SCP-2441 Almost Eight（8時前）

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アイテム番号: SCP-2441

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2441はサイト-██の標準Safe収容ロッカーに収容されます。

SCP-2441は標準Safe収容ロッカーに収容され、ロッカーの暗証番号は2日毎にチドロウ博士が変更します。SCP-2441へのアクセスはチドロウ博士の承認がある場合を除いて禁止されています。SCP-2441の異常性の影響を受けた職員は、ステージ2への進行が見られない場合クラス-C記憶処理剤を投与されなくてはなりません。SCP-2441-1実例は終了されます。

説明: SCP-2441は通常の製造元と型番のアナログ式壁掛け時計であり、その針は8:00で止まっているように見えます。しかし、針の顕微鏡分析によって長針と秒針は常に12に近づき続けており、短針は8に近づいている事が判明しました。それぞれの針は1時間につき1.5%の割合で8:00への距離を近づけています。

SCP-2441の異常性は、人間が現在時刻を知る目的でSCP-2441の文字盤を読もうとした場合に発現します。被影響者は自身の時間感覚に関する瞬間的な精神再構築を経験し、とりわけ分から時間への変換は全く未知の概念となります。他の思考プロセスに関しては直接の影響は見られず、被影響者の脳からの物理的変化も観察されませんでした。研究は継続中です。

SCP-2441の異常影響の進行は3つのステージに分類されます。

ステージ1: 被影響者は最初にSCP-2441に曝露してから時間経過を分の単位でのみ表すようになります。これについて尋ねられた場合、全ての被影響者が一貫してこの方法はより簡単で正確なものであると主張します。

ステージ2: 曝露から20時間から30時間が経過すると被影響者は限定的な確率改変能力を発現し、この時点で被影響者はSCP-2441-1実体に指定されます。SCP-2441-1の予期し得る全ての（実体にとって）望ましくない出来事が『先延ばし』—未来の出来事が近づくとランダムな確率で発生し、その発生時期を不定の間隔で更に未来へと遅らせるイベント—の対象となります。この段階においては、被影響者はこのイベントの意識的な開始及び制御が不可能と思われます。この後、ステージ3に到るまで個々の延期イベントの効果時間は徐々に増大します。

ステージ3: 最初の曝露からおよそ42時間後、SCP-2441-1実体は限定的な現実改変能力を獲得します。望まざる課題や出来事に直面した場合、SCP-2441-1実体は現実改変によって『先延ばし』を行います。現実改変能力の獲得より10時間から12時間が経過すると、SCP-2441-1実体は不特定の回数繰り返し『先延ばし』を行うことが可能となります。

+実験ログ

-実験ログ

Test Log 2441-1

実験ログ 2441-1

Subject: D-1852

対象: D-1852

Supervising Researcher: Dr. Chidlow

監督研究者: チドロウ博士

Procedure: D-1852 is fitted with a shock collar set to deliver a non-lethal electrical shock once every thirty minutes. Time since initial exposure: 24 hours.

手順: D-1852は30分に1回非致死性の電気ショックを与えるように設定された首輪を装着している。最初の暴露からの時間: 24時間

Results: D-1852 was administered two shocks over the course of one hour. The collar failed to deliver the third shock at the appropriate time; fifteen seconds after replacement, the collar briefly activated twice due to a circuitry malfunction.

結果: D-1852は1時間で2回の電気ショックを与えられた。首輪は3回目の電気ショックを正しいタイミングで与えることができなかった。交換の15秒後、首輪は回路の誤作動により2回作動した。

Test Log 2441-2

実験記録2441-2

Subject: D-1852

対象: D-1852

Supervising Researcher: Dr. Chidlow

監督研究者: チドロウ博士

Procedure: Prior to test, D-1852 is told that the upcoming test is a meeting with Foundation superiors to discuss release from custody with an indeterminate period of probation. D-1852 is fitted with a new shock collar set to deliver a shock every twenty seconds. Time since initial exposure: thirty-three hours.

