竜シュウ虎

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アイテム番号: SCP-2481-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 蒐集院の総本部施設は、財団との併合後サイト-8181と指定されました。SCP-2481-JPは移動が不可能であるため、サイト-8181建設の際にSCP-2481-JPを内部に収容する形で建設されました。SCP-2481-JPは倒壊を防ぐために定期的な補修工事が行われます。また常にSCP-2481-JP内部の現実性を検査し、異常があれば速やかにサイト管理者に連絡してください。過去に蒐集院に在籍した財団職員がSCP‐2481‐JPの担当者になることは許可されません。

SCP-2481-JP‐2は蒐集院の収容施設に収容されています。蒐集院からSCP-2481-JP-2を移譲した際に収容方法を引き継ぎました。外部からの攻撃やSCP-2481-JP-2の収容違反に備えるため、SRA(スクラントン現実錨)を所持した機動部隊が付近を24時間警備します。SCP-1001-JPの影響が懸念されることに留意してください。SCP-2481-JPと未確認実体との戦闘で発生した塵は全て回収し、サイト8181に収容されます。SCP-2481-JPと同様に蒐集院に在籍していた職員がSCP-2481-JP-2の担当職員になることは許可されません。

現在、SCP-2481-JP-2はインタビューを拒否しています。

説明: SCP-2481-JPは██県██市██山に存在する蒐集院総本部施設から約50m離れた場所に存在した宗教施設です。外観は中国に伝わる道教の廟のように見えます。第二次世界大戦後に財団がSCP-2481-JPを発見した際、長期間適切な補修が行われておらず全体として経年劣化が確認できました。

SCP-2481-JP内部のヒューム値は常に1.3に保たれています。財団がSCP-2481-JPを収容してから現在に至るまで数値に変動はありません。

陰陽寮1の前身組織「破軍」(以下、GoI-225)構成員および異常収容のために消費される人員に対し、SCP‐2481‐JP内で儀式を行っていました。この儀式の歴史はきわめて古く紀元前から確認できます。儀式の内容は以下の通りです。

  1. SCP‐2481‐JP内の広場で複数の人間が閉じた円形の陣を組む
  2. [決められた祝詞を全員で唱える]
  3. 唱え終わった後、参加者全員の下腹部に未知の臓器が出現する

SCP-2481-JP‐1はGoI-225の構成員に普及していた信仰です。SCP-2481‐JP‐1は時代によって細かな部分が異なりますが以下に要約されます。

  1. 儀式を行うことで死後、SCP‐2481‐JPによって高度な霊的存在へと変容する権利を得る。
  2. GoI-225、朝廷に対して献身的な行動を行わない場合、反乱を企図した場合⒈の権利を剥奪される。

SCP-2481-JP-1はGoI-225に対して様々な影響を与えていました。例としてはSCP-2481-JP-1を用いた人材の勧誘、組織ひいては朝廷に対する忠誠心の維持、人命の損失で発生する精神的苦痛の緩和、一部のオブジェクトに対する恐怖心の減少です。

SCP-2481-JPとSCP-2481-JP-1はGoI-225にとって重要な存在であったと考えられます。しかしながら時代が進むにつれSCP‐2481‐JP‐1の影響力は影を潜め、GoI-225が陰陽寮と名を改める際には信仰としての力を完全に失っていたと推測されていました。事実として第二次世界大戦終結後に蒐集院が合併された際、財団に移籍した蒐集院構成員に対し身体検査を行いましたがSCP-2481-JP内部で儀式を行った痕跡は見られませんでした。

しかし19██年に発生した"青い陽炎"事件の際、蒐集院残党がSCP-2481-JP-1を示唆する内容の発言が記録されていること2から、財団がSCP-2481-JPを収容する前に蒐集院残党がSCP-2481-JP内で儀式を行った可能性が存在します。大口真院呪禁道持禁医疾社といった蒐集院残党と接触する際には細心の注意を払ってください。

