[[tab 咬冴隊員の人事ファイル]]

サイト-8115近郊の沿岸部で撮影された咬冴隊員
名前: 咬冴 舞波 (コウガ マナ)
性別: 女性
誕生日: 11月27日(出生年は推定████年)
セキュリティクリアランスレベル: 1
職員クラス: Class C
役職: 機動部隊さ-21("噛み殺し")隊員
所在: サイト-8148併設警備施設
基本業務: 要注意団体「サメ殴りセンター」の壊滅
人物: 咬冴隊員は████年█月██日にSCP-491-SHKとしてサイト-8148に収容され、その後財団職員として雇用された、体組織のほとんどがホオジロザメ(Carcharodon carcharias)のもので構成されている推定12歳の女性です。
咬冴隊員は財団が雇用し新規IDが発行されるまでの間は自身をニーフォ=ママナ1と名乗り、サミオマリエ2人であると主張していました。当初より財団による収容には非常に協力的であったこと、その後の収容済人型実体定例人事検証査定にて、財団の運営に有用な人材であることが認められ、忠誠度テストでも高い値を示したことから当時のSCP-491-SHK管理担当であった嶽柳主任研究員により「咬冴 舞波」と命名され、雇用されるに至りました。
咬冴隊員は財団による雇用以前は南太平洋・サモア独立国近郊の海域(-8.68████, -176.02████)に存在していたとされる"サミオマリエ共和国"で出生し、ながらくそこで過ごしていたと主張しています。財団による現地調査の結果、当該座標の海底には岩やサンゴを建材とした都市が形成されていたことが判明しています。なお、これらの都市はことごとく破壊されており、多数のホオジロザメの形質を有した人型実体の死骸が存在していました。これらはすべて財団によって隠蔽処理されているため、当該地点は正常な海底の状態となっています。
咬冴隊員の主張する経緯によると、サミオマリエ共和国は当該海域にて、人類と大きく関わる事なく存在していた平和な国家であったとされ、GoI-18153("サメ殴りセンター")による急襲を受け両親を含むほぼすべての国民が殺害されたとされています。咬冴隊員は幸運にもサメ殴りセンターの攻撃を回避し脱出の後、当時近海を航行中であったSCPSつきあかりと接触する形で財団に回収・保護されました。
上記の経緯のため、咬冴隊員はサメ殴りセンターに対し復讐心を抱いており、財団による雇用が決定した際は「要注意団体を壊滅させられる部署に入れて欲しい」と強く主張していたこと、機動部隊標準戦闘訓練でも良好な成績を打ち出していたことから、要注意団体壊滅作戦専門の部隊である機動部隊さ-21("噛み殺し")の隊員として配属されました。
ウチのおとんもおかんも、SPCの連中に殴られてアタマを吹っ飛ばされるのを間近で見てたんよ……あの瞬間は絶対忘れられへん。「逃げろ」って叫んだおとんの声かて、ウチのアタマの中でずっと反響しとる。絶対許されへんな、あいつらにも同じ末路を辿らせてやりたいわ! - 咬冴隊員
咬冴隊員は知識欲に富んでおり、財団がSCP-491-SHKとして咬冴隊員を収容していた時期に日本語教育テストを実施した際もわずか4ヶ月でほぼ完全な日本語を学習するに至りました。しかし担当者の嶽柳主任研究員が関西出身であったこと、関西弁での会話や教育が行われたことを起因とし、基本的に咬冴隊員は関西弁で日本語を話します。その他サミオマリエ共和国の公用語とされていたサモア語が母国語であったことから、回収当時の意思疎通は困難を極めました。
咬冴隊員は基本的にサメの形質を有している事から、変温動物ゆえに冬場や冷たい水中での活動は苦手であり、低温度環境下では反応が鈍感になります。陸上で活動する場合は腹部を露出した簡易的な水着を好んで着ているほか、嶽柳主任研究員の常用している白衣を特に好んで身につけている様子が観察されています3。嶽柳主任研究員はこの行動を快く思っておらず、頻繁に"説教"や"お仕置き"と称して咬冴隊員の鼻先4を痛めつけているようです。
いい加減ウチの白衣返してくれへんかなあ、仕事で必要やからアンタに着られてると何もでけへんねんけど! - 嶽柳主任研究員
ええやんべつに……ウチはタケナギの白衣好きやもん! 着やすいしなんかぬくくて気持ちええし! - 咬冴隊員
ほんまアホ言うてたらええ加減しばくで! 鼻パーンすんで!? [咬冴隊員の鼻先を強くつまむ] - 嶽柳主任研究員
ひあっ……そ、それやるんほんま堪忍やって、いでででっ! ほんまに鼻は弱いからやめてやぁっ!! - 咬冴隊員
咬冴隊員は基本的に食性はホオジロザメと同様、一般的な海洋に生息する魚類を食します。丸々生でかじり食べることもありますが、調理したものを提供すると強い喜びの意を示します。咬冴隊員の口腔に備わる歯は非常に鋭く、少し掠めるだけでも大怪我となるため注意が必要です。なお、咬冴隊員は歯の手入れは欠かさず、頻繁に歯磨きを行っていることが報告されています。
ウチの歯の綺麗さは自身あるんやで? サミオマリエにいた頃からよく回りの友だちにも褒められてなぁ……はぁ、でももう、そういうことも無くなったんやな……。絶対許さへんからな、SPC……。 - 咬冴隊員
