、物品は担当研究者に提出してください。検査の後、物品ごとに必要な手順で廃棄処分が行われます。
SCP-XXXX-JP-αは、サイト-8124の低脅威異常物品収容ロッカーに保管され、民間人および財団職員の侵入を防ぐため、常時2名の警備員によって警備されます。
実験は可能ですが、SCP-XXXX-JPについてはセキュリティクリアランスレベル3以上、SCP-XXXX-JP-αについてはセキュリティクリアランスレベル2以上の職員の許可と監督の下で行ってください。
説明: SCP-XXXX-JPは、年齢60歳程度の中東系の男性に見える、身長約177cm、体重約72kgの人型実体です。SCP-XXXX-JPは、12月25日、1月1日、1月7日に限り、任意の実体を生成できる能力があります。SCP-XXXX-JPによる十分な経験がない実体は生成不可能であるとみられています(たとえば、SCP-XXXX-JPはスマートフォンに関する十分な経験を欠いているため、スマートフォンの生成はできません)。これまで殺傷能力あるいは収容ユニットを破壊する可能性のある物品が生成されたことはありませんが、潜在的な脅威から、なるべく高強度のユニットに収容されています。
SCP-XXXX-JPの生成物を受け取った人物は、翌年から人へ贈り物をしたいという欲求を生じることになります。この欲求は非常に軽微で、様々な理由により容易に断念されますが、Aクラス記憶処理によって完全に効果を打ち消すことができます。なお、このような人物から贈り物を受け取った人物にもまた同じ効果が表れます。しかし、このことが混乱を生じるリスクは著しく低いとされているため、特殊な理由のない限り記憶処理は行われません。
また、あらゆる検査はSCP-XXXX-JPが通常の現生人類(Homo sapiens)であることを示していますが、SCP-XXXX-JPは現状以上には老化せず、また、疾病や怪我などの通常の手段によって終了されることはありません。
SCP-XXXX-JP-αは、1.5mx1.5mx1.4mの木箱です。その中に入り、目的の場所と時刻を強く思念すると、そこへ移動します。実験により、移動者は移動先で動物(人間を含む)や各種記録機器に認識されないこと、移動から180秒後に自動的に木箱内に送還されることが判明しています。SCP-XXXX-JPの証言によれば、SCP-XXXX-JP-αは腐ることがないとされていて、事実、財団による収容以降腐食の兆候は見せていません。
補遺: SCP-XXXX-JPの特性を利用し、SCP-500の錠剤を増産することが提案されました。現在、サイト管理官、O5および倫理委員会の承認待ちです。
初作品です。正直ネタ被りなど心配でいます。批評の程よろしくお願いします。
うーん、やっぱりもっと積極的に宣伝しないと人来ないな。
自分でも色々浮かんだので、一旦一人で色々書き直してみようと思います。