原案
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の低脅威度物品保管ロッカーに収容されます。実験にはセキュリティクリアランス3/1044-JPの職員1名の承認が必要です。
説明: SCP-XXXX-JPは「人体武器大百科」と題されたA5サイズのハードカバー本(SCP-XXXX-JP-1)、直径5cm×高さ1cmの木製の円柱7個(SCP-XXXX-JP-2)、直径5cm×高さ2cmの木製の円柱1個(SCP-1044-JP-3)の総称です。SCP-XXXX-JP-2、3は日本の玩具である達磨落としに酷似しています。個々のSCP-XXXX-JP-2には、それぞれC1~C71の数字が彫られており、SCP-XXXX-JP-3には正面から見た人間の頭蓋骨が描かれています。
SCP-XXXX-JP-1は一般的な小学生児童を対象とした内容であり、人間の骨格・血液などを射出して相手を攻撃する手法や相手の殺傷を目的とした肉体の改変の手順について記述されています。内容は科学的な根拠を持たず、理論上は実行不可能なものとなっていますが、SCP-XXXX-JP-1の全てのページに目を通し、内容の60%程度を理解した人間はSCP-XXXX-JP-Aとなります。SCP-XXXX-JP-Aは、後述の異常性を発動できること以外に通常の人間との差異はありません。SCP-XXXX-JP-1に著者名や出版社の情報は無く、実際に出版された形跡も確認されていません。
SCP-XXXX-JPの異常性は、SCP-XXXX-JP-Aが達磨落としの要領でSCP-XXXX-JP-2を打ち抜いた場合に発現します。それ以外の方法で異常性は発現せず、SCP-XXXX-JP-2の数や打ち抜く順番によって特異性の法則が変化することはありません。SCP-XXXX-JP-2を打ち抜いた場合、SCP-XXXX-JP-2を中心とした半径15m内にいる脊椎動物(以下、対象)から、未知の手段によって打ち抜かれたSCP-XXXX-JP-2の番号に対応した頸椎が████km/hで射出されます。SCP-XXXX-JP-A自身はこの影響を受けません。この時対象が向いている方向から見た頸椎の射出方向は、SCP-XXXX-JP-3の頭蓋骨が印刷されている方向から見たSCP-XXXX-JP-2の射出方向に対応しています。頸椎を射出した対象は脊髄や頸動脈の破断によって死亡します。
実験記録抜粋
D-81096にSCP-XXXX-JP-1を一通り読ませてSCP-XXXX-JP-Aとし2、以下の実験を行った。
実験1
対象: 実験用マウス
目的: 初期収容時の状況から推測されたSCP-XXXX-JPの異常性を検証する。
内容: SCP-XXXX-JP-2を数字の大きいものが下にくるように積み上げ、その上にSCP-XXXX-JP-3を乗せる。マウスの頭部・胴体を固定し、D-81096に一番上(C1)のSCP-XXXX-JP-2を撃ち抜かせる。
結果: マウスの第一頸椎が射出される。頸椎を射出したマウスはその場で死亡が確認された。
分析: マウスで異常性の再現が可能だと確認された。人的資源の浪費は避けられそうだ。
実験2
対象: 実験1で使用したマウスの死体
内容: 実験1で使用したマウスを用い、残りのSCP-XXXX-JP-2を撃ち抜かせる。
結果: 全てのマウスの頸椎が射出された。
付記: 対象の生死に関係なく異常性が発動する。[[/span]]
実験3
対象: 実験用マウスから外科的に切除した頸椎
内容: マウスから外科的に切除した頸椎を配置した状態でSCP-XXXX-JP-2を撃ち抜かせる。
結果: 頸椎はその場で射出された。
分析: 異常性は厳密には頸椎自体に対して発動する。
実験4
対象: 実験用マウス
内容: SCP-XXXX-JP-2をランダムに積み上げた状態で撃ち抜かせる。