補遺: 最近、咬冴隊員に対する複数のハラスメント、もしくはそれに該当しかねない行為が財団倫理委員会に報告されています。以下に示すリストは、咬冴隊員に対して実施してはいけない行為について記したリストです。違反した人物は罰則として最大で降格処分が下されます。
咬冴隊員と他職員との会話事例記録(抜粋)
会話事例記録-002:
うんうん、やっぱりこのお店のマグロ刺身は美味しいのだ。オイラが奮発して注文して正解だったのだ! - 福路捜索部隊長
せやなぁ。ウチかてこんな美味しい魚を食べたんは久しぶりやわ。ありがとうな、フクロ。 - 咬冴隊員
え? あ、あはは……そんな、手を握って言うほどのことじゃないのだ! そんな、ワシ、照れちゃうのだ……。 - 福路捜索部隊長
お礼に今度、フクロが好きなもんをウチが作るなりなんなりしたるよ。ほんまありがとうなぁ……。最近ほんまに魚食べてなかったからな……。 - 咬冴隊員
[咬冴隊員が泣く]
そ、そんな! 大丈夫なのか?! え、えっと、その……! - 福路捜索部隊長
会話事例記録-010:
うん、大丈夫そうですね。……っていうか、本来は普通の動物にしか診察しないんですが。 - 千原獣医師
そ、その、たまたまこのサイトで倒れてしもうたもんやから、頼れる人がチハラさんしかおらんかったんですよ。ほんますみません……。 - 咬冴隊員
定期的に海に浸かるくらいがいいんじゃないですかね。肌が乾燥してたのが原因じゃないかと……。 - 千原獣医師
にゃーん。 - AO-████
ん、この子は……? - 咬冴隊員
ああ、うちのリョウですよ。かわいいでしょう? ちょっとなら撫でてもいいですよ。 - 千原獣医師
ネコ、っていうんやっけ? ウチが住んでたの海の底やから、陸の生物よう知らへんくて。 - 咬冴隊員
[咬冴隊員がAO-████をそっと撫でる]
フゥーーーーッ!![威嚇しながら咬冴隊員をひっかく] - AO-████
いだだだだっ!! ちょっとなにするんやっ……!? - 咬冴隊員
あぁ……そうですよね。鮫肌でゾリゾリされればそりゃあ嫌がりますね。もう触らないでと言ってます、リョウ。 - 千原獣医師
そういうんは、もっと早う言うてーな……。 - 咬冴隊員
会話事例記録-018:
そういえば咬冴は関西出身なん? ボクと同じ関西弁しゃべりよるし、ちょい気になってんけど。 - エージェント・カナヘビ
え? ええっと、ウチは別に関西ってところの生まれやないですよ。サミオマリエ共和国っていう国ですね。このしゃべりはウチをようしてくれとるタケナギが教えてくれた日本語ですよ。 - 咬冴隊員
そうなんか……うん? 外国出身? っちゅーことは英語とか話せるんかいな? - エージェント・カナヘビ
[サモア語で自己紹介している] - 咬冴隊員
へっ!? あ、あぁ……ええっと、お、オーケーオーケー! ユーオーケー! - エージェント・カナヘビ
[サモア語で続けて]……あ、あれ? ちゃんと伝わってなかったかな……カナヘビさん、私の言うことが分かりますか? なんかすごく焦っているみたいですけど……。 - 咬冴隊員
[狼狽] - エージェント・カナヘビ
会話事例記録-021:
ふむ、つまりは"サメが悪役として描かれる作品"が気に食わない、と。なるほど。 - しぃカウンセラー
せやねん! なんで人間はみんなサメをそういう目で見とるのか、ウチにはどうも納得でけへんねん! ウチはどっちか言うたら被害者側やのに……! タケナギと見てていつも思うねん! - 咬冴隊員
まぁ、あなた個人はともかく、そういう傾向などは確かにあるにはあるかもですね。ところで、それってどんな作品だったんですか? - しぃカウンセラー
え? うーんと、せやなぁ。『シャークネード』『ダブルヘッド・ジョーズ』『トリプルヘッド・ジョーズ』『プラネット オブ ザ シャークス 鮫の惑星』『デビル・シャーク』……そんであとはー……。 - 咬冴隊員
……またよりによってそういう方面のにドハマリしているんですね……。 - しぃカウンセラー
会話事例記録-036:
川獺丸従業員による筆談:
わたしの とっておいた サーモンのお刺身が……。 - 川獺丸従業員ん? あれ? これってカワウソマルのやつやった? あぅ、ご、ごめ……ウチ、気付かんと食べてしもた……。 - 咬冴隊員
川獺丸従業員による筆談:
きょうのゆいいつの たのしみが…………。 - 川獺丸従業員[川獺丸従業員が部屋の隅で噎び泣く]
あわわわ……そ、その、ホンマごめんって……ウチが悪かったから、そんな泣かんとってーな……。 - 咬冴隊員
会話事例記録-037:
あん時お前を回収したはよかったが、本当に意思疎通は出来なくて困ったもんだったよなぁ? - エージェント・浮舟
せやなー。今はちゃんと言葉を覚えとるけどな。でもな、ウチ思うんやけど、サモア語を話せる職員、この組織少なすぎなのも問題やないかな。 - 咬冴隊員
言われてみりゃ確かにそうかも知れねぇ。かくいう俺も日本語しか喋れねえからな……むしろよく覚えたもんだよな、咬冴? - エージェント・浮舟
サモア語は日本語より簡単や思うで? だいたい言葉覚えたらどの言語かてしゃべれるもんやし……せや! ウキブネにサモア語教えたろかな! なぁちょっとこっちの部屋きてや! - 咬冴隊員
えっ、そ、それはちょっと……間に合ってるかな……。 - エージェント・浮舟
