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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは特別固定事象保存プロセスに従い保存してください。SCP-XXX-JPの破損を防ぐため、周囲3kmには常時機動小隊が配備され、敵対存在、時空間異常へ対応することが求められます。
説明: SCP-XXX-JPはフィールド-38ZZにおいて発生している時空間異常です。
SCP-XXX-JPの発生範囲は約10m×15mの長方形で示される空間であり、SCP-XXX-JP内部に存在する人型実体、物品には銃火器を始めとした攻撃の影響が発生しません。
SCP-XXX-JP内部には複数の人型実体が長方形の短辺へ向かい合う形で椅子に腰かけています。向かい合っている短辺の壁部には複数の植物組織に囲まれた状態で箱が設置されています。この箱内部には死体が存在しており、箱に近い椅子には死体を撮影したと推測される画像が枠に入れられた形で設置されています。このほか、箱周囲には複数の用途不明物品の他、炭化した植物組織に灯された火や、黒色の木片などが存在しています。
財団の調査により、これらの人型実体及び死体が着用している衣服が旧世代のものであると確認されています。ここから、SCP-XXX-JPにおける時間異常は少なくとも1000年間保持されているものと推測されます。
SCP-XXX-JP内部においては特定イベントが繰り返し発生します。このイベントは何らかの儀式であると推測されています。現在段階でこれらの儀式に対する財団の干渉行為は、有意な影響を与えることに成功していません。
以下は発生するイベントの内容です。
補遺XXX: イベントXXX-JP推移
XXX-JPイベントタイムライン
00:00: 内部に存在する人型実体は全て腰かけた状態である。一部の人型実体は涙を流している様子が確認される。
00:05: 禿頭の人型実体がSCP-XXX-JP内部に出現、他の人型実体の中心を通り、箱に向かい腰かける。手には薄手の書籍と球体を連結させた用途不明の物体を所持している。
00:06: 禿頭の人型実体が不明な唸り声をあげ、人型実体のうち2割程度が同様の唸り声をあげる。この唸り声には抑揚が存在することから、何らかの歌謡であると推測される。
00:15: 禿頭の人型実体の唸り声が停止する。一部の人型実体が前部へ移動し、不明な言語で他の人型実体へ語りかける。
00:20: 禿頭の人型実体の唸り声が再開する。同時に人型実体が一人ずつ箱へ向かい、箱の前方に設置された火へ向かい灰を摘まみいれる。人型実体の約8割が同様の行為を取るまでこの行為は継続される。
00:43: 禿頭の人型実体の唸り声が停止し、SCP-XXX-JP内部から離脱し消失する。
00:50: 人型実体が箱の周囲に集まり、箱周囲の植物組織を箱内部へ投入する。
01:08: 箱が封印され、複数の人型実体とともにSCP-XXX-JP内部から離脱する。
後続調査の結果、当該イベントのタイムライン/00:15において人型実体は自身を"モシュー"と形容していることが確認されています。これはフィールド-18AQにおいて旧世代が使用していた敬称と一致しており、地理的に隔絶した当該地域において使用されていることから、何らかの文化交雑が発生したことが示唆されています。
補遺1: ██ ██/██/██、SCP-XXX-JP周辺5km地域において旧世代の財団におけるアーカイブ施設が発見されました。この施設は敵性存在の攻撃により破壊されていましたが、一部アーカイブは完全な破損を免れた状態で確保されました。それらの資料においてSCP-XXX-JPを指すと推測される文章が確認されました。これらの文章は一部が新世代語に翻訳されています。以下はその文章の転写です。現在において断絶したとされる表現、固有名詞においても元文章に準拠していることを留意してください。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを含む斎場は現在財団フロント企業によって管理されています。SCP-XXX-JP内部への侵入は研究時を除き禁止されています。一般人が侵入した場合はクラスA記憶処理を行ったうえで解放してください。
説明: SCP-XXX-JPは東京都葛飾区██斎場の告別式会場です。
SCP-XXX-JP内部では田中 敦人氏の告別式が開催されています。この告別式は約2時間程度で終了しますが、終了と同時に開式前の状況に移行することを繰り返しており、時空間異常が発生していると推測されます。