結果: 常にSCP-XXXX-JP-2の番号に対応した頸椎が射出された。
分析: SCP-XXXX-JP-2の順番は関係ない模様。
実験5
対象: 実験用マウス
内容: SCP-XXXX-JP-2のみを積み上げた状態で撃ち抜かせる。
結果: 異常な現象は発生せず。
分析: SCP-XXXX-JP-3が異常性の発動に必須である。
以降、上述の説明部分にて述べた異常性の詳細な発動条件を検証する実験の記録は大部分を省略している。完全版の実験記録は文書XXXX-JP-いを参照のこと。
実験記録22
対象: 実験用マウス3匹
内容: SCP-XXXX-JP-2を中心に等間隔でマウスを配置し、D-81096にSCP-XXXX-JP-2を撃ち抜かせる。
結果: 全てのマウスの頸椎が射出された。
付記: 後続の実験より、対象となる脊椎動物の数に上限は無いと判断された。
実験記録25
対象: 実験用マウス
内容: 1m間隔で設置した防弾ガラス10枚へ向けて対象の頸椎が射出されるようにSCP-XXXX-JP-2を撃ち抜かせる。
結果: 頸椎は防弾ガラス全てを貫通した。
分析: 射出中の頸椎は異常な硬度を獲得する。
付記: 停止した後の頸椎は問題なく破壊できた。
補遺: SCP-XXXX-JPは██県███市にて回収されました。20██/██/██、「家に大砲が打ち込まれた」という通報を元に駆けつけた警察官が民家を破壊した頸椎を発見し報告、連絡無線を傍受した財団によって記憶処理とカバーストーリー「トラックの暴走」の適用が行われました。財団の捜索チームによる頸椎の飛来した方角の調査の結果、頸椎の飛来地点は市内在住の出版社勤務である██ ███氏の家と特定されました。
██邸からは後にDNA鑑定から██氏のものと断定された遺体が発見されました。この時遺体の近くに置かれていたSCP-XXXX-JP-2、3及び頸椎の射出についての記述があったSCP-XXXX-JP-1を異常性の原因と推測し回収しました。
邸内からは、「小学生の独裁」「拷問の友 上」「新しい殺人史ドリル」などの小学校で教科書・教材としての使用を想定したと思われる、一般的な社会道徳に反する内容の教材や「まんがで学ぶレインボー・プロジェクト」「小学生から始める!人身御供入門」「楽しい自然災害の育て方」などの異常現象や異常な事物について言及した児童書が多数発見されています。これらの書籍も同様に著者名や出版社の情報はありませんでした。SCP-XXXX-JP-1以外の書籍は異常性が確認できなかったため、サイト-81██の非異常性文書保管庫にアーカイブされました。
その他、██氏が執筆したものと確認された日記(文書XXXX-JP-ろに指定)が回収されています。文書XXXX-JP-ろは█という名前の██氏の子供及び詳細不明な人物について言及しています。文書の記述の通り、邸内には食器等の日用品のサイズやデザインから10歳前後の男児と推定される児童1名が同居していた形跡が認められますが、近隣の住民や██氏の知人の証言、付近の防犯カメラの映像からはその様な児童の存在は確認できませんでした。また██氏には婚姻歴は無く、██ █という子供の出生記録も存在しません。██ █と文書に記述されたもう一人の人物の捜索及び事案との関連性の調査は現在も継続中です。
文書1044-JP-ろより抜粋
█月█日
今回も█のテストの点数が思わしくない。去年以上に酷くなっている気がする。█自身も気にしているようだが、親としてまず私が何とかしなければならないだろう。
█月██日
宿題は付きっきりで見てやっているが、一向に成績は伸びない。本当に成績を上げる気があるのだろうか?いや、本当はあるに違いない。小学校ではないことは分かっている筈だし、親の金で学校に通っている自覚くらいはあるだろう。しかし、熱意と責任感だけで成績を上げられるのでないならば、他にどうすればいいと言うんだ?