何事も挑戦やって! 言葉を覚えるだけやん、騙された思うてちょい勉強しようや、なぁなぁ、ええやろ? なぁ~……?[懇願の眼差しを向ける] - 咬冴隊員
んあー、もうしょうがねぇなぁ……ちょ、ちょっとだけだからな? そんなに言われちゃ断れねぇよ……。 - エージェント・浮舟
会話事例記録-041:
おいコラ! まだ10回も達成してないだろ、腕を休めるな! その程度でへこたれてりゃ実戦に出てもSPC共にすぐに殴り殺されるぞ! - 三峰隊長
ひぃっ……う、腕立て伏せ1000回3セットを毎日、やなんて、そないに……ウチみたいな魚類にはかなわんって……ひぃ、ひぃ……。[苦しそうにうつ伏せになって項垂れている] - 咬冴隊員
俺達は毎日どころか毎時間だって訓練を怠りはしねぇ。SPCに挑むために特訓を頼み込んだのは、咬冴隊員自身なんだ、手は抜かねぇぞ。 - 三峰隊長
せ、せや、せやけど……っ! で、でも、せめて……ちょいと海水に……炎天下でこないに長い間特訓は、ウチにはキツすぎるわ……っ。 - 咬冴隊員
[ため息]……しょうがねぇな。ちょっと休憩するが、すぐに特訓は続けるからな。気を引き締めろ。 - 三峰隊長
や、やったー!! [すぐに立ち上がる] ほんまありがとうな、ミツミネ隊長! [近場の海岸に水着を脱いで飛び込む]……ぷはぁ~~っ! 生き返るなぁ~~~!! - 咬冴隊員
まったく、現金なやつだ。 - 三峰隊長
会話事例記録-041:
も、もう大丈夫やって……そないに心配してくれるんは嬉しいけど、さすがに毎日3回も4回も容態を聞かんでもやな……。 - 咬冴隊員
何を言ってるのさ。サミオマリエ人なんて珍しい人種?なんだから、薬剤の合う合わないは特に注意しないとダメだよ! それで、あれから気分が悪くなったりしてない? 変な感じとかしてない? - 緑山薬剤師
せやから、そないグイグイ来んとってってば! そもそもウチはなんの薬処方されたんや!? そこまで気にかけなアカンほど強い薬なん!? - 咬冴隊員
そんなの当然のこと。どんなものでも身体の相性ってあるものだからね。 - 緑山薬剤師
そない言うんやったらなんの薬やったんやアレ……。 - 咬冴隊員
ビタミン剤。 - 緑山薬剤師
ほぼ薬ですらないやんか!! - 咬冴隊員
会話事例記録-056:
ウチ、タカイたちが言うようなモンやないよ。確かにサメやけど、そもそもサメっていうかサミオマリエ人はアンタたちの言うような"ケモノ"やないし。 - 咬冴隊員
フム、そうカモ知れませんネ。でも咬冴隊員は事実、ワタシが見ても十分カワイイですシ、ケモノに入れても問題無いカナと思ってマスネ。[セーラー服を手に持って] - 鷹井研究員
そうそう。鷹井くんの言うとおりよ。咬冴ちゃんは可愛い。可愛い動物ならケモノ。当たり前の解釈だと思うよ?[メイド服を手に持って] - エージェント・斑座
ええ、当然ですとも。もっとご自分の魅力に気付いてアピールしていくべきですよ! さあ、是非これを纏ってみてください![バニーガールの服を手に持って] - 神鳥研究員
……あ、あのさ。なんでそないに変な服を手に持っとるん……?[何かを察して後ずさる] - 咬冴隊員
まぁまぁ、そう言わず。ちょっとこっちへ来てみて欲しいな~? お願い! - エージェント・斑座
ちょ、ちょっと待ってや、なんでそんな寄って……っていつの間に囲まれて……や、やめっちょ、あぁぁぁっ!!! - 咬冴隊員
[3名は咬冴隊員を押さえつける]
[咬冴隊員の恥ずかしげな悲鳴]
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財団指定要注意特異国家3816に関する調査情報
警告: 以下のファイルはレベル4/491-SHK特別機密指定情報です
このファイルにレベル4/491-SHK権限による認証、もしくは特別機密指定解除権限を有さない人員による認証無しで行われるアクセス試行は記録され、即時懲戒処分の対象となります。
NoI-3816の国旗。三角の図形で構成されたシルエットは、信仰するメガロドンとSCP-491-SHKとの共通性とつながりを示す。
指定ID: NoI-3816-D
ネーションクラス: Downfall
一般名称: サミオマリエ共和国(Republic of Sami o malie)
建国時期: 不明(およそ2000年前と推定)
国民人種: SCP-491-SHK("サミオマリエ人")
主権: スイ・マタゴフィエ(Sui Matagofie)大統領
公用語: サモア語
国民総数: 不明
首都: ロロト(Loloto5)
宗教: メガロドン信仰(具体的情報は不明)
概要: NoI-3816("サミオマリエ共和国")は、19██年に財団によってその存在が確認された、"サミオマリエ人"を自称する後述の異常存在(SCP-491-SHKと呼称)により構成される国家の1つです。
NoI-3816は南太平洋・サモア独立国近郊の海域(-8.68████, -176.02████)の海底およそ███km2の範囲を領土であると主張しており、正規の方法をとらずその範囲内にSCP-491-SHK以外の存在が侵入した場合、敵対的態度を示し排除行動に出ます。現在までNoI-3816との交渉は正規の方法で"交易"することでコミュニケーションを取ることには成功しており、人類を含む他の国家や存在に対する危害は加えるつもりはないと主張しています。なお、NoI-3816は財団が指定するSCP-491-SHK関連特別収容プロトコルに基づき保護されており、一般人によるNoI-3816への接触は制限されています。
