※この記事は何某Discordサーバーで行われた、批評に関する対談です。いわゆるエッセイではないため、個人的な意見が多く含まれています。この対談が批評を受ける/することへの手助けになれば幸いです。
参加者紹介
yzkrt
今回の主催者。批評をライフワークにしており、コンテスト期間外も積極的に批評していた。2月から開始された毎日1批評運動は42日目でソシャゲのイベランを走るために中断された。k-cal(以下ケーカル)
今回の草の根批評の立役者。批評のためにカルマを自ら背負う誰も得しないマッチポンプで大量の下書きを導いた。12時間連続で批評をしたり、ワクチンの副反応に苦しみながら批評をするその背中は全米を恐怖に陥れた。aisurakuto氏(以下アイス)
今回の草の根批評の立役者2。k-cal氏から大量のカルマを背負わされ、馬車馬の如く働いていた。kskhorn氏(以下中佐)
批評エキスパート。上の3人と違い、何のカルマも背負っていないのに勝手に馬車馬の如く働いていた。最近はウマ娘にハマっている。aster_shion
呼んでもないのに勝手に来て、注意書きを読まずに発言してきた。
yzkrt: それじゃあ今から録音するので。
ケーカル: まぁ、万が一取れていなくてもね、またアイスラクトさんがゆずさんの海馬を無限に拡張してくれるので安心してください。
yzkrt: リスの膀胱ぐらいの海馬しかないですけど大丈夫ですか?
アイス: 爪楊枝の先ぐらいしかないな。
yzkrt: 中佐さんも準備はいいですか?
yzkrt: 落ちてる……
中佐: 入り直しました。
yzkrt: じゃあ始めますか。
yzkrt: 今回、対談を収録するに当たって、質問箱で質問を募集したわけなんですけど、6件集まりまして。ひとつひとつ取り上げながら対談を進めていこうと思います。
ケーカル: 収録始まりましたってツイートしよ。
アイス: YouTuber?
yzkrt: じゃあ一個めの質問になります。「批評がつきやすい下書きと、つきにくい下書きはなんですか」という趣旨の質問ですね。
yzkrt: 実は今回のメンバーはですね、某Discordサーバーでわかばコンの下書き批評を特にしてくれたメンバーなんですね。それで今回感じたものを話していただこうかなと。というわけで今回1番批評してくれたケーカルさん。どうですか?
ケーカル: 攻めた話していいですか?
yzkrt: いいよ。
ケーカル: 他の細かいところは皆さんに任せて、ちょっと攻めた話をします。下書きコメントに丁寧に返信すると、批評は付きやすくなると思いますね。
yzkrt: 今回はルールにも記載されてましたね。
ケーカル: そうそう。返信は本当に大事で、例えば批評に返信がこないと、ちゃんとその批評が読まれてないのかなーと思うんですよ。だって普通、メールでもなんでも、人から連絡来たら返信するのが常識ですし。
yzkrt: 確かにメールでも、返信がなかったら、気付いてないか読まれていないって思ってリマインド送りますもんね。
ケーカル: はい。だからいつも返信が返ってこないような方には、暖簾に腕押しというか、この人に批評しても読んでくれないから批評しなくていいやーってなりますね。逆に、いつも丁寧に返信してくれる人には、批評のやる気が湧きます。この人はどういう返信してくれるとか、しないとか、意外と何回も批評してると覚えてくるんですよ。
yzkrt: 日々の丁寧な積み重ねが、批評しやすい評判をつくるってことですね。
アイス: そういう愛とか礼儀の部分を抜きにしても、反応があると改稿したか分かりやすくなりますね。改稿したのがわかると、経過を見に行きたくなるのでそこでサイクルが回る。
ケーカル: 改稿したのがわかるとやる気出ますよね。
中佐: それでわからないことがあれば、言ってほしいし、逆に言われたけど変えたくない所があれば、それも言ってもらえればそれを踏まえた話もできるし。もちろんすべては汲み取れないにしても、いずれにしても、コミュニケーションが成り立ちますよね。批評は相互のコミュニケーションがないと成り立たないので。
ケーカル: 「この批評何言ってるかわからない」って思ったら、そういう風に返信していい。質問してくれた方が批評者も助かります。
中佐: 教えて♡
yzkrt: 出るかわからないですけど、具体的にどうしたらいいとかも、批評で聞いてみてもらって構わないので。
ケーカル: こっちから案を出してあげられるかどうかはわからないけど、例えば、こういう記事を参考にしようとか、こういう記事はいっぱい例があるよとか、例を出すことぐらいはできるから。
yzkrt: そうですね。
ケーカル: 後アレだね、スポイラーつけてくださいって感じますね。
yzkrt: そうですね。今まで上がってきたのは二回目以降どうするかって話だったので、一回目記事を投稿する新人さんはどうするかっていう。
ケーカル: 大前提として、読みにくい記事理解しづらい記事は批評しづらいんですよ。
中佐: うん。
ケーカル: だから、そういう事態にならないために、スポイラーはつけてほしいし、スポイラーではぼかさないで欲しいし、スポイラーではふざけないで欲しい。
yzkrt: 3点。
ケーカル: つけて、ふざけず、ぼかさない。
ケーカル: もちろん、いろいろ記事の中に謎を作るのは大事なんですけど、その考察要素とか、謎要素が働いているかを我々がしっかり判定するためにもスポイラーは大事なんですね。
yzkrt: スポイラーがないと、ただ何もわからないまま終わってしまって、アドバイスのしようがないこともありますね。「何もわかりませんでした」しか言えないケース。
ケーカル: そうです。で、しかもスポイラーって言うのは、一人の大人としての、批評者と批評依頼者の会話です。ブログの独り言じゃない。だからあんまりふざけないほうがいいです。そこは大人と大人のビジネス的な礼儀としてですね。
yzkrt: 季節の挨拶から入りますか?
