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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの発生を防ぐ試みは現在まで成功していません。SCP-XXX-JPが発見された場合、即座に機動部隊す-3("勿忘草")によって回収され、所持者はクラスB記憶処理を受けて解放されます。所持者はクラスC記憶処理を受けて解放されます。機動部隊す-3("勿忘草")は、三親等以内の家族に収容されている人型オブジェクトが存在しない人間で構成されていなければなりません。回収されたSCP-XXX-JPは内容物が目視できない不透明なビニール袋に入れた状態で、サイト-8122の小型標準収容ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JPを用いて実験を行う場合、SCP-XXX-JPを目視するのはDクラス職員に限定されます。
説明: SCP-XXX-JPはA4サイズのパンフレットです。材質やインクは一般的なものであり、異常な点はありません。
SCP-XXX-JPは家族1の記憶を財団のクラスB以下である記憶処理によって抹消されている人間(以下SCP-XXX-JP-1と呼称)の居住地2に出現します。
SCP-XXX-JP-1が目視していない場合はSCP-XXX-JPは一般的なチラシとして認識されます。
SCP-XXX-JP-1がSCP-XXX-JPを目視した場合、これまでSCP-XXX-JP-1に施されたクラスB以下の記憶処理が無効化され、またSCP-XXX-JP-1はクラスB以下の記憶処理の効果を永久に受けなくなります。クラスC以上の記憶処理は依然として有効です。
また、SCP-XXX-JP-1が閲覧した場合、SCP-XXX-JPには以下の文章が記載されています。
財団による連れ去りに反対する家族の会
あなたの家に、誰も使っていないはずの子供部屋はないだろうか。
一人暮らしなのに、二人分のお茶碗があったことは?
ペットを飼っていないのに、犬用のおもちゃが出てきたこともあるかもしれない。
もしそうなら、あなたの家族―親、配偶者、兄弟、子供、恋人、ペットーは、"財団"という組織に連れ去られている可能性があります。
"財団"とは、一般的な物理法則から逸脱している人間を"異常"とみなし、拉致監禁する組織です。
異常とみなされるのは、いわゆる超能力や魔法、霊能力を使えるような人がほとんどですが、特には何が異常なのかわからない人もいます。"財団"の基準は未だ不明です。
彼ら自身も異常な技術に基づく科学力と莫大な資金力を所有しており、異常とみなした人間を拉致したのちに周囲の人間に"記憶処理"と呼ばれる技術を用いて、我々の記憶から大事な家族を消去します。場合によっては代替となる全く偽物の記憶を植え付ける場合すらあります。
彼らの影響力は警察組織や国家の上層部にまで及んでおり、我々がいくら物的証拠を集めても意味がありません。ですが、全くの絶望というわけでもありません。
まず、我々は財団の"記憶処理"に対抗し、その影響力を無効化する手段を発明しました。3
そして、我々の連れ去られた家族はほとんどの場合―ごくわずかな例外を除いて―生存しています。理由はわかりませんが、"財団"は拉致した人間に労働をさせるわけでもなく、その異常とみなした能力を利用するのでもなく、ただ無為に閉じ込めておくことを好むようです。つまり、我々に力さえあれば、彼らを救助することもできるということです。ただし彼らは重武装した部隊を多数保持しており、一人で挑むことは自殺行為です。
しかしながら、我々は一人で戦う必要はありません。いわゆる異常とされる技術を自由に扱うことができるのは"財団"だけではなく、複数の企業、研究所、個人がそれらを研究しており、"財団"はそれらとも対立しています。つまり、私たちは協力者を得ることができます。
そして何より、あなたは決して孤独ではありません。私たちがいます。
大事な家族が記憶からすら抹消されるという苦しみは計り知れないものです。
共に手を取りあいましょう。
財団に屈することなく戦いましょう。
そして、私たちの家族を取り戻しましょう。団結、断固、奪還。
財団による連れ去りに反対する家族の会 代表███ ██
追記:私たちの連絡先は以下の電話番号です。
███-████-████4
冷やかしや半信半疑で電話してもらっても構いません。こんな話がすぐに信じられるわけではないことは承知しています。
ほんの少しでも興味がありましたらお気軽にお電話ください。
補遺: 機動部隊す-3("勿忘草")の隊員██ ██が武装した男女██名を引き連れてサイト-81██を襲撃し、SCP-████-JPの収容違反を引き起こしました。収容違反そのものは約5分で鎮圧されました。
下記は武装した男女の所属及び目的を知るために強化尋問を行っていた際のログの抜粋です。
SCP-XXX-JPの回収時にSCP-XXX-JPを目視し、SCP-████-JPが██ ██の実子であると思い出したことが判明しました。
対象: 隊員██ ██
インタビュアー: 山田博士
<日付:20██/██/██>
山田博士: そろそろ話してくれる気になったと聞いたよ。
隊員██ ██: どうせ俺が黙秘しても、お前らは変な技術で頭の中から記憶を抜き取るぐらい朝飯前だろ。
山田博士: まあ、我々は記憶技術のエキスパートだからね。
隊員██ ██: なら黙ってるのは時間の無駄だ。違うか?
