SCP-2000-JP-4(案):うたかた

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財団記録・情報セキュリティ管理局より通達

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この文書は1971年3月15日に編集されており、事実と異なる情報が含まれる可能性に注意して下さい。

— 財団記録・情報セキュリティ管理局


アイテム番号: SCP-2000-JP

脅威レベル:

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2000-JP-1~5は死亡により無力化されています。死体のサンプルはサイト-81██の低温収容室で保管してください。SCP-2000-JP-6は標準的な人型生物収容房に収容し、常に2名のセキュリティスタッフが収容室を監視するとともに、医療スタッフを収容エリア内に常に待機させてください。月に一度、サイト管理官の許可を得た上で、SCP-2000-JP-6が要求する娯楽品を提供することが認められています。実験でSCP-2000-JP-aを用いる場合は上限を400ccとし、次の実験まで最低16週間の間隔を空けて下さい。SCP-2000-JPはナッツアレルギーを有しており、摂取した場合は重度のアナフィラキシーショックを引き起こすことに注意して下さい。SCP-2000-JP-aを用いた実験を行う場合、サイト管理官の許可を得て、時間異常部門及び次元異常部門の監視下において行われなければなりません。

説明: SCP-2000-JPは異常な血液を有するモンゴロイドの女性の総称です。これまでに6個体が収容され、それぞれSCP-2000-JP-1~SCP-2000-JP-6にナンバリングされています。また、SCP-2000-JP-1~6は指紋が一致しナスマン式DNA塩基列解析方を用いた遺伝子解析によればいずれの実体も同一のDNA塩基列パターンが検出されました。SCP-2000-JP-6は外見上の年齢は30歳前後とみられ、これはSCP-2000-JP-1の生年(1940年)と一致します。各個体へのインタビューや回収された所持品はこれと矛盾しませんが、身体的な特徴が異なり、その記憶にも齟齬が見られます。

SCP-2000-JP実体は共通して以下の異常性を有しています。この異常性を除き、同年代のヒトとの差異はありません。

  • 血液が空気に触れた場合、紅葉したイロハモミジ(Acer palmatum)の葉(以下、SCP-2000-JP-aと呼称)に変化し傷口に覆い被さる形で付着します。体腔内で出血した場合も同様の異常性を発現しますが、皮下出血時には異常性は見られません。ヒトの血液1を輸血した場合は問題なく機能し、体外に出た場合はSCP-2000-JP-aと同様の異常性を発現することが確認されています。X線コンピューター断層撮影CT装置及びファイバスコープを用いた検査では消化器・循環器・筋組織に異常は見られず、体内においては非異常性の血液と同様の働きを持つと考えられます。
  • 傷口に付着したSCP-2000-JP-aは軽微な止血効果を有し、傷口に付着した場合は通常よりも負傷が早く回復します。しかし多量の出血を伴う負傷に対しては傷口に付着できず、外科的な止血が必要となります。また、この止血効果はA型の人間であれば同様の効果を示します。止血が完了すると、SCP-2000-JP-aは自然に剥離し、その後は異常性を失い乾燥/腐敗します。
  • SCP-2000-JP-aを用いて物質を覆い隠した場合、生物非生物を問わずその物質は消失します。この"覆い隠した"とは、直接的な接触の有無に関わらずSCP-2000-JP-aで物質の全面積が遮蔽された状態を指します。消失した物質は異常空間(SCP-2000-JP-bと呼称)へ転移することが確認されていますが、小型無線送信装置を用いた実験では消失後の信号は観測されておらず、駆留女式霊波動探知術による追跡も成功していません。
  • SCP-2000-JPの生命活動が停止した場合、体内に残された血液は全てSCP-2000-JP-aに変化します。これにより大量のSCP-2000-JP-aが体内/体外に出現します。この状態のSCP-2000-JP-aは集積した内部から新たなSCP-2000-JP実体の出現します。また、過去に出現した実体は共通して出現時に負傷している点に注意して下さい。