ケーカル: そこまでされるとこっちも困る(笑)最低限真面目に書いてくれれば大丈夫です。最後に「ぼかさない」ですが、スポイラーは批評者が分からないことを補足する部分です。なので、スポイラーの中で、謎の答えは書かないでおきますとか、ぼかしを入れられるとスポイラーの意味が無くなっちゃいます。
yzkrt: そうですね。例えば考察記事であっても、回答を書かないにしても、こういうところを疑問に思って考察してほしいとか、そういう狙いだったりとか、引っ掛かってほしいところとか、そういうのがないと、何だったかわからず終わるときもあるので。
中佐: 実際、ただただ情報をばらまいただけの話なのか、何かそこに繋がりがあるかっていうのは、書いている人の中では何かしら回答があるはずだから。
yzkrt: そうですね。
中佐: スポイラーはスポイルする物なんだから、ネタバレをしてほしい。
ケーカル: ちゃんと書いてほしいですね。
中佐: 別に著者としても明確な答えを出してませんよって言うのであれば、それはそれで言って欲しい。そのうえで、読んだ人がそれぞれどう感じましたかって言うのを教えてくださいって時に著者が想定していない方向の推測が出ればそれを参考に情報の出し方を変えたりできるから。
yzkrt: 考察記事で考察した時に読者に的外れなことを考察させてしまうってのは意味がないですからね。
ケーカル: 今回のわかばコンを見ていても、結構「情報が伝わってこないです」って批評したのは多かった気がする。だからスポイラーが大事なんだよね。「スポイラーにあるこの情報が伝わってないからこうした方がいいですよ」って言う具体的な指摘をスポイラーがあればできるから。
アイス: 礼儀とかの部分じゃない、書き方の部分まで及ぶんですけど。要は設置するのって裏話とか背景事情とか、何が起こっていたかだけじゃなくて、どこの部分でどういう効果を出したいのかっていう、懸念点を添えてもらえると望んでいる方向の答えが出しやすくなると思いますね。
ケーカル: 狙いを書くってこと?
yzkrt: スポイラーってより批評をしてもらいたい部分になりますね。
ケーカル: 例えば、「ここの、このキャラクターのセリフでこういう感動を持ってもらいたい」とか、そういうことだよね。「ここを読者を引き付けるフックにしたい」とかを入れてくれると嬉しい。あとはどういう感情になってほしいとか。
アイス: そこまで部分的じゃなくても、例えば冒頭でフックはあるかとか、オチはこういう方向で行きたいけど、それ以外の感情のブレはないかとか、客観視しないと出てこない部分がたくさんあるので、そのあたりのフィードバックを得るという意味合いで添えておいてもらえると、打ち返しやすいですね。
ケーカル: 何を書けばよくわからないときは、個人的には計画書をスポイラーにボンと置いてもらえれば、たぶん過不足なくていいと思うんだけど。多分何を書けばいいかの参考になると思う。
中佐: 特に慣れてない人ほどね。基本的な話でいえば、スポイラーはとにかくスポイルしろと。
yzkrt: 後は気になってる点なんでも書いていいよってことですね。やりたいと思ってることとか。
アイス: あとは自分もそうだったし、今でもそう思うんですけど、スポイラーとかで批評者に問う部分で、面白いかだけ聞くのは具体的じゃないので、もっと掘り下げていいと思います。
ケーカル: ここでしんみりしましたかとか、もうちょっと具体的な感情であってほしいと。
アイス: そうですね。書いてないときも、自分はその辺踏まえないと意味がないと思ってるんで。
yzkrt: 大体出切ったと思うんですけど、あと一個、付け加えさせてもらうならタイトルをつけてくれって言う。一覧で見たときに、明らかにタイトルがないと記事に魅力がないんですよね。SCP-XXXX-JPだけ書かれてたり、最初に入ってる文字列だけだと本当に魅力がない。
ケーカル: うん。
yzkrt: 今回わかばコンテストだから、みんな批評つけに行ったんですけど、そうじゃないときにどれしようかなってなった時に、そういう下書きがあると積極的にやろうとは思いづらいですね。仮タイトルでいいんでね。おしゃれじゃなくても、イヤホンの記事とか、反ミームの記事ですとか、精神影響の記事ですとか。そういうことを書いてくれるだけでも、こういう記事を書いたんだなって言うのが分かるので。
ケーカル: 初期タイトルだと、あんまりいい印象はないよね。
yzkrt: どうしてもタイトルが思いつかなければ概要とかでいいので。
ケーカル: 後2点だけいい?
yzkrt: いいよ。
ケーカル: フォーマットと誤字のチェックは最後までしたほうがいいです。これ自分で直せるところだし、ある程度直してもらわないと途中で批評者が力尽きちゃう。あとは、今回のわかばコンでわかったんだけど、タイトルに改稿日マジで書いた方がいい!
アイス: これ文化にしましょう。
ケーカル: これマジで、わかばコンで残り1週間で、改稿日書いてる人と書いてない人批評の付き方が全然違ったと思う。こっち側からすると、改稿されて批評つけていい状態になってるかが一発で分かるかがすごい便利。改稿日は書いておくと付き方全然違います。
アイス: これは不文律にもなってなかったんで、やってる人ほとんどいなかったですからね。
ケーカル: これ次回わかばコンルールにした方がいい。
アイス: なんだったら今からやった方がいい。全員やってもらってもいいぐらい。
ケーカル: これも2回目以降の話になっちゃったけど、2回目欲しいんだったらやると付くスピード上がると思います!
yzkrt: 2回目としては、批評にしっかり返信することと改稿日を書くこと。1回目としてはスポイラーをつけることと記事にタイトルをつけることですかね。
中佐: あ、ここで宣伝はさんでいい?
yzkrt: いいよ。
ケーカル: 広告やん。
中佐: 翻訳査読ね、絶対パラグラフごとに原文併記した方がいい。
yzkrt: あ~
中佐: 後は特に読んで欲しい部分に下線を引いとく奴。それをしてくれると、めちゃくちゃ査読しやすいし、そこだけさっとみることができるし、やってほしいな♡
(アイスの補足: ココは対談後に追記した部分です。話の流れの中で返事などについて「礼儀の部分」を自分は頑なに否定していましたが、それは自分があまり礼儀を重視していないからです。面白い人は無礼でも認められていくし、そうやって成立してきたのがインターネットだと思います。ただ多くの人は天才ではないので、時間をかけて自分を育てていくのであれば「環境の中で自分のモチベーションが持続できる可能性を高める戦略」を取った方が有利です。もし上の部分で違和感を覚えたのであれば、自分と一緒に吐きそうになった唾を飲んでもらえると嬉しいです。あと、面白い人は尖ってるかもしれないですけど、尖ってるから面白いわけじゃないです。)
yzkrt: 次の質問はさっきもちらっとでてきたんですけど、計画書についての質問ですね。
yzkrt: ストーリー重視の長編SCP記事において、計画書フォーマットを使うことについての是非。計画書フォーマットは短編でこそ生かしやすいのではないかという質問なんですけど。
ケーカル: これもしかして僕が直接質問されてる?
