オペレーション・ブラックロープにより取得したオブスクラ軍団のメモ

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記録ID: 1944-09-01-BR-04
出典: オペレーション・ブラックロープにてコンラード・ヴァイス(PoI-018747)より接収した秘蔵書庫の一部
内容: オブスクラ軍団(GoI-023)のプラハのゴーレムとソロモンの儀式に関する翻訳された文書

From コンラード・ヴァイス
To ヘルマン・シュミッツ
Subject 第七の"鍵"

シュミッツ司令官

残念ながら、私が所有していない情報であるため、その"鍵"がどのようなものであるのかを伝えることはできない。多くの同じようなアイテムのように、歴史的な記録にはそれについての記述は少なく、記録されている情報は断片的で矛盾している。私は半世紀の人生をこれらのアーティファクトの研究に捧げてきたが、これまでになんとか"鍵"について探求してきた時間が冊子を埋めることはほとんどなかった。神々も人間も害虫も、皆同じように何千年もの間、この知識を隠すために陰謀を企ててきた。歴史そのものが我々に不利に働くのだ。だが、我々は勝利するだろう。我々に逆らえる者は誰一人残っていないのだからな。

情報が不足しているが、私はベーメン・メーレン保護領で"鍵"を見つけられると確信している。"鍵"に関する信頼できる最後の記録によると、第四次オカルト大戦の間オスマン帝国から"鍵"を守るために、コンスタンティノープルから盗み出されプラハに密輸されたというのだ。16世紀後半までは、その街のユーデマーギアー1の所有地に置かれたままであったと思われる。地元の言い伝えによると、この時マハラル2は、街のユダヤ人に代わってプラハのドイツ人を攻撃するためにゴーレムを作った3。もちろん、欠陥のあるユダヤ人の魔法で命を吹き込まれたゴーレムは必然的に狂いその創造主に反旗を翻し、マハラルはゴーレムを無効化せざるを得なかったがな。私はなんとかマハラルの手記のコピーを手に入れた。それによると、彼は確かにそのようなゴーレムを創造していたが、マハラルが所有する強力なアーティファクトの保管庫としての役割も意図していたというのだ。奴はこのアーティファクトの名前を明言してはいないが、私はそれこそが"鍵"なのではないかと強く疑っている — 他の取得物で学んだように、"鍵"の守護者が別のアーティファクトや構造物の中に"鍵"を隠すことはそう珍しくない。

したがって、プラハのゴーレムを見つけ出し、確保することこそ君が出すべき指令だ。例えそれに我々が探している"鍵"が入っていなくとも、そのような道具が我々の下にあることは価値があるだろう。ゴーレムが埋められていると噂されているアルトノイシュル4の捜索を開始することをお勧めする — もしそこにゴーレムが埋められていない場合は、本当の在りかの記録を見つけることができる可能性が高いだろう。このタスクが完了するまで、この地域内にある他のSSおよびドイツ国防軍資源すべてを君は自由に使うことができる。ゴーレムと"鍵"を確保するためであれば必要なことは何でもしろ。必要ならプラハを焼き払え。ドイツ国家が成功するためには、その"鍵"を手に入れること以上に重要なことはないのだから。

HH


From ヘルマン・シュミッツ
To コンラード・ヴァイス
Subject ゴーレムの喪失

ヴァイス長官

我々がゴーレムを確保できなかったことをお知らせしなければならないことは、非常にお恥ずかしく遺憾なことです。ゴーレムは敵の力を借りて我々の捜査官を逃れ、街を脱出しました。この失敗の全責任は私にあります。言い訳はせずに、起こった出来事だけを説明させて頂きます。

あなたの予想通り、我々の捜査官がゴーレムをアルトノイシュルで発見致しました。シナゴーグの屋根裏部屋に不活発で無傷な状態で保管されているところをです。次に何が起こったのかを明確に言うのは困難ではありますが、現場の法医学的検査を行ったところ、ダンスト中尉がゴーレムに近づき、ナイフの先でゴーレムの胸腔をこじ開けようとしていたようです。この時点で、ゴーレムが再活性化し、中尉の腕を掴んで後ろに捻り、ナイフを左目から脳に突き刺した可能性が高いと思われます。屋根裏にいた捜査官らは、どうにかして合計14発発砲することに成功しましたが、ゴーレムに殺害されてしまいました。中尉を除いて、全てのケースにおける死因は頭部や胸部への極度の鈍的外傷でした。衝撃的ではありますが、このような過剰な残虐行為はユーデマーギアーの構成員からでしかありえないと予想されます。

