アイデンティティ保持機関

このページの批評は終了しました。

画像: https://www.flickr.com/photos/65517846@N03/7244449816

---

SCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8137の大型収容庫に保管されます。活性化時は自動記録装置を起動し、事象を記録します。

SCP-XXX-JPから排出された物質は回収され、冷凍後に粉砕処理されます。排出物や排出量が常時と異なっていた場合、物質の一部をサンプルとして保管します。

SCP-XXX-JP-aは同サイトの標準的な人型実体収容セルにて管理されます。その特性のため、自身が社会から隔離されたという認識を知覚させないように、場面に応じて記憶処置及びミームエージェントを使用します。現在、SCP-XXX-JP-aの恒久的な凍結保管が計画されています。

説明: SCP-XXX-JPはかつて東経140°00'00.0、北緯36°00'00.0地点に存在していたトラックミキサ¹です。各部位の損傷から、放棄から30年程度が経過していると推測されています。発見当時、車体には「1985-8-9」と印字されたステッカーが糊着されていました。

SCP-XXX-JPのドラム内部には、モンゴロイド系男性を模した人型実体(SCP-XXX-JP-A)が不定期的な間隔で出現します。SCP-XXX-JP-Aはすべての事例に共通して、螺旋形プレート²の間隙(ドラムの中心部分)に一定の速度を伴って出現し、これにより軽度の衝撃が発生します。SCP-XXX-JP-Aの外観はすべて同一の人物を模しており、衣服などは着用していません。

SCP-XXX-JP-Aが出現したとき、SCP-XXX-JPは活性化します。SCP-XXX-JP-Aの出現と同時に、SCP-XXX-JPのドラムは最高1000rmp³で回転を開始します。また、ドラムの内壁からは砂、砂利、水、複数の凝固剤が発生します。これらの物質はドラムの回転が停止するまで発生が続きます。これらの要因により、打撲による臓器不全や内出血、切断による失血、窒息などでSCP-XXX-JP-Aは死亡します。

SCP-XXX-JP活性化時、SCP-XXX-JP-Aは当初こそ困惑の様相を見せますが、自身が殺害される状況だと理解した瞬間から歓喜や興奮を示します。発話する内容には自殺願望や、懺悔や後悔に類する文言が多く見られるものの、一方で特定の物事からの解放感に言及した事例も確認されています。このような心理状態のため、財団によるSCP-XXX-JP-Aの回収はSCP-XXX-JP-A自身の抵抗により失敗しています。

300秒の経過により、ドラムは一時停止します。すべての事例において、ドラム停止時のSCP-XXX-JP-Aの肉体は激しく損傷し、人体の形状を留めていません。また、攪拌過程を経たことで前述の物質と混ざり合い、半固形化した状態となります。その後ドラムは逆回転し、すべての内容物の排出を開始します。SCP-XXX-JP-Aを含む物質はシュートを通じ、地面に放出されます。このとき、放出される物質の量は必ず65.00Lに固定されています。内容物が完全に排出された後、SCP-XXX-JPは不活性状態に戻ります。

2013/8/2、SCP-XXX-JPは回収されました。発見時、周辺には約████m³ほど物質が累積しており、発見以前にも頻繁に活性化していたと考えられています。

補遺: 2016/9/24、財団はSCP-XXX-JPに関連すると思われる個人、二木 隆俊氏(以下、SCP-XXX-JP-a)を確保しました。SCP-XXX-JP-aは2016年時点で31歳の日本人男性であり、SCP-XXX-JP-Aと外観が同一です。また、SCP-XXX-JP-aの日本標準時での生年月日は1985年8月9日であり、SCP-XXX-JPに糊着されたステッカーとの関連性が指摘されています。

SCP-XXX-JPが活性化した直後、SCP-XXX-JP-aは特定の記憶/感覚を忘却します。記憶/感覚はSCP-XXX-JP-aが知覚した瞬間に忘却されるため、尋問などによって詳細を捕捉することはできていません。この現象は、SCP-XXX-JP-aが何らかの失敗を犯した直後、また他者から失敗や短所などを正しく指摘された直後に多数確認されています。これにより忘却される記憶/感覚とは失敗や劣等感に関連すると考えられていますが、客観的にそのような事項が見られない場合にもこの現象は発生しています。

上記の特異性により、SCP-XXX-JP-aは失敗を経験することができません。またこの特性からか、その人格は成功体験のみに由来する過剰な完璧主義を軸として構築されています。調査期間中の記録では、失敗などへの恐怖を表す言動が頻繁に確認されていました。

Footnotes

1. 走行しながら生コンクリートを攪拌し、運搬することが可能な車両。

2. ドラム内部に設置されている、生コンクリートの攪拌や排出を担う部位。

3. 1rmpは1分間に360°回転が1回行われたことを示す。この回転は一般的なトラックミキサと比較して顕著に高速であることが実証されている。

---

• • _
  批評コメント批評コメント

  
  コメント投稿フォームへ

  (account deleted) 14 Jun 2019 22:22

  ＞粉砕されることで処理されます
  粉砕する　としたほうがいいかもしれません

  ＞衣服などは装備していません。
  装備ではなく、着用のほうがいいかもしれません

  Tsukiyomizuku 18 Jun 2019 13:59

  拝読しました。

  表示

  失敗体験を実体化して粉砕し、消去するミキサ…でしょうか。以下の批評はこの解釈に基づいています。

  現状ですと、UV寄りのNVです。
  人間をすりつぶすという初見の異常性はインパクトはあるものの、少し"これに人間入れたらエグいだろうな"という作者の意思が見える気がしました。ただ最後まで読んだ後では、黒歴史をミキサーでぐちゃぐちゃにしたい気持ちがわかるので、下手に変更するよりかはこのままでもいいかなと思います。
  オチについては、納得はしたもののあまり強い感情は抱きませんでした。最後の最後で急に記憶と人格が出てきて、そこを中心にオチが構成されているので、伏線が薄くバックストーリーが後付けに見えてしまっているせいかもしれません。最初は"?"と思わせて、あとで"そういうことだったのか！"と思わせるような要素を含めるとよりよくなると思います。

  aisurakuto 05 Jul 2019 17:19

  指摘ありがとうございます。
  表現については参考にして修正しました。

  + スポイラー

  特異性は「失敗したと思った瞬間に処理され、代わりが配置される」というものです。
  つまり処理される実体は本人であり、完璧でありたい本人が失態を犯した瞬間に失態をゼロにしています。

  ひとまず裏にある部分を強化し、完璧主義の要素も増やしてみました。

  最後の編集 05 Jul 2019 17:21 by aisurakuto さらに表示

  批評コメントTopへ

  - hide block

ERROR

The aisurakuto's portal does not exist.

エラー:	aisurakutoのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。

利用ガイド

1. portal:2579233 (01 Jun 2018 04:23)