SCP-XXX-JP内部に存在する人物(親族6名、参列者9名、斎場スタッフ3名、僧侶1名)は全てSCP-XXX-JP-Aに指定されています。SCP-XXX-JP-Aは現在段階で老化の兆候が見られず、告別式で発生する涙や咳以外の生理現象を起こさないことが確認されています。同様にSCP-XXX-JP-Aは外部からの呼びかけに応答することはなく、攻撃や拘束などの妨害も一時的に非実体化することで無効化します。
SCP-XXX-JPは影響下にない斎場スタッフが終了しない告別式を不審に思い、現地警察へ連絡を行ったことで発見されました。
以下は告別式当日に病欠した田中氏の孫にあたる田中 幸人氏に対して行われたインタビューです。
音声記録XXX-JP-01 - 日付 2███/██/██
担当者: 高研究員
対象: 田中 幸人氏
«再生開始»
≪事実確認のため省略≫
田中氏: そんなとんでもないことになってたんですね、爺さんの葬式
高研究員: ええ、喪主の勇人氏をはじめとして、現在閉じ込められている皆さんを救出するためにも、何か知っていること、気づいたことなどあれば教えていただこうとこの場を設けさせていただきました
田中氏: 分かりました。可能な限り協力はします。といっても俺には何も思い当たることはないんですけど
高研究員: 些細なことでも構いません、何かしら関係のありそうなことがあれば
田中氏: はい、でも本当に何も思いつかないんですよ。死因も老衰だろうって話でしたし、生前に遺言とかもしっかりしてましたし、大往生ってやつだと思います
高研究員: では何か生前で思い当たることはありませんか?
田中氏: まったくないですね。生きてたときも家族には優しくって、地域でも頼られてる人でしたからね、少なくとも俺が物心ついたときから悪い話を聞いたことはないです。通夜の席もみんな悲しいというよりは思い出話をして、ゆっくり送ってやろうって感じだったんで。……なんでそんなことになってるんだろう
高研究員: そうですか。ではまた何か思い出すことがあればいつでも連絡をください
田中氏: すいません、両親や兄貴のことよろしくお願いします。ずっと葬式なんて、嫌ですもんね
[以下、データ破損]
このアーカイブ情報より、SCP-XXX-JPは旧世代における死者への宗教的儀式であり、その異常性により周囲の影響を受けることなく約1000年間保持されていたものと推測されます。これは生存エリア拡大事業における重大な発見であることから、厳密な収容が決定づけられ内部は許可が下り次第、旧世代伝承調査部隊による調査が行われることが決定されています。
旧世代伝承調査部門長 ザワヒロの提言
SCP-XXX-JPが旧世代における文化、精神活動を把握するうえで非常に重要なオブジェクトであることに異論のある者はいないと思う。我々は約700年前の潰瘍蛻祭により多くの土地、人命、物資、そして文化を失った。SCP-XXX-JPにおいて継続されている死者への儀式などはその最たる例だ。このような形でそれらが保存されていたことは喜ばしくもあり、また皮肉なことでもある。これからも生存可能エリアが広がれば同様に時間異常や空間異常によって保存された過去の文化を発見できるかもしれない。SCP-XXX-JPがその一つ目に過ぎないことを強く願っている。
さて、我々にとって死者に行えることは白牌骨を作成し、遥盤に刺し込むことである。だが、かつての人類はそのままの死体を礼拝していたことがよく分かる。ここにどのような意図があったのか、どういった様式があったのか、それらが調査研究されるのはもう少し後の話になるだろう。だが、私はどこかこの儀式に例えようのない寂しさと、どこか妙な清々しさを覚えている。幾人かの職員に確認したところ、同様の感想を抱く職員は約5割程存在した。これが多いか少ないかはまだ判断材料が少ないが、人類にはこの儀式に対する本能めいた共感があるのかもしれないとも考えられる。
であるならば、これから発見される可能性のある過去は、我々と、一度否応なしに断ち切られ、引き離されたた我々と、細い、か細い糸を繋げてくれているのかもしれない。過去になってしまったもう戻れないもの、しかし確かにここからもう一度始めるもの。去ったものを見送る儀式、アーカイブの文言を参照すれば"葬式"が、ようやく始められるのかもしれない。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2700573 (03 May 2018 13:41)
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