SCP下書き「もりの熊さん」

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP発生地域への侵入は常時ドローン及び森林警護員に扮した財団職員によって監視を行います。出現の兆候が確認された場合、現場に移動し、適宜記憶処理等の必要措置を行ってください。措置内容は現場管理職員に一任されます。SCP-XXX-JP臨時サイトにおいては銃火器を常備し、襲撃に備えてください。サイト内のD-68323に対する干渉は最低限のものに留められます。

説明: SCP-XXX-JPは岐阜県高山市の森林部において出現する未知の実体です。実体はクマ属(Ursus)に属する生物をデフォルメした外見を持ち、一般的なツキノワグマ(Ursus thibetanus)と同様の能力を有しているように振る舞います。一方で実体に対する干渉、攻撃の一部は実体に影響を及ぼさないことから、実体としては曖昧な状態であると推測されます。

SCP-XXX-JPが出現する場合、周囲の植生が著しく変化する兆候が確認されます。この兆候としては主に草木が急速に枯死することで歩行が平易な地形が発生する、及びその地形の周囲において一年草が開花する事象が確認されます。これらの変化に遭遇した人物がそれらの変化を歩行路であると認識し、侵入することによってSCP-XXX-JPは出現します。

SCP-XXX-JPは言語を解し、標準語を用いて会話することが可能です。また、性質は温和であり明確な攻撃は行いません。その会話内容からSCP-XXX-JPは要注意団体に指定されるImaginanimalの一種であり、ヒグマのイメージ、及び童謡「森のくまさん」に依拠する存在であるという主張を繰り返しています。

以下はSCP-XXX-JPに対するインタビューです。

音声記録XXX-JP-01 - 日付 20██/██/██

担当者: エージェント・足利

対象: SCP-XXX-JP

«再生開始»

エージェント・足利: はい、周囲の植生の変化を確認しました

司令部: では発生した道を進んでください

エージェント・足利: 了解です

[約5分経過]

SCP-XXX-JP: やあ、おじょうさん。おにげなさい

エージェント・足利: SCP-XXX-JPの出現を確認しました

司令部: インタビューを開始してください

エージェント・足利: 了解です。すいません、少しお話を聞いてもいいでしょうか?

SCP-XXX-JP: え、逃げないの? それは残念だなあ、じゃあ、とりあえず目を逸らさないでくださいね、あと大きく動かないでほしいです

エージェント・足利: 分かりました。ではまず、あなたが何者なのかという話を聞かせてもらいたいのですが

SCP-XXX-JP: 僕ですか。僕はみなさんの想像するツキノワグマです。でもそれだけだと僕たちはより他のイメージに左右されてしまいます。なので、もっと強固なイメージを使って、皆さんの隣に立つようにしました。ほら、みんなの好きな歌によってここにいます

エージェント・足利: ……ああ、花咲く道の先、「森のくまさん」ですか

SCP-XXX-JP: そうですそうです! でも残念ですねえ、まだそろわないんですよ

エージェント・足利: そろわない、とは?

SCP-XXX-JP: おじょうさんに逃げてください、ってとこまではできるんですよ。でもその次ができないんです。誰も持ってないんですよね、落としてもくれないし。このままだと僕は完結しないんです

エージェント・足利: ……白い貝殻のイヤリング?

SCP-XXX-JP: そうです、それがないと僕、お話によってここに出て来てるので、こんな風に、逃げるしかできないんですよ

[SCP-XXX-JPが後ずさってその場を離脱する]

エージェント・足利: 待ってください! もし白い貝殻のイヤリングを付けた女性が現れたらどうするのですか!?

SCP-XXX-JP: それはもう! いっしょに歌うんです! 僕はそのためにいるから!

«再生終了»

このインタビュー後、数回の協議を経て貝殻をモチーフにしたイヤリングを装備した女性Dクラス職員をSCP-XXX-JPに接触させる実験が行われました。以下はその実験の際の音声記録です。

音声記録XXX-JP-02 - 日付 20██/██/██

担当者: D-68323 (白い貝殻をモチーフにしたイヤリングを装備。イヤリングは遠隔操作により離脱可能)

対象: SCP-XXX-JP

«再生開始»

[[重要性が低いため省略]]

SCP-XXX-JP: おじょうさん、おにげなさい

司令部: では指示通り逃走を開始してください

D-68323: 分かりました

司令部: イヤリングを落下させます。落下を確認。D-68323、状況はどうですか?

D-68323: 今のところは特に……、いや、追ってきました!