yzkrt: そうですね。直接来てます。
ケーカル: (笑) これは、結論から言うとその通りだと思います。つまり、長編記事を書くときに計画書をそのまま使うってのは、情報不足になるかなという風に思います。なんでかって言うと、定期テストのたとえをするんですけど、中学校の定期テスト、例えば2週間前から勉強するとして、まぁ大体3日かけて国語やって次の3日で数学やって最後にまとめやって~ぐらいの計画でいいと思うんですけど。
yzkrt: はい。
ケーカル: でも大学受験やるってなった時に、1年かけてその計画をするぞってなった時に、2か月国語やって~って言う目標は立てちゃったら長い期間の間何するか不明瞭になるじゃないですか。2か月続けるためにはちっちゃいゴールをたくさん設けなきゃいけないわけですよ。
アイス: そうですね。
ケーカル: もちろん、必要とされる細かさが長編記事と短編記事では全然違う。短編記事ってすぐ読み終わるからそんなに細かくフックを置く必要もないけど、長編記事って複雑だし、まとまりを持たせるために伏線とかも張らなきゃいけないですよね。で、そういう細かいところを全部書くように(計画書は)作られてないから、独自の形でやってもらうのは全然いいと思います。ただ、付け加えたいのは、細かいところだけじゃなくて、計画書に書くような大枠の形を考えることは必要だというところ。大学受験1年やりますよってなった時に、マクロな視点での目標を一切立てずにやっちゃうと。細かいところばっかり気になって、最終的に何もできないってことになっちゃうじゃないですか。二次方程式で一年終わっちゃいました、みたいな。
yzkrt: うん。
ケーカル: 同じで、伏線とかいろいろ細かいところはあるんだけども、特にストーリーの記事とかだと、三幕構造でこういう風に作るよとか、謎を明らかにする過程とかは大枠決めておいた方がいい。例えばアナンタシエーシャの記事だって、結局アナンタシエーシャが何をしているのか、ということをメインのストーリーで解いていってるんだけど、どういう風にその謎を解くかっていう大枠があるわけですよ。その中にインタビューとか小さいものがある。長いやつを書くときは、もちろんその計画書に書くようなマクロなものは全部用意する必要があるんだけど、細かい内容を書くスペースがプラスで必要になるから、計画書そのままは使えないよねっていう風に僕は思います。
中佐: 筋作るのはいいんだろうけどね。
ケーカル: マクロとミクロを忘れないで欲しい。
yzkrt: 結局創作するときに、プロットっているじゃないですか。SCPを書くにしても小説を書くにしても。で、ケーカルさんの計画書ってSCPに特化したプロットのフォーマットなんですよね。
ケーカル: そうね。
yzkrt: だからストーリー重視で書くのであれば、SCPより小説によってくわけだから、そっちに寄ったフォーマットが必要ってわけですよね。
ケーカル: だから計画書を使うのは無理ってわけではないし、考えることは本質的には一緒なんだけど、形としてはやりにくいから別のもの使ってくれた方がいいかもしれないなっていう。
中佐: いつか言ったような気がするんだけど、長い記事にはサマリー付けた方がいい。
ケーカル: スポイラーにね。
中佐: 要約って言うか、どういうストーリーの流れで、どういう結論に向かって話が行ってるかっていうのを、サマリーとして下書きの頭に置いて欲しい。着地点が分からないのにずらずらと進んでいって5万文字!?ってなるのしんどいから。
ケーカル: 最初になくてもスポイラーにプロットおいてもらえると助かりますよね。
中佐: 数百文字くらいのサマリー置いてもらえるだけでストレス全然違うと思うんだけどなぁ。ほとんどね、オブジェクトの記事なんて論文みたいなもんだからさ。
ケーカル: 長い記事はそもそも批評が付きづらいんで、サマリー付けとくだけでもちょっと批評が来やすくなるよって。
中佐: じゃあ読んでみるかっていう風にはなるね。
ケーカル: 著者からはこんな感じです。ぜひつかってくださ~い。
yzkrt: じゃあスタジオにもどしま~す。
ケーカル: 俺スタジオ外かよ。
アイス: なんか台風のところにいたらしい。
yzkrt: じゃあ次の質問に行きましょうか。
yzkrt: 次の質問が、浮いている要素についての扱い方ですね。批評する下書きに浮いている要素がある時、掘り下げてなじませる改稿と削る改稿でどちらを優先するべきか……という質問ですね。今度は批評してくれている側の質問ですね。
ケーカル: 批評者としての。
yzkrt: そうですね。
ケーカル: 困るよね~
yzkrt: 困るよね~
ケーカル: いや本当に困る(笑)
アイス: 全員難しいと思ってる。
中佐: とりあえずここは浮いてるぜ、って指摘はちゃんとした方がいいし、そこを入れたいんだよね、って話になればじゃあそこを生かすためにどうしようかって話になるし。
yzkrt: なんかその、意識的にやってるのかでも変わってきますよね。
ケーカル: 浮いているオリジナルの要注意団体が突然出てきたら「どうした?」って一瞬でなる。
yzkrt: 例えば、異常性が3つ4つある記事ってあるじゃないですか。SCP-XXXX-JPは異常性を持ったシカです!って話をした時に、その時についでで出てくる「このシカはどんな攻撃をしても死にません。」
アイス: おもろいな……
yzkrt: だからその、破壊耐性を持っていますとか。死なないことが異常性じゃなくて、このシカの異常性は○○で、あと破壊耐性を持っていて、あと何故か鉄しか食べなくてって書いてあったとするじゃないですか。
ケーカル: うん。
yzkrt: その時に、その要素って意識して書いたの?ってところがあるじゃないですか。
ケーカル: 鉄しか食わない要素いる?ってとこね。
yzkrt: そうそうそうそう。破壊耐性もいる?っていう。その実験記録とか見てても、破壊耐性とか全然使ってないけどいる?っていう。
ケーカル: 破壊耐性は付きがちだけどね。
アイス: 展開とかと、ひっくるめて解説出来てるんだったら全然大丈夫だしっていう。
yzkrt: 鉄しか食べない!っていうのが異常性の今後の話に関わってくるんだったらいるじゃないですか。人造生物だとか、そういうところを強調するためだけに付けられたならいらないじゃないですか。ただそれが話に関わってくるなら掘り下げてもいいじゃないですか。だからそういうところは意識して付けたんなら、ある程度掘り下げていいし、別になんも関係ないけどとりあえず「鉄しか食わないのおもろいと思って~」って言われたらどうした?って言いますけど。
ケーカル: なんかね、これについては一番俺が過激派だと思ってて。異常性のアイデア浮いているところがあるって話でしょ?
