翻訳案:SCP-CN-2468(可怜的小孩/可哀そうな子供)

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アイテム番号: SCP-CN-2468

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 2021年3月13日時点で、合計██体のSCP-CN-2468個体が財団の管理下に置かれており、管理された個体はサイト-CN-65-アルファの異常生物収容エリアに収容されます。

サイト内の研究員は収容違反リスクの軽減のために、収容中の個体が第一段階にあることを確認せねばなりません。第二段階に至った個体がいれば、いかなる手段を用いてでも当該個体の質量を削減し、第一段階まで引き下げることが許可されています。オブジェクトが共感性に影響する可能性を考慮し、SCP-CN-2468の収容作業に携わる職員は全員、週に一度心理評価を受けねばならず、不合格者はクラスC記憶処理を受けた後にオブジェクトに関する業務から異動されます。

専門の収容チームが常に待機します。SCP-CN-2468との関連が疑われるインシデントが報告されれば、直ちに収容チームが出動し、インシデントを確認・隠匿し、SCP-CN-2468の収容及びインシデントの記憶処理作業を担当します。いかなる状況においても、収容チームは未収容個体の終了が許可されています。

説明: SCP-CN-2468は異常な動物群の総称です。オブジェクトは世界中で発見されていますが、その大部分は中国の熱帯、亜熱帯地域¹に分布しています。

SCP-CN-2468個体の体長は80～130cm、体表には識別可能な感覚器官が存在せず²、外肢は、アメーバーに類似した変形運動を行い、これにより移動し、最高速度は10m/秒に達します。オブジェクトの細胞は一切の分化を示しません。実験では、オブジェクトの細胞は筋細胞、神経細胞、上皮細胞の特徴を兼ね備えます。オブジェクトは強力な回復力を有し、回復過程で個体が総質量を減少させることから、蓄積した質量を用いて喪失した部位を再生していると考えられます。SCP-CN-2468個体は変形することで食物を包み込み摂食します。肉食性であり、人間を捕食³する傾向にあります。この他、オブジェクトは異常なエネルギー変換率を有し、10kgの食料を摂食するごとに、体重が約5㎏増加します。

SCP-CN-2468個体は一定のミーム災害を有し、オブジェクトを目撃した人間はオブジェクトを"可哀そうな子供"だと認識し、対象を助けたいという意欲を示します⁴。標準的なミームワクチンの注射はミーム災害の抑制に有効です。

目撃者の証言によれば、目撃者ごとにオブジェクトの体型は異なって見えていますが、以下の共通した特徴を有します。

• 年齢は約6～16歳である。
• モンゴロイド人種の特徴を明確に示している。
• 衣服が破れている。
• 長時間の飢餓を経験していると推測される。

SCP-CN-2468個体は質量の違いによって、その行動が大きく異なり、多くの場合は三段階に分けられます:

• 第一段階（質量25kg~45kg）: この段階の個体は第二段階個体へ対抗するために協力する傾向にあります。オブジェクトは積極的に人間を攻撃しませんが、攻撃を受けた場合は反撃を行います。
• 第二段階（質量45kg~75㎏）: この段階のオブジェクトは人間に対して非常に敵対的で、付近の人間を積極的に攻撃します。オブジェクトは他のSCP-CN-2468個体を攻撃する傾向にあり、相手が第一段階または第三段階であった場合も同様です。
• 第三段階（質量75kg以上）: この段階のオブジェクトは敵対性と摂食行動を完全に喪失し、人間や他のSCP-CN-2468個体を避けようとします。オブジェクトは第三段階に達した24時間後に、4~5体のSCP-CN-2468個体に分裂します。

補遺:

◆異学会のSCP-CN-2467関連記録

志号
異学玖弐肆

志類
魑

経
世に異獣有り、天下に皆有り、南方に尤もっとも盛る。其の形は常人と異なる無く、皆数日飢饉する若ごとし。人に遇はば、群れを起こして攻め、之を食らふ。其の長じるに及びては、当まさに一を分り数を為なすべし。

傳
███曰く、荊楚珍奇なる異獣多し。異獣有りて曰く██、好みて人を喰らひ、能く幻化し人と為なる。往来の行李、慎まざる者の多くは其の殺す所と為なる。██能よく一を以もって数を為なす。

山海経、海内経曰く、異獣有り、形は孩提がいていに似る、人を食らひ、名を曰く██⁵

史

元康九年⁶、呉の人季李、張叔入、余杭⁷に入りて薪を伐り、異学玖弐肆に遇ふ。季李は余杭で死すも、張叔は逃げ得たり。既に出でて、数十人を尋ね共に之を攻むる。数しばしば異学玖弐肆を殺し、異学玖弐肆は既に死し、化けて異獣と為る。尋つぎて李季を尋ね得るに及ぶ比ころほひ、剰骨止む。

熙寧二年⁸、富人王氏有り、数人を携へ開封⁹を往き、途みちに数孩童と遇う、面に飢色有り、王氏之を怜れみて其の食を与ふ。食を得て、中の一人が暴れ起こり、数人を立ち殺す。幸いにも随従有りて死を拼はいし、乃すなはち脱す。