国民: NoI-3816を構成する国民は、SCP-491-SHKに指定されています。SCP-491-SHKは体組織のほとんどがホオジロザメ(Carcharodon carcharias)のもので構成されている知能種族の一種であり、解剖学的結果により哺乳動物に近似した形質も有していることが判明しています。
食性は肉食であり、近辺を泳いでいる魚を捕獲して摂食している例が多数報告されていますが、海藻を採取して摂食している場合もあるため、完全な肉食ではない可能性があります。基本的に生涯にわたって海中で活動し続けますが、地上での活動も問題無く行えることがいくつかの検証の結果分かっています。
文化・宗教: SCP-491-SHKは"メガロドン信仰"と呼ばれる信仰心を有しており、NoI-3816に居住するあらゆるSCP-491-SHKは基本的にこの信仰に基づいて行動します。"メガロドン信仰"とは文字通り、およそ2300万年前~150万年前に生息していたメガロドン(Carcharocles megalodon)を信仰することを中核とした宗教であると考えられ、SCP-491-SHKは"メガロドンのような強く大きくたくましい生き方をすること"を一様に目指しているとされていますが、詳細についてはほとんど判明していません。
なお、基本的にSCP-491-SHKは普段の生活から衣類などを身につけることはせず全裸で生活していますが、一部軍隊や危険な作業をするSCP-491-SHKは限定的に防護のためのアーマーや布地を纏うことがあります。
経済: NoI-3816は先進諸国と比較すると原始的な国家であり、一種の遊牧民的な生活様式を取っています。目立った経済活動は行われず、通貨の存在もほとんどなく6、多くが物々交換によって賄われているほか、労働の対価はたいていの場合は食料で賄われているものと思われます。
その他: 首都であるロロト付近は岩やサンゴをくりぬく、組み合わせるなどをした居住可能な住宅や店舗が見られるほか、政府機能を有していると考えられる建造物も存在しており、多くのSCP-491-SHKがロロト近辺に存在します。大半のSCP-491-SHKはこの地で誕生し、教育を受けて労役につきますが、先述のように遊牧民的生活を行うSCP-491-SHKも少なくはありません。NoI-3816は夜間はウミホタル(Vargula hilgendorfii)7を利用した照明器具が用いられているため、特にロロト近辺の町並みは非常に幻想的な様相を呈します。
財団との関係: 敵対していません。発見当初、接触方法が確立する以前に3名のエージェントが探査に試みた際、NoI-3816を防衛するSCP-491-SHK4体に捕獲され、強制的に海上へ浮上させられたことがあります。その後数度同様に送り込んだ際に財団に対し警告と正規の交易手順を示したため、それに基づいた交易が実施されています。上記情報のほとんどはその結果として判明したものです。
補遺-インシデント-491.01: 20██年█月██日、NoI-3816からおよそ10km離れた地点に複数の武装した軍隊が突如出現し、NoI-3816に攻撃を開始しました。軍隊を構成する人員は現場からの報告によると、GoI-18153("サメ殴りセンター")のものと思われる意匠が組み込まれた未知のアーマーを身につけており、NoI-3816に居住するSCP-491-SHKの多くを殴殺したとされています。SCP-491-SHKによる反撃はその一切が効果を見せず、担当職員からの報告では"一方的な殺戮だった"と説明されています。要請により財団機動部隊さ-21("噛み殺し")が配備され、GoI-18153の排除を実施しましたが、財団が配備した兵器の大半がGoI-18153による不明な攻撃により無効化されたことで全て失敗に終わりました。
攻撃開始から34時間後、GoI-18153の軍隊はSCP-491-SHKの大半を殺害のうえ、財団が最大限保護・退避を実施していたSCP-491-SHK個体も追撃により殺害した後撤退、財団による追跡もむなしく消失しました。この一連のインシデントにより財団職員2名が死亡、34名が重軽傷を負ったほか、財団保有艦船4隻(SCPSまきしま、SCPSとばり、SCPSほうらい、SCPSたかご)が大破しました。
生存したSCP-491-SHKは1体のみであり、GoI-18153の排撃作戦には参加せず、当時別件でSCPオブジェクトを追跡していたSCPSつきあかりに発見・回収される形で保護されています。当該SCP-491-SHK個体は細心の注意を払いサイト-8148へ移送されており、規定の人型実体収容プロトコルに基づいて収容されました。
なお、NoI-3816は一連のインシデントによって国家としての状態を維持できないものと判断されたことにより、ネーションクラスがDownfallに再指定されました。