yzkrt: はい。
ケーカル: そういう時に俺がまずどういう話をするかって言うと、「拝読しました。あまり面白くありませんでした」から入って
中佐: 批評のね。
ケーカル: 前提として内容がばらばらだよってことを伝えて。で、異常性っていうのはバラバラの内容全部ちゃんと生かせてないとダメなんだよってことを言うんですけど。
ケーカル: つまりどういうことかっていうと。浮いている要素があるからそれを消せとか、それを掘り下げろって話にまずならない。なんでそうなるかっていうと、料理で例えるんですけど。記事のオリジナリティってどんな素材からどんな料理を作るかって話だと思うんですよ。
yzkrt: はい。
ケーカル: 例えば、お肉とじゃがいもと納豆があって、でこっからおいしい料理を作れたらオリジナリティがあると思うんですよね。あんまり組み合わさらないものから一つの美味しい料理を作れたらそれはオリジナリティがあると思うんですよ。で、その、どの材料を使うかってところよりも、その材料をどう生かすかってところに料理人の本領みたいなものがあるじゃないですか。
yzkrt: うん。
ケーカル: 一番大事なところ。肉・芋・納豆を使えたらいいな~なんて冷蔵庫みたら誰でも思いつく、それを実際使って上手くやる方法こそがアイデアの本質なんですね。じゃあ、これやった時に、肉とじゃがいもと納豆っていう3つがあって、肉じゃが作って隣に納豆置いてきたら、それは納豆が浮いてるじゃん! 納豆浮いているし活かせてないじゃん! って話になりますよね。だから、大体アイデアが浮いてる時って言うのは、結構肉じゃがと納豆みたいに別々の品になってる。
中佐: なるほどね。
ケーカル: で、もう肉じゃがは散々作られてる。オリジナリティがない。何個かの食材から使いやすいものだけ取り出して料理したら、そりゃオリジナリティはなくなりますよ。そういう状態の記事って、浮いている要素を掘り下げたとしても、オリジナリティは出ないし、浮いてる要素を切ったとしても、オリジナリティは出ないんですよ。何故かっていうと肉じゃがであることに変わりはないから。肉じゃがと高級納豆になるか、肉じゃがになるかだから。浮いてる以前に、実はそこに何一つ新しいアイデアはないんですよ。
yzkrt: 御膳で出てきたらうれしいですけどね。
ケーカル: それはね? 朝ご飯だったらうれしい。でもオリジナリティはないじゃん!(笑) だからそういう時にどう批評するかっていうと、納豆を掘り下げるとか掘り下げないじゃなくて、まず、あなたはアイデアの出し方が間違ってますよと。こういう風に肉じゃがと納豆に分けるんじゃなくて、これらをすべて一つにして全部生かさないと、一つの料理にしないと、価値のあるアイデアにはならないんですよ、ってことをお伝えする。そのうえで、じゃあ納豆とかジャガイモとかについてもうちょっと深く知れば組み合わせのアイデアが出てくるかもしれないね、っていう意味で、「掘り下げよう」って言うことはあります。
yzkrt: うん。
ケーカル: もちろん、信じられないオリジナリティのある料理の横に納豆を出されている場合は、納豆を削ってっていうだけでいい。でも基本的に、にくじゃがと納豆が出て来た時点で全部書き直しを勧めます。だって大体そこにアイデアはないし、それを無理に活かすのは著者にとっても負担なんで。だから全部書き直してくださいって僕は言うことが多いかな。
中佐: 料理の方法をね、変えて全然違うものにしてしまうとかだったらね、最終的に良くなるのかもしれないけど。
アイス: フローズンジャガイモですか?
中佐: それこそじゃがいもと、肉と納豆を出されときに、じゃあ納豆カレーにするって言って上手に料理して出されたら、「あぁこれは美味い!どこでも見たことない」ってなるだろうから
yzkrt: 料理漫画のカッコイイシーンみたい。それからそれを!?みたいな
中佐: ランダムに材料出されて、これでどうしろってなるヤツ。
ケーカル: それで、ジャガイモと納豆じゃなくて、1つのすごい料理作ってくるとおお!ってなるよね。
中佐: だからもしそれでやりたいんだったら、何か違う表現の方法とか、あるいは違う組み合わせ方があるんじゃないとかっていう方向への掘り下げになればみんな幸せになるのかもしれないけど、そのアイデアは著者の中から出て来るしかないから……
ケーカル: そんなん教えてたらおれの記事やん。
中佐: そう。
ケーカル: まとめると、浮いてる要素があって、かつオリジナリティ不足だと感じるときは、実はそこにはそもそもアイデアがない。だから、ちゃんと「アイデアがないですね」って言います。アイデアにオリジナリティがないから一から考え直してください、でいいと思います。ちょっと厳しいんだけど。それをじゃあ仮に掘り下げで、もしくは消してしまってっていうのは実は本質的な解決にならないと思う。まれにうまく行くけど。全体としてオリジナリティあるのに浮いてる要素があれば、問答無用で「削ろう」でいいと思います。そこに謎の自作要注意団体はいらない!
yzkrt: 次の質問にも絡んでくるんですけど、「長い記事で読むのに飽きてしまったと言われないための適度なサブの挟み方」についての質問ですね。メインストーリーに対するサブの展開の温度感ってのは今話した通り、サブが浮きすぎてたら意味がないよねって話ですよね。
ケーカル: そうだね。アナンタシエーシャで言うと、途中でインタビュー入るじゃん。そこで若干展開されてるサブストーリーとかがサブって言えると思うんだけど。長いTale書きがちなアイスラクトさんどうですか?