乾元元年¹⁰、賊人の武将蔡希徳、崔乾佑¹¹を以て歩騎二万を帥ひきゐて沁水を渡過し李嗣業¹²を攻む。既に渡りて数百の流民と遇ひ、之を尽く屠らんと欲す。中に十数の奇人有り、貌かたちは少年の若く、傷は自ら能く癒え、賊人の血肉を生啖す。賊人懼れ、之を避ける。其の中の奇人、蓋けだし異学玖弐肆なり。

弘光元年¹³、時の大尉禄存史可法¹⁴は揚州軍民を率ゐて清に抗ひ、自ら度し能く敵さず、乃ち異学会の得る所の異学玖弐肆を縦はなち、以て清兵に抗はす。異学会玖弐肆尽ことごとく数しばしば殺さるる。

贊
昔東郭先生は仁愛にて狼を救ひ、反つて幾いくばくか其の害を為すも、幸にも一丈人の助けを得て、脱するを得る。今天下の大なり、玖弐肆の衆、之を憐れむ者は何ぞ其れ多からん、幾人が能く丈夫と遇ふか。 此の邪物が如きは、之を留むるに何ぞ益あらんや、宜よろしく盡ことごとく之を殺すべし。

——————— ☯ ———————

格異 · 治学 · 融会

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  批評コメント批評コメント

  
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  fish_paste_slice 09 Apr 2022 09:11

  元記事:SCP-CN-2468(可怜的小孩)
  著者: Unnamed life
  翻訳: fish_paste_slice

  + 中華異学会ロゴ

  ソース: http://scp-wiki-cn.wikidot.com/yixuehuihub
  ライセンス: CC BY-SA 3.0
  タイトル: 1605yk3
  著作権者: Freedom Koo
  公開年: 2017

  
  ロゴ案: keter cn scp 動物 異学会 捕食 漢文 不定形 ミーム 精神感応 肉食 自己複製

  snoj 23 Apr 2022 15:44

  漢文以外の部分をば

  個体があれば

  一応動物なので「いれば」ですかね

  収容専門チームが常に待機します。

  「収容専門」ではなく「（SCP-CN-2468）専門の収容チーム」が意味としては正しいかなと

  インシデンﾄの記憶処理作業を担当します。

  トが半角になってます。「事后」も反映して「インシデント後の」にした方が良いと思います。

  回復過程で個体が質量を減少させることから、
  总质量

  「総」質量

  fish_paste_slice 24 Apr 2022 02:42

  ありがとうございます。
  ご指摘いただいた点を修正しました。

  hitsujikaip 26 Apr 2022 14:39

  基本的には
  ・漢字は字体の変換を除き元のものを使う
  ・記号はあまり使わない。（「」辺りは使うものもある）
  ・句読点はこちらで変えて良い
  ・接続は漢文では書かれないこともあり補って良い
  ・置き字は読まなくて良い
  ・仮名遣いは統一する
  ・送り仮名は現代の正書法より少なめ
  です

  經

  世有異獸，天下皆有，南方尤盛。其形與常人無異，皆若數日飢饉。遇人，群起而攻，而分食之。及其長，當一分為數。

  世に異獣有り、天下皆有れども、南方は尤も盛る。其の形は常人と異なる無く、皆数日飢饉する若し。人に遇はば、群を起して攻め、之を食らふ。其の長じるに及びては、当に一を分ち数を為すべし。

  ・尤や遇は元の漢字を使いましょう。そうしたときに、一般的でない訓になったらふりがなをつければOKです。
  ・文語文法で活用させましょう。
  ・而は読むとくどいので読まなくてOKです。
  ・「当に一を分ち数を為すべし」の「当」は義務ではなく推量かその他のアスペクトですが、訓読には違いは現れません。

  傳

  《███》曰：「荊楚多珍奇異獸，有異獸曰██，好食人，能幻化為人。來往行李，不慎者多為其所殺。██能以一化為數。」

  ███曰く、荊楚は珍奇なる異獣多し。異獣有りて██と曰ふ。好みて人を食らひ、能く幻化し人と為る。往来の行李、慎まざる者の多くは其の殺す所と為る。██能く一を以て数を為す。

  ・「能く幻化し人と為る」は幻で人に擬態する能力を持つということです。この「為る」は自動詞です。

  《山海經·海內經》曰：「有異獸，形似孩提，食人，名曰██」

  山海経、海内経曰く、異獣有り、形は孩提に似る。人を食らひ、名を曰く██。

  史

  元康九年，吳人李季、張叔入餘杭伐薪，遇異學玖貳肆，李季死於餘杭，張叔得免。既出，尋數十人共攻之。殺數異學玖貳肆，異學玖貳肆既死，化而為異獸。比及尋得李季，止剩骨。

  元康九年、呉の人李季、張叔、余杭に入りて薪を伐り、異学玖弐肆に遇ふ。李季は余杭で死すも、張叔は逃れ得たり。既に出でて、数十人を尋ね共に之を攻むる。数異学玖弐肆を殺し、異学玖弐肆は既に死し、化けて異獣と為る。尋（つい）で・（つぎ）て李季を得るに及ぶ比（ころ）ほひ、剰骨止む。

