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これは、遠い、遠い昔のお話です。
彼女は、中世のヨーロッパの、とある国で生まれました。とても可愛らしく、それでいてどこか凛々しさを持っている、そんな女の子でした。彼女の生誕は、皆に祝われました。そう、彼女は国王の娘として生まれたのです。
彼女には約束された運命がありました。それは、将来彼の父が治める国を継いで、次期女王として君臨することです。父は、常日頃言っていました。お前がこれからたくさんの事を学んで、賢くなって、いつかお前が、この国を治められるような大物になる事を願っている、と。
彼女は、父に言われた通りたくさん勉強しました。民衆のこと、国政のこと、経済のこと、法律のこと。来る日も来る日も勉強して、疲れてしまう事もありました。しかし、それでも彼女はめげませんでした。次期女王としての責務は非常に重いものですが、それ以上に彼女は「世界の様々なことを知り、そしてそれを平和のために生かしたい」と思っていたのです。ですから彼女にとって勉強は苦ではありませんでした。
父は、そんな娘に対して虜になっていました。国のこと、政治のことよりも、娘の成長に対して気がとられていったのです。それは、言うなれば親バカでした。娘をひたすらに可愛がる王が、次第に政治をおろそかにしているということに、民衆は気付き始めたのです。
そんなある日、彼女は父からプレゼントをもらいました。綺麗な装飾が施されていて、まるで芸術品のような時計でした。父は、道端を行く老婆の行商人から買った、と言っていましたが、彼女の方はすでに時計に夢中になっていて、父の話が耳に入っていませんでした。
それから彼女は、その時計を肌身離さず持ち歩きました。勉強の時も、食事の時も、就寝の時も。その表面に描かれた魔術的な紋様、意匠が施された歯車、黒く輝く針。その時計の全てが、彼女を惹きつけました。
時が経ち、彼女はついに王女となる事が決定しました。
彼女は喜びました。今まで勉強してきた事を、ついに活かす事ができる。これから政治を任され、この国を良い方向に導ける。彼女の心は希望に満ちていました。
その夜、彼女は懐にしまっていた時計を取り出して、それをじっと見つめました。この時計が、私をここまで育ててくれた。この時計が、私に世界を教えてくれた。この時計が、私に幸せを運んでくれた。そんなことを思いながら、彼女はゆっくりと眠りにつきました。
彼女には、三つ知らない事がありました。
一つ。民衆が結託して国王を討ち取ろうと画策していること。
二つ。彼女は数日後、民衆によって殺されてしまうこと。
三つ。その時計は決して、幸運を呼ぶものなどではなかったということ。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3013689 (12 Jun 2018 12:01)
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