██月█日[この時期から文字が乱れ始める]
時間だけが過ぎていく。このままでは進学すら危うい。█のためにこれ以上何が出来る?誰か教えてくれ。
██月██日[オブジェクト発見の数日前。日記はここで途絶えている]
今日は何という幸運な日だろう。焦燥に駆られ店で酒を飲む量だけが増える日々だったが、そこで答えを知る人間と出会えた。彼の言葉を聞いた瞬間、文字通り雷に打たれたかのような衝撃が包んだ。これを書いている今でさえ、彼の言葉が一語一句私の体に染み入るような感覚に陥っている。まるで全身が彼の言葉でできているかのような感覚さえ覚える。そうだ、言って聞かせて分からないなら実際にやらせてみれば良かったのだ。
SCP-XXXX-JP-1にはSCP-XXXX-JP-2、3の存在に直接言及した記述はありません。現在、SCP-XXXX-JP-2、3については、██氏の自作であるとする説が有力視されています。
2017/12/██追記: 2017/11/██、マーシャル・カーター&ダーク株式会社の施設の調査をしていた財団エージェントが胴体を貫通する傷を負った状態で死亡しているのが発見されました。現場からは砕けた人間の橈骨の欠片3が発見されています。遺体の体内からも橈骨の欠片が摘出されており、死因は橈骨が高速で胴体を貫通したことによるものと推定されます。当オブジェクトとの関連は調査中です。
改稿案 赤が追加、あるいは変更点
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の低脅威度物品保管ロッカーに収容されます。実験にはセキュリティクリアランス3/XXXX-JPの職員1名の承認が必要です。川上 █と川上 ███の遺体に関しては同サイトの遺体安置所に保管されています。
説明: SCP-XXXX-JPは「人体武器大百科」と題されたA5サイズのハードカバー本(SCP-XXXX-JP-1)、直径5cm×高さ1cmの木製の円柱7個(SCP-XXXX-JP-2)、直径5cm×高さ2cmの木製の円柱1個(SCP-XXXX-JP-3)の総称です。SCP-XXXX-JP-2、3は日本の玩具である達磨落としに酷似しています。個々のSCP-XXXX-JP-2には、それぞれC1~C74の数字が彫られており、SCP-XXXX-JP-3には正面から見た人間の頭蓋骨が描かれています。SCP-XXXX-JP-1の一部には川上 ███の血が付着していました。
SCP-XXXX-JPは██県███市にて回収されました。20██/██/██、「家に大砲が打ち込まれた」という通報を元に駆けつけた警察官が民家を破壊した頸椎を発見し報告、連絡無線を傍受した財団によって記憶処理とカバーストーリー「トラックの暴走」の適用が行われました。財団の捜索チームによる頸椎の飛来した方角の調査の結果、頸椎の飛来地点は市内在住の出版社勤務である川上 █氏の家と特定されました。川上 █は川上 ███と共に暮らしていたと思われますが5、SCP-XXXX-JP発見時二人は遺体で発見されました。この時遺体の近くに置かれていたSCP-XXXX-JP-2、3及び頸椎の射出についての記述があったSCP-XXXX-JP-1を異常性の原因と推測し回収しました。死因はSCP-XXXX-JP-2、3の特異性によって頸椎損傷による呼吸筋の麻痺、頸動脈の破断による失血によるものであると考えられると思われます。
SCP-XXXX-JP-1は人間の骨格・血液などを射出して相手を攻撃する手法や相手の殺傷を目的とした肉体の改変の手順について記述されています。内容は科学的な根拠を持たず、理論上は実行不可能なものとなっていますが、SCP-XXXX-JP-1の全てのページに目を通し、内容の60%程度を理解した人間はSCP-XXXX-JP-Aとなります。SCP-XXXX-JP-Aは、後述の異常性を発動できること以外に通常の人間との差異はありません。SCP-XXXX-JP-1に著者名や出版社の情報は無く、実際に出版された形跡も確認されていません。