山田博士: その聡明さと思い切りを財団のために活かしていてほしかったのだがね。
隊員██ ██: (無視する)俺たちは、「財団による連れ去りに反対する家族の会」だ。
山田博士: ああ、SCP-XXX-JPを目視したのだね。残念なことだ。
隊員██ ██: ████(SCP-████-JPの愛称)は俺のたった一人の娘じゃないか!
山田博士: そして君はそれを忘れることに同意したはずだ。
隊員██ ██: 俺はな。彼らはそんなことに同意していない。████もだ。
山田博士: そんなことで君は収容違反を引き起こしたのかい。
隊員██ ██: そんなこと! 家族と無理やり引き離されていい理由などあるわけがない。
山田博士: 理由ならあるさ。確保、収容、保護だ。我々はそうすることで世界を守ってきたじゃないか。なぜ今になって血迷った。我々は協力して沢山のオブジェクトを保護してきたじゃないか。なんで君がこんなことをしたか、私も戸惑っているんだよ。
隊員██ ██: あまりにも残酷だからだ。
山田博士: 財団は冷酷ではあっても残酷ではない。倫理委員会がある。無意味な拷問はしない。協力的な人型オブジェクトなら、娯楽を与えることすらある。
隊員██ ██: それに何の意味がある?山田博士: なんだと?
隊員██ ██: いきなり拉致監禁された本人と、その家族にとって、そんなことに何の意味がある? そんな言葉が通じると本気で思っているのか! 俺が昔収容した10歳の子供は、財団の適切な医療を受けて80歳まで生きるだろう! 収容チャンバーの中でだ! 「残酷ではない」なんて欺瞞をよくもまあ言えたものだ! ああ確かに残酷じゃないだろうな、ニッソやクソ鬼どもに比べたらな。そんな連中と比べることに何の意味がある? 財団は残酷なんだ。山田博士: いきなりティーンエイジャーみたいな正義感になったのはミーム的影響でも受けたのかい? かわいそうに。SCP-XXX-JPをもう一度よく調べてみる必要があるかもしれないな。
隊員██ ██: じゃあ正義感以外の話をしようか。なあ博士、こんなことは持続不可能なんだよ。山田博士: こんなことというのは?
隊員██ ██: フィールドエージェントがオブジェクトを持ち去って、そこにいる連中には記憶処理をして全部忘れてもらうってことを、未来永劫続けるってのは無理ってことだよ。
山田博士: なぜだ? 君と私のこの会話だって、1時間後に君は忘れている。記憶処理によってだ。
隊員██ ██: クラスC記憶処理によって、だろ。いいか、俺たち……家族の会は、決して資金的にも技術的にも優れている団体じゃない。人数も少ないし、機動部隊員の俺からしても異常技術の素人ばっかりだ。それでもなんとかしてクラスBまでの記憶処理が効かないような技術を作り出した。山田博士: もっと効く記憶処理を作るさ。
隊員██ ██: ああ、あんたら研究者はそうだろうな。D、E、F、お次はなんだ? そいつの記憶と人格を消し去るようなおぞましい薬でも作るのか? いくらでも好きにすればいいさ。でもそれは設備の整ったサイトでの話でしかない。フィールドエージェントや機動部隊員が簡単に使用できるガス噴霧式のクラスA記憶処理や錠剤を飲ませるだけで済むクラスB記憶処理が効かなければ、現場では何にもならない。
山田博士: しかし、今は君たちだけの技術なんだろう。
隊員██ ██: 家族の会にできるなら、ニッソにも、重工にも、クソ鬼や酔っ払いたちにだってできるさ。財団が全てを忘れさせて終わりだという時代はもう終わるんだ。自分たちがしたことに向き合い、罪を償う時がいずれ来る。山田博士: それが最後の負け惜しみということでいいかい。
隊員██ ██: いいか、財団の職員はサイトで護衛されているとしても、その家族はサイト外で暮らしてる連中が大半だろう。そいつらを狙ったテロのほうがよほど簡単だった。今回の襲撃だってKeterクラスオブジェクトの収容室を破壊すれば、もっと大きな損害を与えられただろう。なんでそうしなかったかわかるか? 俺たちが一番、家族を失う苦しみを知っているからだ。だから最低限の被害で済まそうとした。だがそれでも財団が方針を変えないというのなら、思い知る時が来るぞ。何も財団を解散しろと言うわけじゃない。危険な人型オブジェクトを解放しろというつもりもない。財団の、これまで人類を保護してきた実績まで否定するわけでもない。ただ、反抗しない人間にまで終身刑より酷い扱いをしていることを改めるべきだと言っているんだ。わかるか?