アイス: あ~そうですね。まず長い記事、これに自分がプラスしたいのは、いわゆる専門知識が必要なカノン連作要注意団体、このあたりに共通するんですけど、読むのに飽きてしまったといわれる要因って多分普通にわかんないまま読ませてるからだと思うんですよね。わかんない状態で読まそうとしても最初の勢いが続くのって良くて序盤までなんで。それは飽きるとかじゃなくて諦めたというと思うんですよね。
ケーカル: うん。
アイス: 長い記事とか、所定の要素を使うときって絶対そのテーマに絡んでる別のものを語るためにやるんですよ。自分がそうなんで。長く長く引き伸ばしていった先で最後に何をやりたいのかっていうところに自分の熱量があるわけじゃないですか。
ケーカル: そうね。
アイス: これは自分の好きな業界の話をする時も同じだろうし、まず適度に盛り上げるってなると、1個欲しいのは単純に展開ですよね。長さとか専門知識に関連しない形での、普遍的なエンタメの盛り上げ方、これを盛り込んでいくしかないと思いますね。まずシーンを作って、そこで衝撃的なことを起こさないとどうにもついてきてくれない人が多い。これは経験則で。
ケーカル: 最初の140文字で人を殺せだ。
アイス: これは本当にそうですね。一番最初になんかでかいことを起こしとそっから始めて、もう一回やらかさないといけないっていうのを何回も繰り返す。それとは別に話を続ける。
ケーカル: マクロの話をしながらミクロの話もする。
アイス: そうですね。で、サブ展開の温度感って言うのはそこに関わってくると思うんですよ。これが本軸に関係ないことがあってはいけないんですよ。
ケーカル: 不要な要素になっちゃうから。
アイス: ダメな映画にある、とりあえずの恋愛とかそうしてもらっちゃダメで。
ケーカル: サメ映画に出てくる謎の美女とかね(笑)
アイス: そのサブのエピソードがメインのテーマを掘り下げてなきゃいけない。これは可能なら自分も目指していきたいところなんですけど。サブの温度感とメインの温度感が若干違うといいと思ってるんですよ。
ケーカル: あぁ、メインの温度感がシリアスだったらサブの温度感は若干砕けるみたいな。
アイス: ちょっと切り口を変えてその問題を取り上げるみたいな。で、逆もありですね。全体的にチャラけてるならシリアスに行くし。ちょっと政治色が画面の中に強くなってきたら、画面の中にアクションを入れるだけでこれもメリハリになるので。ちょっと互い違いの、常に驚かせる要素を入れないと飽きられるって恐れが自分の中に付きまとってるんで……これはそういう風に読者をビビらせる意識を持ってないと難しいですね。
中佐: なんか展開的にENのトランプでてくる奴、あれ凄い展開分析すると参考になると思うんだよな。
ケーカル: 大統領イジリシリーズの。
中佐: SCP-5004か。トランプの一家が出てきて、娘が死ぬ奴。アレが今言った、割とおちゃらけなんだけど、要所要所がまじめ。セクションごとはまじめに書いてあるんだけど、全体としてはちょっとおふざけが入ってて、飽きてくるころにがっつり目のアクションが入ってきてて。多分これ2万文字3万文字あるんだけど楽に読めちゃうタイプの長い記事だから、こういうところに参考用として見てもらうといいのかなと思うけどね。
ケーカル: 長い記事っていろいろ難しいんですけど。細かい話をすると、長い記事が飽きられてしまうというのは、読者が読みたくないなって思っちゃう。僕バックグラウンドとして塾の先生をやっていたことがあるんですけど。子供に教えるってなった時に、子供が分かんない言葉って絶対使っちゃダメなんですよね。
yzkrt: はい。
ケーカル: 子供が分かんない言葉とか、難しい文章を使って教えたら子供もう飽きちゃうんで。だから同じように、読者にわかるようになるべく平易な言葉とか、文章とか、だから余剰をホントに、フレーバーみたいな付けたしを避けてくわけですよ。必要な文章だけをなるべく残していく。まず全体の分量を減らしていくっていうのが長編の前提だと思うんですよ。
アイス: そうですね。マジで長くなるのは自分はもう嫌だと思ってるんで。
yzkrt: 長いより短い方が面白いんですよね。
中佐: 長いのもう書きたくないんじゃ。
ケーカル: 別に長くてもね、僕はいいと思うんですよ当然。長くないと出せない面白さも当然あるんですけど、これはもうね、『大いなる文字数には大いなる責任が伴う』ので。ずっと言ってる!†大いなる文字数には大いなる責任が伴う†ので、やっぱ文字数を出すからにはそれに見合った面白さを読者に提供しないといけない。そのために、余分なわからない言葉とか修飾みたいなものはいらないわけですよ。
ケーカル: 後は、この例で僕がすごいと思ってるのは、漫画なんだけど攻殻機動隊ってわかります?
