このページの批評は終了しました。
気になっている点
- 財団が発見するまでの経緯に問題がないか
- SCP-XXXX-JPの健康状態に応じて堅実改変能力が変動するということを財団に推察させたいが、適切か
- 現実改変者が能力を表立って使ってこなかった理由として野球を理由にしているが納得できるか
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの遺体はサイト‐8183の標準生物用長期的冷凍保管庫に保管されます。担当職員は半年に一度、SCP-XXXX-JPに異常が無いか確認してください。SCP-XXXX-JPを用いて実験を行う場合、セキュリティクリアランス4以上の資格を持つ職員の許可が必要です。
説明: SCP-XXXX-JPは現実改変能力を持つ27歳の男性です。
財団がSCP-XXXX-JPによる現実改変を認知したのは2019年8月██日でした。野球観戦を趣味に持つエージェント████が自宅で「プロ野球選手名鑑2016」を確認していた際、明らかに日本人であるが外国人選手として扱われているSCP-XXXX-JPを発見しました。当時エージェント████および世間の人間はSCP-XXXX-JPを視認した際、疑いなくプエルトリコ出身のリリーフ投手として認識していたため現実改変の可能性が高いと判断しSCP-XXXX-JPとして分類されました。
SCP-XXXX-JPを隠匿するため大規模な記憶処理と痕跡の消去が行われました。SCP-XXXX-JPがNPBに在籍していたのは2016年のみという点、外国人選手は日本人選手に比べて注目されにくい点などから、想定よりも円滑に秘匿することができました。
発見記録:XXXX-JP
2019年10月██日、財団は██県██市の████病院に入院しているSCP-XXXX-JPを確保しました。SCP-XXXX-JPは同病院で余命宣告を受けており、財団の検査においても同様の事実が確認されました。財団が収容した時点ですでに末期であり、財団の医療技術を用いても延命は不可能でした。
SCP-XXXX-JPは自宅で療養生活を行っていましたが、2019年8月██日に容体が急変したため以後は入院生活を行っています。これはエージェント████がSCP-XXXX-JPを発見した日時と同日であり、SCP-XXXX-JPは心身の健康状態に応じて現実改変能力の強度が変動すると考えられます。事実として、確保されたSCP-XXXX-JPの現実改変能力は非常に微細でした。
近い将来にSCP-XXXX-JPが死亡することが想定されたため、冷凍睡眠を用いた長期的な収容が計画されました。しかし、身体検査の結果SCP-XXXX-JPが冷凍睡眠に耐えうる体力を持っていないと判断されたため却下されています。
追加記録:XXXX-JP
SCP-XXXX-JPはオープン戦で防御率1.80と好成績を残していました。しかしシーズンが開幕すると防御率22.5、5被本塁打、2三振、0勝3敗と低調でした。4月中旬に登録抹消となりましたが、二軍の成績もまた低調だったため一軍に昇格することはありませんでした。2016年11月██日に球団はSCP-XXXX-JPとの選手契約を解除すると発表しています。その後、SCP-XXXX-JPを獲得する球団は現れませんでした。
インタビュー記録:XXXX-JP
対象: SCP-XXXX-JP
インタビュアー: 中園樹理研究員
付記: インタビュー時点でSCP-XXXX-JPの現実改変能力は著しく低下していたためDクラス職員を用いらず直接インタビューを行った。
<録音開始, [2019/11/14]>
中園研究員: 貴方が他人と違う力を持っていると気が付いたのはいつからですか?
SCP-XXXX-JP: 物心ついたときからですかね。こう、何かを願ったら周りの人間がそれを実現させようと無茶をするのを見て恐怖した記憶があります。
中園研究員: では何故、貴方はその力を存分に使わなかったのですか? 貴方の力ならもっと利己的に生きることが出来たのではないですか?
