このページの批評は終了しました。
PoI-123-JP
要注意人物ファイル #123/JP-01
本名: 山田 武
関連要注意団体: 大日本帝国異常事例調査局(IJAMEA)
監視理由: 当該PoIは第二次世界大戦において強力な現実改変能力を行使していた。また、その国粋主義的な思想から日本の政権転覆といったテロリズムを引き起こす可能性がある。
優先度: 高
ステータス: 1945年以降、その活動は現在に至るまで確認されていない。
背景情報: 当該PoIはIJAMEAの構成員である。将軍という地位についていたが、後方で司令を行うのではなく、戦場でその力を発揮していた。特に、第二次世界大戦下においてはソ連工作員の排除に努めており、満州の防衛を終戦まで行い続けた。GRU"P"部局から発見された資料によれば、当PoIによって██個もの小隊が撃破されたという。
当PoIの現実改変能力は時空間異常を引き起こすものであったと推定されている。以下はPoIと戦闘を行ったというソ連兵に行われたインタビューの記録である。
対象: フョードル・パブロフ。ソ連の工作員で、満州に潜入していた。インタビュアーをソ連の将官だと思っている。
インタビュアー: エージェント・マクシモフ
[ログ開始]
Agt. マクシモフ: どうだね、足の怪我の様子は。
フョードル: おかげ様でだいぶ回復してきました。
Agt. マクシモフ: それは良かった。さて、怪我をしたときの話をしたまえ。
フョードル: はい。私は新京で諜報活動をしていて、日本軍の内部には内通者がおりました。しかし、その日は定期的に行っていた密会の場にその者が現れなかったのです。おかしいと思っていれば、眼前には日本人の男が突如現れたのです。
Agt. マクシモフ: 突如、とは。
フョードル: これは比喩でもなく本当です。瞬きの間にその男は立ち現れました。私はすぐさま拳銃を取り出し、その男に向けました。しかしながらその引き金はあまりにも重く、引くことはできませんでした。男は私に言いました、「お前の行動はあまりにも遅すぎる、無駄だ」と。そうして所属する隊の情報や他の工作員についての情報を渡すように迫られました。
Agt. マクシモフ: それで、君は話したのかね。
フョードル: いいえ、私はすぐさま逃走することを選びました。しかし、気づけば私は大腿に銃撃を受け、出血をしていました。その時、男は銃を握っていなかったはずです。鈍い痛みで私は走ることができず、その場で倒れ伏せました。
Agt. マクシモフ: その後、ジーマとウトキン1が駆けつけて、その男は逃亡したという認識で合っているか。
フョードル: はい、合っております。
Agt. マクシモフ: ふむ、珍妙な話だ。君はその男についてどう思う。
フョードル: あまりにも信じがたいようなことではありますが、その男はただの人間ではないとしか思えません。奴の前では私はまな板の上の食材に等しい、そんな恐ろしい体験でした。
[ログ終了]
────────────────────────────────────────────────────────
─────────────────────────────────────────────────
──────────────────────────────────────────
───────────────────────────────────
────────────────────────────
アイテム番号: SCP-2264-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2264-JPはサイト-8197の対現実改変者人型収容セルに収容されます。
説明: SCP-2264-JPはPoI-123-JPと同一と推定されている人型実体です。あらゆる生命兆候を見せていないのにかかわらず、身体は腐敗していません。また、身体は外部の影響によって損傷することはありません。
SCP-2264-JPは「曾祖父の腐っていない死体が見つかった」という警察への通報により発見されました。通報者はPoI-123-JPの曾孫である「山田 蓮」氏です。山田氏はオブジェクト以外にもPoI-123-JPが執筆したと思われる資料を発見していました。資料には、PoI-123-JPは自身内部の時間を"固定"する術式を使用することで「日本の危機」にそなえて自己を保存したという趣旨の文章と、子孫に向けた術式の解除方法と大日本帝国の復活を志す手記が記載されています。以下はオブジェクト回収時に行われた山田氏へのインタビュー記録です。
対象: 山田 蓮氏。祖父から幼少期に財団の概要について聞かされており、財団について認知している。
インタビュアー: 袴田博士。IJAMEA対策担当チームに所属。
[ログ開始]
袴田博士: まず、通報するに至った経緯を教えて頂けますか。
山田氏: 一週間前、親父が急逝しまして。それで実家の片づけしてたんですよ。
袴田博士: ご愁傷様です。
山田氏: あぁ、お気遣いありがとうございます。それで、蔵を整理していたところ、地下室を見つけまして。この地下室にその死体と手記があったんですよ。最初は人形かとも思ったんですが、やけに精巧だし、手記もちょっとオカルトなものを感じるのでもしかしたらそういうやつなのかなぁ、って思って。でも、そういえばなんか子供の頃にそういえば祖父が河童がなんだとか、財団が、とかそういう変なことは言っていたなぁというのを思い出して。祖父ももう私が6歳ぐらいに亡くなりましたから、ホントに曖昧な記憶ではあるんですが。
袴田博士: なるほど。山田さんは6歳以降はそういう超常的なものに関わる機会はありましたか?
山田氏: つまり私や家族が、なんでしたっけ。異常調査局、でしたっけ。それと関わりがあるか気になるんでしょうか。
袴田博士: 単刀直入に言えばそうなります。
山田氏: [笑う] 少なくとも私は関係ないですよ、全く。両親がどうだったかは知らないですけど。敢えて言うなら、父親は若干右寄りの考え方をしていたとは思いますけど。でも、別に普通の昭和のおっさんの古臭い考え方という感じですよ。
袴田博士: 山田さんは……
山田氏: 私?私はノンポリです。政治に興味ないですしね。もちろん今も「曾祖父の意思を継いで大日本帝国の復活を目指すぞ!」とかそんな馬鹿げたこと思うわけないですよ。 [笑う] あと「日本の危機」でしたっけ。怪獣が侵略してきても、財団さんが今この国守ってくれてるんですよね?だったらまぁ、曾祖父みたいな危なっかしい人いらないでしょ。
[ログ終了]
補遺: 山田氏は記憶処理の後、解放された。山田氏の身辺調査がその後行われたが、特に異常はなかった。
ファイルページ: Yamada
ソース: https://www.flickr.com/photos/95329455@N02/12557312775
ライセンス: CC BY 2.0
タイトル: Japanese soldier posing in front of a flag
著作権者: simpleinsomnia
公開年: 2014
補足:
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3202952 (31 May 2018 22:55)
コメント投稿フォームへ
批評コメントTopへ