中佐: いいですね♡
ケーカル: 攻殻機動隊すごいんですよ。めちゃくちゃSFで世界観しっかりしてるのに、何にも知らなくても読めるんですよ。
中佐: そう。
ケーカル: じゃあ(SF要素が)無駄なのかって言うと、枠外ですごい作者の注釈があるの。SF感足りなくなってきたな~と思ったら、自分で作者の注釈眺めてると、あ~こんなこと考えてるんだな~とか、いろいろ書いてあって凄い面白い。だから、基本的には何も知らない読者でも読めるようにする必要があるんだけど、アディショナルに注釈とか横になんかつけることでSF要素を足していくとか、そういうのはありだと思うんですよね。ただ基本的にはやっぱり、何も知らない読者が読めるように作っていくのは大事だと思います。その上でできるだけ文字数を減らす。これ前提の前提の前提の話です。
中佐: そうね。
ケーカル: 大事なのは、展開の話ですけど、塾の先生をやっていた経験から話をすると、話し方ひとつで興味って変わってくるんですね。例えば日本史で言うと、西郷隆盛が明治維新があって、西郷隆盛がいろんな人と頑張って戦って江戸幕府倒してみたいな話があるじゃないですか。その後に伊藤博文が~西郷隆盛が西南戦争おこして~みたいな話をされたら生徒はあ~ってなるわけですよ。興味もないけど聞いとくか~っていう。
アイス: 大事だしね。
ケーカル: 明治維新で、西郷隆盛とか、大久保利光とかが手を結んで戦ったわけ。で一緒に江戸幕府を倒した。で、その後に、ここで西郷隆盛がなぜか敵として立ちはだかってるんだぞっていうところを強調するんですね。したら生徒は「あれおかしいぞ?」ってなるわけですよ。なんでコイツ裏切ってんの?ってなるわけですよ。そしたらそこにいろいろあるわけじゃないですか。そこに興味を持って入ってもらえるんですね。だからとにかく大事なのは、謎なんですよ。読者が、謎だと。それを知りたいと思うような語り方で語ってあげるといいわけです。
ケーカル: 大きい展開とかももちろん重要なんだけど、いったいこれは何なんだろう?って読者を思わせる、ところを要所要所に入れておくことで、読者はそれを知りたいから読むことができるんですね。それを1個じゃなくて、長い記事の場合は何個も何個も忍ばせておくわけですね。
ケーカル: アナンタシエーシャとかも、最初の事件記録を見て「結局何が起こってるんだろう?」と思わせる力があるんですよ。今日アナンタシエーシャの話しかしてないけど(笑)
中佐: 大好きだって言ってたもんな。
ケーカル: この前もう一回読み直したらマジですごいなと思って。めちゃくちゃ興味惹かれるしめちゃくちゃ言葉簡単だし。すごいあの記事はね、技術が詰まってると思うんですけど。とにかく謎を設けて、メインの謎は最初に設置してオチまで解決しないんだけど、その中で細かい謎を出して解決出して解決みたいな、流れをやっていくことで読者をとにかく逃がさないようにやっていく。
ケーカル: でもう1個大事なのは、盛り上げ方に関係するんですけど、基本的に盛り上がんないんですね何もないと。なので、共感できる登場人物を一人置いておくだけで話は違います。そいつの目的がかなわないかもしれないとか、それだけで緊張感が違いますよね。どうなるんだっていう。全体的にメリハリがないなと思ったら、登場人物を作ってあげるといいと思います。
ケーカル: そして!アナンタシエーシャはこれもやってるんですねェ~!アナンタシエーシャを読みましょォ~はい!今回の対談を読んだ方はアナンタシエーシャを是非もっかい読んでください。記憶処理があそこのメインじゃないんです!記憶処理は驚きの要素の1つではあるけれど、あの記事はしっかり組み立てられた記事なんですね~アナンタシエーシャを読みましょう!voteしましょう!
ケーカル: VOTE!
yzkrt: 全角のVOTE飛び出してきましたけど。
ケーカル: Caps Lockが壊れてるから。
中佐: 個人的には5004も頼むぞ♡
ケーカル: それもVOTE!
アイス: 一気に政治色が高まるんだよな。
アイス: 今出てきたんですけど。謎、関係性、この辺りはヒトを引っ張れるんですね。仲良しだったじゃんとか、対立していたじゃんっていうのが、変化していくのを見せつけるだけでも人は引っ張れるし。謎って言っても大きい物ばっかりじゃなくて、物すごい意味深なセリフ、これ手前味噌になっちゃうんですけど。自分の書いた記事で。
ケーカル: お、手前味噌や。
アイス: みそみそ。「サイが死ななくなったので」っていうTaleがあるんですけど。あれをやりたかった理由が、一番最初に、「サイが死ななくなったので」ってセリフから始めたかったからなんですよ。
ケーカル: 興味バリバリ引く。だからなんやねんって。
アイス: サイが死ななくなったから財団に来ました、って状況から始めてるんですね。
ケーカル: しょっぱなで気にならせてフックにするってことですね。
アイス: 正直、これの核はそこにはないんですよ。サイが死ななくなったことを重大に感じてることが大事なんですよね。登場人物にとって。なので、その人が何を思ってその場にいるかっていう。普通の人と違う部分をトリガーにしてもいいと思います。
ケーカル: だからこの作品ってなんで面白いんだろうってなった時に、一回その作品を読み終わった時に、ここがこの作品の興味を引くポイントだったんだな、って言うのをもう一回見て学習するとすごい役に立ちます。普段からやってる人も多いんだと思うけど。だから登場人物とか、謎に注目してアナンタシエーシャを読むといいと思う。
yzkrt: (笑)
ケーカル: 俺もう1個入れたいんだよな。私は賛成を入れるの記事。6001番。これも参考になるので絶対に読んでください。ここら辺の長い記事を参考に、今言われたようなことが実際どういう風に生かされてるかっていうのを見ると書きやすくなるとは思います。
yzkrt: 大丈夫ですかね他の人も。僕長い記事を書かないからずっと黙ってたんですけど。
ケーカル: マジで書かないもんな!
中佐: 何もない限りは人間の集中力なんて1万文字ももたないんだから、最初の内は、6千字とか、そのぐらいで書きなさい!
yzkrt: オカン?
中佐: 長いの書きたくないだろ?俺だっていやだ!
ケーカル: 思い出したけど中佐さんも最初に批評した時永遠に削れって言われてましたもんね。
アイス: 削れって言ってましたね。
yzkrt: あくまで同じことができるのであれば、短い方が絶対にいいので。
アイス: でも長くね~と書けねぇんだよな!自分なんかめちゃくちゃ長い記事書いてるんですけど、やりたくないんですねあんなこと。マジで。マジでやりたくない。しょうがなく、書いてる……。自分の創作意欲がそこまでしないと満たされないからしょうがなく書いてる。
yzkrt: 便秘と一緒で出さないとつらいだけで出すこと自体が気持ちいいわけじゃないですからね。
アイス: かわいそうじゃないですか?
ケーカル: 哀れや……
yzkrt: 次の質問は「記事に変えたくない部分がある場合。批評を受けるのを躊躇してしまいます。しかし、『変える気がない』と書くのも批評者を制限してしまいそうでよくない気がするのですがどうしたらいいのでしょうか」という内容ですが……
中佐: オメ~が怖がってるだけだろうがよォ~!
アイス: やばいやばいやばい!
ケーカル: ちょっ、強火の人間がいるから俺から行かせて!
中佐: アァン!?
ケーカル: あのね、いいと思うんですよ!表現したいことがあるのはいいと思うので、表面的な話として、根幹を変えたくないのに何で批評に出すかってとこですよね。多分、細かい表現とかを直したいってことなのかな?と思います。そういうことであれば、ちゃんと、それこそスポイラーをつけて、根幹としてこういうことがやりたくて、だからこういう部分は変えたくないというのを遠慮せずに伝えてくれるとむしろ嬉しいです。ただそれだけだと、どこを指摘すればいいかわからなくなってしまうので、こういう部分へのアドバイスが欲しいっていうのも書いていただければなと思います。
yzkrt: そうですね。
ケーカル: でこっから強火の人たちが続くんで。先は読まなくてもいいです!