SCP-2481-JP‐2はGoI-225の構成員であったヒト型実体です。SCP-2481-JP‐2の外見は身長約250cmを超えているように見えます。特徴として首から頭部にかけての部位が、東洋の空想上の生物である龍の頭部に酷似しています。上半身は爬虫類を彷彿とさせる鱗で覆われ、手指は猛禽類の足のように見えます。両脚は虎の後ろ足と同一のものです。SCP‐2481‐JP‐2はこのような特性を持ちながら人間と同じように行動し、会話することが可能です。

SCP-2481-JP-2は蒐集院によって収容されていたオブジェクトです。日奉一族が開発した神格実体収容魔術「二日五奉陣3」の一つである「砂奉陣」の内部に収容されています。砂奉陣は部屋の中心から半径約20mの空間に張られており、陣の縁に接触すると接触した部分が塵状の粒子に変化します。砂奉陣によってSCP‐2481‐JP‐2の収容が保たれているため、1945年に財団が蒐集院からSCP‐2481‐JP‐2を引き継いだ際に収容方法もそのまま引き継がれました。

砂奉陣内部では不定期に未確認実体が出現します。出現した未確認実体は全てSCP‐2481‐JP‐2に敵対的であり、出現と同時にSCP‐2481‐JP‐2との戦闘が開始されます。SCP‐2481‐JP‐2は戦闘によっては生存活動に支障をきたすほどの外傷を負いますが瞬時に外傷が再生します。4この特異性のために戦闘でSCP‐2481‐JP‐2は勝利し未確認実体を殺害します。5砂奉陣の内部は手狭なためSCP‐2481‐JP‐2は実体の死体を砂奉陣の外へと移動させます。その際砂奉陣の特異性によって塵に変換されるため、財団は未確認実体についての調査ができていません。

上記のインシデントはSCP‐2481‐JP‐2がSCP‐1001‐JPの影響下にあるためと考えられています。SCP‐2481‐JPのインタビューで未確認実態に襲撃され始めた時期とSCP‐1001‐JPが全国に配置された時期が一致する点、SCP‐2481‐JP‐2が古来から日本に存在し国家超常機関との関係が深い点が理由に挙げられます。

19██年██月██日、SCP‐2481‐JP‐2に対してインタビューを行いました。全音声記録を視聴する場合は音声記録2481-JPを参照してください。

対象: SCP‐2481‐JP‐2

インタビュワー: 筒香研究員

筒香研究員: まずSCP‐2481‐JP‐2に聞きたいことがあります。なぜ我々のインタビューに応じたのですか?

SCP‐2481‐JP‐2: お前たちに私が持つ情報の有用性を認めてもらいたいからだ。

筒香研究員: 我々がそう判断したとして、貴方になにか有益なことはあるのですか?

SCP‐2481‐JP‐2: あるとも。その話は私が話し終えた後にしよう。

SCP‐2481‐JP‐2: まずは私が大陸にいた頃の話をしよう。私は胸を張って言えるほど高名ではないが、道教の仙人だ。

当時の仙人は占いによって未来を覗いていた。それ故、殆どの仙人は後世の道教の知識を持っていたのだ。大多数の仙人はせつ教派とセン6教派に分かれていた。セン教派の殆どは人間の仙人。これに対して截教は妖怪、化生たちの仙人たちが多かった。私のような人外のセン教派も存在していたが。

仙人へと至るには膨大な時間が必要になる。なので我々はまず不老の存在になることを目的として活動する。截教派とセン教派はこの不老になるための手段が異なる。セン教派は体の内部に丹田という臓器を作り出し、その丹田から丹を作り出す。截教派は薬物や鉱物を用い、丹を錬成する。丹を摂取することによって長寿を得る。

セン教派の方法は精神面と肉体面に厳しい修行を要すが、截教派の方法は丹さえ摂取すれば良かった。元来、截教派は人外が多い。体内の構造が人間とは違うので丹田を作り出せず、丹を外部から摂取する方法になったのだろう。