山田博士: 君からこれ以上情報を引き出せそうにないことはわかったよ。██君(助手)、クラスC記憶処理の準備を。
隊員██ ██: クソが。<録音終了>
終了報告書: 隊員██ ██にクラスC記憶処理を行ったところSCP-████-JP及びSCP-XXX-JP及び「財団による連れ去りに反対する家族の会」に関連する記憶を再度削除することに成功しました。
このことを受けて、収容プロトコルは現行のものに改定されました。
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- portal:3191169 (25 Nov 2021 14:12)
現状ではdvです。「財団による連れ去りに反対する家族の会」というコンセプトは面白いと思うのですが、それを活かしきれておらず、登場しただけで終わってしまっているような印象を受けました。起承転結のうち起で終わってしまっていて、異常性を説明しているだけになっています。
これは例えばの話ですが、ストーリー重視の話にするのならもっと話を膨らませて残りの承転結をつけた方がいいかもしれませんし、異常性の面白さで勝負するのなら考察要素やシュール要素を足してみると良くなるかもしれません。ストーリー性と異常性をどれくらいの配分にするか、どういう要素が面白がられるのかは、他の似た雰囲気の記事を実際に読んで研究するのもいいと思います。
またヘッドカノン次第だとも思いますが、財団と敵対している組織のほとんどは財団よりも残虐だったり人を殺していたりすると思うので、それらの組織のせいで家族を失った人もそれなりにいるんじゃないかと思います。なので、「家族のために」という理念で動くこの会がそういった敵対組織と協力するのは、不自然に思えました。この会を財団と戦わせる方針にしたいのなら、この矛盾点は解消した方がいいと思います。
また補遺の特別収容プロトコル改訂についても、そもそも家族が財団に収容されていない職員を使うようにした方が楽なのではと思いました。
以上です。私の批評が執筆の役に立てば幸いです。執筆頑張ってください。
ご批評いただきありがとうございます!
>起承転結のうち起で終わってしまっていて、異常性を説明しているだけになっています。
これについては異常性を膨らませるかストーリーを付けるかで考えてみます。
>なので、「家族のために」という理念で動くこの会がそういった敵対組織と協力するのは、不自然に思えました。この会を財団と戦わせる方針にしたいのなら、この矛盾点は解消した方がいいと思います。
ここについては彼らは異常組織への知識がほとんどないためにそもそも他組織の悪い面を知らないという設定ですが、この記事でそれは伝わらなさそうなのでそこらへんを膨らませる方向性にしていこうかなと思ってます。
他団体と絡みやすいというのは設定としての扱いやすさにつながるのでそれを変えない方向性で考えてみます。
>また補遺の特別収容プロトコル改訂についても、そもそも家族が財団に収容されていない職員を使うようにした方が楽なのではと思いました。
これはちょっと悩んだのですが、記憶処理した事実自体を記憶処理で忘れていたりすることもあり得るので機動部隊まで記憶処理しました。でも実際そちらのほうがコストも手間も安く済みますし、そちらに変更してみようと思います。
ご意見いただきありがとうございました!
拝読しました。個人的にUVです。コンセプトはとても面白く自分も記事に組み込みたいと思いました。
しかし、いくつか改善できる点が見られるので以下に記載します。
拝読いたしました。
財団により記録の抹消されている人物 などとしても良いかもしれません。
面白くUVではあるのですが個人的に人型オブジェクトは「不慮の事故」等で処理されている方が多く感じます。そういうところではヘッカ衝突もあり得そうだなと思いました。
記事制作頑張ってください。
Watch echo様、Kajikimaguro様
ご批評いただきありがとうございます。
お三方からいただいたご意見をもとに改稿してみました。
特別収容プロトコルの修正と電話番号の脚注の変更、
そして一番最後をさらっと補遺で流さずに特大インタビューを入れてみました。
ご批評いただきありがとうございます。大変助かっております。