SCP-XXXX-JPの異常性は、SCP-XXXX-JP-Aが達磨落としの要領でSCP-XXXX-JP-2を打ち抜いた場合に発現します。それ以外の方法で異常性は発現せず、SCP-XXXX-JP-2の数や打ち抜く順番によって特異性の法則が変化することはありません。SCP-XXXX-JP-2を打ち抜いた場合、SCP-XXXX-JP-2を中心とした半径15m内にいる脊椎動物(以下、対象)から、未知の手段によって打ち抜かれたSCP-XXXX-JP-2の番号に対応した頸椎が████km/hで射出されます。SCP-XXXX-JP-A自身はこの影響を受けません。この時対象が向いている方向から見た頸椎の射出方向は、SCP-XXXX-JP-3の頭蓋骨が印刷されている方向から見たSCP-XXXX-JP-2の射出方向に対応しています。頸椎を射出した対象は脊髄や頸動脈の破断によって死亡します。
Dクラス職員と実験用マウスを用いた実験によって、SCP-XXXX-JP-2を撃ち抜いた際の特異性は対象の生死にかかわらず発動し、効果範囲であれば対象となる脊椎動物の数に上限は無いということが判明しています。
補遺: 川上 ███は戸籍が存在せず、付近の住民も川上 ███は川上 █と同居しているという事実を認知しておらず、川上 ███の存在すらも認知していませんでした。また、█邸には建築の際に作られた図面には無かった地下通路への通路が存在していました。この通路は棚に隠されており、他の人物からの目を欺くようになっています。通路を通ると刑務所の独房の一室とおおよそ同じ部屋に続いていました。独房の内部では川上 ███の生活用品が多数確認され、一部の生活用品、壁には川上 ███の血痕が付着していました。
さらに独房からSCP-XXXX-JP以外にも一般的な社会道徳に反する内容の教材や異常現象や異常な事物について言及した児童書が多数発見されています。これらの書籍も著者名や出版社の情報はありませんでした。
以下、確認された書類リストの抜粋タイトル | 内容 |
拷問の友 上 | 効果的な拷問を実際の写真などを用いて記載している本。小学生向けにデフォルメされたキャラクターが別のキャラクターを拷問している場面などの挿絵が見られる。タイトルに上巻と記載されているが██ ███氏の自宅から下巻は発見されなかった。 |
新しい殺人史ドリル3 | 人類史において残虐性の高い、または著名な殺人事件のドリル。内容は主に被害者がどのようにして殺害されたかを中心とした穴埋め式である。旧約聖書『創世記』第4章のカインとアベルから、201█年に発生した██夫妻殺人事件など幅広い殺人事件を扱っている。表紙や中表紙に血痕が見られ、中表紙によっては血痕で解読不能になっている箇所がある。 |
まんがで学ぶレインボープロジェクト | 1943年10月28日にアメリカ海軍が行ったとされる、アメリカ海軍のステルス実験の一部始終を漫画で解説したもの。実験中、駆逐艦エルドリッチの乗組員達が様々な怪奇現象に遭遇するが、概ねグロテスクなシーンとなっている。 |
まんがで学ぶクローン技術 ホムンクルス編 | パラケルクススが製造に成功したとさせるホムンクルスの製造方法を漫画で解説したもの。内容は概ね一般的な伝承と同じであるが、一般的に知られているホムンクルスの材料に追加して、人間の[削除済み]と[削除済み]が含まれている。本著にはこの材料によって本来ならば数カ月以上必要とするホムンクルスの製造がわずか数時間で完了するという記述がある。現在、研究チームが本著に記載されている実験の実証実験を行っている。 |
よくわかる空間移動術 | 背の部分のみが発見された。背に書かれている文章から推測するに、離れた位置へ自身を瞬間的に移動する技術の指南書と思われる。中表紙は全て乱雑に破られていた。 |
SCP-XXXX-JP-1以外の書籍は異常性が確認できなかったため、サイト-81██の非異常性文書保管庫にアーカイブされました。