シナゴーグで我々の捜査官を殺害した後、ゴーレムは建物から逃亡しプラハの通りを移動し始め、遭遇した我れらが帝国の全資産及び人員をみだりに攻撃しました。そのゴーレムの動きからは明確なパターンを読み取ることができず、それを封じ込めるための非常線を確立しようとする試みは、その進路にあったあらゆる妨害をゴーレムが突破したがためにすべて失敗に終わりました。街を制圧するためにやってきたトゥーレ協会のクラークマーギアー5部隊がそれを無力化するまで、ほぼ17時間に渡って完全に野放しになった状態で街中を暴れ回ったのです。卓越した戦闘奇跡術を持っていたにも関わらず、トゥーレはゴーレムを破壊することができませんでした。しかしながら、プラハでの暴走は引き止めることができました。それから3時間にわたって、トゥーレの部隊は進行をやめさせるために勇敢にもゴーレムとの戦いを続け、その過程で多くの死傷者を出したのです。この間、私はゴーレムに対する最終攻撃に備えて、対戦車砲の隊列を含む、この地域に存在する全ドイツ国防軍部隊を動員し始めていました。

しかしながら、この反撃が始まる前に敵のコマンド部隊 — テンプル騎士団と仮に推定します — が街にアポートし、トゥーレの部隊を攻撃しました。コマンド部隊の援助を受けてユーデリーゼ6はトゥーレの奇跡術師を殺戮し続けていました。生き残った証人によるレポートによれば、虐殺の終わり際、ゴーレムはコマンド部隊と少し会話をしたのち、奴らとともに"道"を通って去っていったといいます。現地の背景オーラのバックラッシュの痕跡から、"道"が開かれていたことは確認できましたが、再度の開放を試みても失敗に終わりました。おそらく追跡を阻止するためにコマンド部隊は背後の"道"を破壊したのでしょう。

現時点では、ゴーレムとテンプルコマンド部隊の所在は不明です。ゴーレムが今敵の手に渡った可能性は極めて高いです。プラハでゴーレムが暴走している間の帝国に対する行動の範囲と激しさを考慮すれば、将来的に我々に反攻してくるでしょう。さらに、テンプル騎士団が事件に対応することができたスピードも考えれば、敵が我々の通信や指揮系統を傍受するのに成功したと考えるのが妥当でしょう。もしそうであるのならば、それが我々の作戦に与える影響についてあなたはきっとご存じでしょう。

改めて、ゴーレムと"鍵"の確保に失敗して申し訳ありませんでした。そして、この悲惨な事件の全責任を負います。

HH


From ヨーゼフ・ボーラー
To コンラード・ヴァイス
Subject 敵のコマンド部隊の作戦の分析

ヴァイス長官

プラハ事件から18か月の間に、敵のコマンド部隊は大陸ヨーロッパ内で23回の作戦行動を行っています。これらの行動は通常の戦争遂行に関るものではなく、現在進行中のオカルト紛争に最終的に関係すると思われます。敵の奇襲行動は大きく効力を発揮し、分析可能なデータが残されていないことも珍しくはありませんでしたが、それでも残された情報を基に、次のような結論を導くことが出来ました。