丹を摂取すれば寿命が延びる。そのことを知った当時の商王朝の権力者は截教派の仙人から丹を求めた。長寿というものはいつの時代の権力者も追い求めるものだからな。

かつて金鳥を崇拝し、次に蛇を信仰した商王朝はいつしか蛇を捨て、道教を国教とした。截教派の仙人は商の王に重用され、将や軍師として商を支えていた。

だがある時女媧からの刺客が商の王を誑かした。商の王、紂王は狂気に駆られ、忠臣を処刑し、重税を課し、悪戯に民衆の命を奪った。截教派も女媧に屈し、ある者は女媧に食われ、ある者は紂王の狂気に加担した。商は肉に溺れた。

紂王の狂気が自分たちへ向くを懸念したセン教派の仙人たちは截教派の粛清と商を滅ぼすことを決定した。もはや紂王の徳は失われた。天は商を見捨てたと。

その革命の中で私は師と出会い、セン教派の仙人として活躍した。結果としてセン教派は西岐せいきと共に商を滅ぼし、後に西岐はと名を変えたのだ。

筒香研究員: では貴方は商王朝が滅亡した後にこの国にやってきたのですね?

SCP‐2481‐JP‐2: ああ。商が滅び、西岐軍とセン教派は各々の目的のために散開した。その中で私は師の言葉に従い東の島々へと向かうことにしたのだ。師曰く、お前の運命を占った所せいよりもさらに東、海を渡った先にある島々でお前が土着の人間たちを助けると出た、と。

私がその島々に降り立った時、その島々は人が支配していなかった。統一のための争いの真っただ中だった。私のような人間とは言えない異形の部族が台頭することもあれば、異常を持った武器を扱う部族が台頭することもあった。説明の出来ない存在が一夜にして部族を壊滅させることも珍しくはなかった。統一のために争い、支配され、滅ぶ。そんな時代の中、私は土着の人間たちに詩を教え、あるときは怪異から身を守る方法を教えながら生活していた。

ある時だ。私の元にとある部族の長がやってきた。 その長曰く、 我々は何の異常も有していない。毎日を生活のために費やすのみである。毎晩、闇に紛れて怪異が襲ってこないかと我々は恐れている。貴方は見てくれは怪異そのものだが、我々に対し益をもたらしてくれた。僭越ではあるがどうか我々の一員として働いてくれないか、と。その男の言葉を聞き終えたとき、師の言っていた運命とはこれそのものであると確信した。私はその長の提案を受け入れ、怪異と戦うための組織を編成することにした。

私の師は有名な軍師だった。幸いなことに私は師から知恵を与えられ、それが役に立った。だが怪異たちとの闘いは苛烈を極めた。我々は怪異についてより詳しく知る必要があったのだ。怪異を知り、怪異を封じ、怪異が振るった武器で別の怪異を斬り、時には怪異たちと和を結ぶ。我々が生き残るために必要なことだった。

筒香研究員: それが始まりだったのですね。我々が持っている資料ではこの国をおおよそ統一した後に貴方は脱退したとあります。何故自ら組織した軍隊から脱退したのですか?

SCP‐2481‐JP‐2: 万物は年月によって変遷し、消えゆく運命にある。これは実体の無い概念であっても同じだ。あの男は私を不死身だと思っていたようだが、私も永遠ではない。いずれ全て霧散するのだ。商を滅ぼした周であったとしてもその運命からは逃れられなかった。ならばやるべきことは決まっている。留まったとしても変遷が止められないのなら、潔く身を引くことが大事であると私は思ったのだ。

<録音終了>

SCP-2481-JP-2は明治政府と蒐集院によって収容されました。古代中国から来訪したSCP-2481-JP-2が建国に携わったという事実は、天皇の神秘性と国家の独自性を損なうと明治政府に判断されたためです。収容の後、SCP-2481-JP-2に関する書類は明治政府によって殆どが廃棄されました。その後に制作された書類の一部を閲覧する際は補足文書2481-JPを参照してください。

対象: SCP‐2481‐JP‐2

インタビュアー: 今永博士

付記: SCP‐2481‐JPに関わる内容のみ抜粋

今永博士: ではこちらの資料を見てください。

(ソト研究員がSCP‐2481‐JPの写真をSCP‐2481‐JP‐2に提示する。)

今永博士: この施設についてあなたが知っていることを我々に教えてください。

SCP‐2481‐JP‐2: これは我々が後世のために残したものだ。

今永博士: 貴方が作ったのですか?