SCP-XXXX-JP-1にはSCP-XXXX-JP-2、3の存在に直接言及した記述はありません。現在、SCP-XXXX-JP-2、3については、██氏の自作であるとする説が有力視されています。
追記: 川上 ███のDNA鑑定の結果、201█年に発生した██夫妻殺害事件の被害者であった██夫婦の子供である██ ███(事件当時1歳3ヵ月)と一致しました。██ ███は事件発生時刻、事件現場である██夫妻の自宅にいたと考えられていますが、誘拐され行方不明となっていました。██夫妻殺害事件では犯人は検挙されておらず、川上 █は██夫婦殺害事件と関係があることが考えられます。
改稿案をチャットでの意見を取り入れた改稿案
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の低脅威度物品保管ロッカーに収容されます。実験にはセキュリティクリアランス3/XXXX-JPの職員1名の承認が必要です。川上 █と川上 ███の遺体に関しては同サイトの遺体安置所に保管されています。
説明: SCP-XXXX-JPは「人体武器大百科」と題されたA5サイズのハードカバー本(SCP-XXXX-JP-1)、直径5cm×高さ1cmの木製の円柱7個(SCP-XXXX-JP-2)、直径5cm×高さ2cmの木製の円柱1個(SCP-XXXX-JP-3)の総称です。SCP-XXXX-JP-2、3は日本の玩具である達磨落としに酷似しています。個々のSCP-XXXX-JP-2には、それぞれC1~C76の数字が彫られており、SCP-XXXX-JP-3には正面から見た人間の頭蓋骨が描かれています。SCP-XXXX-JP-1の一部には川上 ███の血が付着していました。
SCP-XXXX-JPは██県███市にて回収されました。20██/██/██、「家に大砲が打ち込まれた」という通報を元に駆けつけた警察官が民家を破壊した頸椎を発見し報告、連絡無線を傍受した財団によって記憶処理とカバーストーリー「トラックの暴走」の適用が行われました。財団の捜索チームによる頸椎の飛来した方角の調査の結果、頸椎の飛来地点は市内在住の出版社勤務である川上 █氏の家と特定されました。川上 █は川上 ███と共に暮らしていたと思われますが7、SCP-XXXX-JP発見時二人は遺体で発見されました。この時遺体の近くに置かれていたSCP-XXXX-JP-2、3及び頸椎の射出についての記述があったSCP-XXXX-JP-1を異常性の原因と推測し回収しました。死因はSCP-XXXX-JP-2、3の特異性によって頸椎損傷による呼吸筋の麻痺、頸動脈の破断による失血によるものであると考えられると思われます。
SCP-XXXX-JP-1は人間の骨格・血液などを射出して相手を攻撃する手法や相手の殺傷を目的とした肉体の改変の手順について記述されています。内容は科学的な根拠を持たず、理論上は実行不可能なものとなっていますが、SCP-XXXX-JP-1の全てのページに目を通し、内容の60%程度を理解した人間はSCP-XXXX-JP-Aとなります。SCP-XXXX-JP-Aは、後述の異常性を発動できること以外に通常の人間との差異はありません。SCP-XXXX-JP-1に著者名や出版社の情報は無く、実際に出版された形跡も確認されていません。
SCP-XXXX-JPの異常性は、SCP-XXXX-JP-Aが達磨落としの要領でSCP-XXXX-JP-2を打ち抜いた場合に発現します。それ以外の方法で異常性は発現せず、SCP-XXXX-JP-2の数や打ち抜く順番によって特異性の法則が変化することはありません。SCP-XXXX-JP-2を打ち抜いた場合、SCP-XXXX-JP-2を中心とした半径15m内にいる脊椎動物(以下、対象)から、未知の手段によって打ち抜かれたSCP-XXXX-JP-2の番号に対応した頸椎が████km/hで射出されます。SCP-XXXX-JP-A自身はこの影響を受けません。この時対象が向いている方向から見た頸椎の射出方向は、SCP-XXXX-JP-3の頭蓋骨が印刷されている方向から見たSCP-XXXX-JP-2の射出方向に対応しています。頸椎を射出した対象は脊髄や頸動脈の破断によって死亡します。