補遺-カバーストーリー-491.02: 現在保護されているSCP-491-SHK個体が20██年█月██日付で財団職員"咬冴舞波"として雇用されるにあたり、上記情報の開示レベルは全てレベル4/491-SHK特別機密指定に指定されました。レベル4/491-SHKクリアランスを有さない人員による情報閲覧は全て制限されます。"咬冴舞波"に対する同情報の開示も、精神的負担および忠誠度・士気の低下を防止する観点から禁止されます。
"咬冴舞波"にはカバーストーリー「財団は無関係」が適用され、NoI-3816と財団との間に関係性は一切無かったという事実を流布してください。万が一"咬冴舞波"に対し情報漏洩の疑いが見られた場合はただちにクラスB記憶処理を実施し、同様のカバーストーリーを流布してください。
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PoI-3301("ギル将軍")に関する調査情報
警告: 以下のファイルはレベル4/491-SHK特別機密指定情報です
このファイルにレベル4/491-SHK権限による認証、もしくは特別機密指定解除権限を有さない人員による認証無しで行われるアクセス試行は記録され、即時懲戒処分の対象となります。
要注意人物記録: PoI-3301
PoI-3301("ギル将軍")の近影、19██年撮影。
名前: ギル将軍(General Gill)
識別ID: PoI-3301
確認されているその他の呼称: 軟骨嬲り, 殴打の王者 など
所属: GoI-18153("サメ殴りセンター") 南太平洋支局統括
性別: 男性
生年月日: 19██年7月9日 (52歳)
財団との関係: 中立 (限定的)
関連人物: SCP-491-SHK(現: 咬冴隊員)
概要: ギル将軍は、GoI-18153 "サメ殴りセンター" 南太平洋支局の統括を務めていると考えられるポリネシア系メキシコ人の人物です。その活動は19██年から確認されており、活動当初より組織理念である "サメを殴ること" に対し異常なほどの執着を見せていました。
ギル将軍は確認されているだけでも複数件の財団との戦闘を経験しており、実際に数度の致命傷を与えた記録があるにもかかわらず幾度となく生還しています。ギル将軍は財団機動部隊や艦船などへの直接の攻撃や興味を示した例はほとんどなく、興味を示す例ではほとんどの場合財団がサメ系オブジェクトの収容に関係していた際のみです。
ギル将軍はこれまで複数のサメ系オブジェクトに対して攻撃しており、それらは財団が関与しているしていないにかかわらず██回にのぼります。しかしながら、ギル将軍はこれまでほとんどの例において "サメを殴り殺した" 例はなく、後述のインシデント-491.01への関与が判明した際の記録に基づいた結果、ギル将軍は "サメを殺す" ことは目的としていない可能性があります。その実例としてギル将軍は海洋生物保護のために活動する非営利団体に対し多額の寄付を行ったり、海洋汚染によりサメの生育環境が破壊される可能性があった際は強い警告を発するなど、サメの保護のために活動している例も散見されます。
このような行動とギル将軍自身の粗暴な性格もあり、サメ殴りセンター内部での評価は高いものではないとされていますが、同時にギル将軍に同調する意見を持つ構成員も複数人確認されており、サメ殴りセンター内部での派閥発生の一端を担っている可能性を示唆しています。
補遺-01: インシデント-491.01への関与: ファイル "財団指定要注意特異国家3816" に記録されているNoI-3816-D "サミオマリエ共和国" へのサメ殴りセンターによる壊滅的攻撃作戦において、ギル将軍が作戦指揮を執っていたという情報が潜入エージェントからもたらされた情報により判明しました。
記録によると、ギル将軍は同作戦を "特殊殴打兵装「P-8888(パンチ・クアドラプルエイト)」実地テスト" と称しており、サメ殴りセンター殴打兵器開発部門からの装備のテスト運用を目的として、複数の小隊を組んでサミオマリエ共和国への攻撃を行ったとされています。しかし作戦自体は "失敗" と定義されており、「P-8888」の開発は当面の間凍結される事となった点は留意すべきです。
ギル将軍はいくつかの内部証言から同作戦での失敗を非常に後悔しており、「二度とこのような事態は引き起こしてはならない」とサメ殴りセンター内部にて強く訴えていることが判明しています。なお、同作戦に参加したサメ殴りセンター構成員の情報は現在までもたらされていません。
補遺-接収記録-02: ギル将軍によるサメ殴りセンター構成員に対する戒告:
先の作戦の結果については、既に報告した通り、我々の失敗に終わったことは皆周知の通りかと思う。
我々サメ殴りセンターはあの日、自分たちの手で、拳で、あまりにも最悪すぎる失敗を引き起こした。そう、「失敗」したのだ。
何故だ、と思う者もいるだろう。
サメを殴ることが出来ているのに失敗とはどういうことだ、と考える者もいるだろう。だが、あれは間違いなく「失敗」だ。私はそう断言するし、反論する奴がいればそいつの顔面を吹き飛ばしてやる。異論は一切認めん。
では、何故「失敗」だと断言したか。
それは我々サメ殴りセンターのあるべき姿を振り返るところから始めねばならん。我々はなんのためにサメを殴っているのだ?
商売のためか?
サメへの復讐のためか?
楽しむためか?