  1. 敵部隊の構成はとても多様だ。テンプル騎士団に加えて、コマンド部隊には英国オカルト局のエージェント、アース神族教団のルーン使い、ゴルモゴン教団の反メイソン、永遠なる神殿の狂信者、幸運を生き延びし者の同胞団のイェ二チェリが含まれている。このリストは包括的ではない。
    • 我々の作戦に対抗しようとする国際オカルトコミュニティの中に、広範で結束力のある連合があることを示している — 通常の戦争において我々に相対する列強よりも連合はほぼ間違いなく広範であるだろう。
    • 敵部隊の多様性の増加は、この連合が過去12か月の間に急激に拡大したことを示している(おそらくはフォール・ヴァイス7の実行と同時期に起きている)。
    • この敵対の根底には、戦前における我々の考古学的な成果に対する抵抗があり、さらに公に交戦が行われたことと通常の戦争の拡大によって燃え上がったのだろう。
  1. 分析された行動のうち19の行動において、敵のコマンド部隊が出撃するのにアポーテーションが用いられた。脱出のためにアポーテーションが用いられたことはない。敵のコマンド部隊は長距離を高い精度でアポーテーションする能力を実証している。我が軍が記録したアポーテーションの失敗による敵の死傷者は1名のみである。
    • アポーテーションが使用された頻度は、敵連合が比較的短時間で大量のオルゴン8を生成する斬新な方法を所持していることを示唆している。
      • この結論は、我々の持つアポーテーション能力との比較分析に基づいている — 強制収容所から提供される豊富な被験体があるにも関わらず、数ダースの儀式の生贄を断続的に輸送しなければならないという固有の困難さにより、我々のアポーテーション能力は極めて限定的である。
      • 敵が集団乱交などのより伝統的なオルゴンの源を使用している可能性もあるが、輸送に関わる問題を克服できるとは信じがたい。したがって、新しいオルゴンの生成法を使用している可能性が高い。
    • プラハ事件でのアポーテーションの使用から、この方法が敵連合の初期メンバーの一人によって開発された可能性は高いが、確実ではない。
    • 脱出においてアポーテーションが使用されないことは、敵が戦場でこの方法を使えないか、使いたがらないことを示唆している。
    • 敵のアポーテーションの正確さは、大陸ヨーロッパ内の基地からコマンド作戦が開始されることを示しているのかもしれない。出発地と目的地の間の実空間距離を縮めることで、アポーテーションに特有の不確定誤差をその分だけ減らすことができる。
      • これは単なる推測だが、ICSUT9が敵連合の一員であり、チューリッヒのサテライトキャンパスがコマンド部隊の前哨基地として使用されている可能性がある。タンネンバウム作戦10が実行された場合、キャンパスを確保するためにトゥーレ協会の奇跡術師とともに、武装親衛隊の大隊を展開することを私は強く推奨する。
  1. 分析された行動のうち14の行動において、コマンド部隊の中に石や粘土の巨人がいたことが報告されている。生存者の言及によれば、プラハのゴーレムの既知の姿と一致しているという。ゴーレムはある程度のオカルト的能力、特に攻撃的な死霊術を持っていると報告されている。また、このゴーレムは人間の目には見えない、あるいは気づかれないようにすることができるという未確認の報告もある。
    • このゴーレムがプラハのゴーレムである可能性は極めて高い。
    • ゴーレムとしては極めて異例なオカルト能力が報告されていることから、ユーデリーゼはその能力の源となる強力なアーティファクトを所有している可能性が高い。最も明白な候補は、もちろん第七の"鍵"である。
    • リスクの高いコマンド任務でユーデリーゼを工作員として繰り返し使用していることを考えると、敵はゴーレムの中に"鍵"があることを知らないか、"鍵"の機能や戦略的価値を知らないか、"儀式"に関する我々の意図を知らない可能性が高い。
      • 可能性は低いが、私たちが当初考えていたように、ゴーレムに鍵が入っていないだけの可能性もある。
      • 敵が我々の計画に気づいていないと仮定すれば、故シュミッツ中佐11が提案したように、敵が重大すぎるほどに我々の通信を傍受したり、指揮系統に侵入したりすることに成功したとは考えにくい。
        • ゴーレムの文化的意義と武器としての有用性を考えれば、ベーメン・メーレン保護領の成立の後に、敵がゴーレムの奪還を試みたとしても驚くべきことではない。彼らがそれに成功したのは、シュミッツ司令官の失敗によるものだ。プラハ事件でテンプル騎士団が折よく到着したのはそのような偶然の一致なのである。
  1. 分析したすべての行動において、敵のコマンド部隊の明白な標的は1つ以上のオカルト的なアーティファクトであった。10件の襲撃はオブスクラ軍団の倉庫を、8件の襲撃は輸送中のアーティファクトを、4件の襲撃はアーティファクト取得中の捜査官を妨害した。1件の襲撃は我々の捜査官が到着する前に目的のアーティファクトを確保することに成功していた。コマンド部隊が脱出を試みている際に捜査官は遭遇した。

*我が軍が検知出来ていないだけで、敵はさらなる回収作戦を行っていると考えるのが妥当だろう。。そのような作戦がどれだけ行われたかを推測するのは難しい。
* オブスクラ軍団の倉庫や護送隊を見つける能力を考えると、敵が大陸全域に広範な情報網を保持していることは明らかである — 現地のパルチザンとその他の犯罪者から情報が抜き出されている可能性が高い。オブスクラ軍団の資産を偽装もしくは隠匿するためのさらなる努力が必要である。
* 敵がアーティファクトの獲得に力を注いでいることは、彼らが現在のオカルト紛争を戦前の考古学的競争の延長線上にあると考えているという先の推測を裏付けるものであり、彼らが儀式に関わる我々の計画に気づいていないという説にさらなる信憑性を与えている。