手順: 実験前にD-1852にはこれから行われる実験は財団の権力者との面接で、それを元に保護観察期間を経て財団の監督下から解放するか否かの議論が行われると伝える。D-1852は20秒ごとに1回の電気ショックを与えるように設定された新型の首輪を装着している。曝露からの時間: 33時間

Results: After one shock, the collar ceased functioning. While transporting a replacement collar from storage to the testing chamber, Junior Researcher ████ tripped and fell on top of it, rendering the collar inoperable. D-1852 terminated shortly afterwards via gunshot.

結果: 1回目の電気ショックの後、首輪は動作を停止した。予備の首輪を保管庫から実験チャンバーへ移送する最中、████次席研究員が躓き、首輪が落下して動作不能になった。D-1852はその後間も無く銃撃により終了された。

Test Log 2441-3

実験記録2441-3
Subjects: D-5524, D-1242

対象: D-5524、D-1242

Supervising Researcher: Dr. Chidlow

監督研究者: チドロウ博士

Procedure: Prior to exposure, D-5524 is given a slow-acting toxin in their morning meal designed to induce the development of brain aneurysms over the course of 72 hours.

手順: 実験前にD-5524には朝食に混ぜて投与から72時間後に脳動脈瘤を誘発する遅効性の毒物を投与した。

Testing chamber is equipped with a standard folding chair. D-5524 is instructed to sit, and they comply. D-1242 is given a pistol loaded with rubber bullets, and both are told that it is loaded with standard rounds. D-1242 is instructed to point the gun at D-5524. Time since initial exposure: 70 hours. Note: By this point, D-5524 appears to have a near-complete understanding of the abilities imparted by exposure to SCP-2441.

実験室には標準的な折りたたみ椅子を設置し、D-5524に座るよう指示した。両名はそれに従った。D-1242にゴム弾を装填した拳銃を渡し、両名には通常弾が装填されていると伝えた。D-1242にはD-5524を狙うように指示した。曝露からの時間: 70時間　追記: この時点でD-5524はSCP-2441への曝露によって得た異常性をほぼ理解しているようである。

Results: See Audio Log 2441-1.