中佐: じゃあ強火で行くぜ……
ケーカル: 任せる……
yzkrt: いけいけいけいけ。
アイス: ちょっと切り口変えて、じゃあ実際に一番最初に提案したアイデアを変えることの是非について話したいなと思うんですけど。
yzkrt: はい。
アイス: マネジメントの世界にはNeedsとWantsって考え方があるんですけど。
ケーカル: 意識が高くなってまいりましたわ~!
yzkrt: ちゃんと書くからな……
アイス: お嬢様は意識高くないとダメだろ。
ケーカル: 今日の晩飯はダブルビッグマックとダブルチーズバーガー。
中佐: 最悪。
アイス: Needsね。要は手段と目的なんですよ。Needsが目的、Wantsが手段。マネジメントする側が受け取るのはWantsなんですよね。客はNeedsを隠し持ってるんだけど、ある程度Wantsとして具体化した状態でサービスを受けに行こうとしてるんですよ。
ケーカル: 具体例出したほうがよさそうですね。5000兆円欲しい!ってWantsがあるじゃないですか。でもその人はほんとは愛にあふれた幸せな暮らしを送りたいわけですよね。だからその人に5000兆円をホントに用意するわけではなくて、ネコちゃん一匹をあげるだけで解決する世界があるって話ですよね。
アイス: そう。
ケーカル: だからWantsだけに注目するんじゃなくて、Needsのところを見てあげることで別の現実的な解決案を出してあげることができるよって話ですよね。
アイス: 顧客に何か指示するタイプのマネジメントをする人たちって、そこをかいつまんでできるだけコストを抑えようとするんですね。なんでこの仕事が成立するかって言うと、顧客が最初に出してくるWantsなんて大体間違ってるんですよね。
yzkrt: ITのブランコのミームですよね。
アイス: あれなんですよ本当に。だから、一番最初に提示する具体的な記事の案が最善だとは思わない方がいい。
ケーカル: 自分が何となくこれやりたいなと思ったシーンはあくまでWantsであって、この人が刺されるシーンがやりたいとかはWantsで、もっと根底にあるテーマがNeedsの可能性があると。
アイス: そうですね。なので、根底を変えることは恐れてはいけない。
ケーカル: 自分が根底だと思っているものが根底ではない可能性があると。
アイス: まだ掘れるかもしれない。
ケーカル: 自分がやりたいものじゃない可能性があるから、スポイラーになんでそのシーンがやりたいかを書いてもらったらいいんだ。
アイス: そうですね。
ケーカル: なんでこの根幹を書きたいのか、なんで根幹を変えたくないの?っていうところまで書いてくれると、もしかしたらそのNeedsにはこういう手段がありますよって言うことができるかもしれない。
yzkrt: それで言うとわかばコンで出てきた記事ですごいのありましたよね。
ケーカル: 今回のベストオブ改稿こと、メモ; 何一つ問題はなくなるこれすごい。
yzkrt: 自分のやりたいこと理解して全部変えてた。
ケーカル: 他人のNeedsを代弁するのはアレだけど、カノンとかに属する記事を書きたくて、倫理みたいなところを書きたかったNeedsをしっかり問い詰めて、読みにくいとか長いとかそういう批評を全部ひっくるめて改稿した結果、初期からは思いもよらない変化を遂げてすばらしい記事になったわけですよね。表面上のWantsじゃなくてNeedsが見えていたからこそ、大規模な改稿に踏み切れて、その結果やりたいことが達成できた。すごいよ。
ケーカル: いや、本当に感動したんですよ。最初に批評した時にカノン記事で、カノン的な要素が多すぎて全然言ってることが分からなくて、知らない人にも伝わるように書こうって趣旨の批評をしたんですけど、大体そういう批評が付く記事って改善しづらいんですよ。経験上。だから半分諦めてたんですけど、アイスラクトさんに見に行ってもらったら面白かったって言われて。びっくりして。実際見たら面白くて。スゲーって思いました。
中佐: 見てたけど、明らかにブラッシュアップめっちゃされてて、面白さのコアの部分だけこんなにきれいに抜き出せるんだって感心したもんな。
ケーカル: Needsをしっかり理解して表面上の、カノンの用語とかを入れたかったと思うんだけど、そういうのをできるだけ省いてNeedsだけ残して、みんなが読める形にして高評価を得てる。すごい改稿だわ。ベストオブ改稿賞があったら絶対に賛成を入れる。
yzkrt: 最初の方でスポイラーの話ありましたけど、やりたいことがあるからこそスポイラーを書いてもらって、これはちょっと受けないかもよって意見が飛んできてもそれでもやりたいって主張してもらえば、根幹を変えずに行くので。やっぱりそこを書かないために批評とのすれ違いが起こることがあるんですよ。シリアス書きたいのにギャグの提案されたり。そういうのを避けるためにも、変えたくないものを書いてもらって。
ケーカル: 現実問題として、やりたいこと自体のオリジナリティがないことはあるのは多々あって。そういう時はしっかり言うので、それは受け入れていただいて。それを続けてもらってもいいけど、批評者の義務として言わないといけない。それは著者の取捨選択なので。コイツわかってねーなと思ったら投稿してもらって。それで100とか取れたらそいつの間違いなので。投稿して評価をもらえば勝ちなのでね。
中佐: 俺の処女作おもいだしちゃったな……
ケーカル: 相貌失認の奴?
中佐: 批評でウワーッ!ってなったやつ。
ケーカル: ちゃんと解説しますか、この仲良く話している2人にどんな確執があったのかを……
中佐: 相貌失認の記事で、変更前内容で「これは設定集ですなぁ!」って話をケーカルにされて。
ケーカル: 全く面白くございませんねぇ!
中佐: しょうがねぇだろ!殺してやる!って気持ちになったんだけど結局提案してくれたおかげで形になって。設定集的な内容から脱するためにオブジェクトという形で書いちゃダメなんだなっていう発想の転換があって。それがなければ失敗してたと思うから。そういう自分のやりたいことが分かってたらバキっと内容を変えることもできるんじゃないかと思ったわね。
ケーカル: 批評読み上げますか?
中佐: 助けてくれ1!