SCP-2000-JP-bはSCP-2000-JP-aにより消失した物品が転送される異常空間です。SCP-2000-JP-b内部は空間全体にSCP-2000-JP-aが堆積しており、映像記録ではSCP-2000-JP-aと撮影者2以外の存在は確認されていません。堆積したSCP-2000-JP-aを掻き分けることで空間内を移動できますが、その広さは不明です。また、映像記録の大半は撮影者が発する以外の音声は確認できず、空間から脱出する直前にのみ空間外部と思われる音声が記録されています。この音声は、空間から脱出後に出現した地点に居合わせた研究員・医療チームのものと一致しています。SCP-2000-JP-bから脱出する条件は解明されていません。SCP-2000-JP実体間には記憶や身体的特徴に大きな差異が見られることから、SCP-2000-JP-2~6は異なるタイムラインまたは多元宇宙3のSCP-2000-JP-1であり、大量出血をした場合に自身をSCP-2000-JP-bへ転送させ、更に別のタイムライン/多元宇宙で死亡したSCP-2000-JP実体へ転送しているとの仮説が立てられています。局所的な過去改変または空間異常が発生する可能性があることから、SCP-2000-JP-aを用いた実験は時間異常部門の監視下で実施されます。

以下はSCP-2000-JP-1~6が出現した際の状況です。SCP-2000-JP-1~4の詳細なデータは別添の資料を参照して下さい。
番号 収容期間 出現した際の状況
SCP-2000-JP-1 194█/██/██/~1953/4/30 財団が最初に収容した実体。194█年██月██日に蒐集院より財団へ引き継がれ、収容下に置かれる
SCP-2000-JP-2 1953/4/30~1959/6/11 出現時に左肩に出血を伴う銃創を有していた。また、左半身を中心に広範囲の火傷跡が存在する。
SCP-2000-JP-3 1959/6/11/ 出現時点で下半身と右腕を欠損していた。また、爆発物が内蔵された首輪を着用しており、レベル0クリアランス所持を示すサイト-81██の身分証を所持していた。
SCP-2000-JP-4 1959/6/11~1968/9/8 出現時に胸部に深い刀傷を有していた。ドーランを顔に塗り、和服を模した衣装を着用し、背部・胸部・上腕部の肌には樹木を描いた入墨と複数の創傷跡が存在した。
SCP-2000-JP-5 1968/9/8~1968/9/13 出現時に右腕と腹部が銃器と不完全に融合しており、かつ融合部から出血していた。また、所持品には世界オカルト連合のロゴが見られた
SCP-2000-JP-6 1969/9/13~ 出現時に腹部及び脚部に銃創を有し出血していた。出現時に錯乱状態にあり、即座に沈静化された。身体・所持品に特筆するべき点は見られない。
SCP-2000-JP-5は心筋梗塞により死亡したSCP-2000-JP-4の体内から出現した実体です。出現時点で右腕と腹部に大型狙撃銃と融合し、融合部から出血していました。これは現実改変に要因すると思われます。また、GOCのロゴが付随した武装防護服、記録装置及び通信設備を所持していました。ただちに確保、治療が施されましたが、主要な臓器が狙撃銃と融合し機能を失っており、回復には至らず1968年9月13日に多臓器不全により死亡、無力化し、SCP-2000-JP-6の出現を招きました。出現時の所持品から回収された記録装置にはSCP-2000-JP-b内部の映像が残されていました。詳細は映像ログ-2000JP/1968/9/8を参照して下さい。また、SCP-2000-JP-5は無力化するまでに財団からの呼びかけには一切反応を示さず、インタビューは行われておりません。

SCP-2000-JP-6は多臓器不全により死亡したSCP-2000-JP-5の体内から出現した実体です。出現時点で腹部と右足に1カ所ずつ銃創を有しかつ出血しており、ただちに確保・治療が施されました。銃創には異常性は無く、体内からS&W M39の弾が回収されています。SCP-2000-JP-6はインタビューに対し、自身が未知の都市国家の大学の職員であると証言しました。この都市は未知の異常空間に存在すると考えられますが、財団が情報を有するいずれの異常空間とも一致せず、SCP-2000-JP-6から得られる情報も少ないため特定できていません。1970年に発見されたスリー・ポートランドであると考えられます。スリー・ポートランド内にはSCP-2000-JP-6の証言と一致する施設、交通路、異常存在及び団体が確認され、SCP-2000-JP-6が所属したと証言するディア大学も存在します。しかし、ディア大学にSCP-2000-JP-6と一致する職員の記録は無く、また、スリー・ポートランド内の一部の施設や事件記録も証言内容と異なります。

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  1. portal:3247157 (09 Jun 2018 00:35)
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