SCP-XXX-JP: おじょうさん、おまちなさい

司令部: 指示通り待機してください

D-68323: 分かりました

SCP-XXX-JP: これ、落としましたよ

司令部: 礼を言って受け取ってください

D-68323: は、はい。くまさん、ありがとう。……えっと、固まってるんですけど

司令部: ああ、お礼に歌わなくてはいけないんですね。一緒に歌うことを提案してください

D-68323: はあ。どうでしょう、お礼に歌いませんか?

SCP-XXX-JP: よ、喜んで!

[SCP-XXX-JPとD-68323が歌唱する]

SCP-XXX-JP: ……えっと、このあとどうすればいいんでしょう? 僕は歌って、あなたは待ってくれて、僕は完結してしまいました。うーん、これでいいんですか? 僕はこのままで、僕でいれるんですか?

D-68323: さあ? これで歌は終わりだと思いますけど。自分で考えた方がいいんじゃないかと

SCP-XXX-JP: そうなんですよね、うーん。ねえ、僕は何ですか?

D-68323: え? ……それは、熊なのでは?

[SCP-XXX-JPが呆然とした顔を浮かべ突如消滅する]

SCP-XXX-JP(音声のみ): それはいやだなあ

«再生終了»

その後、約一時間ほど待機したものの変化はなく、D-68323は帰還しました

インシデントレポートXXX-JP-01 - 日付 20██/██/██

20██/██/██、SCP-XXX-JPによるDクラス宿舎襲撃事案が発生しました。襲撃を受けた宿舎にはD-68323が在籍していました。SCP-XXX-JPは出現地域からその異常性により、道を発生させることで移動したと推測されます。以下はSCP-XXX-JPとの抗戦の際記録された音声です。

音声記録XXX-JP-03 - 日付 20██/██/██

発信者: 名和伍長

対象: SCP-XXX-JP

«再生開始»

名和伍長: SCP-XXX-JPによる襲撃発生。火器の類は効果を目視できず、より有効な手段を必要とする。SCP-XXX-JP、襲撃の意図を答えよ

SCP-XXX-JP: それが僕の名前なら答えます、僕が僕であるためにはこうするしかないんです

名和伍長: 意図を掴みかねる

SCP-XXX-JP: えっと、僕は森のくまさんです。でも、それになる前はツキノワグマのイメージでした。みなさんはツキノワグマ、いや、熊に対して恐ろしいイメージを持っています。人を食べるし、あまりよくない。だから僕はかわいいイメージに頼りました。でもこの前、森のくまさんの歌は終わってしまいました

名和伍長: 先例の事案のことか

SCP-XXX-JP: 分かんないですけど、終わったなら僕は何か? それを考えました、森のくまさんじゃない僕は何か。答えは簡単です、僕はツキノワグマでした

名和伍長: なるほど、ツキノワグマのイメージに帰還したということか、しかしそれはそちらの望むことか?

SCP-XXX-JP: いいえ、また考えました。僕は僕でいたい。そのためには森のくまさんだけじゃない、ツキノワグマだけではない、僕は僕としてイメージを固めなくちゃいけない。どこかに寄りかかったイメージのアニマルではなく、僕がここにありたい

名和伍長: そうか

SCP-XXX-JP: はい、歌って楽しくって、じゃあ僕はずっと僕でありたい。僕は森のくまさんでありたいわけじゃないけど、ツキノワグマでありたいわけじゃない。だからとりあえず、どっちもであることにしたんです

名和伍長: だがそれに、襲撃する理由は必要か?

SCP-XXX-JP: はい。どっちもなんですから、僕は森のくまさんであり、ツキノワグマでもある。いつか僕が僕になるためには必要なんです。だから取り返しに来ました。一緒に歌ってくれた僕のおじょうさんを。皆さんには渡しません。取り返そうとしないでくださいね

[SCP-XXX-JPによる攻撃で複数のセキュリティ職員が昏倒する]

SCP-XXX-JP: だって、あの子は僕のだぞ

«再生終了»

この襲撃はSCP-XXX-JPの撤退で終了しましたが、以降も同様の事案が発生しました。これを受け、収容コスト等の問題からD-68323をSCP-XXX-JPへ譲渡する案が提出されています。この提案は異常性の変化を危惧する意見から現在、SCP-XXX-JPの発生地点近くに臨時サイトを建造しD-68323を収監したうえで協議が続行されています。また、並行してSCP-XXX-JPの依拠する物語を童謡「森のくまさん」へ帰依させる方策が提案され、議論が行われています。


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