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アイテム番号: 未登録異常1#2692-JP(URA-2692-JP)
暫定収容プロトコル: URA-2692-JPはサイト-8156のヒト型実体収容ユニットに収容されています。
説明: URA-2692-JPは肉体が部分的に腐敗しているヒトであり、低速の移動と強い力による攻撃を可能とします。URA-2692-JPはヒトに噛みつく行動的性質を有しており、咬傷を受けたヒトはURA-2692-JPと類似する性質を示すようになります。
補遺1: URA-2692-JPは神奈川県横浜駅地下にて発見されました。URA-2692-JPらによる咬傷を受けた民間人は37名であると推定されています。当時警察官に偽装した財団フィールドエージェント柴田が携帯していたロジャース簡易異常EVE検出装置2が反応したことにより、URA-2692-JPは確保されサイト-8156に移送されました。
以下は、横浜駅地下通路に設置されていた監視カメラから回収された映像を書き起こしたものです。
映像記録
<ログ開始>
複数名の民間人が通路を行き交っている。URA-2692-JPが映像右から、安定しない足取りで現れる。URA-2692-JPは俯いており、衣服は破けており血痕が多量に付着している。
URA-2692-JPが、スーツを着てスマートフォンを弄っている男性に噛みつく。襲われた男性は絶叫しているように見える。URA-2692-JPが男性の上で馬乗りになり、男性の摂食を開始する。
URA-2692-JPが男性から離れると、男性が安定しない足取りで立ち上がり、付近を通った女性に噛みつく。襲われた女性は絶叫しているように見える。URA-2692-JPは安定しない足取りで映像から出ていく。
以下、咬傷を受けたヒトが民間人を襲う内容が続く。
<ログ終了>
以下は、発見当時にURA-2692-JPを目撃した民間人へのインタビューログを書き起こしたものです。
音声記録
<ログ開始>
エージェント・柴田: それで、あなたは何を見たんですか?
目撃者: その、なんかやばそうなおじさんが、サラリーマンの人を襲ってたんですよ。で、うわあ、近よりたくないなあ、って思って。
エージェント・柴田: 近よりたくない、ですか。
目撃者: だって、あんな汚い人が馬乗りになってるんですよ?悪いですけど、関わりあいになりたくないじゃないですか。
エージェント・柴田: まあ、確かにそうですね。
目撃者: でしょ?だからまあ、なるべく変にリアクションしないように急いでその場から離れよう、って。
エージェント・柴田: なるほど。
目撃者: で、あの人捕まったんですか?気味悪かったんですけど。
エージェント・柴田: ええ。
目撃者: 良かったー。
<ログ終了>
補遺2: 以下は、収容直後に実施されたURA-2692-JPへのインタビューログを書き起こしたものです。
映像記録
<ログ開始>
URA-2692-JPが唸りながら椅子に拘束されている。大石博士が部屋に入ってくる。
大石博士: 初めまして、その、名前は何と言うんですか?
URA-2692-JPが唸るのをやめる。
URA-2692-JP: え?…あ、ええと、横溝です。
大石博士: 横溝さん、わかりました。
大石博士が椅子に座る。
大石博士: では、早速伺います。あなたは何故他の人を襲うんですか?
URA-2692-JP: 何故、ですか?うーん、何というか、こう、襲わなきゃ!ってなるんですよ。食欲なのかよくわかんないんですけど、何か、その、噛みたくなっちゃう。いつからこうなのかは、ちょっと覚えてないですけど。
大石博士: ふむ。その衣服はどうしてそんなにボロボロなんですか?
URA-2692-JP: あ、これですか。その、やっぱり人を襲うと抵抗して暴れるじゃないですか。それで、毎回暴れられるとどうしても服がボロボロになるし、あとそもそも身体がやけに痒いしで、っていうので、いつの間にかこんな感じに。
大石博士: なるほど。人を襲うのをやめよう、とは思わないんですか?
URA-2692-JP: え、どういうことですか?
大石博士: いや、だって、人を襲ったらいけないでしょう?
沈黙。
URA-2692-JP: はい?
大石博士: だから、当たり前じゃないですか。人を襲ったら傷害罪に当たりますし…。
URA-2692-JP: いや、いやいや。待ってくださいよ。だって僕、ゾンビですよ?というか、さっきから何なんですか?駅にいたときもそうでしたけど、何でみんなそんな…。
大石博士がため息をつく。
大石博士: あのですね?横溝さん。ゾンビなんて存在しないでしょう?
沈黙。
URA-2692-JP: はあ。
大石博士: いやね?あなたはご自身のことをゾンビだなんて思ってらっしゃいますが、そもそもそんな訳が…。
URA-2692-JP: えー?いや、だって身体腐ってるんですよ?噛んだら増えるんですよ?ゾンビでしょ。
大石博士: いやいや、大の大人がみんなして何をやってるんですか。ハロウィーンじゃないんですよ。
URA-2692-JP: いやいやいや、そんな訳…。
大石博士がため息をつく。
大石博士: とにかく、あなたはただの暴行犯です。然るべき手順で法的に罰せられてください。では。
大石博士が立ち上がり、部屋から出ていく。URA-2692-JPは唖然としている。
<ログ終了>
補遺3: 26の異常性試験の結果URA-2692-JPに異常性が認められなかったことから、URA-2692-JPはクラスA記憶処理を受けた後、サイト-8156から警視庁公安部特事課を通じて横浜拘置支所へと移送されました。その後刑事裁判が実施され、URA-2692-JPの行動は犯罪行為として認められないとして無罪判決が下されました。URA-2692-JPは自宅へと帰還しました。エージェント・柴田のロジャース簡易異常EVE検出装置は廃棄され、新しいものと交換されました。
現在、URA-2692-JPの自宅周辺における傷害容疑での逮捕者数、および行政機関への異臭に関する通報数が急増しています。
想定タグ: esoteric-class scp jp 人間型 死体 反ミーム 精神影響
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ジャンル
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- portal:2859452 (31 May 2018 22:00)
気になる所
考察
ご意見に感謝申し上げます。
付けておきます。
こいつは絶対風呂入ってないだけだろ
むず痒さについて言及していることと異臭に関連する通報から推察ではありますが、おそらくはこういう事だろうと思います。
結論から言うと、私の想定とは異なります。まずロジャース簡易異常EVE検出装置が反応しており、また肉体が腐敗していることから当該オブジェクトは紛れもなく異常存在です。咬傷をつけられた人間が同様の振る舞いをすることも非異常では片付けられません。
私の想定はむしろ真逆であり、最大の異常性として「当該オブジェクトが異常であることを認識できない」というものを想定していました。現に、財団は異常と認められる当該オブジェクトを非異常と見なして解放していますし、仰っているように司法もオブジェクトの行動を犯罪と見なしていません。これが「反ミーム」および「精神影響」タグがつけられている理由です。
「で?」というメタタイトルと読後感に引っ張られており、「反ミーム」と「精神影響」という2つのタグがなぜ付いているのかという所までは気が回りませんでした。
引っ掛かったポイントとして司法の観点からと先の批評で上げましたが、認識できないという反ミームの基本要素に対する考えが完全に抜けておりました。その前提が抜けていたため読後感としては「なんでこれが無罪で、異常性が無いと判定されたんだ?」と感じるばかりでした。
サンドボックス3オペレーターです。
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