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海凪氏のスマートフォンから回収されたSCP-XXX-JPの写真
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは収容サイト-8129の標準的な対現実改変機構を備えた人型実体収容コンテナHSC-3105に収容されています。コンテナに設置された2基のスクラントン現実錨 (SRA) は各月での必須の定期点検が必要であり、不具合が生じている場合は可及的速やかに交換を行ってください。点検の際はスクラントン現実錨 (SRA) の電源は必ず一方はオンラインにした上で行ってください。必要に応じて収容コンテナ内に入室する際、職員は顔と名前が判別できない装備を装着する必要があります。またSCP-XXX-JPには専門のカウンセラーによる定期的なメンタルケア・プロトコルを実施しなければなりません。
SCP-XXX-JPは常時脈拍・脳波・精神状態などが監視下に置かれており、万が一数値に大きな変化が確認された場合および現実改変を行使する兆候が確認された場合は速やかにサイト管理者へ報告してください。
説明: SCP-XXX-JPは特定条件下で行使可能な現実改変能力を有した28歳 (20██年現在) の日本人女性であり、収容以前は徳島県[編集済]町に在住する「鷺宗 椚 (Sagimune Kunugi)」という名でした。収容当時である20██年時点では24歳であり、海凪 肇 (Minagi Hajime) 氏と同棲していたことが記録されています。SCP-XXX-JPは後述する現実改変能力以外に目立った特異性はありませんが、収容経緯およびインタビュー記録における言動の傾向から、SCP-XXX-JPは境界性パーソナリティ障害 (BPD) を有しているとの指摘があります。
SCP-XXX-JPの特異性は、SCP-XXX-JP自身が認知している人物の視覚および聴覚への侵入が可能な点にあります。SCP-XXX-JPによってこれらへの侵入を試みられた人物 (以下"対象"と呼称) は、自身が見聞きした情報の全てがSCP-XXX-JPへと伝達されるようになります。対象はSCP-XXX-JPの影響を受けているという自覚はなく、影響下から解除された際に多少の疲労感を感じるだけに留まります。SCP-XXX-JPは特異性の発露中は一切の行動が不能であり、一種の休眠状態となります。休眠状態に陥ったSCP-XXX-JPは強い苦痛を感じない限りは覚醒せず、また対象の顔と名前を既に知り得ていない限りは特異性の発露には至らないものと推測されています。
回収経緯記録: SCP-XXX-JPは、[編集済]町で度々観測されていたヒューム値の異常変動の調査によって、財団がその存在を把握しました。収容当時SCP-XXX-JPは海凪氏の自宅で休眠状態であり、急行した専門回収班によって滞りなく収容され、現在に至ります。サイト-8129へ移送後、SCP-XXX-JPが覚醒した際に最も近くにいた数名の財団職員の視覚および聴覚へ侵入した形跡はありますが、それ以外に現在まで目立ったインシデントは引き起こしておらず、現在まで安定した収容が継続しています。なお、海凪氏は調査のためのインタビューを行った後、クラスA記憶処理とカバーストーリー「無関係」が適用されています。
補遺-01: インタビュー記録XXX-JP-01
インタビュー対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: 迫田博士
付記: SCP-XXX-JP収容から5日後に実施された、SCP-XXX-JPの能力発動条件を調査するためのインタビュー。SCP-XXX-JPに対しては混乱を避けるため、収容以前の本名を用いてインタビューが行われた。
<録音開始, 20██/██/██>
迫田博士: では、鷺宗椚さん。あなたがその能力に目覚めたのはいつ頃なのか、教えてくださいませんか。
SCP-XXX-JP: 知らないし答える理由もない。というか何よこの拘束、うちにこんなことして警察呼ぶよ!
迫田博士: 落ち着いてください。[迫田博士は思案した様子を見せる]…では質問を変えましょう。海凪さんについて教えてくださいませんか。
SCP-XXX-JP: は? あいつ? うちの彼氏ですけど。
迫田博士: 彼氏さんでしたか。なるほど。では海凪さんとは長い間一緒に同棲しておられたんですか。
SCP-XXX-JP: だから何だよ。別にだからといって何か悪いか?
迫田博士: そういうつもりはないのですが。
SCP-XXX-JP: そもそもなんでうちの名前やらあいつの名前やら知ってんだよ。[俯いて沈黙]…って、そうか。結局あいつのせいか。あいつか。あいつがこういうことをしろって言ったのか。そうなんだろ!