殺すためか?否。全部違う。
我々がサメを殴るのは「サメを殴るため」だ。
そこに上も下も、ましてや感情の一切も介入せん。
我々はサメを「殴る」。理由はそれだけで充分だと、既に新人オリエンテーションでも伝えられたはずで、お前らもそれを受け入れたはずだ。
なのに、なのにだ。
何故我々はサミオマリエ共和国を滅ぼしたのだ?あの国は、長らく鮫科存在の中でも特別高い知能を持つ貴重な存在が住んでいた場所であることは遙か昔より知っていて当然な事実だ。
そして戦闘能力もほとんどなく、実証実験のために殴るにしても考えてなさねば、一つ拳を振るっただけですぐに滅ぶことは必至なのは火を見るより明らかだった。
もし財団などの他組織にサミオマリエ人の生き残りがいれば幸運だろうが、もはやその可能性も低いだろう。
ならば、そんな彼らを抹殺するまで殴るのは当然我々の理念に反する話だ。我々は「サメを殴る」ことを目的としている。「サメを滅ぼす」ことはあってはならんのだ。
そうであるにもかかわらず、我々は作戦で彼らの顔面を吹き飛ばし、家々を瓦礫にし、老人だろうと赤ん坊だろうと容赦なく叩き潰してしまった。
これを失敗と言わずとして何というのか。この理屈さえ分からん馬鹿者を隊に配属させた私の責任も重大だと反省している。
その責任の下、隊のメンバーは全員適切な処分を下した。いいか、この理屈を知らなかっただの、分からなかっただのと宣う奴が出てみろ。私が直々に秒で肉塊にしてやる。
……そうだ、その反応が正しい。誰だって殺されるのは嫌なものだ。ならば何故サミオマリエ人を我々は殺したのか。
我々がやったことというは、そういうことだ。
サメ殴りセンターの職員となったなら、これくらいのことは常識と思え。
サメを殴ることだけを考えろ。私情を挟むな。サメを殴ることを楽しむな。殺すことを楽しむな。その結果があのザマに繋がったことをよく理解しろ。
当面、P-8888の開発は凍結することとするよう上に進言しておく。あの装備は職員の戦闘欲求を無駄に高める恐れがあるからだ。
今回の失敗は、未来永劫断じて忘れるな。
補遺-情報制限-03: 現在保護されているSCP-491-SHK個体が20██年█月██日付で財団職員"咬冴舞波"として雇用されるにあたり、上記情報の開示レベルは全てレベル4/491-SHK特別機密指定に指定されました。レベル4/491-SHKクリアランスを有さない人員による情報閲覧は全て制限されます。"咬冴舞波"に対する同情報の開示も、精神的負担および忠誠度・士気の低下を防止する観点から禁止されます。
万が一"咬冴舞波"に対し情報漏洩の疑いが見られた場合はただちにクラスB記憶処理を実施し、関連する事実を隠蔽してください。
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PoI-8S3K("澪朧")に関する調査情報
警告: 以下のファイルはレベル4/491-SHK特別機密指定情報です
このファイルにレベル4/491-SHK権限による認証、もしくは特別機密指定解除権限を有さない人員による認証無しで行われるアクセス試行は記録され、即時懲戒処分の対象となります。
要注意人物記録: PoI-8S3K
財団エージェントが撮影した澪朧。奥の女性はPoI-3F7K。沖縄県[編集済]にて、████年撮影。
名前: 澪朧 (れいろ)
識別ID: PoI-8S3K
確認されているその他の呼称: 真名栂 澪朧(まなつが れいろ)8、レイロア=マナツアガ (Leiloa Manatuaga)9、フィレム(Filemu)10
所属: GoI-6193("魔女による救済機構")
性別: 男性
生年月日: ████年9月19日(咬冴隊員による証言)
財団との関係: 敵対
関連人物: 咬冴舞波(過去に親交あり)、PoI-3F7K"ガーネリア・ベルベッタ"(現在の保護者)
概要: 澪朧は要注意団体"魔女による救済機構(GoI-6193に指定される)"に所属する、現在14歳のサミオマリエ人の少年です。澪朧はサメ殴りセンター(GoI-18153に指定される)による急襲によって滅亡したサミオマリエ共和国の数少ない生存者であると思われ、現在まで彼は東アジア~東南アジア諸国に掛けての範囲で活動していることが確認されています。また各地にて魔女による救済機構の一員として度々財団や他の要注意団体、あるいは一般市民に対する攻撃を行っている様子も見られます。
彼は現在まで魔女による救済機構にて同様に所属するガーネリア・ベルベッタ(PoI-3F7Kに指定される)と行動を共にしている様子が見受けられます。長期の監視により得られた情報から、澪朧はガーネリア・ベルベッタの親族として迎え入れられているかのような言動や行動が確認されており、各種作戦行動時にはガーネリア・ベルベッタの指示のもとで動いている様子も見られます。
澪朧はコミュニケーションに母語であるサモア語のほか英語を用いて会話し、その言動は粗雑で乱暴な印象を与え、高圧的・威圧的な態度を頻繁に示します。澪朧は自身の出身であるサミオマリエ共和国を壊滅させたサメ殴りセンターに対する復讐心を持つと同時に、人類そのものが自身の同種や自身にルーツを持つサメ類への危害を加え続けていると主張し、人類全てに対して強い敵意を向けている様子も見られます。複数の提供元からもたらされた情報から、澪朧は前述の理由により魔女による救済機構に所属しているものであると考えられます。
なお、澪朧はサミオマリエ人でありながら海水に対する抵抗を示している様子が見られます。財団による澪朧とのいくつかの戦闘の際に確認できた様子として、澪朧は海中での行動に対して何らかのトラウマに近似した心理兆候を示していることが判明しており、当該人物との戦闘が避けられない場合は交戦地点を近郊海域へ移動させる作戦の立案が推奨されます。同様にサミオマリエ人でありながら素肌を外気に晒すことに対しても抵抗を示している様子も見られます。
補遺-01: - 咬冴舞波に対するインタビュー記録:
インタビュー記録00800421
データ番号 - RC008.F
日付・場所: ████/04/21 サイト-8148
インタビュー対象: 咬冴 舞波
インタビュアー: 斑座 真利奈
付記: 当該インタビューは、澪朧に関する詳細な追跡情報を得るための一環として行われた。
<記録開始>
エージェント・斑座: ええっと、それじゃあ咬冴ちゃん。PoI、いや、澪朧くんに関する話、何でも小さな事でもいいから、私達に教えてくれるかな。
咬冴隊員: [頷いてから、数秒の沈黙]まあ、ウチが知っとることって言っても、ほとんど詳しくはないんやけど……澪朧は、ウチの、親友やったんや。
エージェント・斑座: 親友? というと、サミオマリエにいた頃の?