ケーカル: 世界観先行しすぎているので、物語を作ろうという話をしましたね。財団が奮闘して、敗北しちゃう流れを書いてみようとか、負けかけるんだけど、最後の手段を取ろうとか。なんでもいいんだけど流れを書こうって話はしてましたね。
中佐: Needsが自分の中で見つけられれば、思い切った方向に出来る。改稿を恐れるな!自分のやりたいことの掘り下げは自分の中でしかできないから頑張ってって話になるけど。
yzkrt: 最後の質問です。「今まで一番難しかった批評は何ですか?なければ好きな寿司を教えてください。」
ケーカル: エンガワですね。
yzkrt: サーモン。
アイス: なんで避けるんですか?自分は寒ブリなんですけど。
中佐: もうちょっと強火で行った方がよくない?そんなさ……炙り〆鯖ですね。
ケーカル: オチ付ける必要ないんだって対談に!(笑)
アイス: 難しい批評……
ケーカル: どの記事とは言えないから……最初の質問で話した記事と逆の記事が批評難しくはなるよね。
アイス: まぁあと……慣れてない人はやらないんですけど、物語中心のSCPはあんまり批評の手が伸びてないと思いますね。人の話にフォーカスが行ってるやつです。
ケーカル: それも何やってるかわからないってところでは、最初の質問の逆行ってるやつだと思うから。
yzkrt: 極論2719 - 内側みたいな記事でも、スポイラーがちゃんと書いてあったら批評しやすいんですよね。
中佐: そうだね。
yzkrt: どんな普通な記事でも、スポイラーがないタイトルがないミスが多いだと難しいって話になってくるし。具体例は挙げれないし。
中佐: 波風は立てれないしね。
ケーカル: あんなに強火だったのに?
yzkrt: 追加質問来てますね。「下書きが更新されなくなったり外部で落ち込んでいる人を見ると心が痛んでしまいますが、どうしたらいいでしょうか……」ということで。
ケーカル: SCP-JPの空間ってお互いに批評し合うことに同意している空間じゃないですか。そこで、著者と批評者っていうのは一人の成熟した人間として向き合っているわけですよ。そこで、あなたの記事がよくないですよって言われて、落ち込んで、表で反論じゃない愚痴を言ってしまうって言うのは、コミュニティの約束違反なんですよね。お互いに、そこは後腐れなくやらないと批評が機能不全になっちゃう。これは受ける側の話になっちゃうんだけど、落ち込むのは仕方ないけど、一人の大人として外に出さないで、closeな場所で言ってもらいたい。逆に、批評者の人は自分の内容に自信を持っているなら、落ち込む必要は無いし、余裕があればだけど、批評受けた側の落ち込む気持ちもわかるよ、って思ってあげればだけど、どうしても辛いことはあるけどね。
アイス: 批評は人格攻撃ではないって言いますけど、時間かけて作ったものが評価されないっていうのは普通に辛いことですからね。
ケーカル: 言っちゃうんだけど、最近批評の環境かなりマシになってて。昔は結構ミスると「科学的におかしくて笑っちゃいました。」みたいなことを言われる時代があって、今はそういう「笑っちゃいました」的な、傷付けるためだけの言葉が無くなってきてるんですね。今の環境は批評のポリシーにあるように、著者を尊重して、余計なことを言わない、お互いにリスペクトを持ちながらやれる環境であると思う。それで──
aster_shion: フフッ……こんばんは。
ケーカル: おまえさぁホント……バカだよな!今収録中よ収録中!
yzkrt: 呼んでないのに来るなって!
ケーカル: 何話すか飛びそうになったわ…… とはいえ、あれだ。アイスさんが言う通り、いくらちゃんとした指摘でもちょっと辛くなるっていうのは、ここのメンバーも実は同じだと思うし、実感をもって共感できます。だから批評者ができるのは、もう言った通り、たとえTwitterで愚痴られてしまっても自分を責めない、気にしないということと、あとはなるべくされた側が折れないような批評をするってところですかね?
中佐: 個人的にやってるのは、具体的に手法示そうかなとは思ってる。ガイド読めだけじゃなくて、ガイドのココをやってくださいみたいな。
yzkrt: 突き放さない。
ケーカル: あ、あと、気にしない、心に余裕を持とうみたいな話になってしまいましたけど、質問者の方の気持ちもすごくわかるということは付け加えておきたいです。実際そういうことを言われたという経験もあるし、そのときは僕もやっぱり辛くなってしまったし。
yzkrt: 批評が作者の人格否定じゃないように、批評の内容で批評者の人格否定はしてほしくないのでね……
ケーカル: ただ、やっぱり、辛くなるリスクがあるから否定的な批評を避けます!ってなると批評が機能しなくなってしまうので、辛くなっても自分の批評が悪かったと責めることは避けて欲しいって感じですね。結果として一から考え直した方がいいときはそういうし、面白くないときはそれもしっかり伝える。だから結果として厳しくなってしまったり、突き放しているように見えるかもしれないけど、心を折りたくて批評している人なんていない。
アイス: 批評で心を折らないのは大事なんですけど、それでクオリティが向上しなければ運命は変わらないので。
yzkrt: 批評で言われることは、投稿した時にみんな思ってることだから。しんどいこともあるけど、批評の段階で言われるならラッキーって思ってもらえれば。
ケーカル: お互いにリスペクトしてるからこそ言えるってことに納得してもらえれば。受ける側の話になってるけど。
中佐: 傷つく方が悪い……ってコト!?
ケーカル: そうは言ってないだろ!
yzkrt: 強火やね~
yzkrt: これで募集した質問もなくなったので、そろそろ終わりましょうか。もう2時間やってますし。
ケーカル: なげぇーっ! 喋りすぎて申し訳ない(笑) 最後に僕も広告いれていいですか?
yzkrt: いいよ。
ケーカル: 若い世代の批評者が非常に不足しております。
yzkrt: SCP-JPでは8時間に1つ下書きが投稿されています。
ケーカル: ムムッ! なんと!(笑)
ケーカル: 現実問題、我々死にかけの老人では手が回らなくなってきましたし、実際我々も忙しくなってきて砂箱に顔を出す頻度も落ちると思うので。どうかご協力をお願いします。……という感じで。
yzkrt: はい。それではこれから地獄の文字起こし・カット作業が始まるので――
ケーカル: マジですまん。書け麻雀の話ばっかりしてた2。
yzkrt: ここらへんで終わりにしましょうか。みなさん、お疲れ様でした!
一同: おつかれさまでした~~~
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任意A任意B任意C- portal:3205804 (02 Jun 2018 12:45)
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