この分析が役に立つことを切に願います。

HH


From リヒャルト・ヴェーク
To コンラード・ヴァイス
Subject パリのカタコンベ探検

ヴァイス長官

私のチームは依頼されたパリの地下のカタコンベの調査を完了させました。構造としては広大であり、そしてほとんどの部分がつまらないものです。法人類学チームが地下室を埋め尽くす無数の骨を調査する価値はあるかもしれませんが、カタコンベの主構造の中で注目すべき発見は、異常に高い値のオルゴンを放出する不活性な数多くの"道"だけです。もしムッソリーニによって最近開かれたギリシャ戦線からさらなる人員を割くことができるのであれば、これらの"道"のさらなる調査と研究を行うことを推奨致します — もしそれらがネクサスに繋がれば、重要な戦略的価値を持つことになります。

しかし、私のチームによる最も重要な発見は、地下墓地の下層のすぐ下に埋まっていた部屋を発見したことです。この部屋の建築様式は、その上にある構造物とは大きく異なっており、カタコンベより数世紀も前のものだと私は推測しています。壁には見慣れないルーン文字で碑文が刻まれています。この碑文のコピーはこの報告書に添付致します12。おそらくあなたの書記なら、運が良ければ翻訳できるかもしれませんね。

興味深いと思われるかもしれませんが、これらの碑文はこの部屋で発見されたもう一つの発見物に比べれば、さしたる重要性はありません。部屋の中央には高めの壇上があり、そしてその上の瓦礫の下に半分埋もれていたのは、真鍮と青銅でできた人型のオートマトンでした。部屋の一部が崩壊していることよって若干の損傷を受け、何世紀も不活性であったことは明らかですが、高度な時計仕掛けの機械はまだ完全に機能しているようです。

壁に刻まれたルーン文字、この部屋の見かけ上の年代、オートマトンの内部機構の複雑さから、この建造物がゲルマン民族に作成されたことは明らかで、フランク王クローヴィスの時代に遡るでしょう — おそらくは絶滅したドワーフ族の助けを借りて建造されたものと思われます。

私のチームは現在、オートマトンを発掘し、さらなる研究と修理のためにドイツへの輸送を行うでしょう。輸送が完了しましたら、改めてお知らせ致します。

HH


From コンラード・ヴァイス
To ウェルナー・シューマン
Subject 実験のための新たな資産

シューマン様

ユーデリーゼがティルヴィングに近づくための手段になるというあなたの説には全面的に賛成しますが、ユーデリーゼは我々から逃れ続けています。ですが、最近私は新たな資産を入手しましたので、これを用いて剣の実験を続けることができます。

フランスの調査チームが最近、パリのカタコンベの下に埋まっていた古代ゲルマン建築の遺構を発見しました。その部屋にはアーリア人とドワーフ人が作った時計仕掛けのオートマトンが保管されており、傷ついていましたがまだ機能していました。私はそれを発掘してドイツに戻し、帝国の最高峰の技術者たちが修理して制御装置を取り付けました。今では数世紀ぶりに再び活動し、私の命令に完全に従うようになりました。明日、第12施設に輸送します。

このオートマトンをティルヴィングに対するあなたの実験に役立てて頂きたい。神出鬼没なユーデリーゼよりも有用であることが分かるでしょう — オートマトンと剣の間には、ゲルマン人という共通の起源を考えれば、何らかの精神的なつながりがあるのかもしれません。

あなたの研究結果を大変期待しております。

HH


From コンラード・ヴァイス
To ハインリヒ・ヒムラー
Subject ゴーレムの捕獲の代替案

ライヒスフューラー13

最新のゴーレムの捕獲の失敗についてお知らせします。詳細は省きますが、最低限説明します。私たちはイスタンブールでユーデリーゼを待ち伏せ、回収する部隊を送り出しました。しかし、部隊は皆殺しにされました。既に彼らを軍葬の礼をもって埋葬するように指示しています。もちろん、棺は閉じて。

現時点では、この行動を続けても実を結ぶとは思えません。ユーデリーゼとの戦闘の中で、その破壊力の大きさを痛感させられました。害虫が強者を攻撃するために作った無恰好で粗末な兵器ですが、この役割においてはとてつもなく効果的です。無効化するには、最高峰のクリークマーギアーによって強化された大隊が最低でも必要でしょう。敵連合の拠点を突き止め制圧できた場合のみ、このような戦力を集中投入することができます。先月、ロシアで新たな戦線が開戦したこともあり、近い将来、アシカ作戦14タンネンバウム作戦が実施される可能性は低いと思われます。敵がずっとモスクワで作戦を展開し続けなければ、ゴーレムをすぐに回収することはできないでしょう。

その代わりに、注力する先を失われた"鍵"の代替品を開発することに向け直すことを提案させて頂きたい。ソロモンのようなユーデマーギアーが最初に"鍵"を作り出したのであれば、我々の優れた科学がそれを複製し、さらに改良することは些細なことだと証明できるはずです。そして、ドイツ民族の優位性を証明するのに、迷信深い害虫の劣った魔法をアーリア人の科学で完璧なまでに洗練させる以上の方法があるでしょうか?