咬冴隊員: せやね。ウチが住んどったところから斜め向かいんところに住んどったんや。昔はウチやリャコ、サマナ……ああ、サミオマリエにおった友だちやで! そいつらと一緒に、澪朧、いや、そん時はフィレムって名前やってん。まあその、フィレムとも遊ぶ仲やってんけどな。
エージェント・斑座: なるほど。全員サミオマリエ人?
咬冴隊員: そりゃそうや。海底の国で、人間がハダカで暮らせる訳、ないやろ?
エージェント・斑座: まあ確かに。
咬冴隊員: フィレムはウチもすんごい気に入ってたし、親友やった。人間の世界のことにすごい興味もっとったのも知っとるし、遠出した時は近くに人間が落としたモンがないかとかもいっつも見て回ってたようなヤツやってんな。
エージェント・斑座: それは咬冴ちゃんも一緒に?
咬冴隊員: うん、せやで。一緒に泳いではおもろそうなモン見つけたら持って帰って、ウチらだけしか知らん秘密基地に持ち寄って遊んだりもしたなぁ。おとんおかんに見つかったら「人間のものに近寄っちゃダメ」って怒られるもんやったから。フィレム、今思えば多分、ウチよりもずっと人間が大好きやったんちゃうかなあ。
[咬冴隊員が俯く]
エージェント・斑座: [少し心配げに]咬冴ちゃん? 無理しなくても良いのよ、つらいようなら、一旦休んでもいいからね。
咬冴隊員: ううん。話させて。ちょっとつらいけど、別に苦やないから。それに、ウチの親友が、仲間が生きてたってだけで、ウチは嬉しいし。
エージェント・斑座: 分かった。それじゃあ、続きを話してくれるかな。
咬冴隊員: うん。[数秒、会話が止まる]んでな、あの日。SPCどもが攻めてきたあの日。その時はフィレムや他の友だちと一緒に遊ぶ約束しとってな。フィレムのほか、ルイエやサマナも一緒やってんけど。[数秒の沈黙]あいつらが、町のひとらを次々に殴り殺し始めたのを見て、何も出来んくて。そのうち、おとんもおかんもウチらに逃げるよう言うてな。それで……。
[咬冴隊員が俯く。エージェント・斑座は静かに聴いている]
咬冴隊員: ウチら子サメだけで、なんとか外れのところまで泳いでいけてんけどな。みんな、ウチも含め怖がってた、怯えてたんや。そらそうや、やって、ずっと一緒に暮らしとったみんなが、謎の奴らに次々殺されてるんやもん。みんな、家族を失った。ルイエも、サマナも、リャコも、フィレムも……でもな、あんときの、最後に見たフィレム、ウチは、よう覚えとる。
エージェント・斑座: うん。
咬冴隊員: ウチらは岩で出来た洞窟ん中に隠れてやり過ごそう思うてんけどな。その岩陰で、サミオマリエの様子をずっと見とったんよ。[数秒の沈黙]それでな、あんときのフィレムは……ウチよりもずっと、ずっと悲しそうに、苦しそうに、SPCの連中を睨んでた。絶対に許さへんって、そう言いたそうにや。[数秒の沈黙]けど、SPCの連中に見つかって、捕まって、ウチとフィレムだけになって。もうどうしようもない、そう思うた時に、あいつはウチを庇って、囮になってくれたんや。「必ずまた会える」そう言うて。そんで今に至る、ちゅうわけやね。
エージェント・斑座: それは、今の咬冴ちゃんと同じ意志を持っていた、ということなのかな。
咬冴隊員: ウチもそう思っててんけどな、話に聞くフィレムの今を思うと、どうにもそういうわけでもない気もするな。人間全員に恨みを持ってる、そういう感じがすごいするわ。もしかしたら、あんときからそういう思いを持っとったんやろかな。[数秒の沈黙]あんなに人間大好きやったのに……いや、やからこそなんかな。「自分が大好きやと思っとった奴らにみんな奪われた」って事実に、あいつはショックを受けたんかもしれへん。まあ、ちゃんと会って話せんとわからへんけど。
エージェント・斑座: なるほど。これは全力で彼を見つけないとね……澪朧くんを確保できれば、色々と取り調べはできるし、その時は咬冴ちゃん、あなたにも是非。
咬冴隊員: もちろんや! やって親友やもん、絶対会いたいし、話もしたい。もしかしたら悪い人に何かされてるんちゃうかっていう気もして心配やしな。生きてるとしたら多分、他の要注意団体に入ってる気がするし。絶対、絶対に会って話す。そのつもりやで。
<記録終了>
記録終了報告: 咬冴隊員は、澪朧についてかつて一定の関係を有していたことが判明した。現在の彼とは性格が大きく異なっているものと思われ、さらなる聞き取り調査などを実施する必要があるだろう。咬冴隊員は澪朧の追跡調査への参加に意欲的であることから、現在調査班への参入可否の審議が行われている。
「魔女による救済機構」を示すマーク。中央にはラテン語で「正しい事を為せ、真の事を言え」「生きる事は戦う事だ」と記されている。
補遺-02 - 魔女による救済機構について: GoI-6193 "魔女による救済機構(Witch Relief Organization, WRO)" は、19██年より世界的にその活動が見られる要注意団体の1つです。所属人物のほとんどが魔女を自称する者を初めとする、歴史的に被差別階級・迫害対象にされてきた現実改変者・奇跡論研究者・伝承存在で構成されており、人物のほとんどが総じて人類全般に対する遺恨を残した者です。それゆえ人類に対する敵意は常に有しており、世界各地で魔女による救済機構によるテロリズムが引き起こされています。
設立当初は西側諸国が盛んに行っていた"魔女狩り"に対抗するための自衛組織として形成されましたが、現在は上記に該当する経験を持つ人物を救済・保護・支援するための組織としても活動しています。対外的には"慈善団体"の体をとりますが、実態としての組織構造は階級主義的であり、組織内であっても派閥や厳しい上下関係が形成されている点は特筆すべきです。