Dクラス職員と実験用マウスを用いた実験によって、SCP-XXXX-JP-2を撃ち抜いた際の特異性は対象の生死にかかわらず発動し、効果範囲であれば対象となる脊椎動物の数に上限は無いということが判明しています。
補遺: 川上 ███は戸籍が存在せず、付近の住民も川上 ███は川上 █と同居しているという事実を認知しておらず、川上 ███の存在すらも認知していませんでした。また、█邸には建築の際に作られた図面には無かった地下通路への通路が存在していました。この通路は棚に隠されており、他の人物からの目を欺くようになっています。通路を通ると刑務所の独房の一室とおおよそ同じ部屋に続いていました。独房の内部では川上 ███の生活用品が多数確認され、一部の生活用品、壁には川上 ███の血痕が付着していました。
さらに独房からSCP-XXXX-JP以外にも一般的な社会道徳に反する内容の教材や異常現象や異常な事物について言及した児童書が多数発見されています。これらの書籍も著者名や出版社の情報はありませんでした。[[/span]]
以下、確認された書類リストの抜粋タイトル | 内容 |
拷問の友 上 | 効果的な拷問を実際の写真などを用いて記載している本。小学生向けにデフォルメされたキャラクターが別のキャラクターを拷問している場面などの挿絵が見られる。タイトルに上巻と記載されているが██ ███氏の自宅から下巻は発見されなかった。 |
新しい殺人史ドリル3 | 人類史において残虐性の高い、または著名な殺人事件のドリル。内容は主に被害者がどのようにして殺害されたかを中心とした穴埋め式である。旧約聖書『創世記』第4章のカインとアベルから、201█年に発生した██夫妻殺人事件など幅広い殺人事件を扱っている。表紙や中表紙に血痕が見られ、中表紙によっては血痕で解読不能になっている箇所がある。 |
まんがで学ぶレインボープロジェクト | 1943年10月28日にアメリカ海軍が行ったとされる、アメリカ海軍のステルス実験の一部始終を漫画で解説したもの。実験中、駆逐艦エルドリッチの乗組員達が様々な怪奇現象に遭遇するが、概ねグロテスクなシーンとなっている。 |
まんがで学ぶクローン技術 ホムンクルス編 | パラケルクススが製造に成功したとさせるホムンクルスの製造方法を漫画で解説したもの。内容は概ね一般的な伝承と同じであるが、一般的に知られているホムンクルスの材料に追加して、人間の[削除済み]と[削除済み]が含まれている。本著にはこの材料によって本来ならば数カ月以上必要とするホムンクルスの製造がわずか数時間で完了するという記述がある。現在、研究チームが本著に記載されている実験の実証実験を行っている。 |
よくわかる空間移動術 | 背の部分のみが発見された。背に書かれている文章から推測するに、離れた位置へ自身を瞬間的に移動する技術の指南書と思われる。中表紙は全て乱雑に破られていた。 |
SCP-XXXX-JP-1以外の書籍は異常性が確認できなかったため、サイト-81██の非異常性文書保管庫にアーカイブされました。
SCP-XXXX-JP-1にはSCP-XXXX-JP-2、3の存在に直接言及した記述はありません。現在、SCP-XXXX-JP-2、3については、██氏の自作であるとする説が有力視されています。
追記: 川上 ███のDNA鑑定の結果、201█年に発生した██夫妻殺害事件の被害者であった██夫婦の子供である██ ███(事件当時1歳3ヵ月)と一致しました。██ ███は事件発生時刻、事件現場である██夫妻の自宅にいたと考えられていますが、誘拐され行方不明となっていました。██夫妻殺害事件では犯人は検挙されておらず、川上 █は██夫婦殺害事件と関係があることが考えられます。
筆
これの毛の部分を人に付けると、四肢が腐り落ちSCP-XXX-JP-1になる