SCP-XXXX-JP: やっぱり、野球があったからですかね。自分にとってはあの変な力よりも野球が身近な存在だったんですよ。野球って人を直接殴ったりしないスポーツじゃないですか。それに一人では野球が出来ない。そこに投手がいて、打者がいる。そして守備につく人がいる。自分だけの世界ではないんだなって思わせてくれるんです。それで謙虚になったというか、傲慢ではなくなったというか、感情に任せてあの力を使うことは殆ど無かったですね。唯一使ったのは無理やりプロ野球選手になったときぐらいですよ。
中園研究員: 病気だと診断された翌年に貴方はプロ野球選手になっていますね。
SCP-XXXX-JP: そうです。高校も大学のときもプロ志望届を出したのに俺は指名されなかった。自分が指名されなかったのはスカウトの目利きが悪かったからだ、なんて思う日もありました。歳を重ねるたびに夢が遠のいているのが判りました。俺より年下なのにプロで活躍する人間を見て、打ちのめされる日もありました。
SCP-XXXX-JP: とどめに病気ですよ。俺はもう長くないと判って、今まで我慢してきたのはなんだったんだろうと。自分が死ぬのなら世界がどうなってもいいだろうってヤケを起こそうする日もありました。自分の人生の終わりが見えて、俺は今までなんで生きてきたんだろうって思って考えたら、やっぱり野球だなって思ったんですよ。人生の殆どを野球に費やして、俺はまだ結果が出ていない。プロになれていない。だったら無理やりにでもなってやろうと思ったんです。自分の人生の全てを賭けたものの価値を見てみたい、それだけの理由で。
中園研究員: でも貴方は活躍できなかった。SCP-XXXX-JP: はい。あの力でプロになれても俺はあの力をマウンドで使いたくなかった。俺の実力で結果を出したかった。砕け散りましたよ。俺はプロ野球選手になれないんですね。でもそれでいいんです。俺は納得したかったんです。散々な結果ですけど、勝負ですから。惨めでもこれが俺なんですよ。俺をここまで導いてくれた野球に感謝したいんです。
SCP-XXXX-JP: 俺は胸を張って言えます。野球って、いいものです。
<録音終了>
補遺:XXXX-JP
2020年1月8日午後2時、SCP-XXXX-JPが死亡しました。これによりSCP-XXXX-JPは無力化されたと判断し、オブジェクトクラスをNeutralizedに変更しました。
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C-
- _
注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。
- portal:2766408 (10 Dec 2019 00:54)
はじめに気になっている点への個人的回答
1. 財団が発見するまでの経緯に問題がないか
現実改変の認知から、確保までに二ヶ月は時間がかかりすぎている? という印象です。人物が関わる現実改変(名鑑の写真の人物が誰かすぐに特定できる、そして人物自身が現実改変者である可能性が強く疑われる)のため、確保はもっと早くていいと思います。
2.SCP-XXXX-JPの健康状態に応じて現実改変能力が変動するということを財団に推察させたいが、適切か
問題ないと感じます。
3.現実改変者が能力を表立って使ってこなかった理由として野球を理由にしているが納得できるか
インタビューの最初で「何かを願ったら周りの人間がそれを実現させようと無茶をするのを見て恐怖した」とあり、根本の理由はこれではないか? と感じるところが少しありました。
中園研究員からの質問への回答によって「怖いから使わない」だけから「使えても使う必要はない」へシフトしたのは理解できるので、納得できるかに関しては大丈夫です。
物語としての起承転結はかなり穏やかな印象です。大きな事件が発生する作品ではないのでこのままで大丈夫ですが、その代わり記事全体の雰囲気で読者を惹きつける必要があります。
黒塗りになっている部分は開示されていても問題ないと思われますが、個人の好みやこだわりがかかる部分なのでここは自分の考えを優先してください。
SCP-XXXX-JPが外国人(プエルトリコ出身)の選手として扱われた理由なのですが、そのおかげで発見後の財団による情報処理が結果的に楽になった。以外の理由があると良いです。
(つまり、元々SCP-XXXX-JPが日本人として自分を選手登録しなかった理由)
登場人物であるSCP-XXXX-JP自身の野球への熱意が他の読者にどれだけ伝わるかは分かりません。「今までやってきた野球というスポーツへの情熱」というモチーフがあらゆる人物に共感性を抱かせられるかと言われると、完全に肯定はできかねます。野球を含めスポーツが好きな人ならよく共感できると思いますが、そうでないといくらか落ちると思われます。
この人物を主軸に置いた題材でステゴロコンテストに参加するならば、Taleの方向性もありです。Taleだと主人公自身への描写(特に主観的な部分を多く出せる)に集中できます。ただ、事前情報のない一般人をいきなり出すことになるので評価は簡単ではないと思われます。
これは単なる一つの個人的提案でしかありませんし、通常記事で投稿することを否定するものではありません。
SCP-XXXX-JPの説明がこれだけというのは、引き込む力に欠けた1文目だと思います。現実改変能力をどういった改変に使うのか、というところが話のキモな訳でそこを書いたほうがいいですね
何が末期だったんでしょうか?
「用いらず」は変です。
気になっている点については1,2はいずれも問題ないと思います。3はちょっと微妙に感じますね。SCP-XXXX-JPのプロになる以前の人生が描かれないせいで、単に「ズルしてプロになったけど実力不足だった人」でしかない印象です。
個人的な感想・評価としてですが、自分はこのストーリーラインをそれほど面白いとは思えませんでした。makigenekoさんもおっしゃっているように、話の起伏が穏やかな記事です。予想を超えるようなオチもありません。それがダメなわけではないのですが、それ以外の強みもない状態では生き残ることは難しいかと思います。
FattyAcidさん、makigenekoさん批評ありがとうございました。
指摘された部分を改稿予定です。(ステゴロではなくなるかもしれませんが)