魔女による救済機構は財団に対しても非常に敵対的な態度を示しているため、接触・潜入には注意が必要です。関係する人物のほとんどが既知の現実改変者であり、少数の収容の必要がある人物以外に収容・交渉の利点が少ないため現在は組織の壊滅に向けた作戦立案が世界オカルト連合と共に行われています。これらの理由のため、魔女による救済機構の所属人物は特例がない限り率先的抹殺が許容されます。
補遺-03 - ガーネリア・ベルベッタについて: PoI-3F7K "ガーネリア・ベルベッタ(Garnellia Belbetta)" は、14世紀初頭から各種文献に見られるイギリスの魔術師一族"ベルベッタ家"出身の"魔女"を自称する女性です。複数の指向性現実改変能力を有し、奇跡論に関する研究についても成果が出たものは率先して利用するなどしています。通常は10代後半~20代前半のような風貌を示しますが、1400年代に誕生した同名人物が文献にて記述が見られる11ことや、本人自身の証言などから、実年齢は600歳以上であると考えられています。魔女による救済機構には16世紀には既に所属しているという文献上の記録も見られます。現在は同組織の魔導研究部門に所属しており、奇跡論を含めた複合的な超常技術の研究に従事しているものと思われます。
ガーネリア・ベルベッタは自身の一族を魔女狩りによって異端尋問に掛けられた末殺害されている経験から、人類に対する容赦のない害意を有しています。バーミンガム事件12や島津丸事件13を引き起こした張本人としても知られており、それらの行動から「人間がいかに長期間かつ確実に苦痛を感じ続けることができるか」を突き詰めるような理念や思考を有している可能性があります。これらのことから現在も財団および世界オカルト連合は、ガーネリア・ベルベッタの抹殺を最優先事項として各種作戦が立案されていますが、現在まで抹殺には成功していません。
ガーネリア・ベルベッタは人類以外のアノマリーに対しては非常に慈悲深く、友好的な態度を示します14。現在は████年に接触した澪朧に対して懇意的な態度を示している様子が見られ、自身の居住する邸宅15に招き入れ同居していることも判明しています。ガーネリア・ベルベッタと澪朧は互いに信頼し合っているかのように見られますが、ぞの実態や互いの認識についてもたらされる情報には僅かながら懐疑的にならざるを得ないものも含まれており、2名の関係性については注視が必要です。
補遺-04 - ガーネリア・ベルベッタとの関係性について: 澪朧は、前述の通りガーネリア・ベルベッタが居住する邸宅にて同居のような生活を行っており、また外出時も共に行動している事例が圧倒的多数を占めており、彼女の引き起こすテロ事件などにも度々関与していることが認められます。
調査班からの目撃報告では、澪朧によってテロ事件が引き起こされた際、ガーネリア・ベルベッタはその行動に対し彼に賛辞を送っている様子も見られます。澪朧もまた彼女の賞賛を受けて行動しているかのような言動も見られることから、ガーネリア・ベルベッタは澪朧を自身の行動のために利用している側面があるのではないかと推測されています。
その他の調査班からの報告では、澪朧はガーネリア・ベルベッタと寝食を共にするうちに、ある種の歪んだ情愛関係に至っている可能性も示唆されていますが、具体的情報については奇跡論結界による情報遮断が発生しているため不明です。
現在確認されている澪朧の発言記録:
いい加減諦めろ。お前ら人間は、俺達から何もかも奪うことしか出来もしねえくせに、自分たちの大事な物だけは守ろうとする。そんなお前らの身勝手極まりない態度に……反吐が出る。
────██県██市に所在するマンションを襲撃し、乳幼児を強奪した際の発言
いや、いいんだよ。俺はベルベッタに助けられた身だし、その感謝の気持ちを忘れたことなんかない。俺はベルベッタと同じで人間が憎いし……だから言われたことはちゃんとやるよ。
それにしてもベルベッタ、こんなに人間の子どもを連れてきてどうするんだ? まさか子育てでもするなんて言い出さないよな?
────ガーネリア・ベルベッタの邸宅にて、多数の乳幼児を前にしながらの発言
うっ。ま、マジでそれをやるのか? えっあ、う、うん。いや……ベルベッタの言うことに逆らうつもりなんてない、ちゃんとやる! だ、だからそのナイフを、俺に渡してくれ。ちゃんと、ちゃんとやるから……。
────泣き叫ぶ乳幼児の頭部に対してナイフを突き立てながらの発言
ご、ごめん……。俺は、俺は、人間が憎い、家族も、友だちも、土地も、みんな人間に奪われたから、だからそいつらの大事な物を奪ってやりたいって思ってた。ずっとそう思ってた。なのに、俺、俺は……できなかった。刺せなかった。
あっ、いや、違うんだベルベッタ! 俺は裏切るつもりなんてない、だから、俺を打たないで、お願い、お願いだから……次は、次はちゃんとやるから、ごめんなさい、許してください、ベルベッタさん、お願いです、許して……っ!
────乳幼児を殺害できなかった事に対して「お仕置き」を受けた際の発言
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2577572 (14 Jul 2020 12:54)
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