たまご綴じ

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EGG

SCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8137の、重点的な耐震設計のなされた低脅威物品収容庫へ、金具により固定された状態で保管されます。口部は硬化ガラスを用いて密閉され、定点カメラによりSCP-XXX-JP内部を監視します。SCP-XXX-JP-aの流出が確認された場合、SCP-XXX-JPの転倒が原因であるなら口部を上方へ向け、流出停止を優先させます。

SCP-XXX-JP-Aより回収可能な物品のすべては、適切な処理を経て別個の収容室に保管されます。

説明: SCP-XXX-JPは内底が異常空間(以下、SCP-XXX-JP-A)に接続している、直径16cmのステンレス製調理鍋です。外側面や外底に窪みや擦り傷が確認されていますが、重大な損傷はありません。

SCP-XXX-JP-Aの空間構造は3次元ユークリッド空間に基づいています。その広大さから全体容積の計量が困難であり、現在所定範囲内のみの探索が行われています。接続地点から下方に対し、微弱な引力が確認されています。なお、SCP-XXX-JP-Aは無限の空間であるという説が浮上しています。

SCP-XXX-JP内底から高さ約4cm程度、及びSCP-XXX-JP-Aは非透明性の液体(以下、SCP-XXX-JP-a)が占有しています。SCP-XXX-JP-aはニワトリ(Gallus gallus domesticus)の卵白及び卵黄、水、塩化ナトリウム及び寸断された肉用品種ニワトリ個体の胸部、タマネギ(Allium cepa)の球根からなる混合物です。SCP-XXX-JP-aは一定温度で加熱されていますが、卵白及び卵黄の固形化は一定まで進行した段階で停止しています。SCP-XXX-JP-aの容積をSCP-XXX-JP内部から減少させた場合、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-aの容積を回復させます。このとき内底側より水流が確認されるため、SCP-XXX-JP-aの発生はSCP-XXX-JP-Aに起因しており、流出する形で容積を補填していると考えられます。

また、SCP-XXX-JP-Aには複数の物体(以下、SCP-XXX-JP-b)が存在し、徐々に沈降しています。SCP-XXX-JP-A内のSCP-XXX-JP-bは年数経過によって劣化しませんが、これがSCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-aの作用であるかは判明していません。SCP-XXX-JP-bの多くは外部から投入されたと考えられますが、全長がSCP-XXX-JPの口部直径を越える物体も存在し、SCP-XXX-JP-A内部で生成される可能性も推測されています。

以下、接近と調査が完了したSCP-XXX-JP-bの一覧です。存在する深度とともに完了順で記述され、末尾へ追加されます。他にもSCP-XXX-JP-bは確認されていますが、探索機器の範囲外であるため、調査は保留されています。

深度10.72m SCP-XXX-JP-b-1: 現在3m程度の楕円球状硬質物体
物体の外装は純白であり、探査機による非破壊検査では内部は空洞と判断されています。内部からは音、振動が不定期的に発生します。これらは日本文化圏で自然に発生する生活音や微振動に酷似しており、具体例として調理や掃除、数人の人間の足音や発話に酷似しています。より詳細な内容の判別はできず、外装により妨害されています。時間経過により、徐々に巨大化しています。

深度13.34m SCP-XXX-JP-b-2: ナップサック
既製品ではなくハンドメイドで製作されたと思われます。文房具、幼児向け玩具、スマートフォンなどが包括されていました。

深度67.36m SCP-XXX-JP-b-3: ポリエチレン袋
ノコギリ、かなづち、包丁、ノミなど複数の道具類と、2セット分の衣服と布類が包括されていました。衣服は男性用が1セット、女性用が1セットで構成されています。道具類には後述するSCP-XXX-JP-b-4の血痕が、また布類には後述するSCP-XXX-JP-b-7の血痕が付着しています。

深度72.25m SCP-XXX-JP-b-4: 日本人女性の死体
SCP-XXX-JPの口部直径を下回るよう部位ごとに分割/解体されています。血液の多くを流失していますが、首下の痕から死因は窒息であると診断されました。断面の特徴は統一されています。分析の結果、三嶋 光保氏(死亡時50歳)と特定されました。

深度75.89m SCP-XXX-JP-b-5: 綿ロープ
首吊り用の結束方法のまま固定されており、もう一端は刃物で切断された痕があります。

深度86.47m SCP-XXX-JP-b-6: アルコール飲料
数十本の瓶、缶であり、多くが未開封のままです。基本的に製造日は連続しています。探索機器の範囲外にも同様の物体が確認されており、

深度123.85m SCP-XXX-JP-b-7: 日本人男性の死体
SCP-XXX-JPの口部直径を下回るよう部位ごとに分割/解体されています。SCP-XXX-JP-b-4と比較して、流失した血液量が抑えられています。断面には2パターンの特徴が見られます。分析の結果、三嶋 悠也氏(死亡時52歳)と特定されました。


SCP-XXX-JPは2018/7/17、██県███市の放棄された地上型13m式貯水槽にて回収されました。発見当時、SCP-XXX-JPが横転していたために███LのSCP-XXX-JP-aが放出され、貯水槽の限界容積を突破、外部へ噴出していました。

同貯水槽には三嶋 由紀氏(死亡時15歳)の死体が内在していました。死因は貯水槽壁上からの転落による頭部外傷と推定されており、水が残留していない状態の貯水槽へ転落したことから自殺であると考えられています。死因となった外傷とは別に、死体頭部には直径16cmの円形の圧迫痕、また微小なアザが身体の複数個所に存在していました。なお、発見時点で死体は死後数時間の経過と診断されましたが、後の調査で氏が最後に目撃されたのは2018/7/10であることが判明しています。死体は回収、冷凍保存されましたが、飛散した脳の一部が現在も発見されていません。


補遺: 由紀氏は2018/7/10時点で近隣の郵便局に立ち寄り、郵便物の郵送を依頼していました。宛先は██県███市に居住する川畑 四葉氏(当時15歳)であり、由紀氏とは過去に友人関係にありました。財団が四葉氏の確保に向かったところ、氏は失踪していました。空白期間に超常団体と接触した可能性を含め、以降も捜索を継続します。

郵便物は四葉氏の住居に残されており、回収は完了しています。


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