  ・「得る」は連体形なので「得たり」にしました。完了の助動詞は意味を受ける形で補えます。
  ・「尋」について、後ろの部分は解釈を副詞にしました。原作者に「尋數十人」と「尋得李季」の意味を聞いておいた方がいいかもしれません。

  熙寧二年，有富人王氏，攜數人往開封，途遇數孩童，面有飢色，王氏憐之，與其食。得食，中一人暴起，立殺數人。幸有隨從拼死，乃脫。

  熙寧二年、富人王氏有り、数人を携へ開封を往き、途に数孩童と遇ふ。面に飢色有り、王氏之を憐（あはれみ）て其の食を与ふ。食を得て、中の一人が暴れ起こり、数人を立ち殺す。幸いにも随従有りて死を拼し、乃（すなは）ち脱す。

  ・随従は役職というか付き人です。「拼（はい）す」と音読みで読みました。死ぬ気で守ってくれる侍従がいてよかったねという話です。
  ・「乃」はしばらくしてという意味です。

  乾元元年，賊人以部將蔡希德、崔乾佑帥步騎二萬渡過沁水攻李嗣業。既渡，遇數百流民，欲盡屠之。中有數十奇人，貌若少年，傷而能自愈，臨戰不懼，生啖賊人血肉。賊人懼，避之。其中奇人，蓋異學玖貳肆也。

  乾元元年、賊人の部将蔡希徳、崔乾佑を以て歩騎二万を帥（ひきゐ）て沁水を渡過し李嗣業を攻む。既に渡りて数百の流民と遇ひ、之を尽く屠らんと欲す。中に十数の奇人有り、貌（かたち）は少年の若く、傷は自ら能く癒え（ヤ行エなのでそのままで良い）、賊人の血肉を生啖す。賊人懼れ、之を避ける。其の中の奇人、蓋し異学玖弐肆なり。

  弘光元年，時太尉祿存史可法率揚州軍民抗清，自度不能敵，乃縱異學會所得百餘異學玖貳肆以抗清兵。異學玖貳肆悉數被殺。

  弘光元年、時の大尉禄存史可法は揚州軍民を率ゐて清に抗ひ、自ら度し能く敵さず、乃ち異学会の得る所の百余の異学玖弐肆を縱（はな）ち、以て清兵に抗はす。異学会玖弐肆悉（ことごと）く数（しばしば）殺さる。

  ・放って利用したわけですね。

  贊

  昔東郭先生仁愛而救狼，反幾為其害，幸得一丈人助，得脫。今天下之大，玖貳肆之眾，憐之者何其多也，幾人能遇丈人也？如此邪物，留之何益，宜盡殺之。

  昔東郭先生は仁愛にて狼を救ひ、反つて幾（いくばく）か其の害を為すも、幸にも一丈人の助けを得て、脱するを得る。今天下の大なり、玖弐肆の衆、之を憐れむ者は何ぞ其れ多からん、幾人が能く丈夫と遇ふか。此の邪物が如きは、之を留むるに何ぞ益あらんや、宜く盡く之を殺すべし。

  ・丈人は強い人です。

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  羊飼いP @hitsujikaip

  最後の編集 26 Apr 2022 14:45 by hitsujikaip さらに表示

  fish_paste_slice 12 Aug 2022 00:03

  ありがとうございます。
  ご指摘いただいた箇所を修正いたしました。

  From: サンドボックスオペレーター

  G and B Channel 01 Jul 2022 10:11

  しばらく更新が見られないため、この下書きのステータスを「批評中断」にしました。下書き批評を受ける準備が整ったならば、お手数ですが、改めて下書きのステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。

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利用ガイド

1. portal:3247157 (09 Jun 2018 00:35)

Footnotes

1. 収容中のオブジェクト個体のうち██.█%は中国エリアに由来し、その他のエリアに由来するものは█.█%のみです。関連する記録は異学会の文件にも見られます。

2. それにもかかわらず、個体は鋭い知覚能力を有します。

3. 第二段階に限定される。

4. 現在、これがオブジェクトの異常性によるものなのかは解明されていません。

5. 異学会のドキュメントにのみ見られ、原文は亡失されたと考えられるが、偽装されたとする説もある。

6. 訳注: 西晋で用いられた年号。西暦299年。

7. 訳注: 現在の浙江省杭州市。

8. 訳注: 北宋で用いられた年号。西暦1069年。

9. 訳注: 現在の河南省東部

10. 訳注: 唐で用いられた元号。西暦758年。

11. 訳注: 蔡希徳、崔乾佑はともに安禄山配下の武将。安禄山は唐の玄宗に対して乱を起こした。

12. 訳注: 李嗣業は唐の武将。安禄山の乱で活躍したが戦死した。

13. 訳注: 明（南朝）で用いられた年号。西暦1645年。

14. 訳注: 史可法は明末期の政治家・軍事家。明が南朝へ移った後、清と抗戦した。