また、目も腐り、そこから瞳孔、虹彩が存在しない、強膜で覆われた新しい目が出てくる(一応見えている)
XXX-JP-1は何らかをトリガーとして椎骨を四方に飛ばすことが出来る
この椎骨と接触した人間はすぐさまXXX-JP-1となり、椎骨を射出する
XXX-JP-1の特異性を引き継ぐ
もともとは捕虜になった際の口封じと特攻のために作られた、四肢が腐ってしまうのをどうにかしたいと考えている旨の文書がある
達磨落とし
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPと「頸椎とその神経支配」はサイト-8181の低脅威度物品保管庫に収容されています。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際、観測者は半径15m以内に侵入しないでください。新たなSCP-XXX-JPが回収された場合、収容されているSCP-XXX-JPと差異が無いか報告を行った後、問題がなければ全て焼却してください。
説明: SCP-XXX-JPは直径5cm×高さ1cmの7個の木製の円柱(SCP-XXX-JP-1)、直径5cm×高さ2cmの男性の顔がプリントされた木製の円柱(SCP-XXX-JP-2)1個の総称です。SCP-XXX-JPは日本の玩具である達磨落としに酷似しています。一つ一つのSCP-XXX-JP-1には、それぞれ頸椎の解剖学的呼称がプリントされ、個別の色が着色されています。
SCP-XXX-JPの特異性は達磨落としを行いSCP-XXX-JP-1が打ち抜かれた場合に発現します。それ以外の方法で異常性は発現せず、SCP-XXX-JP-1の数や打ち抜く順番によって特異性の法則が変化することはありません。SCP-XXX-JP-1が打ち抜かれた場合、未知の手段によってSCP-XXX-JP-1に書かれている人間の頸椎が、SCP-XXX-JP-2の顔の方向の空間に転移します。この異常特性の効果範囲内はSCP-XXX-JP-2を中心として15mです。SCP-XXX-JP-1を抜いた人間はこの影響を受けません。
SCP-XXX-JPは「頸椎とその神経支配」という題名のA5判の書籍に付属していました。書籍の内容は概ねタイトルと一致します。書籍自体には特異性はありません。書かれている出版社や著者は実在しないということが調査によって判明しています。
発見記録XXX-JP
██県██市の医療系専門学校から「授業中にみんなが動かなくなった」という生徒の通報を受け、その通報の異常を察知した財団が警察官に扮したエージェント数名を向かわせました。その結果、通報者の同級生と教師の合計██名が頸椎損傷による呼吸筋の麻痺によって死亡しているのを発見しました。また、通報者の机の周囲に犠牲者の第1頸椎が全員分確認できました。事件当時の状況では何が特異性を持っているのか判断できなかったために、生存した生徒をそのままサイト-████に輸送、尋問を行いました。
対象: 通報者であり事件当時唯一生存していた生徒、川上██
インタビュアー: エージェント・█
付記: 対象は同級生と教師が死亡していることを知らない
インタビュアー: 川上さん、落ち着かれましたか?川上██: [不愉快な表情で]まぁ、えぇ、それなりには。
インタビュアー: 同意も無く拘束してしまい申し訳ありません。あなたは今事件の容疑者としてここにいます。あなたの無実を証明できればすぐにでもここから出られるはずです。そのためにも我々に事件の時の状況を話してください。
川上██: あの時私たちは█時限目の授業で解剖学を学んでいました。
インタビュアー: 周りの人間が動かなくなった時、あなたは何をしていましたか?
川上██: [視線を露骨に逸らして]授業の日に配られた教材についていたダルマ落としで遊んでいました。
インタビュアー: なぜ遊んでいたのです?
川上██: 何故と言われましても…なんとなくとしか。
インタビュアー: 教諭であった相垣さんは生徒の教育に対して熱心な方と聞いていますが?