迫田博士: あいつ、というのは海凪さんのことでしょうか?
SCP-XXX-JP: そいつ以外に誰がいんだよ! わざわざあいつのためにうちがどんだけ苦労してると思ってんのか知りもしないで……恩を仇で返すとはこういうことを言うのな。
迫田博士: 恩を仇で?
SCP-XXX-JP: お前らがどういう奴かは知らないけど、あいつの肩を持つんならマジでやめとけよ。あのクズにうちがどれだけ振り回されてるか。
迫田博士: その様子ですと、何かあったのですか? 彼氏さん……海凪さんと。
SCP-XXX-JP: あいつは人の言うことも聞かずブラブラブラブラ遊びほうけてばっかりのクズ野郎だよ。料理人の道を歩みたいって言うからうちがそれを助けてあげようと思って色々相談にも乗ってやったのに……全部無碍にしやがったんよ。
迫田博士: 料理人ですか。海凪さんは料理がお好きだったのですか?
SCP-XXX-JP: とか言ってたけど、最近はまるっきり料理もしようともせずにいたわ。ついには専門学校もやめやがってさ。高い金を両親から出して貰ったくせに全部無駄にして、恥の感情もないんだよあのバカは。
迫田博士: そうなのですか。
SCP-XXX-JP: 人ごとみたいに言ってるけどお前もあいつのグルなんだろ? 分かってんだからなこっちは! どうせあの時あいつがLINEで連絡してた██とかいう奴も、お前と同じあいつのグルなんだろうな。
迫田博士: そもそも私は海凪さんとは個人的なつながりはありませんので。ふーむ。ではもう一つ質問をしましょう。海凪さんとの関係はどのようなものでしたか?
SCP-XXX-JP: なんでそういうことわざわざ聞くんだよ。あいつから聞けや。
迫田博士: 中立にどちらにもお話を伺いたいので。ご協力いただけますか。
SCP-XXX-JP: …[僅かに考え込むように沈黙]…あいつは元々は創作料理が好きでさ。よくネットに自分の作った料理の写真を上げてたんよ。まあプロレベルの巧さじゃなかったけど、頑張ればなんとかプロになれる程度のもんで。その時は普通に仲良かったし、よく話す友だち程度の間柄だったよ。
迫田博士: 付き合いだしたのはその流れでですか。
SCP-XXX-JP: もう4年くらい前になるか。自分は実はプロの料理人になりたいって言い出してさ。その時はあいつ、すげーまっすぐな目をしてたし、顔写真見たけど顔立ちもタイプで。いっそ付き合って同居して教えてやったら良いんじゃないか? とうちは思ったわけ。
迫田博士: それが始まりですか。
SCP-XXX-JP: うちこう見えて結構顔広いから、実際にプロの現場で働いてる料理人とも知り合いなもんで、コネ作らせたりとかあいつの料理をプロの███さんに見せたりとか、色々してやったんだよな。ま、全部無駄になったけどな。
迫田博士: 海凪さんが料理を作らなくなったのはいつ頃からですか?
SCP-XXX-JP: 2年くらい前。だったと思う。詳しいことは覚えてないけど。その頃くらいから徐々に料理作らなくなっていったし、時々あいつよそよそしい態度取るようになってさ。まさか浮気? とか思ったけど、あいつに限ってそういうのもないだろうと思ってた。
迫田博士: 海凪さんは浮気を?
SCP-XXX-JP: って思うだろ。実際はそんなんすらヌルいくらいのことをあいつはやってた。
迫田博士: ふむ。
SCP-XXX-JP: あいつがうちに隠れて、LINEで友だちに陰口吐いてたのを見たんだよ。信じられんわ。うちがあいつのためにプロの人まで紹介してやったのにさ。ありえねーだろ。
迫田博士: それはどうやって確認を?
SCP-XXX-JP: うちはあいつの事なら全部お見通しだからさ。名前も顔も付き合う前から知ってたし、あいつの行動も言動もぜーんぶうちは分かるんだよ。だからあいつが嘘をついたとしてもバレバレなわけ。
迫田博士: なるほど。顔と名前さえ知っていれば誰でも分かるんですか。
SCP-XXX-JP: 多分な。数えるくらいしかやったことないから分からないけど。でもうちの家系ってそういう変な力持った人が多かったらしくてさ。行方知れずになったお母さんもうちとは別で何か力持ってたらしい。
迫田博士: ほう、母について伺っても?
