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アイテム番号: SCP-323-JP-EX
オブジェクトクラス: Explained
特別収容プロトコル: SCP-323-JP-EXは標準人型収容房に収容されます。SCP-323-JP-EXに関する全ての事象は解明済みであり、SCP-323-JP-EXは規定の処置を受け記憶処理の後解放されました。
説明: SCP-323-JP-EXは執筆時点で20代のコーカソイド系男性です。遺伝子的異常などは見られず、多少病弱であることを除けば一般的なヒト科男性と同一です。
SCP-323-JP-EXは当初、複数の異常現象を発生させる人型実体として収容されました。しかし、実験により全ての事象が既知の原理により説明できることが判明したため、オブジェクトクラスがExplainedに再指定されました。
解明事案323-JP-EX.1
実験内容: SCP-323-JP-EXに目隠しをした状態で新品のトランプ1組を裏返した状態で並べ、指定したカードを当てさせる。
結果: SCP-323-JP-EXは全てのカードを当てることができた。しかし終了後、実験担当のドゥ博士によって目隠しが透けておりカードに付いていた傷からカードの数字とマークを記憶していたことが証明された。
解明事案323-JP-EX.7
実験内容: SCP-323-JP-EXを酸素の存在しない部屋に入室させる。
結果: SCP-323-JP-EXは問題なく室内に30分滞在することができた。しかし終了後、実験担当のドゥ博士によって室内のドアノブを握った際に発生した静電気で空気中の水蒸気が分解され、酸素が生成されていたことが証明された。
解明事案323-JP-EX.12
実験内容: SCP-323-JP-EXに指定した物体を手を触れない状態で持ち上げさせる。
結果: SCP-323-JP-EXは約75kgのD-1758を手を触れずに移動させることができた。しかし終了後、実験担当のマーク博士によって筋肉運動により体内で発生する微弱な電気信号と地球から発生する磁場から発生したローレンツ力でD-1758を移動させていることが証明された。
以下はSCP-323-JP-EXに対して行われたインタビューです。
インタビュー記録323-JP-EX
インタビュアー: ジェイムズ博士
対象: SCP-323-JP-EX
[記録開始]
ジェイムズ博士: それではSCP-323-JP-EX、インタビューを始めます。
SCP-323-JP-EX: ええ、お好きにどうぞ。
ジェイムズ博士: 今回は前回のインタビューの続きです。では、カメラに向かって氏名と年齢の宣言をしてください。
SCP-323-JP-EX: [深呼吸] えー、私はSCP-323-JP-EX、正式な名前は[編集済]、年齢は26──これで結構?
ジェイムズ博士: 結構です。それではインタビューに移りましょう。
[既知の内容であるため編集。]
ジェイムズ博士: それでは、次の質問ですが──
SCP-323-JP-EX: ところで博士、哲学者のソクラテスはご存じですか?
ジェイムズ博士: ソクラテスですか?ええ、もちろん。
SCP-323-JP-EX: それなら有名な思想の1つぐらい諳んじられますよね。
ジェイムズ博士: [ジェイムズ博士は答えることができない。] それとインタビューになんの関係が?
SCP-323-JP-EX: 思想の1つもご存じないのですか?
ジェイムズ博士: もちろん、知っています。
SCP-323-JP-EX: それじゃあ言ってみてください。
ジェイムズ博士: [沈黙。ジェイムズ博士は答えることができない。] ですから、それがインタビューとどう関係しているのかと私は聞いているんです。
SCP-323-JP-EX: 無知の知、ぐらいはご存知ですよね?
ジェイムズ博士: 当たり前でしょう。
SCP-XXX-JP-EX: それならどういったものか述べてみてください。
ジェイムズ博士: [咳払い。ジェイムズ博士は答えることができない。] 無駄話はいい加減にしましょう。あなたは一体どういう理由でこんな話を──
SCP-323-JP-EX: 理由はあなたがご存じのはずです。
ジェイムズ博士: もちろん。
SCP-XXX-JP-EX: [笑いながら] それは実に良いことです。これで私について知りたいことは結構?
ジェイムズ博士: ええ、ご協力ありがとうございました。
[ジェイムズ博士がインタビュー室から退出する。規定の処理の後、SCP-323-JP-EXは解放された。]
[記録終了]
付与予定タグ: scp-jp explained 人間型 知識
- portal:3205804 ( 02 Jun 2018 12:45 )

気になった点は2点です。
1.オブジェクトが収容状態に甘んじている意図が分からない
「知らない事柄を既知のものとして認識してしまう」というのは面白いのですが、ではなぜそんな能力を持ちながら不自由な状態に彼は甘んじているのでしょうか。
現状のインタビューの印象だと、ただただ財団をおちょくって嘲笑っているだけに見えてしまいます。もし、この状態であることがもっと意図的なものであれば、SCP-2343のようなバックボーンが必要かと思います。
2.財団が収容を継続する理由が分からない
1とも関係しますが、異常性が既知の科学で十分理解できるものである(と考えさせられている)のであれば、財団の勾留下に留めておく意味はないはずです。記憶処理をして解放か、財団の一般職として雇用がせいぜいではないかと思います。
現状の収容態勢はメタの私たちの視点から必要と思われているにすぎません。もし収容状態を維持しなければならないとしたら、SCP-1943のように「財団が把握していないだけで異常性があると仮定されている」などの理由付けが必要であると思います。
シンプルオブジェクトで語らせすぎるのも良さを殺しそうではありますが、今のところその2点が気になりました。
kskhornさん、ご批評ありがとうございます。
1.2共に自分でも怪しいと思っていた所でした。やっぱりアイデアだけで押し切るのは難しそうだと実感したので修正しました。SCP-XXX-JP-EXを留めるだけの理由(もしくは自発的に留まる理由)が思いつかなかったので解放する流れに変更しています。
再度読み直しました。
財団が手玉に取られてしまってる感じもいいと思います。
もし収容下に置きたいというのであれば、「異常性に暴露した各人がそれぞれの知識量に応じて、別々の理由付けをして異常がないと判断してしまう」という筋書きは考えられます。例えば同じ実験について奇跡論の専門家・認識災害の専門家・物理学の専門家がそれぞれの専門分野の知見に基づいた理由付けで非異常と判断するが、それぞれが正しい証明をしていると考えて議論するために、結論は同じなのに食い違いが発生してしまうという状況です。そこに異常がある可能性を持たせれば、収容の必要性は生じるかと思います。
ご返信ありがとうございます。ご提示いただいた案も魅力的ですが、今回はExplainedというオブジェクトクラスを逆手に取った物を書いてみたかったので今のところは見送らせていただきます。次回以降の改稿の時に参考にするかもしれません。ご批評ありがとうございました。
>全ての事項は
すこし表現をかえたほうがいいかもしれません
>カードに付いていた傷から
新品とあるので矛盾があるかもしれません
>[記録開始][記録終了]
太文字のほうがいいかもしれません
to2to2さん、ありがとうございます。
修正しました。
わざと矛盾を起こさせています。後ろ二つの実験記録と同じです。
フォーマットとしてやっているのでこのままにします。