結果: 音声記録2441-1を参照。

音声記録2441-1

- - - 録音開始 - - -

（D-1242はD-5524の頭に銃を向ける）

D-5524: やりたくない。

D-1242: 黙れ。

D-5524: 早くしろよ、相棒。やれ。

D-1242: あのな、言われなくてもやってやるよ。あいつらはお前が椅子から動こうとしたら頭を吹っ飛ばせって言ったんだ。

D-5524: そうなのか？じゃあ俺が動けば頭を撃ち抜くってのか？

D-1242: ああ、だからそのま—

D-5524: 分かった。

（D-5524が立ち上がり、D-1242は大声で叫んで銃を取り落とした。D-1242は左手で右手を押さえた。）

（追記: 検死によってD-1242の右人差し指の靭帯が引き裂かれていたことが判明した。）

D-1242: 手が！

D-5524: 何かに引っ張られたみたいだな。

D-1242: てめえ何しやがったんだ？

D-5524: 何もしやしないさ。お前は指を使う前にちゃんとストレッチをした方がいいぜ。

D-1242: 何しやがったのかって訊いてんだよ、おい？！

D-5524: お前の呼吸だ。

D-1242: ……何？

D-5524: お前の。呼吸だよ。

D-5524: 腹が立つ。

D-1242: それが何だってんだよ？

D-5524: やめろ。

D-1242: 何をやめろって？な—

（D-1242は喉を抑える。呼吸できないように見える。D-5524はカメラに向き直る。）

D-5524: これか、ああ、中々の施設だな、皆さんよ。思うに、これは俺みたいな—あー、今の俺みたいな—奇妙な物を支配下に置いておくための施設らしい。

（D-1242が崩れ落ちる。）

ここに閉じ込められてるクソ共がどれほど強力かは知らんが、素晴らしく強大な動力源が必要なくらいには強いんだろうな。

（D-5524は実験室の床をちらりと見てからカメラを見つめ直す。）

D-5524: 例えば、核とか。

D-5524: まあそんな事はどうでもいい。そういやここはちょっと……寒いな。ふうむ。あんたらが室温を上げてくれれば言う事無しなんだがね。

D-5524: どうしたらいいのか分かるか？冷却システムを切れ。全部だ。

D-5524: あの原子炉前冷却水サイクルなんか本当に必要だとは思わ—

（D=5524が硬直し、崩れ落ちた。検死の結果、死因は5つの脳動脈瘤のうちの1つが破裂したことであると確認された。）

（サイト-██の原子炉の炉心に診断テストを実施した結果、冷却弁の1つに小さな欠陥が発見された。欠陥は速やかに修理された。）

SCP-2441の効果の長期的な進行に関するさらなる実験は無期限に中止される。-チドロウ博士

回収ログ2441: ドイツ██████近辺の地域からの局所的な異常の報告が受信されました。多数のSCP-2441-1を捕獲した後、財団情報部は█████████一家がそれら全てと共通の知人である事を確認し、不注意な現実改変者を収容するための標準手順を開始しました。

回収に先立って財団情報部は██/██/█、架空の財政援助サービスを装ってeメールで█████████夫人との接触を開始しました。家屋調査を行う目的で『代表者』の訪問が手配されました。

██/█/█、エージェント・██████は『代表者』を装い、家屋に侵入した。全ての居住者は精神安定剤を投与され、回収された。回収中、エージェント・██████はSCP-2441の影響を受け、短時間のインタビューの後にCクラス記憶処理を施された。

インタビュー記録2441-1
対象者: エージェント・██████
インタビュワー: チドロウ博士

- - - 記録開始 - - -

エージェント・██████: ……あれが—

チドロウ博士: 記録装置の電源を入れるまで待ってください。

エージェント・██████: すみません。

チドロウ博士: いいですよ。ではどうぞ。

(エージェント・██████は咳払いをする。)

エージェント・██████: えっと、最初はそれが何なのか分かりませんでした。ブリーフィングでは彼らのうちの1人が自覚の無い現実改変者だと想定して対処するように言われました—知っての通りかと思いますが、重く受け止めず、友好的にするようにと。彼らに君をこの世界から追い出したい理由を与えてはならないと。

エージェント・██████: 家まで歩いて行きドアベルを鳴らすと、███████████夫人が出てきました。彼女は私を招き入れ、玄関で世間話をしました。

エージェント・██████: 彼女が案内してくれているときに私はスキップを見上げて、そして頭の中の何かが……切り替わった。厳密には言葉にする事ができませんが、頭の中に巨大な立方体みたいな何かがあって、それを誰かが90度回転させたような感じでした。

チドロウ博士: 影響を受けた人の多くは指摘されない限り変化には気付かないようです。あなたは精神再構築が起きてすぐそれが起こったと気付いたのですか？

エージェント・██████: はい。けれどどうして気付かないのかは見当が付きます。それはとても……とても滑らかで、あたかも人生の全てでそのように考えていたかのように感じたんです。私が持っていた誰かが60分の長さに言及する全ての記憶が偽物のように思えて、今でもそう思います。

エージェント・██████: 効果についての説明を受けた事が私がそれに気付いた唯一の理由なのだと確信します。

チドロウ博士: これで終わりです。そちらのドアから部屋に進み、記憶処理剤を投—

- - - 記録終了 - - -

SCP-2441は乳児、8歳児、妻、当時不在であった夫からなる█████████家から回収されました。回収後すぐに、█████████夫人はダイニングルームに吊るされていたSCP-2441の影響を受けている事が判明しました。SCP-2441の裏には付箋紙が貼られていました。書かれていた内容は以下の通りです。