SCP-XXX-JP: 知らん。うちがチビの頃によく殴られたり蹴られたりしたことしか覚えてないし。ある時からは施設で過ごしたしな。って、うちの家族のことなんてどうでもいーだろ。
迫田博士: ああ、いやすみません。では、付き合い始めてから、いえ、海凪さんの本名などを知ってからはよくそのようにして情報を引き出していたんですか?
SCP-XXX-JP: うちに嘘をつくようなことがあったら毎回カマかけて問い詰めたりするくらいにはな。
迫田博士: では度々海凪さんには注意などを?
SCP-XXX-JP: そりゃ当然。お前も嘘つくような奴に何かしてやろうとか思わないでしょ? 当たり前のことをしてるだけよ、うち。
迫田博士: なるほど。確かに言われてみればそうですね。
SCP-XXX-JP: まあ、あの一件からさすがにうちもカチンと来て、三日三晩怒鳴り散らしたりしたけど、あれは後になってちょっと後悔してるかもしれない。あとで謝り倒したけど。なんだかんだ言って、今もうちあいつのこと好きだから。
迫田博士: 鷺宗さんは海凪さんを愛しているんですね。
SCP-XXX-JP: あいつバカだけど可愛げがあるにはあるからさ。その分マジで裏切られた気分になったけど。TwitterもLINEも裏アカ持ってるっぽくてそこにも愚痴言ってたっぽいし。酷いよな。
迫田博士: そうですね。
SCP-XXX-JP: そうですね、じゃねーよ。ここまでの話聞いてお前は何も思わなかったのか? それでもあいつに肩入れするのか? どうなんだよそこら辺さ!
迫田博士: あくまでも我々は中立な立場ですので、それについてはお答えしかねます。どちらに肩を入れるというわけではなく、あくまでお話を伺いたかっただけです。
SCP-XXX-JP: あっそ。じゃあ早く帰してくれる? お前ら警察じゃないのは知ってるから。マジでこのままなら訴えるからな!
迫田博士: そうですか。では本日のインタビューは終了とします。ありがとうございました、鷺宗さん。
<録音終了, 20██/██/██>
記録終了報告: SCP-XXX-JPはその後しばらく興奮状態に陥り、周囲の職員を罵りながら暴れたため、取り押さえた上で鎮静剤が投与された。SCP-XXX-JPの現実改変能力はあくまで顔と名前を知っている必要があることが判明した。実際に翌日にDクラス職員を用いた実験では証言の通りの結果が得られたため、SCP-XXX-JPは虚偽の証言をしていないと思われる。なお、SCP-XXX-JPの家系については本人がほとんど記憶していないこと等から、近いうちに現地調査を実行する必要があるだろう。 - 迫田博士
補遺-02: インタビュー記録XXX-JP-02
インタビュー対象: 海凪 肇
インタビュアー: 迫田博士
付記: SCP-XXX-JPへのインタビュー後に行った、SCP-XXX-JPの能力を受けた際の調査のためのインタビュー。海凪氏にはカバーストーリー「警察による取り調べ」「行方不明事件発生」が適用されている。
<録音開始, 20██/██/██>
迫田博士: ご協力ありがとうございます、海凪さん。
海凪氏: いえいえ、何度も連絡を頂いたのに都合が合わずすみません。
迫田博士: ははは、お構いなく。さて、早速本題に移らせていただきたいのですが。
海凪氏: 椚のことですよね。
迫田博士: ええ。彼女について、いくつかお伺いしたいことがありまして。
海凪氏: あー、はい。僕が答えられる範囲であれば。
迫田博士: ありがとうございます。では、あなたは彼女と、鷺宗さんと同居生活を営んでいて、違和感などは感じたことは?
海凪氏: 違和感、ですか…[考え込むように俯く]…そうですね。まあ、毎日が違和感というか、酷い生活でしたので、特に何か気になったこととかは。
迫田博士: ふむ。なるほど。
海凪氏: といっても、絶対におかしいと思ってたことは最初からありました。椚は……なぜか僕の一挙一動を全部把握してるんです。
迫田博士: といいますと?