川上██: 勿論、先生はこんな僕にも熱心に教えてくれました。ただ、それでも私は勉強をしようとしなかったんですよ。勉強自体が私に合っていなかったのだと思います。そんなことが分かっていたのに私は…ただ何をするわけでもなく毎日席に座っていたんです。あれが起こる日も同じようにしていました。
インタビュアー: 続けてください。
川上██: 授業が始まってすぐに、先生は教科書と教材をみんなに配り始めました。先生が言うには友人に生徒に知識をつけて貰いたいのだがどうすればいいのだろうと聞いてみたら、友人の書いた本を勧められたのだと、君たちに少しでも知識を身に着けて欲しいのだと。…先生はみんなに向けて言っていましたが、本当は私一人に向けて話していたんじゃないかと思います。
インタビュアー: それでもあなたは先生の期待を裏切ったのですね。
川上██: [沈黙]はい。ただ裏切ったとしても先生にその態度を見せるのは嫌だったんです。なので、隠れてさぼろうとしました。倒したりしたら大きな音が出て先生に見つかるので、二個重ねたあとにペンで押してたんですけど…力加減を間違えて机の外に飛ばしちゃって、先生に見つかると思ったら、すぐにみんな一斉に倒れてたんです。みんなどうしたんだろうと思って立ち上がったんですけど、何もないはずの場所になにかがあってつまずいてたんです。あれは、その、教科書でみたことがある形をしていて、液体まみれで…
川上██: [█十秒の沈黙]インタビュアー: 以上で終了とさせていただきます。
川上██: …あの、先生たちは生きてますよね?脊椎が損傷しただけだから、動けなくはなっても死ぬことは無いと思うんですがその
[以下、川上██の発言が続いているがインタビュアーが録音を終了したためにインタビュー終了]
終了報告書: その後、実験によってSCP-XXX-JPの特異性を確認、川上██は異常存在である可能性は無いと判断し記憶処理ののち解放しました。全てのSCP-XXX-JPは回収され、収容のために残した数点を除いて焼却されました。
追加文書SCP-XXX-JP
教諭相垣██氏の周辺を調査した際、自宅でSCP-XXX-JPに関する情報を書き記した日記を発見しました。内容は川上██に対しての事柄が大半を占めています。以下の文章はその抜粋です。
█月2█日
また川上がテストで欠点を取った。一年の時も留年ぎりぎりだったが、今年はそれ以上に酷い。本人とそのことについて話したが、本人も気にしているようだ。担当教諭として私が何とかしなければならない。
█月█日
どんな指導をしても川上の成績は伸びない。川上は本当に勉学に励む気があるのだろうか?いや、本当はあるに違いない。無いのならすぐにでも学校を辞めているはずだ。専門学校も無料で授業を受けられるのではない。川上は親からのお金で学校に通っている。少なくともその自覚と責任はあるはずだ。きっと私の指導が川上に合っていないのだろう。だが私の指導が合っていないとすればどうすればいい?他の教諭たちよりも優れた指導をしていた自覚があったのだが。
1█月█日[この時期から文字が乱れ始める]
時間だけが過ぎていく。このままでは国家試験どころか進学すら危うい。川上のために私はこれ以上何が出来るのだろう。誰か教えてくれ。
1█月3█日[発見記録XXX-JPで起きた事件の数日前。日記はここで途絶えている]
今日は何という幸運な日だろう。焦燥に駆られ店で酒を飲む量が増える日々だったが、そこで答えを知る人間と出会えた。その男は言った、「その生徒が努力しようとしないのは、自分の置かれている立場がどれだけ恵まれているのか知らないからだ。そして、果たすべき事を果たさなければ、それが恐ろしい事態を招くということを知らないからだ。」と。聞いた瞬間、文字どうり雷に打たれたかのような衝撃が包んだ。これを書いている今でさえ、彼の言葉が一語一句私の体に染み入るような感覚に陥っている。まるで全身が彼の言葉でできているかのような感覚さえ覚える。川上にもこのことを教えなければならない。すぐにその旨をあの男に伝えると、彼は素晴らしいものを川上のために作ってくださった。きっとこれならば川上はきっと努力してくれるはずだ。
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フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2766408 (10 Dec 2019 00:54)
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