SCP‐2481‐JP‐2: 確かに私が関与したのは事実だが、作ったのは私だけではない。長や他の怪異たちと共に建造したものだ。

今永博士: 何故貴方たちがそれを作ったのか、詳しく教えてください。

SCP‐2481‐JP‐2: 平たく言えば異常に対抗するためだ。多くの人間たちが異常の前に命を落とした。人知を超えた存在と相対するとき、多くの人間は自分がどれだけ小さな存在であったのかと打ちひしがれるものだ。それでも尚、我々は立ち向かい続ける他なかった。時には兵を死地へ向かわせることも必要だった。我々は兵を効率よく扱う方法を考えた。それが、これだ。

今永博士: では破軍に蔓延した宗教は真実なのですか?

SCP‐2481‐JP‐2: まぁ、長にとって真偽はどちらでもよかったのだろう。その廟は、錨だ。復活する人間を識別するための装置だ。構想自体は師の作り上げた物を参考にしている。長の血族が絶えこの世界に儀式を行った者が一人も存在しなくなった時、即ちこの国が滅びた時、私は人間を復活させなくてはならない。

(僅かな沈黙)誤算だったのは想定以上にこの国が存続したことだ。長の血族は一度も絶えることなく今日まで続いている。その間に世界は大きく変遷した。特にここ数百年は凄まじい。彼らが復活したとしても、もはや彼らの知る世界では無くなってしまった。ただそれでも私は彼らを復活させなくてはならぬ。彼らは私に石を投げる権利がある。その権利を奪うことは、私には出来ない。

SCP-2481-JP-2: (沈黙)少し話しすぎたな。

今永博士: では、今日はここまでにしましょう。

SCP-2481-JP-2: いいや、私が話すのはここまでだ。これ以上の情報はお前たちが私を解放してから話すことにしよう。

今永博士: 我々に砂奉陣の解除を要求すると?

SCP-2481-JP-2: そうだ。

今永博士: 我々が解放する気などないというのは貴方がよく知っているはずだ。SCP-2481-JP-2。

SCP-2481-JP-2: いいや、いつか必ずお前たちは私に教えを請うだろうよ。お前たちは自分の組織について一言も話してくれなかったが、おおよその検討はつく。お前たちは破軍と似たような志を持った組織なのだろう?我々も多くの異常と戦ってきた。その中にはこの世界の根幹を破壊する力を持つ異常も存在した。お前たちは破軍の蒐集した異常を全て把握していないと私は思っている。これは賭けだ。お前たちの手に負えない異常が出てきたとき、私の要求は通ると思っているよ。

SCP-2481-JP-2: その日が来るまで、ここで待ち続けることにしよう。

<録音終了>

SCP-2481-JP-2が人間を復活させることに使命感を抱いているにも関わらず、SCP-2481-JPをぞんざいに放置して組織を脱退するということは、SCP-2481-JPに肉体を出力する機能は存在しないと推察します。SCP-2481-JP-2はSCP-2481-JPに人間を復活させる機能があるとは言わなかった。恐らくは肉体を出力する装置はSCP-2481-JPとは別に存在するのでしょう。SCP-2481-JP-2が言っていたように、我々も破軍について理解できていない。

我々はもっと破軍について知る必要があります。破軍の蒐集物についても。そして必要であれば、SCP-2481-JP-2の要求を受け入なければならないのかもしれません。

SCP-2481-JP-2研究主任 ラミレス博士


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