海凪氏: そ、そのまんまの意味です。椚は僕と付き合い始めてから、それこそネット上での関係だった頃から、時々僕のリアルでの言動などをそのまま聞いたかのように繰り返したりしてまして。そういった不自然さが、その……。
迫田博士: とても怖かった、と。
海凪氏: [俯きながら、静かに頷く]
迫田博士: なるほど。確かにそれは変なことですね。
海凪氏: だから、僕は最初そのことについて聞いたんです。「どうして僕のことが分かるの?」って。そしたら、椚は僕に「お前が嘘つきだから全部お見通しだ」と。僕、本当に意味が分からなくて。
迫田博士: 嘘をついたりしたことが全部筒抜けだった、と?
海凪氏: 嘘なんてそんなの、僕はただプライベートの事をとやかく聞かれるのが嫌で、少しはぐらかしただけです。
迫田博士: そうなのですか。
海凪氏: はい…[数秒の沈黙]…元々はとてもいい人だと思ってたんですが、関わっていくうちにどんどん僕との距離が詰まっていった感じはします。僕が創作料理が好きで、よくTwitterに上げたりとかしてたんですけどね、その関係で繋がった人だったんです。
迫田博士: ふむ。
海凪氏: そういうことが続いて、僕は何度か椚と縁を切ろうとしました。けど、できなかった。
迫田博士: どうしてですか?
海凪氏: その、僕が椚に本名や顔写真送ったからなのかもしれませんが、それらを教えた時から、さっき言ったような異変が立て続けに起こって……それで、椚から問い詰められることも多くなりまして。うっかりそういう情報を送ったせいで、もしかしたらストーキングされてるんじゃないかって、怖くなった。
迫田博士: なるほど。その時には警察などには相談はしなかったのですか?
海凪氏: その、相談なんて、僕には到底出来ませんでした。なぜならそういうことをしようとすると、決まって椚から電話が掛かってきたりしたので。…[数秒の沈黙]…というかそもそも、いや今もなんですが、もしかすると僕が全部悪いんじゃないか、って、そう思っているんです。だから、椚が悪者になるようなことは、僕は決して言えなかった。いえ、言えなくなってたんです。
迫田博士: ふむ、それはどうして?
海凪氏: 僕はさっき言ったように、元々は創作料理が好きだったんですね。それであの当時、将来はプロの料理人になれれば良いな、って思ってたんですが。ぶっちゃけ、本気じゃなかった。実現できるか分からない夢でしたし、趣味は趣味の範囲で収めておく方が良いだろうな、と。そう思ってたんです。
迫田博士: 鷺宗さんと関わりを持ったのはそういった思いを持っていた頃の話ですか。
海凪氏: そう、ですね。そのくらいの頃です。本名とか色々教えたのも、僕がプロの料理人を目指すという夢を実現するのを椚が手伝ってくれる、と言ってたからで。僕が料理の専門学校に進学できたのも、椚が応援してくれたからなんですよね。
迫田博士: ああ、そうなんですね。
海凪氏: はい。僕はそもそもプロになれるとは思っていませんでしたし、だけど実際に仕事に出来たら絶対良いだろうな、と漠然と思ってただけでしたが。でも、椚に応援されたお陰で進学を決意できたので、そこはとても感謝してるんです。
迫田博士: それも長くは続かなかったのですか。
海凪氏: そうですね。進学と同時に椚とは同居したんですが、これも僕はかなりどうなるか不安でした。何かある度に癇癪を起こしたようにキレ散らかすような人と同居なんて、どうかしてるんじゃないかって。自分でも思うところはありましたが。けれど結局それを口にするのも怖かった。
迫田博士: だから渋々付き合い始めたんですね。
海凪氏: そんな感じです。僕自身の優柔不断さと心の弱さが原因なのかもしれません。
迫田博士: その後はどうなりましたか?
海凪氏: 同居してからは、椚の知人の料理人、███さんっていう方なんですけど、その人を紹介して貰ったり、作った料理の批評をして貰ったり、色々です。まあ、それ以外にも椚とは色々、その、あったんですが。
迫田博士: 差し支えなければ伺っても?