ユーデリーゼの発揮した能力に関するあらゆる報告書だけではなく、すでに所持している"鍵"についても研究を進めており、最後の"鍵"が持つ性質について説を立てています。戦場において亡霊や霊魂を召喚し束縛するゴーレムの広範な能力を考えると、"鍵"は強力に死霊を導くことができるのだと思います。これは、悪魔、天使、ジン、その他のオカルト的存在を召喚し束縛するためのさまざまなタリスマンであった他の"鍵"の性質と一致しています。儀式で組み合わせて使えば、神を召喚し束縛することさえできます。

あなたの許可があれば、失われた第七の"鍵"に代わる新しい"鍵"を作りたいと思います。我々は、歴史上においてこの上なく神秘的なアーティファクトのコレクションを蒐集してきました。そのうちの1つが、代用の"鍵"の基礎となるに違いありません。

HH


From ハインリヒ・ヒムラー
To コンラード・ヴァイス
Subject 儀式の進捗は?

コード

君に儀式についての仕事の重要性を注意する必要はないことは分かっている。しかしながら最近の通常の戦争の進展とポートランドへの攻撃15の失敗を考慮すると、その実行の新たな切迫感を強調することが重要であると感じる。デミウルゴスを構成する準備が整ったようだが、"鍵"についての進捗は如何かね?フェイルセーフについては?武器の設計図の解読には近づいているのかね?

総統閣下は我々が儀式を必要とするとは考えておられない。アーリア民族の生得的な優越性があれば敵の数はどうであれ、我々は敵を打ち負かすことができると言うのだ。しかし、私は戦略報告を見た。もし大西洋の壁が崩壊すれば、この戦争は我々の勝利で終わらないだろう。ドイツ民族の未来を確保するためには、我々は儀式を行わなければならない。

HH


From コンラード・ヴァイス
To ハインリヒ・ヒムラー
Subject 儀式の完全なる実施

ライヒスフューラー,

最近の東部戦線での敗北の知らせなどを受けていらっしゃるでしょうが、今回ばかりは本当に良い知らせがあると聞いて喜んで頂けるでしょう。アーリア人によるアーティファクトを開発し、ソロモンの"鍵"と置き換えるという我々の努力がついに実を結びました。

最初に、我々は失われた七番目の"鍵"の代用となる模造の"鍵"を作ることにただ全力を注ぎました。しかし、他の鍵に私たちの模造品を認識させることはできませんでした。私は今、"鍵"は「伝染の法則」によって何らかの形でつながっており、個々の鍵を交換することは不可能だと考えています。これはソロモンが意図的に設けたセキュリティ対策かもしれませんが、私は単なる偶然の結果である可能性の方がはるかに高いと思います。いずれにせよ、私たちは新しいアプローチを取らざるを得ませんでした。

オリジナルの"鍵"の機能性からヒントを得て、私は儀式を行うための全く新しい"鍵"の設計に取り掛かりました。全部で9つあり、それぞれが異なる種類のオカルト的存在をコントロールするものです。一旦構築され、儀式の中で組み合わされれば、それらはソロモンのオリジナルの"鍵"と同じように、新たなるデミウルゴスを我々の意思の下に縛り付けるという機能を果たすはずです。

この9つのアーリア人の"鍵"のうち、最初の"鍵"はすでに完成しています。ソロモンの第七の"鍵"の代わりの模造の"鍵"であり、その機能はまったく同じです。 これを使えば、人間であれ動物であれ、あらゆる死者の霊を召喚し、命令することができます。私はすでに研究チームに、アスラやその他の悪魔を支配する力を持つ第二の"鍵"に着手するよう指示致しました。すべてを完成させるには時間がかかるでしょうが、来年の今頃にはアーリア人の"鍵"の製作が完了すると私は予測しています。その後、"鍵"を合体させる儀式を調整するのは簡単なことです。そうすれば、我々はついに神格化を達成することで劣等種族を凌駕して、この戦争や他のすべての紛争に終止符を打つことができるでしょう。真に、我々の未来は輝かしいものになるのです。

武器については……私の学者がついに、"神なき者"16が使用する暗号の解読に成功しました。必要ないとは思いますが、私はすでに設計図とともに特別な密使をヒムラ―様の事務所に派遣致しました。万が一必要になった場合、フェイルセーフとして利用できるでしょう。

HH



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