海凪氏: [震えた声になりながら、首を振って]…すみません。
迫田博士: ああ、これは失礼なことを。
海凪氏: いえ、いいんです。それもこれも、僕がバカだから起きた事です。椚の言うようにしていれば良かったのに、僕はそれをしなかった。結局堪えきれずに、知人に助けを求めようとした。椚が一番怒るようなことをした僕が悪いんです。
迫田博士: 海凪さんは相当苦しい思いをされたのですね。心中お察しいたします。
海凪氏: 椚はいつも言っていました。「今苦しい思いをしてるのは全部お前のためを思って私がやってることだ」「お前がプロの料理人になりたいって言うから全面協力してやってるんだ」と。だから、相談したことが椚に筒抜けになった時は、僕は下手したら殺されるんじゃないかって思いました。いや、それだけに足りることをしたんだろうなって。
迫田博士: 実際に喧嘩を?
海凪氏: 包丁を突き立てられました。
迫田博士: なんと。
海凪氏: それからは、僕は無視されたり、寝ようとしても寝させてくれなかったり、意味も分からず殴られたり蹴られたりされました。でも、それでも椚が悪いとは思えなかった。
迫田博士: [迫田博士はは静かに話を聞きつつ、時折メモを取るなどしている]
海凪氏: そういうことが続いて、僕は次第に料理をすること自体に意義を見いだせなくなった。そしていつしか、僕は料理を作るということすらしなくなりました。椚が失踪した今でさえ、僕はその気になることはあまりありません。多分、椚が戻らなかったとしても、この気持ちは失われることはないでしょう。今や僕は専門学校を中退したフリーターのクズですから。ははは……。
迫田博士: なるほど。鷺宗さんとの関わりは相当大変だったと、お察しいたします。お話しくださりありがとうございます。では最後に1つ良いでしょうか?
海凪氏: ええと、なんでしょう?
迫田博士: 鷺宗さんの家族などについて、何かお話は聞いておりませんか?
海凪氏: 家族、ですか? うーん、椚はあまり自分の家族については話したがらない感じでしたが……あ、でも。確か名家出身だって自慢してきたことはあります。なんでしたっけ、名字が独特なので印象には残っているんですが。
迫田博士: ふむ、ゆっくりで良いですよ。
海凪氏: いえ、あと少しで思い出せるんですが…[思案している様子]…ああ、思い出しました!
迫田博士: おや。
海凪氏: 確か、「日奉」という名字だと、椚から聞きましたね。自慢こそしてきましたけど、本人はあまり気に入ってない様子でもありましたが。
迫田博士: 日奉……なるほど、ありがとうございます。では、本日のインタビューは終了とします。長い間ご協力頂き感謝いたします。
<録音終了, 20██/██/██>
記録終了報告: 海凪氏とのインタビューの結果、海凪氏はSCP-XXX-JPからDVを受けていたとも取れる状況に置かれていたことが見て取れる。またSCP-XXX-JPは過去にSCPオブジェクトとして収容されている「日奉」姓を持つ人物と関連を持っている可能性が浮上。SCP-XXX-JPがかつて入所していた児童養護施設の記録を早急に調査する必要があるだろう。 - 迫田博士
補遺-03: 20██/██/█の海凪氏へのインタビュー以降、SCP-XXX-JPは収容コンテナ内で常に海凪氏に対し暴言とも取れる言葉を繰り返しており、また定期的に自身の異常性を発露させている様子が観測されています。SCP-XXX-JPのストレス値は常に危険な状態にあり、自傷行為や摂食障害も見られるため、以降SCP-XXX-JPに対してはメンタルケア・プロトコルが適用されています。
補遺-04: 20██/█/██、SCP-XXX-JPの家系および「日奉」姓を持つ人物との関係性の調査を目的として、[編集済]町の児童養護施設「[編集済]」および児童相談所のデータを接収しました。その結果、SCP-XXX-JPは過去にSCP-XXX-JPの母親と推測される「日奉 栲 (Isanagi Tae)」から虐待を受けていたとして[編集済]町の児童相談所に保護されており、後に当該施設へ預けられたとの記録が発見されました。SCP-XXX-JPが収容当時、戸籍上「鷺宗」姓となっていた理由についてはSCP-XXX-JP自身が説明を拒否しているため不明です。
日奉 栲に関しての調査も継続して行われましたが、20██年以降行方不明となっており、日奉一族の本家の流れを汲む人物である可能性が示唆されている以外はほとんど判明していません。
画像出典元: Lively (via WeixChang) © 2011 WeixChang under CC-BY-SA 2.0 license.
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2577572 (14 Jul 2020 12:54)
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